H31技術士予想問題と解答例(コンクリート構造物) | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

【問題7】

配水池等のコンクリート構造物の点検の必要性を説明した上で、劣化要因とその対策を述べよ。

 

 

解答例

1 配水池等のコンクリート構造物の点検の必要性

 コンクリート構造物は、経年劣化によるひび割れ等が生じることがある。配水池の場合、漏水、浸水、内面剥離等による水質悪化が生じ、鋼材の腐食進行により躯体の強度低下を招く可能性がある。このため、定期的に清掃・点検(5年周期)を実施し、劣化の有無を確認した上で、適宜、補修・更新を行う必要がある。

2 劣化要因

①中性化

二酸化炭素とセメント水和物が反応して、pHが低下する。鋼材が腐食し、コンクリートのひび割れ、鋼材の強度低下を招く。

②アルカリ骨材反応

骨材のシリカ成分とセメント中のアルカリ成分が反応、拡張することにより、コンクリートにひび割れを発生させる。

③塩害

海砂等を使っている場合、鋼材が腐食し、コンクリートのひび割れ、鋼材の強度低下を招く。

④凍害

水分が凍結・融解を繰り返すことで、コンクリートにひび割れ等を発生させる。

3 劣化対策

点検により上記のような劣化が確認された場合、補修を行う必要がある。補修工法としては、断面修復工法、表面処理工法がある。中性化については再アルカリ化工法、アルカリ骨材反応と凍害については水処理、塩害については脱塩工法もある。補修による長寿命化を行うことは重要だが、土砂災害や震災等の被災リスクや使用からの経過年数等について、総合的な評価を行い、適切な時期に更新を行う必要がある。

 

【上記以外で勉強するべき事柄】

・配水池が有するべき耐震性と耐震化の進め方

・配水方式(自然流下方式と加圧方式)

 

 

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