●憶え直すべき最適なタイミング
実は、資格コンサルタントで作家の高島徹治さんが、記憶を定着させる効果的な方法について説明しています。
その方法とは、復習するタイミングを工夫するというものです。
記憶は、何もせずに放置しておくと、エビングハウスの忘却曲線に沿って消えていきます。
ちょうど1週間目あたりを節目に、再認可能(ヒントがあれば思い出せるという記憶)から、完全忘却(まったく思い出せない)に移行するのだそうです。
逆を言えば、1週間目が到来する前に、もう1回憶え直せば、その情報が忘却の彼方に行くことを防ぐことができるわけです。
もちろん、1回、憶え直すだけで記憶が定着するわけではありません。
高島徹治さんは、記憶のメカニズムを考慮すると、1日、1週間、1か月を節目に憶え直すという作業を行えば、記憶が定着すると言っています。図9.2のエビングハウスの忘却曲線によれば、1週間目で残る記憶量が25%、2週間後ではさらに忘却が進みますが、1週間目に憶え直せば、2週間後でも70%を超える記憶が残ることになるのだそうです。さらに、1か月後、憶え直せば、かなりの情報量が長期記憶に移行します。
つまり、1日、1週間、1か月、計3回、憶え直せばいいことになります。仮に、1週間毎日、憶え直すという作業を行うと7回やることになりますし、1か月毎日行うと30回になります。これを3回に減らすわけです。
闇雲に記憶するのではなく、タイミングを見計らって記憶することが重要です。
●5回想起法
では、僕は3回で記憶できたのか?
残念ながら、僕の場合、3回では記憶は定着しませんでした。
1日、1週間、1か月を節目に3回記憶するというのは、あくまでも基本の回数です。記憶力には個人差があります。
人それぞれのやり方が必要です。
そこで、おススメなのが、「5回想起法」です。3回に2回プラスしたものです。具体的には、1日、1週間、その翌日、1か月、その翌日という具合に5回、確認と憶え直すという作業をするものです。図9.3のとおりです。
1週間目の翌日と1か月目の翌日を追加したがポイントです。
記憶というものは、寝ている間に定着するのだそうです。つまり、憶えているかどうかの確認を一日に何度も何度も繰り返してやるよりも、一旦睡眠をとってから、翌日、憶えているかどうか確認した方が合理的だということです。
寝ている間も脳が勝手に勉強してくれると考えると、少し、気持ちが楽になります。
それから、翌日というのは、本来は24時間後を意味するものですが、個人的には、前日の夜、記憶したものを翌朝確認するのがいいと思います。前日やったことを記憶していることを確認できれば、努力が報われることを体感できます。これがモチベーション維持につながります。それから、朝勉強するという習慣も身に付きます。
僕は専門家ではありませんので、脳の仕組みについて詳しくは説明できませんが、「5回想起法」で記憶作業をした結果、高い効果が得られました。おススメです。
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