ドイツのモダンヴァイオリン、リヒャルト・ヴァイデマン | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。

こんにちはガリッポです。

音が良いとか悪いと口で言っても共通理解を得るのは難しいものです。
私が音が良いと言う時はどれくらいのことを言っているのかを説明しましょう。

お客さんがやってきて気に入ったものを買うというのが商店では普通でしょう。
弦楽器も同じです。
そうなるとたった一人その楽器を気に入る人が現れれば良いわけです。それ以上欲しい人がいても二つと同じものはありません。

一人でも気に入る人が現れれば「音が良い」のです。
たった一人と思うかもしれませんが、その一人が大切なお客さんではないでしょうか?
一人でも数ある楽器の中から選ばれるのは簡単ではありません。独りよがりの楽器作りをしていたら通用しません。

そりゃお店の効率を重視するなら同じ製品を大量に仕入れて、お客さんには自分で選ぶ自由を与えない方が良いでしょう。それで不満を持っている人が多くいるのです。


お客さんの楽器選びを見ていると、人によってかなり違うことが分かります。
お客さんの方はそんなことは分からないと思います。自分はまっとうなものを選んでいると思っています。

まず人によって試奏で弾く曲が全然違います。
たまたまその曲を練習しているからというのもあるでしょうが、楽器がこう鳴ってほしいというこだわりがそこにはあります。

まず基本的には「鳴る」ということです。
10本ヴァイオリンを並べて中によく鳴る楽器があれば「おおおお!これは良いなあ」と普通は思います。そのようなものが選ばれるのは普通でしょう。

それに対して「美しさ」は主観的なものです。人によってはすごく感じるし、人によっては気にも留めないというものです。素晴らしい音楽が流れていても、感動する人もいれば、聞き流している人もいます、それと同じです。
音が大きければ聞き流す人は少なくなるでしょうが、やかましいとは紙一重です。


これならおそらく買う人がいずれ現れるだろうと思えば「音が良い」と考えます。とりあえず鳴りさえすればその時点で音が良い楽器と言えます。


私自身が100%気に入っているかどうかで言っていません。音が良いと言っても私自身が気に入っているとは限りません。「こんな音の楽器があるよ、試してみては?」というだけです。試してみれば自分の好みでないということはあり得ます。嘘つきやがってと思わないでください。

それに対して、鳴ればいいってもんじゃないという人もいるでしょうし、どんな楽器でも鳴らしてしまう人もいます。そうなると全く違う楽器が選ばれます。そのようなものも結果として演奏者の感性とマッチすれば良い音が出ます。

また学生さんが基本から楽器演奏を勉強したいとなれば、あまり偏ったものや気難しいものはお薦めしません。一方趣味でそんなに上達するつもりもないけど楽しみたいというのであれば、楽器自体がすでに美しい音を持っているものなら美しさを堪能できますし不快感が少ないと思います。

全てを兼ね備えたものが欲しいと思えばとても難しいでしょう。そのような最高なものが欲しいなら少なくとも1億円は工面してください。
現実には皆予算には限界があって、その中でいかに良い楽器が買えるかが重要になると思います。お金なんていくらかかっても良いという人は世界の高級店に行ってください。それでも実際に音が良い楽器はすでに演奏者が手放さないので買えるかはわかりません。


読者の方にはいろいろな経験をされてきた人がいるでしょう。
特に理解が難しいのは理系的な発想の人です。
弦楽器は現代の科学技術とは異なる時代の考え方で作られました。私はどちらかというと料理や、食品加工、つまり食文化に近いように思います。
よく「こんにゃくなんてどうやって思いついたんだ?」と言われますがそんな感じです。

また頭からすっぽり抜けているのは商業です。
あるメーカーの製品が高性能にできているのは、技術者の情熱の詰まった技術力だと思うかもしれません。しかし、大手企業に比べて知名度や営業力が劣るとなかなか売れません。高性能なものならマニアックな理系趣味の人たちが認めてくれるわけです。メーカーのポリシーだとかそういう問題ではなく高性能でないと誰も買ってくれないということです。
マニアたちがこれは良い製品だと絶賛しているのに、実際の販売数は僅かだったりします。一般の人は何とも思っていないからです。オーバースペックと言われることがあります。そのような性能は実用上は要らないのです。

商品は買う人の好みに合ったものじゃないと売れません。
それがマーケティングの概念です。

また時代というのもあるでしょう。
私はバブルの時代は小学生で僅かに記憶にあるだけです。中高生の多感の時期は「不況」「不況」と言われて育ってきました。ものが余って売れなくなりました。

物が不足している時代は作れば作るほど売れていくわけです。今ではお客さんは自分が主体で気に入るかどうかで選ばれます。気に入らなければ買わないというわけです。そのような考え方が染みつくと、高級品になるとより自分の好みに合っているかが厳しく評価されるでしょう。かつては高級品というだけであこがれの対象だったはずです。「一流品」と信じられていれば自分の好みなんて考えなかったのです。様々なウンチクが語られ、自分では精通して物の良し悪しが分かるつもりだったのでしょうが、通を気取ること自体が何者かに踊らされています。ウンチクなんかよりも自分が好きかどうかが重要なのです。

これがバブルと前と後で著しく変化した部分だと思います。
つまり「消費者が選んだものが良いもの」というわけです。

日本ではアパレル業が不況だと言ってバブルのころに繁栄した企業が倒産したりしています。これに対してユニクロが一人勝ちなのですが、このような考え方の逆転があると思います。業績が悪化している企業は未だに上から目線でやっています。
東京都心の一部の人の感覚に日本中の人が憧れていると思い上がっていて、そんなのはどうでもよくて暮らしやすければいいと考えている多くの人は見えていません。

消費者が選んだものが良いものというと疑問を持つ人もいるでしょう。マクドナルドのハンバーガーが世界一おいしい食べ物かという反論です。多数決を言っているのではなくてあなたが好きなものが良いものです。

このとき問題は、「素人の自分なんかには選べない」と自信が持てないことです。専門家に「これは良いものだ」と言ってもらいたいのです。
でもそれをやっているといくらお金があっても足りません。業者はどんどん高いものを薦めてくるでしょう。特にヨーロッパでは相手を信用したら負けです。
企業の不祥事で「信頼を失った」なんて日本のニュースを見れば、「信用なんてしてはダメだよ」と海外に住んでいると思います。


職人として言えることは、品質が高いものは作るのに時間がかかるので生産コストが高くなる事、そのため高級品だということです。作業時間を短縮する方法で作ってあるものは高級品ではありません。値段は品質が高い物の方が高く、品質の悪いものは安くなります。もちろん短時間で高品質なものを作れれば、その能力で多く収入が得られるのは当然です。ヘタクソで製造に時間がかかったものを高級品とは言えません。

職人としては品質が高いものを「これは良いものです」と言うことができます。しかし音については品質には比例しません。音に関係のない部分にコストがかかっているからでもあります。
それ以前に音の仕組みは解明されておらず弾いてみないとわかりません。音が良いか悪いかの専門家ではないのです(自分の意見はあるでしょうが)。
しかし安物を高級品の値段で売っていればすぐに気付きます。それについてはおかしいと指摘します。普通の才能の人が作ったものを「天才」と言って売っていればおかしいと指摘します。


一方、戦前くらいまでの作者であれば取引相場というものがあります。これはオークションなどの結果に基づいて決まっているのであって、音を測って値段を付けているわけではありません。音の量り売りはありません。
知名度がとても大きく影響します。しかし弦楽器というのは新しい発明品ではないので特定の人だけが作れるものではありません。特定の人のものだけがずば抜けて優れているとは考えない方が良いでしょう。どこの誰が作ったものに音が良いものがあるかはわからず、調べられてもいません。あらゆる作者の楽器をくまなく調べて格付けをしている国際機関はありません。知られていない作者にも音が良い楽器がある可能性があり、値段はずっと安いのです。そのようなものを当ブログでは好んで紹介しています。
古い時代になれば流派によって作風も大きく違いますし、個人差も大きいですが、近代以降はどれも似たようなものばかりですから、ますます分かりません。


マーケティングについてイメージしやすいのはアイス屋さんです。
アイス屋さんに行くとたいてい10~20種類くらいはありますかね?
でも売れるのはほとんどがバニラ、チョコ、イチゴ味です。

もし和服を着て銀髪オールバックで中国風のペンネームを名乗る人が「アイスはバニラに限る!それ以外は邪道だ!」と言っていたら「アイスなんて好きなものを食べればいいだろう」と皆さんは思うでしょう。ヴァイオリンも全く同じです。

今まで一度もアイスクリームを食べたことが無い人がいて迷っていたら「とりあえずバニラ味を食べてみたらどうですか?」と薦めるでしょう。しかしバニラ以外は邪道だとは考えていません。「またバニラ味か」と飽きてしまったら他のものも食べれば良いです。

お店としてはそんな客の要望にもこたえるようにいろいろな種類ものを取り揃えています。「バニラ一本で勝負するのが志が高い店だ!」と考えているのなら好きにしてください。
多くの種類の中から好きなものを選んだというプロセスも満足感につながります。
店としては仮にバニラ、チョコ、イチゴ味ばかりしか売れなくても店頭には揃えておく必要があります。
アイスマニアならすべての味を試した上でで結論付けるかもしれません。それが精通したということで「アイスはバニラに限る」とそれ以外を食べたことがないのは詳しい人とは言えません。

そういう権威主義の頑固な石頭に対して、若い世代は反感を持ちます。これに対抗するため〇〇産の最高級の材料を用い、独特な食感を作り上げるために長年苦労して編み出した方法で作られたこれのほうがおいしい・・・・というのがウンチク重視のバブル時代です。権威主義に対抗するために強い理屈が必要だったのでしょう。
今はそんな必要もなく自分がおいしいと思えば何でも良いと考える人がようやく市民権を得ようとしているのではないでしょうか。

ちなみにヨーロッパに来てバニラアイスの味が日本と全然違うことに驚きました。
最初は違和感が強くて嫌でした。しかし慣れてくると今度は日本のものが物足りなく感じます。こちらのほうがはるかにバニラの風味が強いものです。バニラは植物の豆の部分です。
乳製品はさすがにヨーロッパのものはおいしく感じます。砂糖と乳脂肪分がたっぷり入っておいしいのは当たり前です。それに強いバニラの風味もあっておいしく感じます。しかし毎日食べていると体がおかしくなってしまうでしょう。かき氷のほうが本当に暑いときはさっぱりしています。

これは慣れの問題で最初は変だったのが慣れたらそれがおいしく感じるわけですから不思議なものです。
楽器の音をどう感じるかも経験が作用するのは間違いないでしょう。日本では歴史が浅いので量産品も新品のものが多いはずです。ヨーロッパでは物置から出てきた古い楽器を修理して使うことが多いです。ミルクールでは19世紀後半、マルクノイキルヒェンでは戦前にものすごくたくさんの楽器が作られました。そのようなものに慣れていると新しい楽器には違和感を感じるでしょう。日本ではその逆に新しい楽器が普通なら古い楽器の音はくすんで感じるかもしれません。

ビオラは古いものを入手するのが難しいです、作られた数が少なくサイズがしっくりこないからです。ある人は新作のビオラを使っていて、カルテットで他のメンバーが古い楽器を使っているので自分だけ浮いてしまうと私が作ったビオラに買い換えました。日本なら逆のことになるかもしれません。人間はやはり周囲には影響されるものです。お店に入ればお店の空気に飲まれてしまいます。
住宅も日本の家屋は伝統的に音を吸い込むようにできています。ヨーロッパではとてもよく響きます。人々に染み付いた感覚も違うことでしょう。

純粋に音だけで選んでも日本とヨーロッパで違うものが選ばれるのは当然です。それをとやかく言うつもりはありません。逆に言うと「世界最高の音」なんてのは無いのです。「世界的に評価が高い作者」の楽器が東京に売っていたとします。ヨーロッパの田舎の人たちは試しに弾いても全く興味を持たないかもしれません。そもそも世界的に評価が高い作者のものが何で優先的に東京にあるのか不思議です。東京の業者しか買っていないと考えたほうが自然でしょう。


こんな話をブログではずっとしてきています。ユーモアなども混ぜて皮肉たっぷりにやっていますから、頭が固いと意味が分からないかもしれません。そのあたりも諸刃の剣です。弦楽器についてよく理解するには頭を柔らかくしてほしいと思います。

その結果好きな音の楽器を選んだなら何を選んでも文句はありません。


リヒャルト・ヴァイデマンのヴァイオリン


以前紹介したヴァイデマンのヴァイオリンの修理が終わりました。

傷んでいたコーナーを直して付属部品を交換しニスを補修したのが主な内容です。

ニスはほとんど色が無いようなものですが、木材自体が古くなっているので黄金色になっています。ニスの黒っぽい所は掃除したら取れて行きました。そのためアンティーク塗装としてつけられた汚れではなく天然の汚れのようです。しかしf字孔の周辺やエッジやコーナーの溝には汚れが取れきれずに残っています。人が人為的に描いたのとは違う自然なグラデーションがあります。私はダビンチのモナリザに見られる陰影の手法(スフマート)で描いたりしますが、他人の楽器ではほとんど見たことがありません。
100年くらい経った楽器では全体的にはきれいなので独特の雰囲気になります。フルバーニッシュで明るい色のニスでも顕著です。
これを描くのではなくて、汚れを付けては研磨して自然に再現できないか研究していますが、もう一つうまくいきません。やはり意図的に描くしかないようです。

裏板などのカエデ部分はステインの着色もあるでしょうが、黒くなりすぎずほど良い感じです。


ニス自体にはほとんど色がありません。
クリアーのニスがもともと塗ってあって場所によっては剥げて地肌がむき出しになっているところがあったので無色のニスで補っただけで済みました。簡単な方です。過去の修理ではオレンジのニスが塗られていて失敗しているところがあります。オレンジが強い、つまり赤すぎるというのはよくある失敗です。

アーチは全体的にモダン楽器らしいフラットめのものですが、特に駒のところが頂点に高くなっていて、それ以外のところは真っ平らになっています。フランスのモダン楽器でも見られる特徴で、ストラディバリとは違います。ストラディバリは上が平らになっています。

裏板も同様です。つまり裏と表が同じようなアーチになっているということです。これもフランス的です。

他の部分は以前紹介した記事を参照してください。
https://ameblo.jp/idealtone/entry-12670550990.html


板の厚みは裏板を見てみるとはっきりフランス的な特徴があります。中央だけが厚くなっていてそれ以外がごっそり薄くなっています。
表板は中央のf字孔の間は厚みがあります。フランスの楽器はどこも同じくらいの厚さになっているのが典型です。
それでもグラデーションと言うようなものではなく真ん中だけが厚くて他は同じような厚さになっています。

モダン楽器としては教科書通りのものと言えるでしょう。

お値段は?

値段はオークションなどによって相場が決まるという話でした。しかしこの作者も本で調べてもさほど有名ではなく生年没年が書いてあるだけだったりします。もうちょっと詳しい本でも記述はわずかで師匠の名前が出ていますが、その人も有名ではありません。
ドイツのヴァイオリン製作者協会が出したモダン楽器の本には楽器が出ています。最新の知見ではドイツのモダン作者を代表する作品ということでしょう。そちらは後の時代のオレンジ色のフルバーニッシュでいかにもドイツのモダン楽器という感じのものです。

いかにしてフランス風の作風を学んだのかもわかりません。またフランスの楽器に似せようという感じでもなく、基礎としてフランスの楽器製作があるという感じがします。

作者が(まだ)有名ではないため、値段の相場は出ていません。有名ではありませんが職人が見れば立派なモダン楽器であることは一目瞭然です。1886年製ということで19世紀のものとなるとよくあるドイツのモダン楽器よりもちょっと古いです。そのため貴重なものです。

値段を付けるのは難しいものです。商品としてオークションで特に注目されるタイプではありませんが、品物自体はよくできています。音響的な構造でもモダン楽器の基本どおりのものです。

このような楽器が知られていないのは勉強不足の人が多いということですね。
というよりもヴァイオリンというのはそういう物なんです。特定の人にしか作れないものではないのです。ちゃんと修行すれば十分なものができます。でも知られているのはそのうちごくわずかで人気が集中してバカバカしい値段になっています。何らかの関連のある作者なら粗悪なものでも値段が上がっています。

オークションのような市場原理で値段を付ければ100万円にも満たないかもしれません。でもこれはおかしいです。
現代の作者はそれよりも高い値段です。130年以上前に作られた見事な楽器が100万円もしないのなら、現代の職人はそれよりもずっと安い値段で売らないといけません。単純に音の出やすさなどでは全くかなわないからです。

したがって200万円くらいの値段を付けても高すぎるということは無いと思います。作者の名前がはっきりしていてドイツの一流のモダン作者の一人ということですから当たり前です。

オークションで買い手がつかなくても、店頭では十分可能性があると思います。オークションに参加する人と、演奏するために楽器を買う人は趣向が違うからです。

それでも東京のクレイジーな楽器相場に比べれば安いでしょう。

気になる音は?


師匠のチョイスでエヴァ・ピラッチ・ゴールドを張ったのですがこれがしっくりきません。そのためよくわからないです。

でもやはり豊かでボリューム感があります。音量があると感じるものです。自分で弾くと新作は線が細くてはっきりしたように聞こえますが、あたり一面が音で満たされるような感じがあります。
離れて聞いてもモダン楽器らしい堂々としたスケール感のある音がします。
「腹から声が出ている」という感じがします。今までそんな表現をしたことがありませんがこの楽器でも、一流のモダン楽器でもこの前見習が作った楽器でも、そんな表現が当てはまることに気づきました。板の薄さによるところがあるでしょう。
このため低音は深みがあり、中音域でも響きがあってバランスは整っていると思います。高音はやはり鋭さはあります。モダン楽器ではよくあるものです。好みの問題です。

ごくまともなモダン楽器だと思います。見た目も黄金色なら音も新作によくあるような明るい音とは違い、渋い味もあると思います。極端に癖も強くなくビックリするような個性的なものではありません。

ピラストロ社でもオブリガートやエヴァピラッチのころは新技術がはっきりと成果を上げていたようですが、最近は頭打ちのように思います。エヴァピラッチゴールドはオールド楽器で元気が無いようなものには合うのかもしれません。
チェロの弦はとても優秀なだけに残念です。

このように弦一つでも微妙なことになってしまうので、大雑把に全体的に見て潜在能力を把握しないといけません。細かいセッティングは使う人が詰めていく必要があります。

大雑把にとらえればまっとうで優秀なモダン楽器だと思います。
200万円という値段を考えれば間違いなく買って損が無いものです。しかし音はあくまで好みですから好きじゃないという人は買うべきではありません。
基本的な能力は備えていると思いますので、候補として十分良い楽器だとお薦めできると思います。

音大で学ぶような人は、このようなものをいくつか試奏して気に入ったものを選ぶというのがうちでは普通です。そういう立派な楽器です。