”何となく”覚える初心者定跡 相掛かり
相掛かりはお互いの飛車先の歩を延ばして歩を交換しあうところから始まる急戦調の将棋。
玉は薄く囲い、攻守にバランス感覚が必要で、
手順も覚える必要があるので、ちょっと初心者には向いていない戦術でもあります。
とりあえず基本図はこんな感じです。
飛車先を伸ばし、角の腹に金を上げ、歩を交換に行きます。
それ以上は分岐が多く覚えるのが難しいので、ここまでにします。
ただ、そんな初心者の方にも試していただきたいのは、相掛かりでの棒銀戦法です。
攻めの大事な考え方が詰まっており、攻めの基本がてんこ盛りです。
●仕掛け方 棒銀
棒銀は飛車の筋から銀を特攻させて、銀と守備駒との交換、飛車成りを狙っていきます。
攻め方としては、角の頭にマスに駒や駒の利きを集中させて数の攻めで突破します。
飛車と銀の連携は攻めの基本ですし、狙いが非常に単純ですので、初心者が最初に覚える戦法に適してますし、
他の戦術にも応用が利きますのでおススメです。
矢倉や対振り飛車でも棒銀はできますが、わざわざ説明を相掛かりの仕掛け方として紹介したのは1つ理由があります。
矢倉や振り飛車では△3三の位置に銀or角がおりますので、飛車先の歩を交換することができません。
そのため銀をどちらかの横の筋の歩と絡めながら、4段目(後手なら6段目)に進出させないといけません。
銀の筋がズレれば飛車の紐がなくなってしまうので逆に「浮き駒を狙え」ということでカウンターの心配もあります。
そこで持ち駒の歩を打ち込んで交換して4段目まで進めば、後は突っ込ませるのみです。
「飛車先の歩交換三つの得あり」といった格言がありますが、その意味も実感できますし、
その他でも応用がききますので、一度お試しください。
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”何となく”覚える初心者定跡 『居飛車』 角換わり系 横歩取り
さて、最後は「角換わり系」と「横歩取り」。
まとめて書くつもりですが、別にこの2つが似ているわけではありません。
共通点としては、初心者が手に負えないタイプの定跡です。
正直、私もあまり研究した事ないし、実際に指したこともない。
どちらも詰み近くまで定跡が確立されているものもあるタイプで、
既に多くの分岐が「どちらが有利」という結論が出てしまっており、
「知ってる方が有利」ということになります。
当然初心者は「知らない」わけですから、指せなくて当たり前なわけです。
特に横歩取りは相掛かりと同じように、玉を薄く構えますので、
かなりの攻守のバランス感が必要になってきます。
こういうのは大局観の世界ですし、経験がものを言いますから、
当然初心者が不利なのは間違いありません。
そんなことから初心者には難しい戦法と考えているわけですが、
唯一フォローするとするなら定跡を完全に覚えてさえいれば、
前例を外れるまで互角には戦える戦術でもあるんですけどね。
それだけ研ぎ澄まされた定跡なので、
あくまでトレーニングのためと割り切れる人なら、
逆に良いかもしれませんね。
●角換わり系
角換わり系というのは相意飛車で早めに角を交換し、
そこから角の打ち込みを気をつけながら駒組みを進めていく将棋です。
これがポピュラーな角換わり腰掛け銀先後同型ってやつです。
この場合、40手目前後で先手と後手がまったく同じ駒組みになります。
ここから先手が歩をぶつけて開戦、となるわけですが、
逆を言ってしまえばこの形になるまで、相手の駒組を見て近くなるように、
自分の駒組を考えていけばよいということで、
そうすればなかなかやられない、ということになります。
つまり、角交換されたら、
・相手の駒組みを真似する
・角がうちこまれないこと、駒を損しないように気をつけること
これだけ意識して同型まで指すだけでも、十分にトレーニングになります。
●横歩取り
これに関しては、初心者にわかりやすい説明が思い浮かばない。
最近の流行の戦法だから、プロの棋戦でもよく出てくるので、
NHK杯なりモバイル中継なりで観戦して、
イメージを掴んでください。
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”何となく”覚える初心者定跡 まとめ
将棋に完璧な戦術は存在しません。
この文章に偶然たどり着いた人は、
きっと「良い戦術はないかな?」というところで探して居た人も多いのではないかと思いますが、
戦術も将棋が強くなるために必要な要素の1つでしかありません。
代表的なものを簡単に駆け足で説明してきましたが、
当然ながら、この程度の知識では簡単に勝てるようになりません。
あくまで基本的なもので、それ以上にするためには、
定跡書やネット検索で定跡の枝葉まできっちりと覚えたり、
自分なりに修正を加えることで、弱点を克服していくのが戦術だと思います。
とため息を漏らした方がいるかと思いますが、
「相手はこうしてくるだろ、ということは先にこうしないといけないのか?」といったことを考えるのは、
正直なところ、将棋の1番面白い部分だと思います。
そのためには、もっと将棋を理解しないといけないですし、
戦術以外にも勉強しないといけない部分も出てくるでしょう。
しかし、それは必要に応じてやっていただければ良いと思うので、
定跡を暗記するなんて大変な作業は後回し、後回し。
まずは自分なりに指したい戦術を思いっきり指してください。
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