ミケ様
にゃんこ先生です。
満月!満月!!
とと、おどっちゃいけない。
タヌキじゃなかった、わし。
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「ans003_01ひとつのもの」で、「これからの話はずっと、『方便』なんだよ」というお話をしたかと思います。
「ひとつのもの」は認識することはできません。
「認識」には、「認識するもの」と「されるもの」の、ふたつが必要だからです。これでは「ふたつのもの」になってしまいます。
あえてそこはスルーして「ひとつのもの」をつかみとろうとする試み、それがここでいう「方便」です。
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易には64のシンボルがあります。
その中から無作為に一つのシンボルを選んで、質問の回答として観立てる。
簡単にいうとそれが易占です。
「易システム」はこの64のシンボルのさまざまな地図/マトリクスの集まりです。
地図によってシンボルの配置はちがっています。
占って無作為に選んだひとつのシンボルの「背景」が地図によって変わるということです。
伝統(周易)では回答として選ばれたシンボルと、必要に応じてそこから派生する数種類のシンボルに着目して占います。
易システムとしては、占って出たシンボルだけではなく、少なくとも背景として位は他の63のシンボルもマトリクスというカタチで考慮しようとしています。
無茶ではありますが、システムの方向性としてはそういうことです。
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「常に他の63のシンボルも考慮する」。
これはつきつめると「いつも回答は同じ」ってことにならないでしょうか。
何を質問しても目の前には、選んだひとつのシンボル+他の63のシンボル、合計64のシンボルが「いつも」並んでる。
タロットでいえば78枚スプレッドみたいなもので(そんなのあるのかな。よく知らない)……目の前には64のシンボルがある。
いつも。
「いつもかわらないそれ」。
どこかで聞いたことはないでしょうか?
そうです。
「ひとつのもの」そのものです。
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伝統的な易でどこかにそのように明示的に書いてあるかどうかはわからないけど、64のシンボルは森羅万象をあらわすってことになってます。
漏れがあるのでは人事百般(あらゆること)は、占えませんよね。
易システムでは64のシンボルでできたマトリクスは「ひとつのもの」と対応している……と、さらにそれを拡大解釈しようとしています。
ムチャです。
方便全開です。
そのムチャな様子を絵にしました。

【fig017 マトリクス】
たった64だから網の目はとても粗い。
だからせめて何種類か地図を用意したというわけです。
「ひとつの地球」を把握するのに、メルカトル図法があったり、等距離図法があったり、ダイマクション地図があったりするのと同じことです。
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ところで「空間」にある座標は数えることができます。その数の多い少ないは別にして。
それはコミュニケーション・スペースも同じです。
たとえ無数に座標点があったとしても数えることはできます。
「ひとつのもの」ものは数えられません。
数えるという概念を持ちません。
そこに座標を設定することもできません。
だから空間であるコミュニケーション・スペースと、「ひとつのもの」は完全に同じじゃない。
今まで「ほぼ同じ」と言ってきたのはそういう意味です。
「空間」は「ひとつのもの」を近似的にとらえたもので、まさに方便です。
言語も空間です。
今、にゃんこ先生は日本語という言語空間から、コトバを選んでこうしてブログを書いています。
「ひとつのもの」を直接認識することはできません。「認識」が成り立つには、「認識するもの」と「認識されるもの」が必要です。
それは最初に書いたとおりです。
もうひとつ必要なものがあるような気がします。
「認識」が成立する「場」です。
それがここでいう空間です。
方便としてではありますが、空間をつかって「ひとつのもの」を描写することもできるのではないでしょうか。
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易のシンボル・セットのすばらしいところは、その空間を成立させている座標点が少ないところだと思います。
確かにその分、ものすごく粗くはなります。
易システムではそれを欠点とはとらえません。
64の参照点というのはにゃんこ先生のような凡人の顕在意識がぱっと把握できる、ぎりぎりのところなんじゃないかとも思います。
これってつまり、慣れれば「ひとつのもの」を普段使っている顕在意識という手のひらにのせることができるってことではないでしょうか?
近似的にではありますが。
「ひとつのもの」はすべてです。
別れた恋人も、今は没交渉の同僚も、亡くなってしまったバーのマスターも、なにもかも、です。
一方、易のひとつのシンボルの情報量はたったの6ビットです。6という数が記憶のマジックナンバー7に近いのは、偶然ではなかろうとも思います。
何千年の時を経ても易のシンボル・セットが残っているということも。
つづく。
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タイトルは好きだった(というわりに内容は忘れてる)フレドリック・ブラウンのSF小説のタイトルをパクリました。
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