●「くっつける」とはどんなことをすることなのか
試験本番を想像してみましょう。
予想が少しだけ外れていたとします。この時、出題された問題と自分が作った予想問題の内容を照らし合わせて、次のように考えるはずです。
『あの解答をベースにしよう。それから、もう1つの解答のあの部分を付け足そう』
つまり、自分が記憶している複数の解答の中から、使えそうな部分をピックアップして、これらを「くっつける」ことによって、新たな解答を作るわけです。
下図のように、出題されたキーワードに関する解答Aと、別のキーワードに関する解答Bを作っていたとします。試験問題がAとBの両方について述べることを求めている場合、Aの一部とBの一部をくっつけて、新たな解答を再編成すると思います。
これが「くっつける」という作業です。
この作業は、自らが作成・記憶した文章を思い出して、合体すればいいわけですから、思ったほど難しい作業ではありません。
予想問題が完全的中するというシチュエーションがあり得ない以上、試験本番で最もラッキーな状態とは、「数問は、憶えた解答をそのまま書いて、残り数問は、くっつける作業のみで対処できた」というケースなのです。
●「くっつける」を意識して解答を作成する
試験本番で「くっつける」作業をスムーズにやるためには、できるだけ多くの解答を作成して、「くっつける」ための文章を用意しておく必要があります。
ただし、ただ単に文章をたくさん用意するだけでは不十分です。
原稿用紙に制限がありますから、いくつかの文章を無造作にくっつけた場合、指定された文字数におさまらないかもしれませんし、全然足りないかもしれません。
このため、くっつけた結果、解答がどれくらいの行数になるのかイメージできるようにしておく必要があります。
くっつける作業を効率的に行うためには、以下のことを行うべきです。
各段落の同じ行数に統一する。
各段落の行数をできるだけ統一することにより、文章をくっつけるのが容易になります。
例えば、1つの話題を8行程度(200字程度)に統一するとします。そうすると、原稿用紙1枚が24行(600字)なので、3つの段落で解答を構成することになります。
上図で考えると、解答Aの一部と解答Bの一部をくっつける場合、何の工夫もしていなければ、原稿用紙1枚にまとまるかどうか、すぐにはわかりません。
しかし、1つの話題を8行でまとめていれば、「解答Aから2つの段落、解答Bから1つの段落を持ってきて、くっつければ1枚になる」という具合に、最終形をイメージすることができます。
試験本番でくっつけることを意識して、1つの話題を8行前後にまとめるよう努力することが大切なのです。
また、文字数を調整する際に便利なのが、「末文」です。「末文」は、「前文・主文・末文」の最後です。基本的に主文がメインなので、末文はあっても、無くても、全体の内容に影響はありません。そこで、長いバージョンの末文と、短いバージョンの末文を用意しておくと便利です。そうしておけば、解答の文字数調整が楽になります。
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