技術士合格法(7.3:解答の作成手順 編集する) | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

編集する際の留意点

解りやすい文章を作るのは難しいです。ある日突然、文章力がアップするものではありません。

私も含めて技術士の受験生は理系です。基本的、国語が苦手な人種です。 

このため、努力するしかありません。具体的には以下のことに取り組んでください。

 

❶文章を作る

❷翌日、自分が作った文章を読む

❸違和感のあるところを修正する

 

自分が作った文章を客観的に読む必要があるので、文章を作ったその日ではなく、翌日に読むことがポイントです。そして、違和感のあるところを修正して、もう1回読みます。そして、また修正します。この繰り返しによって、完璧とは言えないまでも解りやすい文章を作ることができるようになります。

 

こんな風に努力するしかないわけです。

 

一応、ここでは、ちょっとしたコツを述べておきます。

コツというのは、どうなったら解りにくくなるのを理解して、これを避けるというものです。

具体的には、以下の①〜④をやってしまうと、文章が解りにくくなります。

こうしたことから、以下のことに該当するかどうか自分の文章を読んでみて、該当するようならこれを修正してください。

 

①「。」がなかなか出てこない

一文を長くするのは、書き手にとっては楽かもしれません。しかし、読み手にとっては苦痛です。解答としては大きなマイナスです。一文を短く切ってください。

本来、一文には一つの事柄を書くものです。このため、まずは、一文に書く事柄を絞り込む作業が必要になります。

ただし、こうした作業が難しいからこそ、一文が長くなってしまうわけです。

このため、一文が長くなる人は、「ので」、「おり」、「だが」等の語尾を使うのを辞めた方がいいです。こうした言葉は、一文に複数の事柄を書き込むために使うわけです。このため、こうした言葉をできるだけ使わない方がいいかもしれません。いくつかの事柄を列挙する場合、箇条書きを取り入れるべきですね。

後は、一文の長さは2行前後が基本です。一文が長くなったら、強引にでもいいので「。」を打つという習慣を身に付けてください。

 

②なかなか改行しない

改行は、段落が変わった時に行います。段落というのは、話題や論点が変わる際に行います。このため、話題・論点が変わらないのであれば、10行であろうと20行であろうと、原則、改行する必要はありません。

しかし、長い文章というのは読みにくいです。読者に好まれません。読者が頭の中を整理するのに妨げになります。筆記試験の場合、読者は採点者です。長い文章は採点官の負担になり、マイナス評価につながります。

このため、解答は5~8行を基本として改行するべきです。

5行になったら機械的に改行するのではなく、1つの事柄が5~8行で終わるよう、文章をすっきりまとめることが重要になります

 

③接続詞の使い方が間違っている

 「しかし」、「ただし」、「だが」は、2つの文章を繋いで、前の文章を後の文章で否定するための接続詞です。

それにも関わらず、「しかし」の後に「だが」を置いたり、「だが」を連続して使ったりしてしまいがちです。例えば、以下のような文章です。

 

プリウスに買い替えたい。ただし、プリウスは高い。しかし、環境保全の観点からプリウスを購入してもいいのだが、今はお金がない。

 

上述の例文は、何を言いたいのかは解るのですが、読みにくい文章になっています。でも、ついつい、やってしまいがちなことです。

「しかし」、「ただし」、「だが」を適切に使う必要があります。

上述の文章を編集し直すと以下のようになります。

 

環境保全を実現等の観点からプリウスに買い替えたい。

しかし、プリウスは高い。今はお金がないので、購入できない。

 

全ての文章の前に接続詞が必要なわけではありません。必要最小限でいいです。

それから、「しかし」、「ただし」、「だが」については、細心の注意を払って、適切に使う必要があります。

 

④第一印象がイマイチ

プレゼンテーションにおいて、第一印象は極めて重要です。人がYESかNOかの判定をする際、第一印象によって9割が決定されるというデータもあるほどです。文章においても、「パッと見」の印象を良くする必要があります。

全体的に隙間がなく、字がびっしり書いてあると、読むのが嫌になります。適度な余白を作るためには、これまでに説明した通り、適度な間隔で句読点を打ったり、改行をしたりするべきです。

ただし、句読点、改行を使うと、余白が増える分、原稿用紙のスペースをとります。そうすると、作った文章が原稿用紙に収まらなくなります。

このため、文章をカットしなければならないです。

実は、文章の第一印象をよくするためにやるべきことは、勇気を出して、不必要な文章をバッサリと削ることなのです。

これは大変です。苦労して調査した情報やお気に入りのフレーズがあるかもしれません。

しかし、その情報やフレーズがなくても、意味が通じるのであれば、全体の文章量を調整するため、バッサリと削除しなければならないのです。

例えば、必要性が低い文章を括弧書きしてみてください。括弧内の内容が無くても意味が通じるなら、思い切ってその部分を削ってください。

特に「はじめに」の部分について注意してください。書き手としては、「はじめに」の部分は最初ですから、たくさんの文章を書いてしまいがちです。

しかしながら、採点官としては、「はじめに」の部分から読み始めるわけですから、書き出しの部分がやたらと長かったり、文章が読みにくかったりすると、読む気が失せます。第一印象が悪いと、全体が悪く見えてしまいます。

このため、「はじめに」の部分は、特に注意して、文章をコンパクトにまとめる必要があります。

 

●題意に答える

解答を作成していると、問題文を無視して自分の書きたいことを書いている場合があります。試験本番では、題意に答えていない解答を作った場合、かなりの高い確率で不合格になってしまいます。

また、多くの人に言えることですが、題意にちゃんと答えた部分と、題意とは関係のない部分が混在する解答を作ってしまいがちです。題意に関すること以外の内容があっても、その内容が誤りではないのであれば、解答のクオリティは上がっているように見えるかもしれません。

しかしながら、クオリティは下がってしまうのです。

採点官は問題文と関係のない文章は読みたくないのです。これは、コンサルタントの顧客も同じです。関係ない話は聞きたくないのです。

このため、70%の解答の段階ではいろいろなことが書いてあってもいいですが、100%の解答の段階では、題意に答えている部分のみを残して、それ以外はバッサリとカットするべきです。

題意が重要であることは解っているのですが、試験本番では冷静な判断ができなくなるものです。

このため、勉強段階において、自らの解答が予想問題等の題意にちゃんと答えているかどうか確認する習慣を身に付けておいてください。問題文をよく読んで、自らの解答を客観的に読んでください。可能であれば、誰かに読んでもらって助言をもらうのがいいと思います。

もしも、自らの解答が題意に答えていなかったとしたら、めんどうかもしれませんが、勇気を出して、解答の大幅修正を行ってください。

題意に答えた解答を作ることは、仕事においても不可欠です。是非、がんばってください。

 

 

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