前回1-1
https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12502921779.html
プロチョーネです。アライグマ対策セミナーのご報告、前回からの続きです。隙あらば記していきます。
古谷先生が指摘された問題として、現在の日本列島各地にはアライグマを始めとした野生動物にとって住みやすい環境が整っている点が大きいという話でしたが、食べ物があちこちにある上、住処、休息場所、潜伏場所が各地にあることが問題視されています。安全な場所であるからには当然繁殖をして子育てをする場所にもなりますから、こうした場所が多いほど野生動物の増加も促されてしまいます。
「野生動物の住みか=自然の中」という思い込みが皆さんにはぼんやりとあるかもしれませんが、埼玉県の場合はもはやさいたま市ですら年間300頭台のアライグマが捕獲されており、周囲の自治体でも増加していますからその見解が正しいとは到底言い難いです。県北や中央部のように里山や丘陵地帯があるところならまだしも、平地の都市部であればなおさらに野生動物、とくにアライグマやハクビシンは使用されずに草が生い茂る農地、空き家、神社仏閣、物置、そして侵入出来る穴がある人家に多く住みついていると考えられています。
このような屋根板の脆く、人目から死角になったところはおなじみの侵入口候補です。
床下と壁、天井が繋がっていない家ならまだいいのですが(古い家に多い)、つながっている家ならばこうした床下の格子が壊れたところ(または壊す)から侵入するルートも定番です。アライグマは手の力が強いので天井板や格子を壊す事ができてしまいます。
またアライグマは木登りが得意なのですが、当然建物の外壁、排水パイプ、柱も簡単に上ることができます。
こうして5本指の爪痕が木の柱についていれば確実にアライグマです。
こちらは僕が撮影したものですが、爪痕は柱全体につくわけではなくあくまで登る際に基点にされるのは手足で掴む力なので、爪を使う頻度はそれほど高くありません。掴んだ後に体を固定する時に爪を使うので、それほど深く爪痕はつかないようです。
解像度が低くて申し訳ないですが、このようにほぼ垂直の寺の壁をフサフサの体を揺らして登ってしまいます。登ってしまえばあとは好きなように糞尿したり、子育てしたり、周りの食べ物を漁りながら暮らしてしまいます。彼らの住居事情は場合にもよりますが、大抵の場合はこうした滞在場所を複数持ちながら巡回するように生活している気がします。だからこそ都市部で被害連絡を受けて罠を仕掛けてもなかなか捕まらないのでしょう。
さて、こうして野生動物は餌も豊富で滞在できる場所も多い人間社会に非常に近い領域で暮らしているわけです。ただ野良猫やカラス、スズメほど姿を見せないだけで・・・。今の状況を放置すればそのうち野良猫並みにアライグマがうろつくようになるかもしれませんね。
続きはまた次回。
次回