技術士合格法(解答【Q9重要給水施設管路】) | 技術士を目指す人の会

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H30年度技術士二次試験(選択科目)予想問題を作成しました。

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以下は、Q9(重要給水施設管路)の解答例です。

 

【問題】

重要給水施設管路の耐震化について計画策定を行う技術責任者として、次の内容について記述せよ。

①重要給水施設の定義・種別

②重要給水施設管路の設定方法

③計画策定の手順・留意点。

 

【解答作成に必要な情報】

1 重要給水施設の定義・種別

重要給水施設は震災時においても給水が特に必要な施設であり、種別としては①医療機関(災害拠点病院等)、②避難場所、③福祉施設、④防災拠点(行政施設、警察署、消防署等)等がある。

 

2 重要給水施設管路の設定方法

水源から重要給水施設までの供給ルートを、耐震性を有する管路で連結させる必要がある。このため耐震化を進めるべき重要給水施設管路は、導水管、送水管、配水本管及び配水支管を含むものとする。重要給水施設への供給ルートは複数存在するが、早期耐震化を実現するため、耐震管(又は耐震適合管)以外の管路の延長が最短になる1ルートを選定し、重要給水施設管路の全体延長とこれらのうち耐震性を有する管路の延長を把握する。

 

3 計画策定の手順及び留意点

以下の①~⑤の手順で計画を策定する。

①重要給水施設及び重要給水施設管路の設定

重要給水施設は候補が多く、全てを重要給水施設に設定すると重要給水施設管路の延長が長くなり、早期の耐震化実現が困難になる。このため、防災部局と調整し、施設の復旧優先度との整合を図り、重要給水施設の選定を行う。重要給水施設管路の設定は、前述の「2」のとおりであり、1ルートを選定することに留意する。

②重要給水施設管路の耐震性評価

重要給水施設管路の耐震性評価を行うため、マッピング等を用いて各路線の管種、布設環境等を確認する。水管橋、橋梁添架管等については、上部工、支承部、下部工、構造物取合部等の耐震性評価を行うことに留意する。

③耐震化目標の設定

 計画期間を概ね10年として、最終年度における重要給水施設管路の耐震化率を耐震化目標として設定する。耐震化の現状、計画期間で布設可能な延長等を踏まえ、適切な目標を設定する。

④重要給水施設管路の耐震化の検討

 耐震化する路線、布設延長を整理するとともに、弁室との取合部における伸縮可撓管の設置、フランジ部の強化、水管橋等における支承部伸縮継手の耐震性確保、落橋防止措置等の対策を検討する。また、施設整備には長期間を要するため、これと並行して、重要給水施設管路の復旧作業に要する人員、機材等を確保し、応急復旧対策を確立することに留意する。

⑤耐震化計画の策定および推進

重要給水施設管路の重要度・耐震性を総合的に勘案して耐震化の優先度を設定する。重要度は、管路の種類、口径、重要給水施設の種別、収容人員等を勘案して決定する。耐震性は、管路の耐震性の有無、液状化の有無、老朽管の占有延長等を勘案して決定する。

耐震化優先度に基づき年度毎の布設管路を決定し、事業量、事業費の算定を行い、耐震化計画を立案する。計画はアセットマネジメントとの統合し、住民・関係者への説明責任を果たす。対象管路を段階的に拡大しながら耐震化を推進することが有効であることから、取組をPDCAサイクル化することが重要である。

 

 

●ちょっとした感想

わかっちゃいるけど難しい、それが重要給水施設管路ですね。




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