治療を受けていても場面緘黙の症状が改善しない方へ | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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 場面緘黙の症状は治すことができる 

場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば改善させることができます。

 

本人に「話せるようになりたい」という意思があれば、必ず話せるようになります

あとは「適切な計画」を立てて、練習を行っていけばいいだけです。

 

場面緘黙の症状は、幼児期から小学生の間に現れることがほとんどです。

小学生の場合なら、1年から数年程度で話せるようになるケースが多いと考えています。

小学校低学年で症状が現れた子なら、中学校入学までにはかなり改善させることができます。

 

もちろん1、2回の相談ですぐによくなったりはしません。

ある程度時間をかけて、継続的に対応していくことが必要です。

それでも上手に対応すれば、3ヶ月から半年程度で効果が現れることが多いです。

 

 時間が経つほど、対応は難しくなる 

一般的に、対応は早ければ早いほど改善しやすいです。

緘黙症状が現れてすぐに対応を開始すれば、短期間で症状を改善できる可能性は高いです。


時間が経てば対応はより難しくなっていく傾向があります。

対応が難しくなる要因は色々ありますが、概ね次のような説明ができると考えています。

 

・本人自身が「話せない」経験を多く積み重ねていく

・「話せない」期間が長くなると、それがその子にとって「当たり前」の状態になっていく

・周りの「話さない子」という見方が強くなってくる

・友だちができづらいなど、人間関係で孤立しやすくなる

・「話せない」ことによって活動が制限されるなど、二次的な問題が生じてくる

・こういった状態が続くことで、心身にマイナスの影響を与える

 

症状が重くなってから対応に取り組めば、改善までにはより長い時間がかかることになります。

 

 症状が改善しない理由 

多くの場合、はっきりした緘黙症状が見られれば、すぐに何らかの対応を行うと思います。

学校や、地域の発達相談窓口、病院などの身近な機関に相談にかかるのではないでしょうか。

 

しかし、こういった身近な機関で対応しているのに、症状が改善しないこともあります

「いちりづか」に相談のある方のほとんどは、すでに他の機関で相談や治療にかかっています。

色々病院にかかっていても治らないから相談にきた、という方も少なくありません。

 

なぜ身近な機関で対応しているのに、症状が改善しないことがあるのでしょうか。

 

これまでそういった方からお話を伺っていて、あることに気付きました。

「効果のない治療法」を受けているケースがかなりあるということです。

 

何もしていないのではなく、「効果のない治療法」を続けているから症状が改善しないのです。

 

 「場面緘黙に効果のない治療法」を紹介する意義 

「効果のない治療法」はただ効果がないだけでなく、症状の改善にとって悪い影響があります。

 

意味のない練習や治療法を続ければ、それだけ症状を長引かせてしまうことになります。

かえって問題を複雑にさせてしまっているケースに出会うことも、稀ではありません。

 

しかし親や本人が、その治療法に効果があるかを判断するのは容易ではありません

そもそも「効果のない治療法」があること自体に、なかなか気付くことができません。

何かの資格や肩書きのある「専門家」から勧められれば、それを信じてしまうでしょう。

 

ではどうすれば、親や本人が「効果のない治療法」があることに気付けるでしょうか。

そして、今受けている治療法に効果があるかを判断するには、どうしたらよいでしょうか。

 

まずは「効果のない治療法」についての情報が必要だと考えました。

ブログのテーマに「場面緘黙に効果のない治療法」を加えることにしたのはそのためです。

 

 治療を受けていても場面緘黙の症状が治らない方へ 

学校や地域の相談機関で治療や対応を受けているのに、緘黙症状が改善しないという方へ。

 

これから「場面緘黙に効果のない治療法」について解説していきます。

もしお子さんやご自身の状況に当てはまることがあれば、治療法を一度見直してみてください。

 

くり返しになりますが、場面緘黙の症状は「適切な対応をすれば」改善させることができます。

1年以上治療を受けても改善の兆しがない方は、対応を見直すことを強くお勧めします。

 

【注意点】

このテーマでは「場面緘黙に効果のない治療法」について解説していきますが、どんな方法でも「絶対に効かない」というものはありません。

その子の状態や、本人の考え方、臨床家との相性、タイミングなどによっては、どんな方法でも効果が現れることはあります。また、多くの場面緘黙のケースには効果がなくても、一部のケースには効果がある方法も存在します。

ですのでここで紹介する方法は「絶対にその方法では治らない」という意味ではありません。受けている治療や対応に効果があるかを判断するための材料にしていただければ幸いです。