技術士合格法(解答【Q1膜処理】) | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

H30年度技術士二次試験(選択科目)予想問題を作成しました。

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以下は、Q1(膜処理)の解答例です。

 

【問題】

 膜処理のファウリングの原因・影響・対策について述べよ(600字)

 

【解答例】

膜処理は、原水や排水処理施設からの返送水に含まれる懸濁物質やクリプトスポリジウム等を樹脂製の有機膜等を用いてろ過する処理方式である。膜処理は、砂層ろ過に比べて運転管理が容易であり、浄水場において省力化、省スペース化等を図ることができるが、ろ過の継続に伴いファウリングが発生する。

ファウリングは、膜の表面・内部や流路に、原水等に含まれる懸濁物質、カルシウム、金属類等の原因物質が付着することにより発生する。

ファウリングにより、ろ過水量が減少、運転効率が低下する。また、膜に付着層が形成されると、微生物が生息し、膜が汚染され、給水に甚大な影響を及ぼす可能性がある。

このため、ファウリング対策として、定期的に膜洗浄を実施する必要がある。

膜洗浄の方式には、物理洗浄と薬品洗浄がある。

物理洗浄は、水・空気を膜に逆流されることにより付着物を取り除く。ろ過水量、膜差圧等を常時監視し、自動で実施する。

薬品洗浄は、物理洗浄では取り除くことができない付着物を除去するもので、付着物の種類、程度と膜の材質を踏まえて適切な薬品(酸・アルカリ・次亜塩素酸ナトリウム等)を選択する。数か月から1年の頻度で実施する。

これら膜洗浄を実施している間は能力が低下するため、予備力を確保した上で、処理系統の複数化を図る必要がある。

また、膜の状況を定期的に点検・診断し、膜洗浄によっても機能回復しない場合、膜の交換を行う必要がある。

 

 

【膜処理について上記以外で勉強する事柄】

 ・膜処理装置の設計時の留意点

・クリプトスポリジウム等対策を想定した膜処理と紫外線の比較

 ・伏流水等のろ過処理を想定した膜処理と砂層ろ過の比較

 

 

 

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