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ぼくはグラスのふちをまわる

昭和40年代の思い出や、酒場についてゆる~く語ります。

この日のアタクシのいでたちは、ブルースブラザーズばりのブラックタイにブラックスーツ!


まあ、諸々のしがらみ、大人の事情ってやつなんですけどね。


事の始まりは、昨年96歳で身罷った婆様の一周忌ってヤツなんですが、その会場に着くまでは家族、親戚の20名くらいの法事だと思っていたんですよ。


それが会場のホテルに着いてみたら、なんと広大なバンケットホールに祭壇があって、生花で飾られているんですね。


しかもですよ、婆様の一周忌にもかかわらず、招待客が100名オーバーですからね。


いったいどうなっているんですかね。


そのうえ、気楽な気分でやって来たアタクシが、施主とやらに祭り上げられるという笑えない現実に戦慄を覚える展開ですから・・・。


今回の婆様の一周忌ですが、いい悪いを抜きにして、自分がまったくの部外者として見ると、葬式と結婚披露宴を一緒にやったっていうのが一番分かり易い比喩だと思うのだな。


しかもご参集いただいた方々のほとんどが、60代70代というご高齢ですからね。


まるで現在の日本の縮図を垣間見る状況なのだ。


その70代後半のジジババ供がまたやたらと元気で、酒は飲むは、料理はガンガン食べるという実に元気な集団なのである。


本人達いわく、「俺たちは後期高齢者どころか、末期高齢者だからさ」という、ある意味開き直りともいえる発言であります。


このジジイ共がまた、最近の若者なんて足元にも及ばないくらいスケベで健啖なのである。


そして女性陣もまた、実に姦しく元気なのだ。


そんなジジババから見たら、アタクシなんぞはオムツも取れない赤子も同然なのであります。


実際に、もういい年したオヤヂなのに、この方々の前では、未だにmag君magちゃん呼ばわりなのだ。


しかもこのジジイ共がまたやたらと酒が強いんであります。


しかも強いだけじゃなくて、やたらとお酌好きで、他人にも飲酒を勧(強要)めるんですよ。


なにが末期高齢者だって言いたいくらいです。


こんな爺さん達にまともに付き合っていたら、命がいくらあっても足りないと思うくらい元気で飲みまくっているのである!


そんな感じで、当日施主だと命令されたアタクシですが、こちらの先輩 の影響で、ビールと清酒の併進という禁断の果実を齧ってしまったアタクシのテーブルには、当然ビールグラスと熱燗のコップが並んでいる訳です。


それを目にしたジジババ軍団が、右手にビール瓶、左手に清酒のとっくりを持って次から次に間断の無い波状攻撃を仕掛けてくるのであります。


そんなジジババに、軽く「ホント何時も元気ですね~」なんて言ったら、「70なんてまだまだだよ、おばあちゃんの亡くなった年になるまでまだ20年もあるからねぇ」なんてニヤリと笑っているんですね。


そして今回は、生きていれば107歳になる婆様の連れ合いの祖父の27回忌も兼ねた法要なんですと。


祖父が生きた時代が、明治、大正、昭和で祖母が生きた時代が、大正、昭和、平成。


そして今回若手を自称するジジババは昭和一桁生まれとくれば、アタクシなんてまだまだ赤子も同然なのであります。