ミケ様
にゃんこ先生です。
お元気でお過ごしのことと思います。
台風、それてくれるといいんですが。
☆
銀河ツールの中でもっとも易と関係の深い「20の銘板」(*1)はふたつのパートに分かれています。
ひとつは「預言の4つの銘板」。
もうひとつは「時間の法則の16の銘板」。
セットにはさらに「『普遍生命の書』の64のウル・ルーンとコドン・キー」という資料(ダイヤグラム)もあります。
バリアントの流れがウエイブスペル上に展開されているのはふたつめの「時間の法則の16の銘板」です。
「16の銘板」ではひとつの銘板に4つの大成卦が描かれていて、それぞれの大成卦を基準卦としたバリアントの流れ(ウエイブスペル)が描かれています。

【fig046_01「時間の法則の16の銘板」(部分。右上のウエイブスペルに十二消息卦が見える)】
銘板は16枚ありますので銘板に描かれている大成卦の数は全部で16×4=64になります。
六十四卦すべてということですね。
そんなわけで銘板上には64のバリアントの流れがあるように見えます。しかし実際のパターンの数としては、その半分の32です。

【fig043 升を基準卦としたバリアントの流れ(再掲)】
(途中の「訴」はまちがいです。ただしくは「訟」)
上の絵は「升」を基準卦としたバリアントの流れです。
「升」という大成卦は「无妄」という大成卦とツイストペアを構成しています。
したがって上の絵は「无妄」を基準卦としたバリアントの流れでもあるということができます。
ペアはその名のとおりふたつの大成卦で構成されますので、バリアントの流れのパターンは、64÷2で、全体としては32パターンということになります。
バリアントの流れというのはツイストペアの間を往ったり復(き)たりする流れです。
易システムではこの流れを、人間の顕在意識にあらわれる時間の流れととらえています。
「ans004_07物語」で出てきた「鋳型」です。
☆
システムとの対話はまず適切な問い(占的)を立てるのが前提です。
それに対する回答としてひとつの大成卦を無作為に選びます。
選ばれた大成卦は問いに対するメインの回答ということになります。
これを「本卦(ほんか)」といいます。
本卦の名前、意味、卦辞、「本卦の」変爻に付けられた爻辞、卦のカタチなどを総合的に参照して回答を読みとります。
なにをおいてもこれが基本です(周易)。
ふつうは本卦と同時に変爻を求めます(*2)。
変爻は本卦のどの爻を陰陽反転させるか、という指定です。その爻を反転させることで本卦からはまた別の大成卦が派生します。
派生卦はいかなるものであれ、本卦の意味を補足するものです。回答の本体ではありません。メインはあくまで本卦です。
上記のやり方でできた派生卦を、時間的成り行きとして観たときに、伝統ではこれを「之卦(しか・ゆくか)」と呼びます(*3)。
「バリアントの流れ」はそのようにして生じる「之卦」という派生卦を「放っておけばそうなる」という、自然な時間の流れの連続として読みとったものです。
「バリアントの流れ」というのは、すなわち、大成卦上での下から上への陰陽反転の繰り返しであり、「之卦」の連続体であるというとになります。
爻が反転するたびにもとの大成卦は変化して、新しい大成卦(バリアント)が生成されていきます。
くどいようですがそれがツイストペアを構成する二つの大成卦の間をいったりきたりする周期になっているわけです。
☆
たとえばなにか質問してシステムからの回答として「訟」という大成卦が返ってきたとしましょう。
変爻は上爻(一番上の爻)だったとします。
すると、之卦は「困」という大成卦になります。

【fig046 訟の困に之く】
ここで、システムからの回答として本之卦の意味を読みとります。
ふつうは、ここで話は終わります。
でも。
もうちょっと先のこととか、もうちょっと以前のことがわかったら、ちょっと便利ではないでしょうか。
次回はそんな話をしましょう。
ではまた。
★注釈
(*1)20の銘板
残念ながら「20の銘板」は、現在では入手困難のようです。暦とリンクしたツールなので一定の時期が過ぎると廃れてしまうものなのかもしれませんが、大事なのそのプリンシプルだと思います。
(*2)変爻
とりあえずここでは、ひとつの得卦(回答として得られた大成卦)につき、ひとつの変爻という前提です。
(*3)之卦
必ずしも時間的進行として観るわけではありません。「伏卦」と呼ばれることもあります。「伏卦」には時間的進行というよりも、本卦に伏在する「コメント」・補足事項一般という意味があるのだと思います。
★ことば
<伝統>
本卦、変爻、之卦、伏卦
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