【場面緘黙が治ったきっかけ】友だちとオンラインゲームで | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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「場面緘黙が治ったきっかけ」

これまで数多くの「緘黙症状が治った方」「話せるようになった方」に出会ってきました。

場面緘黙の症状が人それぞれなように、緘黙症状が治ったきっかけも人それぞれです。

このテーマではそんな、「話せるようになったきっかけ」を紹介していきます。

 

【きっかけ】「友だちとオンラインゲームで」 

前回に引き続き、友だちとの関係から緘黙症状が改善していくケースです。

今回はオンラインゲームで声が出せたケースです。

 

【事例】

中学2年生の例です。

保育園の頃から緘黙症状があったそうで、現在も学校では話すことができません。

仲の良い友だちがにも声を出すことはできません。

 

最初の一言を言うためにどうしたらよいか、「話しやすい条件」を一緒に考えました。

対面よりもオンラインの方が話しやすそうだということが分かりました。

 

相手にも「オンラインゲームで話す」ということを伝えておいて、ゲームの機会を作りました。

最初はかなり緊張したそうですが、何とかゲーム中にボイスチャットをすることができました。

 

【解説】

「対面では話せないけど、オンラインなら話せる」という子はわりといます。

・家でできる

・相手の顔が分からない

・自分ではなくアバターが行動する

・話す内容がゲームの内容などに限定される

・話す必要がある(チームでのゲームの場合など)

などの要因が話しやすさにつながっているのだと考えています。

 

オンラインゲームを使う長所の1つは、機会が作りやすいことです。

ゲーム環境が整っていさえすれば、家に遊びにきてもらうよりも実施しやすいです。

 

また、チャットなども併用できるため、全部声でやりとりする必要もありません。

できそうなところだけ、部分的に声を出す練習というのも可能です。

 

では、「話す練習」という視点で考えるとどんなゲームがよいでしょうか

私は、本人が楽しんでできるものなら何でもいいと思っています。

実際、これまで私が出会ってきた子たちのやっていたゲームも本当に色々でした。

例を挙げるなら・・・

・フォートナイト

・Apex

・荒野行動

・マインクラフト

・Among Us などなど

(事例の子はApexだったと思います)

 

ゲーム自体にボイスチャットの機能がなくても、LINEやDiscordを使えば話すことができます。

「オンラインゲームで話す」は色々な工夫の仕方がある、とてもいい方法だと思います。


【注意点】

事例の紹介にあたっては、本人・家族等の同意を得ています。

ただし個人に関わる情報ですので、転載は絶対にしないでください

また必要に応じて細部を改変していますので、事実と異なる場合もあります。

 

この「場面緘黙が治ったきっかけ」は、あくまで個別のケースで上手くいったものです。

同様の方法を行っても、他のケースに対しては上手くいかない場合もあります。

緘黙症状改善の方法は、様々な要素を考慮した上で、慎重に判断してください。