こうしてみていると、なんだか、冯晓雯の愛の一途さに、どこか羨ましさすら覚えてしまいます。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。![]()
『猟罪図鑑Ⅱ』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑)Ⅱ / Under the SkinⅡ
2022年(中国)Dec.10~ Dec.25, 2024
45分×全28話
脚本: Zhang Lai
演出: Liu Shu Qiao
『猟罪図鑑』前シリーズをはじめから読みたい方は、こちら#1-1から
前記事未読の方は #19-1
#EP19-2
~葛宇天の車中~
長い回想が終わり・・・
葛宇天「ああ、俺は身を退いたんだ。彼女を愛していたし、彼女には最高のままでいてほしかったから、これ以上のプレッシャーや批判を負わせたくなくて・・・。でも、正直言えば、俺はただの臆病者だったんだ。尻尾をまいて逃げたのさ」
自嘲気味に話す葛宇天。
沈翊「なぜ、冯晓雯さんの娘さんが(冯晓雯さんの)失踪届を出すまで半年待ったのか、その理由を聞いたことは?」
え?と、沈翊を見る葛宇天。
そのこと自体、初耳だったのかもしれません。
沈翊「冯晓雯さんは、決意を固めて過去の全てを断ち切り、君を探しに北江へやって来た。」
ここで、一旦、言葉を切る沈翊。
沈翊「最終的に、彼女は君を選んだんだ」
~回想~
娘である吴念君(ウー・ニエンジュン)の結婚式を無事に終えたあと、身の回りのものをスーツケースにまとめた冯晓雯。
どこか清々しい思いで、壁に掛けられた京劇の衣装や、舞台での写真の他は、ほぼ片付けられた室内を見回す。
さすがに、少し寂しげな冯晓雯。
その時、「お母さん、明日、私、新婚旅行に出かけるわよ」と部屋の中に入ってきた吴念君と鉢合わせ。
母親の出で立ちを見て、固まる吴念君。
吴念君「なにしてるの?」
冯晓雯「ねぇ、こっちにきて」
不安そうに、母親のもとに近づいた吴念君の手を握ると、「あなたももう結婚したわ。これで、もう安心。これからは、あなたの新しい人生が始まるのよ。・・・私も、新しい人生を探しに行こうと思うの。もう劇団も辞めてきたわ」
吴念君「あの葛宇天って男を探しに行く気なの?」
冷たい声色の娘。
冯晓雯「お母さんはね、これまでの人生ずっと、他人のラブストーリーを演じてきた。本当に・・・一度でいいから、自分のラブストーリーを演じてみたいのよ」
吴念君「・・・で、でも」
冯晓雯「一度くらい、自分のために生きさせてくれない?」
そう微笑むと、花の籠をもち、部屋を出ようとする冯晓雯。
吴念君「お母さん!・・・もし、お母さんが出て行ったら、私たちはもう母と娘ではなくなるのよ!」
じっと、娘の顔を眺め、そして、優しく頬に手を添える冯晓雯。
冯晓雯「いい子ね、どうか、お母さんのこと、祝福してくれない?」
目にいっぱいの涙をためながら、最後に、精一杯の笑顔を見せる冯晓雯。
冯晓雯「幸せになるわ・・・」
娘を残し、部屋を出た冯晓雯。
葛宇天「・・・・・・・」
沈翊「宏達(ホンダー)化学工場で火災が起きたとき、みんな、命がけで逃げ出したんだ」
実際に、工場に勤めていた葛宇天なら、その光景は、嫌でも想像できるに違いありません。
~回想~
「アンモニアタンクが爆発するぞ!」
「早くここから出ろ!」
「こっちだ!」
「逃げろ!」
「アンモニアタンクに引火するぞ!」
「全員、退避!!」
「急げ!」
怒号が飛び交う中、大混乱の工場内。
大混乱の中、なにも知らず、葛宇天を訊ねて、工場にやってきた冯晓雯。
手には、花籠を持って。
冯晓雯「すみません、葛宇天さんを見かけませんでしたか?」
逃げ出そうとしている工員に訊ねる冯晓雯。
工員「爆発寸前だぞ!」
殺気だち、それだけを言うと、さっさと外にむかう工員。
冯晓雯も必死で、葛宇天の行方を工員たちに訊ねて回る。
冯晓雯「葛宇天さんを見ませんでしたか?」
誰もがそれどころじゃないとばかりに、入口に向かっている。
冯晓雯「電話を貸していただけませんか?」
断る女性。← 証言した女性ね。
冯晓雯「お願い、お願いします。あの人に電話をしないと!!」
必死に頼み込む冯晓雯を引きはがすように逃げ出す女性。
「みんな、直ちに避難しろ!!」
「足もとに気を付けろ!」
皆が逃げ惑う中、必死に、葛宇天の名前を叫びながら、彼を探す冯晓雯。
ぶつかった拍子に、手から落ちる花籠。
踏みつぶされ、無残な姿に。
それでも、人の波に逆らうように、中へ中へ・・と進んでいく。
冯晓雯「葛宇天! 葛宇天!」
葛宇天と再び会い、無事を確認することしか、冯晓雯の頭にはなかったのね。
沈翊「冯晓雯だけが人混みに逆らい、中に駆け込んでいったんだ。君が電話に出なかったのは工場で何かあったからだろうと考えたんだろう。彼女は、ただただ怖かったに違いない」
冯晓雯「葛宇天! 葛宇天!」
半狂乱になって、工場の内部に進んでいく冯晓雯。
沈翊「彼女は、君を探し、助けだそうとして、必死だった。」
葛宇天「・・・・・・・」
沈翊によって語られる、あの日、工場に現れた冯晓雯の動きとその理由を黙って聞いている葛宇天。
冯晓雯「葛宇天! 葛宇天!」
その頃には、もう残っている人間もほとんどいなくなり、火の手がかなり回ってきていた。
冯晓雯「葛宇天! 葛宇天!」
その時、あの地下階に繋がる階段を見つけた冯晓雯。
葛宇天の名前を叫びながら、一歩一歩降りていくと・・・
沈翊「しかしながら・・・」
階段の蓋が、倒れてきたコンクリートの柱に押されるように、
閉まってしまう。
これで、この階段からは(地上階に)戻れなくなってしまった冯晓雯。
沈翊「とうとう、彼女は死に向かって進みまざるを得なくなってしまった・・」
今はもう、あの日、本当はなにがあったのか、を、自分の言葉で説明することができない冯晓雯に変わり、説明する沈翊。
葛宇天「つまり・・・もし、俺があの電話に出ていたなら・・・。彼女を死に追いやったのは、俺だったんだな」
冯晓雯が電話を掛けてきていたことは気づいていたけれど、それは、あの日からずっと無視してきた冯晓雯からのいつもの電話だと思ってたんでしょう。。
沈翊「・・・・・・・」
吴念君の証言、ホテルの部屋に残されたままの荷物、通話記録、工場内の人々の記憶、杜城と溶月が現場で確認した冯晓雯の骨折に至った最後の動き・・・これらを総合判断して、あの日、冯晓雯に何があって、最期を迎えることになったのか、彼女の動きが判明した際の、杜城や沈翊の気持ちは、どうだったんだろうか。
葛宇天「俺が・・・彼女を殺したんだ」
ようやく、ここで、ずっとハマらなかったパズルがハマり、さめざめと泣く葛宇天。
でも、これで終わりじゃない。
残念ながら、事件の解決にむけては、ここからがスタートなのです。
すでに、次の段階が見えているのか、厳しい表情の沈翊。
~北江分局 刑警隊廊下~
歩きながら、杜城に報告している蒋峰。
蒋峰「冯晓雯は殺害されておらず、2人目の被害者である周国良が最初の被害者だったことが確認されました」
溶月と一緒にいる沈翊に気づく。
沈翊「・・・・・」
なにか言いたそう。
杜城「周国良の口の中にあった異物は特定されたのか?」
立ち上がる溶月。
溶月「ええ、成分は炭酸カルシウムと硫酸カルシウムで、おそらく石膏、大理石、あるいはチョークの粉塵から出来ているものね。口と鼻を覆うために使われた凶器から呼吸器系に侵入したと推測していいと思う」

蒋峰「犯人の職業は彫刻家か室内装飾家なんですかね?」
関連しそうな職業を思いつくまま、口にする蒋峰。
杜城「(蒋峰に)周国良の周辺で、この経歴に当てはまる人物を探してみてくれ」
蒋峰「はい」
ようやく、沈翊が杜城に、「現場を見に行きたいんだ」と申し出る。
杜城「?」
その時、李晗がやってきて、「城隊、周国良さんの奥さんがいらっしゃってます」と告げにくる。
沈翊に向きなおり、「別乱来 (無茶はするなよ)」と、一言注意したうえで、
李晗と一緒に出向いていく杜城。
頷く沈翊。
別乱来・・・「勝手なことをするな」“乱来”が、無茶をする、でたらめなことをする、勝手なことをする、を意味し、それに、禁止を表す「别 (bié)」がつくことで、「~するな」という命令形になる。ここ、杜城の反対を押し切って、沈翊が現場に独断で行ったっていうニュアンスで受け取ってる中国の方と、そうじゃないんじゃない?という方の双方いて、インターファンの間でも、どっちなんだろうって、ワサワサしてたっていうのを聞いて、私も、ここのシーンを訳しながら、う~ん、杜城の表情を見る限り、絶対行くなっていうほど強い否定じゃないニュアンスのように感じたんですけど、どうでしょう?
おそらく、沈翊は、杜城と一緒に現場に行きたい、と告げたつもりだったんじゃないかな。
周国良さんの奥さんの来署予定がなかったら、杜城も一緒に行ってたかもしれない。
杜城も、なにがなんでも、沈翊の行動を制限したいわけじゃない。
杜城は、ただ沈翊がのめり込むあまり、(特に自分がいない場面で)危険な目にあうことが怖いだけ。
警官一人つけてあげるとかは? 基本、捜査の時は単独行動はしないんだから、過保護にはならないと思うんだけど。
こういうのを老婆心と言うんだな。(笑)
なので、無茶なことはするなよ、と釘をさすほうを採用しました。
逆に、少し強張ったような、緊張した表情の沈翊の雰囲気のほうが気になったくらいです。
~北江分局 询問室(相談室)~
周国良の妻「国良は、常に、慎重で誠実な人でした。不動産業者は価格差などで利益を得るとよく言われますが、あの人はそんなことは一度もしたことありません。仕事の際には、ちゃんとルールを守っていたと誰もが言ってます。本当に主人を恨むような相手なんていなかったんです」

杜城「では、御主人が生前、教師、彫刻家、あるいはリフォーム業界で働く人と関わりを持っていたかどうか、ご存知ですか?」
いきなりの質問に、少し考える妻。
周国良の妻「教師なんて知り合いにはいません。彫刻家となると、なおさら考えにくいです。でも、不動産業を営んでいたので、必然的にリフォーム会社と関わらざるを得なかったです」
李晗「では、リフォーム会社と何か対立したことはありましたか?」

周国良の妻「ありましたけど、・・・でも」
その言葉に注目する杜城。
周国良の妻「そんな深刻なものではありませんでした。殺人にまで発展するはずなんてありませんよね?」
この奥さんの言う内容がどの程度のことを指しているのか、わからない以上、なんとも言えない杜城。
~宏達(ホンダー)化学工場~
いつもの如く、市内だったら、どこでも自転車で出かけちゃう沈翊。
一人、現場に向かいました。
当然、工場ということもあって、市街から離れた山合いなのよね。
例の地下倉庫に到着。
床に残るチョークのあとを、スマホ片手に丹念に見て回る沈翊。
そして、全体が見渡せる場所に、椅子を置き、腰掛ける沈翊。
実際に遺体と同じような位置に寝転んだり、
まるで、自分が被害者になったように、その感覚を自分の身の内に収めていく。
そして、被害者一人一人が亡くなった時の姿を、絵に描き始める沈翊。
その体勢を描きながら、なにかに気づき、自分でも同じ姿勢をとってみる。
沈翊:あなたは、“その人”に対して跪いていたんですね
ちょうど、そこは、周国良の位置。
そう、もともと遺体は寝転んでいたわけじゃなく、跪いた姿勢を横に転がしただけ。
“その人”になりきった沈翊が、冷徹に微笑んでいる。
次は、赵元庆(ジャオ・ユエンチン)
同じ姿勢をとってみて、それが抱拳だ、と気づいた沈翊。
沈翊:あなたも“その人”に対して、抱拳で敬礼をしていたんだ
抱拳をした立ち姿を描きいれる沈翊。
今回、(普通語)字幕で抱拳となってたので、ん?となって、いつもの如く、検索ちゃん。
拱手と抱拳・・イマイチ、違いが分かってない“中国ドラマ”🔰初心者のびび。
「両手を前で合わせる礼」としては、ほぼ同じだけど、
抱拳=拳+掌の武術礼(右手を握り拳、左手は平らな掌で、その上から拳を包むように重ねる)
拱手=掌+掌の一般礼(一方の掌をもう一方の手の甲に添えて、胸前で軽く曲げて合わせる)で区別する、とある。
ドラマ(中国史劇)見てると、更に細かなパターンもあったりして、こんがらがる(笑)
そんなふうに、少しずつ、遺体が本来、取らされていた元の姿勢が見えてくる。
沈翊:どうしてあなただけが座っていたのですか?
背後から視線を感じたように、斜め後ろを振り返る沈翊。
沈翊:あなたたちはなぜ私の後ろに立っているんですか?
どんどん描きこまれていく、被害者たちのシルエットと元の配置。
一心不乱に描いた画をもとに、全体が見渡せる位置に、階段上の足場をもってきた沈翊。
ゆっくりと一段一段あがり、振り返る。
沈翊:これは舞台なんだ。
そして、溶月の言葉を思い出す沈翊。
溶月<成分は炭酸カルシウムと硫酸カルシウムで、おそらく石膏、大理石、あるいはチョークの粉塵から出来ているものね。口と鼻を覆うために使われた凶器から呼吸器系に侵入したと推測していいと思う
沈翊「白い粉・・・」
京劇のメイクをし、こちらを振り向いた周国良を想像し、
「丑角(道化)・・・」と呟く沈翊。
それが、突破口になり、改めて、それらのシルエットを見返してみると・・・
口許に微笑みを湛え、こちらを見つめている中央の“その人”。
全てが、沈翊の頭の中に、構築されました。
沈翊「冯晓雯・・・あなたは、この舞台の主役だったんだ」
ここで、切ります。
★『猟罪図鑑Ⅱ』Ep.19-2 雑感★
女子大生が襲撃され、重症を負わされた事件の裏で、何気なく、杜城が気にとめた、取り壊しが決まっている解体地域の壁に貼られていた、廃品回収業の女性<李紅>の行方を訊ねる色あせたチラシ。
まさか、それがこんな風につながってこようとは思いもしませんでした。
しかも、正直、化学工場の爆発火災事故という、当時はその地域にとっては大事件でも、月日が経てば、息吹を失った建物だけが放置される現実。
まさか、あの混乱のさなかで、こんな悲劇が、人知れず、進行していたなんて。
冯晓雯という、京劇という芸術に捧げた女性の芯の強さは、人を愛することに置いても、計り知れなかった。
葛宇天にも、同情すべき部分はあるのかもしれないけれど、
葛宇天「俺が・・・彼女を殺したんだ」
この言葉は、自虐でもなんでもなく、事実となってしまいました。
真相を知った彼がどんなに嘆いても、冯晓雯はもう帰ってこない。
★『猟罪図鑑』Ep.19-3に続く★















































