こちらは、前記事『长安十二时辰(長安24時)』 ネタバレ雑感』3 
の続きです。

 

最初からの方は こちらから  #1 #2

まだ、お読みになられていない方は、そちらを読まれてから・・・をお勧めします。


 

『长安十二时辰』長安24時 / The Longest Day in Chang'an

 2019年(中国)Jun 27, 2019 - Aug 12, 2019

 40分×全48話  

 原作:"长安十二时辰" by 马伯庸

 制作:Youku

 演出:曹盾

 

ラストです。

後半になるにつれ、どんどん大胆なネタバレを含みますので、これから、視聴しようと思われてる方は、是非ともGo Back!でお願いします。

 

  長安の闇(3) 儚きものの命


このドラマの辛いところは、人の命というものが“紙”より軽く扱われるのを見ることかな。

言葉上、死者何百人とかいう累計数字のようなマスな死ではなく、ついさっきまで、役目をきちんと果たしていたり、明るく未来を語っていたり、家族を背負い、賢明に生きてきたような、(フィクションとは言え)顔と名前が一致する人々が、次の瞬間には命がない。えーん

 

李必と皇太子が交わした密談内容が外に漏れないように、当然のように、その場にいたというだけで、自ら死を賜ろうとした少年道士たちのように、

言い含められていたとしか思えない死であったり、

(11話)


皇帝の項目でも触れたとおり、(大灯楼火災の際に)蕭規に拉致され、ケガを負い、髪振り乱し、一時的に城内を彷徨うことになった皇帝のことを、身なりなど気にせず、馬車で救ってくれた三人親子のことが忘れられません。

最初は皇帝とは知らず、行き倒れの老人を助けたと思っていた親切な三人親子(のちに皇帝の正体に気づいた戸部抄録吏員・祝慈と妻、利発な息子の祝玄くん)。

このおうちを訪れた時に、まさに知らなかった民の暮らしの現実を知るんだよね。

四郎ちゃんを豚泥棒呼ばわりした“(認知症気味の)近所のオババ様”とのやり取りも最高だった(笑)

利発な祝玄くんの言葉で、民の間にも、皇帝の治世のよいところが伝わっていることもわかったり、そんないい兆しが見えてきた矢先だったのに・・・。

ホント、皇帝を改心させるために散った命なのか、と思い出しただけでも泣けてくる。

(44話)

 

蕭規に従ったふりをして、拉致された皇帝を護衛する張小敬が身を寄せた街中の造り酒屋。

そこに、大仙灯火災の大混乱の中、家に帰るには遠すぎて、助けを求めてきたのが、1話で出てきた床屋父子。

たしかに、曹破延に「今日は家にいなさい」と言われたにも関わらず、灯楼を見に行っちゃったし、小さな子供を連れているのに、深夜まで出歩いていたのはよくなかったかもしれないけれど、それもこれも、娘の喜ぶ顔のため。

なにもよりによって・・・だけど、これはドラマだからね。(苦笑)

 

ここで、ちょっと事情が複雑になりますが、皇帝が拉致された酒屋が判明し、救出に来た靖安司に仕える旅賁軍と、右相に仕える右驍衛が駆け付けてきて鉢合わせ。

 

自分が残るから、(まきこまれた)一般の民は助けてやってくれ、という皇帝の言葉で、まず、我が子を抱いた床屋パパが、店から出されることに。

 

ところが、秘密を守るために、皇帝以外は皆殺しにするつもりでいた右驍衛、出てきた父子に向かって、いきなり矢を放つ非道さよ。

しかも、ここ、反対側の旅賁軍も参加して、道の両側から挟み撃ちで狙ってるからね。ムキー

まさか、いきなり矢が飛んでくるなんて思いもしない一般人のパパとしては、子供に被さって守るしかないじゃん。えーん

 

子供だけでも救わねば、と死ぬ覚悟で飛び出した張小敬と蕭規に続き、耐えきれなくなった皇帝もまた、表に飛び出して、「この子を傷つけた者は九族皆殺しにするぞ!」って声を張り上げるのよ。

そんな皇帝にむかって、「太子の敵を殺せ」と容赦なく、矢を放とうとする旅賁軍の兵士。

もちろん、皇太子はそんな命令なんて出してなくて、あくまでも、皇太子を陥れるための虚言なんだけど。

さすがに、皇帝に向かって弓を引く旅賁軍の兵士に向かって、王韞秀が「なにするの!」って止めるものの、その袖からちらりと覗く手首のタトゥー。

ここで、さすがの王韞秀も、なにかおかしい、と思う様子を見せるんだけど、時すでに遅し。

【ネタバレ】どうやら、檀棋を殺そうと画策した元載が引き入れた兵士以外の人間も交じってる感じがしたんだけど、たぶん、この兵士もそうじゃない?

あの人たちって、永王の腰巾着の配下?

(※ 永王=皇帝の16番目の息子で、右相が皇太子を廃し、皇帝亡き後、次期皇帝にしたいと考えている人物)

その後、それについて説明あったかな?

 

あ、ちなみに、娘(季姜ちゃん)は張小敬が、皇帝のことは、身代わりに矢を受けた蕭規が、それぞれ救い出したので、無事でした。

(46話)

 

死ななくてもいい命を散らせ、犠牲となった人たちの最期が見てて辛かったです。


 

 若様と死刑囚(2)

 

少し、話しを戻しましょうか。

 

まだ、前半戦の頃のことになりますが、靖安司がずっと追っていた狼衛の一味については、逃亡した二人を除き、全滅させることに成功した張小敬。

しかし、チェラホト計画を煽動しているのは、狼衛にあらず、という流れが見えてきたところで、ステージは一段階上に。

 

チェラホトが可燃物であるらしい、というところまで、捜査が進んだものの、でも、長安中の荷物の往来を調べても、それらしき大量の油の流れは見つからず。

 

なにしろ、この日は、上元節で、長安の街の往来は、祭り一色。

大勢の庶民が繰り出し、街中、大通りの軒先に飾り灯籠が連なっている。

火難が起きて、それらに引火したら間違いなく火の海。

 

そのうち、油よりも火の勢いが強いものではないか、という疑惑が起こり、そこから、当時、まだ一般的ではなかった黒い油=石脂の存在が急浮上する。

これも、程参のお手柄、お手柄(笑)

 

石脂を精製し、豚の油などで点火すれば消えることはなく、ひとたび、身体に燃え移れば、消すこともできない。軍では“猛火”と呼ばれている。大量の石脂を使えば、一晩で長安を焼き尽くすことも可能、と李必に進言する徐賓。

※実はここで、徐賓が以前から張小敬と知り合いだったことや、張小敬は大案牘術の結果で選び出されたのではなく、徐賓が引き込んだのを見破る李必にも唸っちゃうんだけどね。

 

この時、見破られた徐賓の言葉により、張小敬と李必の対比を簡潔に表わしているように思える部分があるので、記しておきます。

「手段は同じでも、張小敬が見ているのは“人”、司丞(李必)は“ご自身”です。

司丞が、見ようとしているのは、“自分の人を見る目に間違いがないか”、“自分の判断に過ちはないか” 

(それに反して)自分が成すべきことだけを追求する人間は、人に左右されたりしない。

それが張小敬です。 張小敬を牢から出し、生かすためにやりました」

 

これには、李必としても内心では、ぐうの音も出なかったはず。

 

ところが、他の靖安司の記録係の役人たちは、徐賓が編み出した大案牘術をすごく信頼していた分、張小敬の存在を進言したのは、徐賓の画策だったとわかった時の失意は半端なく、「洗っても汚れは取れぬ。実直この上ないお前までもが人を騙すようでは、記録や数字も真実か分かったものじゃない」って徐賓に反旗を翻すんだけど、それも無理はないって感じ。

 

そんな風に、靖安司内部がバラバラになりかけてた時、「私は強情だ。一度信じれば最後まで疑わぬ。張都尉も、諸君のことも・・・。張都尉なしでは、今頃、我らは失職し、民もどれだけ殺されたか」といって、役人たちの前で膝を折り、(長安にどのくらい流入してきたのか)石脂の量を調べてくれ、と頭を下げる李必。

これもグッときたなぁ。

 

実際、外で身体を張る張小敬によって、アジトで精製した石脂+α、これに発火装置さえつければ、威力のある爆破物“伏火雷”になると判明したのは事実。

“伏火雷”​​​​​​​「火薬を使った時限式の焼夷爆弾や爆裂弾を混ぜたような創作兵器」って感じでしょうか。

 

しかも“伏火雷”は15樽ではなく、300樽あったことが判明。

それを知った人々の絶望たるや。

そんなことを嘆いている場合じゃないくらい、次から次へと難問が襲い掛かるので、息つく暇なし。

 

※右相が、城内で爆発があったと知るや、自分の家の庭で、石脂を燃やす実験をするところとか、ほんと抜け目ないよねぇ。

ベタかもしれませんが、こういう人間ドラマの部分をおろそかにしないところも、このドラマの面白いところよね。

 

私が、この李必と張小敬が、本当の意味で相棒になれたな、と感じたのは、3分の2を優に過ぎたくらいの頃なんですが(笑)、久しぶりに顔を合わせて、目と目が合った様子を見て、それを感じたんですよね。

なにしろ、今日、はじめて顔を合わせたばかりの相手です。

“その3 ”の助っ人の項目でも書いたように、状況的に、それまでの行動や言葉を記した記録に目を通したとしても、結局、目の前にいる本人の澄んだ目の色を信じるしかない。

理解しあう時間なんてないんですから。

この二人は常に行動を共にする相棒、というよりは、離れた場所にいても、自分が自分を信じるように、相手のことも信じて任せるというスタンスなので、困った事態になったとき、”おそらく(張小敬なら/李必なら)こう考えるに違いない”って読み解いていった積み重ねが全てだったんだと思います。

そういう遅咲きの関係性も良かったんじゃないかな。

 

【ネタバレ】だいぶ終盤のこのシーン(笑)

実は、どうして急にモノクロになったのか、私も不明だった(笑)

普通、死んでしまったあとの後日談的に使われることが多いでしょ(笑)

あの怒涛の24時間外を表わしたかったのでは、という声をみて、なるほど!と思いました。

見るからに、何も言わなくても、この二人にちゃんと絆が出来た、とわかる感じも良かったですけどね。

 

 長安の闇(3) 黒幕の器 

 

話があちこち飛んですみません。

 

夜から夜中へと、祭りがクライマックスを迎えるまでに、灯楼も変化をみせる。

デカいでしょ?

この内部で、なにが起きてるかなんて、なにも知らずに興奮する長安の民。

これは、爆発した様子じゃなくて、メインイベントの点火の風景です。

 

ここまでくると、だいぶ、終盤戦に入ってきますが、このドラマ、チェラホトが消滅しただけでは終わらないんです。(笑)

 

これまでの数々の矛盾と謎を解き明かすのには、まだまだかかりますが、さすがに、それを全てつまびらかにするのは遠慮しましょうか。

 

実際、このドラマを見ていて、強く感じたのが、『黒幕』という概念って、結構、曖昧なんだなってことでしょうか。

 

たしかに、最後に、自分がこの計画を全て立案し、言葉巧みに関係者を誘導したと自白した黒幕は、張小敬ですら「誰に頼まれた? おまえにこんな大それたことなどできるはずがない」と言うくらい、ノーマークの人物だったわけですが、← もちろん、視聴者には途中からヒントはたくさん出されてました。

 

自白するシーンの前の47話で、程参によって次々と明かされていく謎解きを見ていれば、実によく細部に至るまで練られた計画で、人心掌握に長けた人物だってことはわかってはいるんです。

 

ただ正直、どれだけ、誰に対してはこう指示をした、とか、少しけしかけたらまっしぐらに突き進んだ、とか、ちょっと入れ知恵したらお手上げ状態になった・・・とか、説明されても、なんかストンと来なかったんですよね。

 

誰からも理解されない、と訴える自称黒幕の哀しみは、合わせ鏡。

最初から誰のことも理解しようとしなかったのは、あなたのほうなのでは?と言いたくなってしまう。


同時に、いざ、そこに至る経緯が露呈してみると、「ホントに、彼は黒幕だったのか?」という疑問も湧き上がる。

 

自分の手は一切汚さず、胸に黒々とした不満や鬱屈を抱えている“役に立ちそうな”人間を見つけては、耳元で囁き、その気にさせていく、という手段は、たしかに高度な心理操作と言わざるを得ません。

そして、囁かれた方は、操られているなんて、夢にも思わない。

同じ口で、理想も語れば、欲望も語り、自分の意志で犯罪を計画し、実行した、という確信のもと、それぞれの使命に命をかけ、そして死んでいった。


こうして、改めて今回のドラマの背景が見えても、どこか釈然としない。

 

人間には誰しも“器”というものがあるように、黒幕にも“器”というものがある。

(それを踏まえて、演じた役者さんの抑制を効かせながらも、自己中心的な素質が透ける演技は見事でした)

 

 【最大のネタバレか?】

※実は、視聴後、このドラマの中の、細かな部分や用語を検索しながら、このレビューを書いているうちに、原作の黒幕について触れている複数のブログを拝読し、「なるほど、だから違和感があったのか・・・」と、そこで納得できたんです。

 

しかも、その「原作の黒幕」本人を前にして、その名を口にするのは程参です。

彼は今日一日、騒動の外に身を置きながら、ずっと観察し、問題の本質に気づいたからこそ、本人に怒りをぶつけるんです。

(私も、程参と同意見で、彼の指摘に賛成です。それが、ここで「劇中の黒幕」の名前を明記しない理由でもあります。)

 

指摘された本人も、その少し前に、自分の非を自覚する場面があったので、この事件を終結させるために、程参に全面協力する流れになり、その後、程参は自分の役割を全うするべく、事件の真の謎解きを始めるんですけどね。

 

普通なら、原作改変およびそれに近い行為は、反発を呼び、受け入れられないことが多いし、しないにこしたことはありませんが、この流れはよく考えられているなぁ、と感じました。

 

たとえ、フィクションであっても、その時代を生きた人間が築いた歴史を変えたり、“時”の順番を入れ替えることができないように、ドラマ化にあたり、大勢の人が目にするとなった場合の、様々な影響を考慮して、この流れにせざるをえなかったのかな。

 

それほど、この運命の一日において発生した事件は、それぞれ因果関係があり、時間に沿って、さも順番に起きているように見えるけれど、黒幕を名乗った人物を含め、皆が、“なにかの見えざる意志”によって動かされてる駒に見えてきてしまいました。

 

その意味では、“なにかの見えざる意志”こそが黒幕だったという気がしてなりません。

 

とにかく、“権力”に踊らされるだけ踊らされ、“権力”が適切に機能しない社会の悲哀のせいで、大変な24時間でした(笑)

 

しかし、権力が適切に機能する社会って、この世界の一体どこにあるんだろう?(苦笑)

 

 

 雑感ラスト 長安の太陽🌞

 

こうして最後まで見ると、いろんなタイプの人間の見本市みたいなドラマでした。

今回、取り上げた面々も、登場人物のごく一部ではあるんですが、ちょっとした役だと思って甘く見てると、あとあと、うっそ~~~!とかなることも多し。

 

めんどくさくて、ほぼ流してしまっていた爺たちの会話に大事なことが含まれてたり、爆笑爆笑爆笑

李白の詩が出てくれば、真面目に高校の漢文の授業を取り組まなかった自分を責め(笑)、複雑な辺境地域の異民族事情について理解が乏しいとなれば、世界史を怠った自分を責め(笑)・・・というこちらサイドの問題は重々承知なんですけど、改めて、唐の軍政の変遷などをつらつら読んでたら、ああ、これは知識なく、私のような外国人がこのドラマを見ても、なかなかピンとこないはずだわ、という気がしてきました。

 

だからと言って、理解してから出直してまいります、と言えないところが、ドラマウォッチャー。(笑)

見たいときに、視たいのよ!

 

いろいろ事情はあったんでしょうが、眠らされてた李必くん、あなたが謎解きに参加しなくてどうするの?とか(笑)、あまり登場シーンがなかった人物とは言え、あの後、一体どうなった的な永王の話とか、ほら、あのザクザク出てきたコイン(ペルシャの・・・ササン朝ペルシャとか目にするの、学生の時ぶりじゃない?(笑))、あの件はあのままかぇ?などなど。

あれって、徐賓が、工場で作った紙を諸外国に売って、儲けた金ってことでいいんですよね?

紙を作り出す技術やその価値を、李必に必死に訴えていた徐賓を思い出すと、たしかに胸が痛い。

結局、唐の片隅で燻(くすぶ)っている徐賓の価値を見極め、高く評価したのは、唐じゃなく、まさに虎視眈々な周辺列国だった。

 

などなど、これらの思惑もあって、シーズン2のために、あえて触れなかったのだとしたら、改めて絶賛してもいいよ← またも、上から目線(笑)


ここで触れた以外にも、もっといいシーンや考えさせられるシーンがバンバンあるし、書きたいシーンもいっぱいありました。

あ~~、やっぱり、いつもみたいに、流れにそって書けばよかったかな(笑)

 

振り返ってみても、やはり、この物語は、張小敬に始まり、張小敬に終わるって感じでした。

 

唐律(唐の法律)で確定した死刑囚を李必が勝手に牢から出し、都尉に登用したことが、ずっとウィークポイントになって、いろんな人から「問題になるぞ!」とつつかれ、視聴者の不安をうまく煽ってくれるのよ。

 

当初、みんなして、こんな重大任務、囚人になぞ務まるものか、と、張小敬を蔑視しているんだけど、だんだん、張小敬の実力と有能さに、二の句がつけなくなってくる過程もいい。

ただし、この死刑囚ヒーロー、一度や二度の成功じゃ信用されなくて、時間が足りない中、多少強引なやり方をすれば、前例のなさに、人々の理解がついていかず、評価が乱高下。(苦笑)

そこらへんも、視聴者を釘付けにする理由の一端かもしれません。

 

途中、ところどころ引用したりしましたが、登場人物たちの台詞も、それぞれ語録としてまとめたいくらい、キラリと光るものが多かったように思います。

 

例えばですが、「檀棋、人と気が合う条件とは?」と李必に聞かれた檀棋の答えも秀逸でした。

「その人の選択を好ましく思うことですね」

具体的な誰かを思い浮かべていなければ出てこない言葉だよなぁって。

 

それに関連してですが、
>【プチネタバレ】張小敬と檀棋みたいに・・・🙊(笑)

って書いたとおり、一応、このドラマもラブ要素がないわけじゃなかったんです(笑)

 

【恋の矢】

狼衛の隠れ家に、援軍を待てずに単独で乗り込んだ張小敬。

そこへ、張小敬と因縁のある熊火幇が乗り込んできて、狼衛ともども殺し合いになるという大騒動に発展。

※覚えてますか? そもそも、張小敬は上官以外に、熊火幇34名を殺したという罪も犯しているわけで、当然、熊火幇から命を狙われてるというシビアな状況。

 

その後、李必の命で確認にきた檀棋が、大勢の狼衛たちの死体と共に、張小敬が意識を失い横たわっているのに気づいて、慌てて駆け寄り、心臓に耳を当てるところとか、すでに、この時点で檀棋の気持ちは丸わかり。

朝10時に初めて顔を合わせ、午後3時頃にはこんな展開(笑)

 

方や、なんとか意識を取り戻し、それが倒れる前に救おうとしていた聞染ではなく、自分を心配して見下ろしている檀棋だと気づいた張小敬の、脱力したような笑顔もいいのよ。

直後に再び失神し、意識を失ってる間に、自分の身支度を済ませてくれた檀棋に対して、「腕当ては?」って訊ねる張小敬。

なんであんたにまで奴婢扱いされなきゃならないの、とムカつく檀棋に、張小敬は、「(お前、俺のこと、好きだろ?)」って表情を浮かべながら、黙って、腕だけを前にだすのよ。

くぅ~~!

ここで、ただの小汚いおっさんに見えていた張小敬が、女性に奥手で不器用な朴念仁なんかじゃなくて、任務同様、ちゃんと女を惚れさせられる“できる男”だってことが視聴者にもわかっちゃうのよ。😂

渋々、腕当てをつけてあげながら、「(長安の人口は100万人だが)再也找不着第二个《おまえみたいな女はふたりといない》」と口説かれた(!)檀棋の顔が

↑これです(笑)(笑)(笑)

このジト目も好き。

実は、この襲撃の前、張小敬からの、「ある女を探してくれ」という頼まれごとを無視したのをちょっと気にしてる檀棋。

のちに、それが聞染のことだって気づくシーンがあるんだけど、タイプや男への接し方は全然違うのに、檀棋といい、魚腸といい、そこそこ嫉妬深くて、笑っちゃう(笑)

最初、牢から出たドロドロ状態の張小敬に「臭い!」と言い放ち、容赦なく裸にして、寒空の下、水をぶっかけさせた檀棋を思うと感慨深い(笑)

張小敬の「体を見られた仲だからな」という言葉がここでも生きてくるわけですけどね(笑)

 

全身傷だらけなのに、それをおくびにも出さず、都尉の顔になって表に戻っていく張小敬の背中を見る檀棋の顔に、

ふと女性らしい切なさが浮かぶのもいいんですよ。

(10話の1シーンです)

 

ただ、後半になって、蕭規(龍波)と張小敬の結びつきの濃さという比較対象(笑 こら!物申す)が現われたので、若干、陰が薄くなってしまった、というか、そもそも、張小敬と檀棋のラブ要素はドラマの中心には置こうとしてなかったと思います。

それでも、事件を通じ、様々な困難を乗り越えていくうちに、憎からずな感じを意識した二人が、緊迫した24時間の中で、徐々に惹かれあうようになるシーンや過程は、全部取り上げたいくらい、ほんのりと好ましかったです。

 

勅命と言われれば仕方ないとは言え、勝手に、それぞれ旅に出る男たちがいない間の長安を守っておくわ、という檀棋の漢気、いや、母性のような心意気よ。

何を見ている、と李必に問われて、

「长安的太阳 真美 《長安の太陽です。本当に美しい》」

そんな風に、しみじみ告げる檀棋の視線の先を映さないのも素敵。

 

もし、このドラマをリアルタイムで見ていたら、おそらく、再び「長安の太陽」が昇るのを見たくて地団太を踏んだかもしれないけれど、すでに、続編を作るには、機を逸してしまったのでしょうか。

もう7年経ってしまいましたからね。

 

でも、この一作だけでも、十分お腹いっぱいになるくらい、面白かったです。

今回書いた内容なんて、ほんの一部ですから(笑)

さすが、48話のボリュームは伊達じゃありません。

そうか、  いわゆる「大河ドラマ」1本分を集中して見た感じに似てるのかも。

 

ちなみに、『長安十二時辰』」の制作費は、公開されている報道ベースでは総額で約6億元、日本円換算の目安でおよそ90億円前後とされていて、大規模な美術セットや衣装・小道具にかなりコストをかけた作品として知られてます。

(黒澤和子さんが担当した衣装デザインも、日本人からしたら“奈良時代”を彷彿とさせてくれてどことなく親しみが持てるし、きらびやかな豪華衣装だけでなく、アースカラーを駆使した色使いなども見事過ぎて、それも一見の価値ありですね)

 

上のYoutubeを見てもわかるとおり、効果をつける前段階で、「ここまで作り込んでたんかい!」的な状態を見れるのも、わくわくしますね。

もちろん、なにもかもがお金の力だとは言いませんし、技術を盛り込んだものだけが素晴らしいと賞賛してるわけじゃないんです。

ただ、資金やマンパワー、技術、脚本、バランスよく時間をかけた作品を見つけることができれば、視聴者の満足度も違ってくるんだろうなぁ、と思ったまでです(笑)

 

だからこそ、こんなアホみたいな荒唐無稽な話でもエンターテイメントとして生きてくる!← 褒めてます!

 

さて、いつものように、話数にそっての説明ではなかったので、わかってるのは書いてる私だけで、読まれてる皆様には、おそらくなんのこっちゃ状態だったか、と思われますが、びび本人は、視聴直後、興奮冷めやらぬうちに、ウッキウキしながら一気に書きなぐりました。

 

長々書いてしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


今の精神状態で、他の作品にも、これだけの情熱を注げるかしら(笑)

まぁ、なにかが降りてくるのを待ちたいと思います。

 

★次の“見たよ報告”は未定です★