六十四卦雑想——星を継ぐもの | ぼくは占い師じゃない

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易経という中国の古典、ウラナイの書を使いやすく再解釈して私家版・易経をつくろう! というブログ……だったんですが、最近はネタ切れで迷走中。

63:既済
36:未済
TP27:はじまりとおわり

   ☆

既済と未済。

ある大成卦の各爻の陰陽を反転した裏卦どうしのペア(ツイストペア)であることはもちろんだが、大成卦全体の上下をひっくりかえした……タロットでいう「リバース」の関係にあるペアでもある。

各大成卦のイメージをゼンタングルの手法で描いた「易タングル」は下のような具合。


【63:既済】


【36:未済】

すみっこの方に小さく大成卦を描いたが、未済も既済も陰爻と陽爻が交互にならんだ構成になっている。

それはすなわち互いが、上か下へ爻の位置を一段ずらした(ビットをシフトした)関係でもあることがわかる。

易の作者は、このふたつの大成卦に未済と既済という名前をつけた。
「未だ済まず」と「既に済んでいる」という意味だ。

ゼンタングル上の「G××」という番号はゲート番号のことで、「ゲート番号(G)」という言い方はヒューマンデザインから借用してきたものだ。

伝統的な易における大成卦の順番である。

「63:既済」は、コード番号とゲート番号が一致する希有な大成卦である(もうひとつは「13:同人」G13)。

既済、既に済む、既に済んでいるのだ。

それ以上やることはない。
完成されているからだ。
非常に窮屈な状態であるともいえる。
アソビがない。

この既済卦をたった1ビット、シフトするだけで、整然と整った状態、完成された状態はたちまち正反対の、まったくとりとめのない未済卦になる。

次の瞬間になにがどう起こってもおかしくない。

いつ起こるかも判らない。

ひょっとしたらそのまま流動し続けるだけで、なにも起きないかもしれない。

いわゆるカオス。

全面的にアソビ。

タングルのデザインは三角を基調としたパターンと流れるような波線が交互に描かれている。

既済と未済のちがいは、三角のパターンがそろっているかバラバラかのちがいだけだ。
流れるような波線はその位置がちがう(シフトしている)だけで既済と未済双方のゼンタングルに同じように流れている。

既済と未済は、反対のことをいっているようで、実は同じもののことをいっているようでもある。

占術上の実用的なコメントをするなら、いつも書いていることだけど、そもそも、済んだり済まなかったりするものが「何なのか」ということにポイントがある。

いったい「何が」整っていたり、混沌としていたりするのだろうか。

それがこの既済と未済のペアの最も要となる判断になるだろう。

易の作者は既済と未済を最後にもってきた。
最初は乾(天)と坤(地)である。

伝統的な易における大成卦の並び順には、最初の最初のオリジナルからは、おそらくは錯誤や誤りが混入しているであろうというのが定説だが、アタマの乾(天)と坤(地)、シッポの既済(完成)と未済(カオス)については、この並びでまちがいないだろうというのも、また定説である。

この宇宙の創造は天地にはじまり、既済で一応の完成をみる。

この「完成」は、最後の未済(カオス)で一気にリセットされる。

それは次の宇宙(天地)にむけての準備なのである。

   ☆

「ゼンタングル」、「易タングル」については、「六十四卦雑想——はじめに」を参照してください。