技術士合格法(8.1:合格するために必要なこと) | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●本番力の重要性

技術士の筆記試験の問題は、テーマ、キーワード、記述内容の3つで構成されています。予想問題を作るためには、これら3つを決める必要があります。

この予想問題ですが、どれだけたくさんの問題を作ったとしても、残念ながら、その予想は完全的中しません。必ず微妙なズレがあります。

例えば、水道のテーマは25個程度ですが、キーワードは無数にあります。テーマの予想が的中していとしても、キーワードの予想が外れていたらまったく異なる問題になります。

例えば、送配水管路というテーマに関する予想問題として、次のような問題の解答を作ったとします。

 

①送配水管の「漏水修理」に関する方法を数例挙げ、その内容を説明せよ。

 

しかし、試験本番で、以下のような問題が出題された場合、どうでしょうか。

 

②送配水管の「漏水防止」に関する方法を数例挙げ、その内容を説明せよ。

 

これら2つの問題は、キーワードの部分の「修理」と「防止」の違いがあるだけです。

しかしながら、作るべき解答は大きく異なります。

「修理」の場合、漏水を修理する方法について解答する必要があります。具体的には、相関式、戸別音聴、路面音聴、目視点検等により漏水を発見して、補修金具等により修理することについて記述することになります。

一方、「防止」の場合、漏水を防止する方法について解答を作成する必要があります。具体的には、管路の計画的な更新についえ記述することになります。

つまり、「漏水防止」に関する問題に対して、「漏水修理」について記憶した解答をそのまま書いた場合、合格点はもらえません。ほぼ予想は的中しているにも関わらず、不合格になってしまうわけです。

技術士の筆記試験は、複数の問題の中から、いくつかを選択して解答します。このため、1〜2問くらいは予想問題が完全的中して、憶えた解答をそのまま書くことができるかもしれません。

しかし、どれだけ多くの予想問題を作ったとしても、全部の予想問題が完全的中するというシチュエーションはあり得ないのです。

それにも関わらず、合格者と不合格者が存在います。合格者は予想が外れたとしても、試験当日、解答を作り上げているのです。

 

つまり、試験に合格できるかどうかは、予想が外れた場合を想定して準備をしているかどうかにかかっているのです。

 

 このことは極めて重要です。

合格するためには、多くの予想問題と解答を作成して、知識を記憶する必要がありますが、それだけでは不十分なのです。

合格するためには、試験本番、予想が外れた場合でも、臨機応変に対応できる「本番力」を発揮する必要があります。

 

合格するために必要なこと、それは、本番力を身につけることです。

そして、私達は、努力によって「本番力」を身につけておく必要があるわけです。

 

 では、「本番力」とは何なのでしょうか?

筆記試験で予想が外れた場合、憶えた解答をそのまま記入できないため、試験本番でこれまでに作ったことのない解答を作りあげる必要があります。しかし、さすがにゼロから解答を作れるわけではありません。いくつかの解答の一部を組み合わせたり(くっつける作業)、それでもダメなら、新たなフレーズを付け加えたりして(ひろげる作業)、新たな解答を作ることになります。

 

つまり、記述式試験において「本番力」を身につけるとは、「くっつける」と「ひろげる」を行うことができる能力なのです。

 

この資格試験の勉強を通じて「くっつける」と「ひろげる」を身につけてください。この経験は大きな財産になるはずです。

技術士になれば、手当や昇格を手にすることができるかもしれません。

しかし、長期的に考えれば、こうしたものを手にする以上に、様々な問題に対応できる「本番力」を身につけたメリットの方が大きいと思います。

このため、「くっつける」と「ひろげる」を意識しながら勉強をしてください。

 

 

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