ans005_030 TPW、輪をまわす | ぼくは占い師じゃない

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易経という中国の古典、ウラナイの書を使いやすく再解釈して私家版・易経をつくろう! というブログ……だったんですが、最近はネタ切れで迷走中。

ミケ様

お元気ですか。
にゃんこ先生です。

貴女の靴下にはなにが入っていましたか。
え、私の靴下ですか?

ニボシ。

親切な方がいたものです。
ま、靴下は履かないんですがね。

   ☆

ツイストペア・ホイール(TPW)の話ですが、もうちょっと続きます。


【fig059 ツイストペア・ホイール(再掲)】

TPWの0層目は初期微動で、1層目は両儀、2層目は四象、先天図は3層目になります。

TPWという絵としては、0層目から順番に描いていったわけではなくて、実は、3層目の先天図から出来てきた……というのはお話したとおりです。

私たちが普段、泣いたり笑ったりしている日常世界はTPW上では一番外側の輪です。易システムでは「リム」と呼んでいます。

「リム」にある卦は「リム卦」などといったりしていますが、ここには純卦(8)と先天大成卦(8)をのぞいた、(64-(8+8))48の大成卦が並びます。

48の大成卦は8つのグループに分かれますので(宮、ファミリー)、48÷8=6でひとつの宮には6つの大成卦が属することになり、この6という数はまた、ひとつの大成卦を構成する爻の数でもあります。

リムでは(絵の上で)右回りに通常の日常的な時間が流れていきます。右回りというのはTPW上の十二消長卦の配置によります。


【fig062_02 TPW上における十二消長卦の並び
(易システムハンドブック 図6.49)】

この日常時間の流れは大本をたどると、先天図から起こっています。その流れが中心から外側へ伝わっていきます。中心から外側というのは、絵の上での創造の方向です。

「創造」は大昔に一回こっきりで起こったわけではなく、今この瞬間も間断なくリアルタイムに起こっている……と、易システムではそのように考えます。
その様子を下のような絵にしてみました。


【fig062 駆動軸】

先天図であらわされる、いわばTPWの中心軸が大きな車輪をヨッコラショと回しています。

絵の下半分は、先天図を人間の意識がどのように受け止めているか、易システムによるその解釈の様式(2種類)をあらわしたものです。

常にそこに立ち返ることを忘れないでいたいとは思うのですが、そもそもは「ひとつのもの」しかありません。元来すべては「そこ」にあります。

時間や周期というものは、「ひとつのもの」に仮に設定された参照点(大成卦)があって、それらを足がかりに人間の意識が「ひとつのもの」どうとらえるか、その、とらえ方のことなんだよ……という話は「ans005_002 四象」にてお話させていただいたとおりです。

人間の意識による上記2種類の先天図のとらえ方は、時間の流れとその意味(記憶の鋳型)として、ファミリーという枠組み(宮)のもと、ファウンデーション(純卦と先天大成卦)を介して、最外層の日常世界(リム)に反映されている……とそういうイメージです。

   ☆

わかりやすいのは右の「リング循環」で、これは八卦版の「バリアントの流れ」です。

十二消長卦のルールで八卦を「坤」から「乾」(あるいはその逆)へとたどっていくと、真ん中の爻だけが陰の「離」と真ん中の爻だけが陽の「坎」はそににはあらわれません。

その流れを先天図上で見ると、あたかも「離」と「坎」をスキップする右回りの流れがあるように見えてきます。

3層目の先天図は、6層目のリムから観ると元型ともいえますから「リング循環」は、日常時間という流れの元型ともいえます。

くりかえしになりますが、TPW上の大成卦の中から十二消長卦をひろっていくと日常時間の流れは右回りになっています。
その大本には「リング循環」という元型がひそんでいると観るわけです。

「リング循環」の絵の左側、「トロイド循環」の話もしようと思ったのだけれど長くなってしまうので、また回をあらためて。

じゃ、また。


★コトバ
リム、リム卦、リング循環

★LINKS

「ans005_002 四象」

ミケさんの質問

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「(1)易システムハンドブックV2.02(最新(最終)はV2.03ですがほとんど一緒です)」は猫乃電子出版の田邉さんが根性で作成してくれたRomancer版(ブラウザで読める本)もあります(多謝)。
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