ans005_031 トロイド循環 | ぼくは占い師じゃない

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易経という中国の古典、ウラナイの書を使いやすく再解釈して私家版・易経をつくろう! というブログ……だったんですが、最近はネタ切れで迷走中。

ミケ様
にゃんこ先生です。

寒くなっていやだにゃ。
ご自愛ください。

   ☆

さて、前回のお話の続きです。

間に「号外」がありましたので、「号外」をカウントするなら前々回になりますが。

またこの絵からいきましょう。


【fig062 駆動軸(再掲)】

先天図上の「リング循環」が「易システム」でいう時間の元型です、というのが前回のお話でした。

今回は真ん中のトロイド循環のお話をします。

トロイドとは環状体のことです。

環状体は平面図形をある軸を中心に回転させるとできる立体です。
たとえば円をこの方法で回転させると、トーラスになります。

先天図上の八卦を先天数の順番にたどっていく道筋は、トロイドの表面を、回転させる中心点を経由してたどる経路に似ています。

そんなところから先天数順の流れを「トロイド循環」と呼ぶことにしたんだと思います。

「と思います」っていうのは、今となっては命名の根拠の記憶が定かでなく……

歳ですね。
ヤキがまわってます。

【fig063 トロイド】

   ☆

と、とにかく「易システム」でトロイド循環と言えば先天図上で、先天数順に八卦をたどっていくとできる流れのことです。

流れとしては、最初に左回りに行きかけて、中心点であるvoid(無;万有の無)を経て、その流れの向きを右回りに反転させるところがミソ。

なんとなくイザナギ、イザナミのクニづくりの冒頭を彷彿とさせます。

この反転により向かい合った八卦どうしは八卦版のツイストペアの関係になります。

さてこの流れ……

乾から始まって坤に終わるように見えます。

乾は父で、坤は母ですから、これはつまり、家から出て、また家に帰るという、あらゆる物語の元型なんではないか、と「易システム」ではそういう観方をします。


【fig064 Away from home(MAP13 P38より)】

上の絵はそういう意味合いでトロイド循環をとらえたものです。

よろこび、はなれて、ふるいたち……

どどいつ風になってますが、これすべて、伝統的な八卦の象意そのままです。

昨今はそうじゃない場合も多いと思いますが、一応、父も母も一つ屋根の下にいるということにして、先天図の上下の乾坤(父母)を中心の「家」に落とし込んでできたのが「旅の先天図」です。

易システム独自用語、独自ダイヤグラムです。


【fig064_2 旅の先天図(MAP13 P39より)】

家から出て、家に帰る。

ここで想定している「家」というのは「ホーム」であって、故郷であって、できれば永遠に、そこに安穏としていたい場所、ということです。

決して、現実の、いたくもない家、いさかいのたえない家庭、殺伐とした家、のことではありません。

え、ちがう?

ウチはもっと平和よ。

それはそれで結構なことです。

でももし、そうじゃない家庭にいたとしたら、そこはほんとうの家じゃない、と思いたくなることでしょう。

『ここじゃない』と。

それほどではないにしても、生まれてきた時からある種の、漠然とした違和感を持ち続けている人も多いかと思います。

どこか別に「ほんとうの家」がある。

ここでいっているのはその「ほんとうの家」のことです。

「ほんとうの家」というのは、そこにじっとしてれば、苦労も悲しみもない。

そういう、安定した場所の象徴なわけです。

ではどうして、息子(または娘)は動き出したのでしょうか。

息子(または娘)が動き出すというのは、どういうことなのでしょうか。

……てなギモンを残しつつ、

次回につづきます。


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トロイド循環、旅の先天図

 


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