【問題7】
配水池等のコンクリート構造物の点検の必要性を説明した上で、劣化要因とその対策を述べよ。
解答例
1 配水池等のコンクリート構造物の点検の必要性
コンクリート構造物は、経年劣化によるひび割れ等が生じることがある。配水池の場合、漏水、浸水、内面剥離等による水質悪化が生じ、鋼材の腐食進行により躯体の強度低下を招く可能性がある。このため、定期的に清掃・点検(5年周期)を実施し、劣化の有無を確認した上で、適宜、補修・更新を行う必要がある。
2 劣化要因
①中性化
二酸化炭素とセメント水和物が反応して、pHが低下する。鋼材が腐食し、コンクリートのひび割れ、鋼材の強度低下を招く。
②アルカリ骨材反応
骨材のシリカ成分とセメント中のアルカリ成分が反応、拡張することにより、コンクリートにひび割れを発生させる。
③塩害
海砂等を使っている場合、鋼材が腐食し、コンクリートのひび割れ、鋼材の強度低下を招く。
④凍害
水分が凍結・融解を繰り返すことで、コンクリートにひび割れ等を発生させる。
3 劣化対策
点検により上記のような劣化が確認された場合、補修を行う必要がある。補修工法としては、断面修復工法、表面処理工法がある。中性化については再アルカリ化工法、アルカリ骨材反応と凍害については水処理、塩害については脱塩工法もある。補修による長寿命化を行うことは重要だが、土砂災害や震災等の被災リスクや使用からの経過年数等について、総合的な評価を行い、適切な時期に更新を行う必要がある。
【上記以外で勉強するべき事柄】
・配水池が有するべき耐震性と耐震化の進め方
・配水方式(自然流下方式と加圧方式)
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