こちらは、前記事『长安十二时辰(長安24時)』1 の続きです。

 

まだ、お読みになられていない方は、そちらを読まれてから・・・をお勧めします。

 

人物紹介の人数が増えていくにつけ、どんどん大胆なネタバレを含みますので(笑)、もし今後、フラットな状態でドラマを見ようと思われてる方は、是非ともGo Back!でお願いします。
 

『长安十二时辰』長安24時 / The Longest Day in Chang'an

 2019年(中国)Jun 27, 2019 - Aug 12, 2019

 40分×全48話  

 原作:"长安十二时辰" by 马伯庸(マー・ボーヨン)

 制作:Youku

 演出:曹盾(ツァオ・ドゥン)

 

 

続きです。

 

李必たち皇太子派と呼ばれる側にとって、自分たちが支えようとしている皇太子が、年々、実の父親である皇帝に疎まれるようになってきて、しかも政権を老獪な右丞相林九郎に奪われそうになっているところが懸念の中心。

  「つまり、張小敬の仇(かたき)は、このわしなのだな?」

林九郎

この人はまぁ、見事なくらいに、わかりやすい権力の中枢であり、敵役(笑)

通称は「右相」または「林相」。モデルは李林甫。

とはいえ、さすが機を見るに敏。瞬発的な判断力は適格で、その政治的手腕は、皇帝が摂政(皇帝の代わりとなって国を動かす宰相)に指名しようとしているだけのことはあり。

老獪というのは、この人のためにあるような言葉です。

 

お上品に理想を語るだけのインテリに、有象無象の化け物たちを相手にできるはずもなし、そんなところでしょうか。

 

傍にいる腰巾着の官僚が低能すぎるのか、彼らよりははるかに世の中を知ってますし、情報収集の包囲網もすごい。

自分にマイナスとならないことであれば、案外、まともなことも言ったりするんですよ(笑)

ただ、邪魔なもの、今後邪魔になりそうなものは徹底的に排除すべしっていう信念が凄い。

当然、功だけでなく、罪も多い。

右丞相になる前の開元二十三年当時、烽燧堡の戦い(突騎施と戦い)において、当時の兵部尚書を務めていた林九郎の命令で援軍が送られず、完全に見捨てられた第八団。

二百十一人中、張小敬を含め僅か九人が生き残った、という経緯あり。

それ以外にも、張小敬が罪を犯すことになった経緯の背後にも、見え隠れする“右相”の影。

そう、この人、「全ての元凶はお前や!」と思われがちな人なのです。

大抵、こういうドラマの復讐やら仇は、この手の分かりやすい悪役に集約されることになってますからね(苦笑)

さて、本当のところはどうだと思われますか?ニヤリ

 

もし右丞相が摂政ともなれば、周囲で尻尾を振る官僚たちの天下になり、改革派である皇太子は廃位、あるいはそれ以上の破滅的な事態に追い込まれる恐れあり。

しかも、皇帝ったら、ただでさえ、上元節という大変な日(テロ攻撃当日)に、イベントに乗じて、お仕事は右相に任せ、自分は若き愛妾の厳太真(モデル:楊貴妃)と山で隠居生活💘を送ることを世間に発表する気、満々!

一見、無責任きわまりないように思われますが、それでも、皇帝の言うことは唯一絶対なので、勅(みことのり)が出されたら最後。

だから、みんな必死になって、その前になんとかせねば、と暗躍する羽目になるのよ。

 

  実るほど頭を垂れよ稲穂なら

聖人(李四郎=李隆基=玄宗皇帝)

無責任とか言ってごめんね(笑)

この人はこの人なりの考えがあってのことなんだけど、どうしても、長く皇宮の中にいて、世の中のことが見えなくなってしまったんだろうね。

前半は、ほとんど姿を見せず、不気味な存在ではあったんだけど、後半、思った以上に大活躍する四郎ちゃんこと、玄宗皇帝。劇中、玄宗の名前は出ませんけどね。

史実に合わせてみれば、若き日、712年、玄宗として即位したのち、おばちゃんの太平公主を滅ぼした、あの李隆基だったんだよねぇ!(笑)

主役(メインキャラ)でなくても李隆基→玄宗が出てるドラマはいっぱいありますもんね。

私が最近見たドラマだと、『唐朝詭事録』ね。

この人が年を取ると、↓こうなるのか。(笑)

 

自分が唐を安定させ、唐の民を幸せにしたのだ、問題などあるはずがない、と、どこか傲慢になっていた皇帝に、大切なことを思い出させてくれるのは、皆、なんの権力もない庶民たち。

実際の民の暮らしを見て、「ありえない」とショックを受ける玄宗。

とは言え、御厄介になったおうちは、賄賂など受け取らない清貧タイプの役人の家なので、粗食であっても、まだましで、しかも、老人のお客様(つまり自分ね!)のために近所から掻き集めてきたと聞き、にわかには信じられない。

ここで本当の意味でようやく現実が見えてきた玄宗の変化の兆しに、視ていた人たちは安堵したんじゃないかな。← 現実の玄宗には、こういう機会はなかったみたいだけど。(爆)

 

しかしながら、いわゆる“老いらくの恋”でも有名な玄宗。

となれば、ここで言う愛妾とは、当然、楊貴妃を模した厳太真のこと。

その昔、檀棋が命を助けてあげたという過去あり。

 

ドラマ内で、唐代きっての歌姫と言われる許鶴子のことを、

玄宗が見初めるのでは、とヤキモキする場面があるんだけど、あれは純粋に嫉妬なんだろうか。

 

果たして、厳太真は、この先、四郎ちゃんを諫める人になれるんだろうか。

つい、この人を楊貴妃として見てしまうと、複雑だなぁ。

 

李必自身は、長らく政治とは一線を画していたのに、4か月ほど前に新設されたばかりの靖安司の司丞に抜擢されたばかり。

皇太子と親しいと知れ渡っているとは言え、(政治的に)結託しているとみられるわけにはいかず、いつも景龍観っていう梵鐘が飾ってある道観(道教寺院)で秘密裡に会っている。

 

皇太子を推したい李必としては、玄宗が後継者に、(右丞相ならびに右丞相が推す皇子ではなく)現在の皇太子を指名してさえくれれば、はっきり言って、勝手に隠居しようとなにしようと構わないわけだけど、情報ではどうやら、本気で右丞相を指名するらしいとあって、絶対、阻止しなければならない事態で、内心、相当な焦りがある。← それが、彼の《よんどころない事情》というわけなのです。

 

当然、並行して、靖安司の司丞としての責務もあって、やることは目いっぱい。

よりによって、最初に忍び込ませていた崔六郎(禁輸製の密輸、人身売買やら高利貸しで死罪確定だった者)を間者だと見破られ、狼衛の捕縛作戦に失敗した後、首領の曹破延には長安を流れる水路をつたって逃亡されてしまう。

時間がない!!

かつて長安の警備経験もあり城内の人物や地理を熟知する張小敬に目を付け、前述のとおり、靖安司の都尉に任ずることに。


“長安一権力をもった死刑囚”として都尉(武官)という肩書を背負わされ、捜査に当たることを決心した張小敬は、やがて、狼衛が多くの人が集まりにぎわう上元節(旧暦正月十五日)の祭りの夜に、長安で爆破テロを計画していることを探り当てる。

【ネタバレ】前述の大仙灯の点灯が爆破テロの引き金となっている。

 

つまり、テロ襲撃と(右相の)摂政就任の双方を阻止するための時間がわずか24時間しか残されていない。

 

果たして、タイムリミットまでに、李必の思惑通り、張小敬は犯人を捕まえ、長安の人々の命を救うことは可能なのか・・・というのが、張小敬がこの事件に関わることになったあらましであり、課せられた難関な任務なのです。

 

 

・・・ということで、張小敬や李必に関する当初の説明が一段落したので、これからは、もう少し内容や、それ以外の人物たちの悲喜こもごもについて、多少、まとまりをもってふれていこうと思います。

まだまだ、このあとも、ユニークな登場人物や事柄もたくさん出てきます。

 

  長安の陽(1)靖安司という名の役所

 

ここでまず、李必が任命された靖安司についても、一応、説明しておいたほうがいいかもしれません。


長安の治安維持を司る特命の官署で、三省六部の機密文書を保管するデータセンターのようなもの。

それも新設されたばかり。

その創設の意図は大変ご立派なのですが、長安のあらゆる記録(データ)や、各方面への捜査権を一手に掌握しているだけあって、つつかれたくない人たちにしてみれば、目障りな役所であり、存在自体、面白くないわけです。

しかも、司丞になった李必は今まで、捜査経験など一切ない、ど素人ですからね。。

 

逆を言えば、自分たちの手で押えられたら、こんな美味しい話はない・・・。

そんなわけで、内外ともに、いろんな圧に翻弄されていく役所でもあります。

 

でも、この李必くん、相当な覚悟をもって臨んでいるので、かなりの無理難題を押し付けられても、毅然と対応しますし、「おいおい、大丈夫かい、そんなこと言って」みたいなことも請け負っちゃうので、見ているこっちとしては、結構冷や汗もの。

 

 

それらの記録を一手に管理するのが、戸部の役人だった徐賓。

  どことなく、暗い影が付きまとうデータ操作のプロフェッショナル

徐賓

ある意味、靖安司のスーパーコンピューター。

独自に編み出したと言われる大案牘術(だいあんとくじゅつ・・・情報分析術解析法)を駆使し、捜査方針を導きだしたり、なんといっても、膨大な記録や資料の場所をほぼ記憶しており、それらを管理できる人間離れした頭脳の持ち主。

 

そもそもどういう理屈になってるのかわからないんだけど、首から下げた長い数珠の玉をある部分から数えたり、動かしたりすると、即座に、答えを導き出せちゃうんだよね(笑)

 

登場からずっと、靖安司の捜査任務における李必の懐刀(ふところがたな)のように思わせておいて、時々、徐賓は、もっともらしいことを言って、李必を試すようなことを言うんだよね。

彼の目的は、捜査の行く末に関して、李必に疑念を抱かせ、なにかに誘導させることなんじゃないのかな、と思えることも度々。

李必もその可能性には気づいていて、決してこの二人は心ひとつなどではなく、裏ではすごい心理戦がうごめいているあたりも見どころかもしれません。

 

【ネタバレ】

《あんなに有能で、人間的にも素晴らしい張小敬を死なせるわけにはいかない》 

徐賓が貫いたこの考えについては、嘘偽りはなく、本心だと思ってます。

 

この人ほど、賢く、自分や世の中が為すべきことや物の道理、人の痛みがわかる人であっても、正当に訴える手段のない社会では、愚かな策に溺れていったり、高みを目指そうとする人間が陥ってしまう罠のようなものにハマることがあるのだな、と感じてしまいます。

 

あとね、靖安司が誇る記録庫もすごいけど、李必が作らせたという「砂盤」もなかなかのもの。

長安城下108坊の街のミニチュア。

坊・・・街区や路地などの一区画を表わす。土+方角を漢字で表してるそうです。へぇ~、そうだったのかおねがい

坊ごとに作られたこの“砂盤”、ひとたび李必が見たい街区(坊)の名前を指示すれば、さっと取り出したり、入れ替えたりして、張小敬の現在地や状況を把握したり、俯瞰で先回りできたりする。

一目瞭然、地図以上に有効。

私の大好きなストリートビューの三次元みたいなものです(笑)

一話で、この“砂盤”を一目見るなり、「これを悪人に盗まれたら長安は終わりだ」と告げる張小敬にシビれます。

 

“砂盤”を見れば、大路や小路、建物の配置や縮尺、主要な役所はおろか、望楼の位置まで一目瞭然。

↓望楼(300歩ごとに設置された監視塔)

異常を察知すると、太鼓を鳴らしたり、望楼同士、マスに区切られた白板と色板を入れ替えて暗号で送り合い、瞬時に長安の要所要所に行きわたらせ、靖安司に伝令をつなげる・・といった、この望楼を使った伝令システムが面白いくらい、視覚・聴覚(太鼓)に訴えてて、今でいうネットワークを表現したかったんだろうけど、笑っちゃうくらいエンタメ化してるの。

これのおかげで、張小敬がいる場所は、靖安司にいても一目瞭然。

でも、張小敬が居場所を伏せたいときに限って晒されちゃったり、最終的には、その暗号解読法が敵に筒抜けだってことがわかって、肝心な時に使えなくなっちゃったのが玉に瑕。(苦笑)

 

 

  長安の陰(1) 狼衛

 

テロ集団「狼衛」の一味が城内に潜入しているという情報をつかんだ李必は、なんとしてでも、その首領の曹破延以下、全員を捕まえるべく、張小敬を長安の街に開放します。

 

※「狼衛」・・・中央アジアの滅亡した民族“粟特(ソグド)=主にウズベキスタンとタジキスタン”の残党。

  すべては愛する“天の星(娘)”のために

狼衛首領 曹破延(そう・はえん)

父が右刹の祖父に買われたため、家族代々奴隷。娘を自由にさせたいため、右刹に従うしかない。

非情な面と非常になり切れない面を合わせ持っている。

当初、変装のために髭をそり落とそうと入った床屋の店主を殺そうと思っていたのに、その娘季姜ちゃん(6歳)に自分の娘と重ね合わせて、「今日は どこにもいかず、家にいなさい」って忠告しちゃうんだよね。← でも、結局、この父子、大仙灯を見に出掛けちゃうんだけど。(爆)

世が世なら、曹破延もこんな人生を送らなくても良かったんだろうなぁ。

 

ボスの右刹に関しては、あまり書くことがないというか、設定以上の存在感でしかなく・・・。(笑)

狼王。首領より上の立場なんだよね。

波斯僧の恰好をして偽装している。

この右刹も、チェラホト計画を進める人間に踊らされた一人。

 

狼衛が出てきたところで、ようやく、チェラホト計画の本筋に入れますね。

 

狼衛の隠れ家は張小敬によって、ほぼ壊滅させられるんだけど、首領の曹破延と、配下のマガルだけは逃げ出し、チェラホト計画の実行グループと合流。

実行グループの隠れ家から、炭の原料と騙り、爆発物を皇宮内に運びいれようと、馬車を走らせるマガル。

追撃してくる張小敬や軍を阻むために、通りに火を放つ。

さすがの張小敬も、馬がビビってしまい、前に進めず。

その時、布にくるまって、猛火の中を駆け抜け、馬車を追う張小敬。

おいしいところは全部、張小敬がもっていきます。

ついつい、張小敬の画像ばかり貼ってしまう(笑)

 

もちろん、登場人物は、これだけじゃなく、愛すべき助っ人やら、小憎らしいワルやら、とにかく特筆すべき人たちがた~くさん登場するので、誰から紹介しようか、ついつい迷う(笑)

 

  長安の陽(2)助っ人たち

 

張小敬の活躍や李必の奮闘の裏で、実はそれぞれの場所で、それぞれの働きを見せてくれた庶民の助っ人たちがいるのです。

名もなきヒーローたちですが、私はそういう存在を無視できず。

  科挙を受けるために長安に来ただけなのに・・・

程参

もはや、何の罪で石牢に入れられてるのかすら忘れちゃいそうになるくらい、ないがしろにされ続ける不運の持ち主。(苦笑)

※程参の罪と言えば、ただ、仕官するために準備してきた大切な書類や愛馬(緑眉)を、張小敬が狼衛を捕まえる騒動によって失い、かっとなって文句を言ったのを捜査を妨害したとみなされ、どさくさで石牢に入れられたようなもの。

可哀そうに、このドラマの序盤から、ずっと手鎖足枷状態で、ごはんも食べさせてもらえなかった(笑)

 

自分以外に入れ替わり立ち替わり、一時的に牢に入れられる人たちから邪険にされながらも、外の情報を聞き出し、難問を一緒に考えてあげるのよ。

 

なにしろ、この程参、異国の言葉はわからないと言いながらも、今まで読んできた書物からの知識を頼りに、張小敬が狼衛の一味から聞きだした“チェラホトが長安に君臨する。黒い骨で転生の道を敷く”という言葉から、テロ計画の符号である“チェラホト”が“末世の火の難”だという意味だと解読した人(笑)

これが、結構、いい線ついてた!

(これがわかったシーンの直後、油をまくようなシーンに切り替わって、緊張が高まるんだけど、“チェラホト”計画自体、そう単純な話じゃなかったのです) 

 

ただね、彼は善人だけど、なにかにつけて間が悪い(笑)

 

改めて考えてみると、背後で暗躍する人間たちからすると、この頭のいい彼がずっと石牢に閉じ込められていた意味は大きかったよね。

そうでなければ、もっと早い段階で計画を突きとめられてしまったかもしれないから。

 

こんな頭脳明晰な程参を活用しないなんて宝の持ち腐れ。

後半、牢から出された彼は、メキメキと力を発揮します。(笑)

 

ずっと石牢の中から、今日の靖安司、いや、長安のドタバタ(バカらしい権力闘争劇)を見てきた彼が、最後の指針として選んだのは、李必(その背後にいる張小敬)の言葉だったことや、自分のすべきことをやり終えて靖安司の建物から出てきた姿には、さすがにジ~ンとしました。

 

そう言えば、劇中、何監との謎解きの際に、何監の配下というか靖安司の役人たちに対して、緊急事態だったとは言え、「見せよ!」とか、結構、命令口調だったのね。この謎を解けるのは自分だけっていう自負があったからかもしれないけど、ちょっとそこは気になったかな。

 

実際、程参のモデルとなったのは、岑参という詩人で役人。

最終的には、嘉州刺史に任命されたらしいけど、向かってる先で戦乱がおきて赴任できなかったらしい。そういう残念なところは、ちょっと程参を彷彿とさせるようで、笑っちゃった。

Wikiを見ると、“天宝三年(744年)、30歳の時に進士の試験に第二位で及第した”となっているので、ドラマの舞台となったちょうどその年に、無事に科挙の試験を受けられたのか、と思うと感慨深い。

 

他にも、普通なら、重戦車並みにパワーがあるのに身軽な張小敬についていくのも大変なのに、刺客や賊を追う張小敬のあとを、道だけじゃなく、屋根を駆け抜けたり、飛び越えたり・・・と、ついていけたこの人もすごい(笑)

 

  軽業師じゃなく、宣教師です✌️

イス

張小敬の漢気に本気で惚れたんじゃないか、と思うくらい、危機一髪な橋も何度も一緒にわたってくれた、武術に秀でた波斯国の宣教師のイスも、元をただせば、長安を足掛かりにしたい異国の寺(義寧坊大秦寺)の執事。

あと、なにかって言うと、自分は波斯国の王子だっていうんだけど、ホントかな。

本当の王子だった阿里巴巴@『大理寺日誌』を思い出しちゃった。爆笑

 

最初、張小敬と檀棋が寺に夫婦を装って捜査に訪れた際、「あんたたち(張小敬と檀棋)は、お互い盗み見ては好意をひた隠しにしてた。なのに、それで夫婦だと?」って疑った理由を語る鋭いところもあるんです(笑)

 

それに実はすごい謎の人で、望楼の暗号パターンも毎日見てるうちに、気になってきちゃって兵の話を盗み聞いたりしてちょっとわかるようになった、とか、張小敬でも手こずる超強い刺客に襲われても、どこもケガせず、死ななかったんだよ。

ドラマの中の彼が死ななかったのは喜ばしいことだけど、実在したという伊斯自身の存在やその後の動きに関しては、私自身、中国史やキリスト教史に疎いのでよくわかりません。

 

助っ人的な存在と言えば、この人の存在も入れておこうかな。

檀棋が、しみじみ言ってたもん。

「公子(若様)は尊いご身分だけど 権力がないからと蟻のように見下される。何をするにも苦難ばかり」(21話)

やっぱり、こういう世界は、権力のある人に頼ったほうがいい場合もあるのよ。 

  将軍と呼びなさい

郭利仕

郭叔叔こと、郭のおじさん。

 

官職は驃騎大将軍。官位は従一品。通称は「郭将軍」

 

若輩で実直な李必に、皇帝の言葉にはいろいろな裏があること、驚くくらい細かいことまで皇帝の耳に入っていること、などなど、いろいろ諫めてくれる叔父様。

厳しくしようと思っても、ついつい甘くしちゃったり、逆に心を鬼にしたり、なにかと人間味がある人です。

ただ、この郭叔叔自身も、宮中の茶器を着服しているとかいう冤罪めいた噂を(右相に)流されてしまい、権力の中枢から外され、李必の件ではなにかと巻き込まれ、いろいろ大変だったりします。

この人にも、モデルがいて、玄宗皇帝ものには欠かせない高力士。

皇帝の言葉を伝える役割を数十年やってきたって言ってるシーンがあって、将軍なのになんで?と不思議に思っていたんですが、高力士の経歴を読んで、はじめて納得がいったというか、この人、宦官のトップのような存在だったのね。

 

あわや檀棋が殺されるっていう場面で、「遅くなった」と言いつつ、駆け付けてくれた時には、私まで感謝したくなりました。

 

20話も超えてくると、どんどん状況は悪化してきて、役所を追われたり、命を狙われたり、李必も張小敬もピンチの連続なので、ただでさえ、助っ人の存在はありがたく感じるのです。

みんな、偶然、長安の街角で知り合った人たちだから、初見で、この人は正しいとか正しくない、とか、そんな判断基準があるわけじゃない。

でも、目の前の人が、自分たちのためにしてくれた行動や言葉や澄んだ目の色を信じて、力を貸してくれる。

たとえ、それが病気を患った妓女であろうと。

 

  大切にされる喜びを知ると、死ぬのが怖くなる

阿枝とそのお兄ちゃん

たぶん梅毒かなにかだと思うけど、病気にかかってしまった妓女の阿枝と、平康坊の地下帝国に身を隠した李必が、捕らえられた地下牢でなりゆきで知り合い、

阿枝のために、薬を煎じてあげる流れに。

3年間、あらゆる薬を飲ませても、医者も見放した、と、平康坊で下男として働く兄は、李必のことを全く信じないんだけど、

李必が諳んじた薬の処方を聞いて、今まで聞いたことがない、と即答するあたり、口ではあれこれ言っても、妹の病気を心配していたお兄ちゃんだったんだって、じ~んとする。

これは応急処置だから、この騒動が終われば、長安一の医師に見せてやるし、薬草園の薬も取り寄せてみよう、と言う李必。

そのうちに、阿枝の兄も、李必が、自分たちを虐げる右相一味に追われてるお尋ね者のお偉いお役人と知って、全力で助けてくれるんだよね。

それに、妹の本音も聞くことができて、この兄妹にとって、李必もまた恩人となったってことでしょう。

さてさて、またもや長くなったので、ここで切ります。


★『长安十二时辰(長安24時)』3に続く★