白峯に なくも戻らぬ ほととぎす
空音なりとも 想ふ都よ
以前こちらやこちらで京都の天皇陵について触れましたように皇室の陵墓訪問が趣味です。
しかし目標は全ての天皇陵訪問なので崇徳天皇に会いに遠く香川県坂出市まで遠征して参りました。
崇徳天皇怨霊説について
崇徳天皇は「保元の乱で敗れて讃岐に流され、死後は怨霊となって恐れられた天皇」としてのイメージが強いですね。怨霊説は結論を言えばガセです。
「歴史は勝利者が書く」という言葉がありますが、崇徳天皇のイメージは正にその代表例です。
今で言うオカルトがまだ容易に受け入れられた時代。勝者からすれば中途半端なネガキャンをするよりも「敗者をモンスターに仕立て上げる」ことが自らの正当性を証明する一番の近道でした。
怨霊対策という名目でこれまで行われてきた行事も、敗者のモンスター説を一層浸透させると共に勝者の包容力をアピールするという一石二鳥のシステムです。
菅原道真はモンスターから一転、神格化されましたが、質的にはこの公式に従ったまでですね。
例えば明治天皇は区切りとして崇徳天皇、そして淡路島に流され非業の死を遂げたとされる淳仁天皇の御霊を京都に戻しました。スポーツの神様と言われる「白峯神宮」です。名前はもちろんタイトルの白峯陵に由来しています。確かにこれを決行した明治政府の決断には敬意を払うべきです。
崇徳天皇や淳仁天皇がそれまで冷遇されていたことは紛れのない事実ですから。
しかし前述通りこれも大きなスタンドプレーに過ぎません。歴史や政府の闇ですね。
またまた長くなってしまいましたが、今日を限りで「崇徳天皇は怨霊」と考えるのはやめてください笑
フェリーで香川へ
2016年12月21日。日付が変わる頃に筆者は三宮フェリーターミナルに到着。
神戸と高松、そして小豆島を結ぶジャンボフェリーは四国への交通手段としてとても優秀です。
値段が良心的でかつ高松に朝の5時代に着けるのでフルに四国を満喫できます。
三宮駅・高松駅への送迎バスが出ているのも魅力的です。
そのまま快速マリンライナーに飛び乗れば岡山に6時台着。中国地方の訪問にも向いてます。
白峰登山
宣伝はここまでにして、薄暗い時間に高松駅から普通電車に乗車し、予讃線鴨川駅で下車。
崇徳天皇陵の最寄り駅です。といっても徒歩90分。マイカー推奨ですね。
夜が明けてくると安心できました。スマホにも感謝です。
白峰山を少しずつ登っていきます。こちらは西にある雄山という山らしいです。
漸く入り口ですね。あと少し。
長い階段が待ち受けます。横には崇徳院の和歌が。
今回の和歌の「本歌」です。
そしてとうとうあの陵墓の看板が。崇徳天皇白峯陵に到着です。
白峯寺
四国八十八カ所の第八十一番札所、白峯寺も参拝します。
815年に弘法大師空海による開基と伝えられています。
「崇徳天皇の菩提寺として建てられた」は大間違いです。あくまで主役?は寺です。
下山します。霧で写真はイマイチですがこれも風情ということにしておきます。
筆者は麓のバス停から坂出駅行きのバスに乗り、四国の旅を続けました。あの坪尻駅へも行きました。