続きです。

 

【おことわり】

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。

誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

 『猟罪図鑑Ⅱ

 猎罪图鉴(獵罪圖鑑)Ⅱ / Under the SkinⅡ 

 2022年(中国)Dec.10~ Dec.25, 2024

 45分×全28話 

 脚本: Zhang Lai

    演出: Liu Shu Qiao

 『猟罪図鑑』前シリーズをはじめから読みたい方は、こちら#1-1から

 

前記事未読の方は #18-1

 

 

 

#EP18-2

 

~北江分局 询問室(相談室)~

 

冯晓雯を知っている事実を素直に認め、写真を戻す葛宇天。

 

杜城「それで・・冯晓雯さんとの関係は具体的にどのようなものだったんですか?」

単刀直入に切り出した杜城。

 

葛宇天「彼女は、私の・・・“干媽(義理の母のような存在、乾媽)”のような存在ですね」

※血縁はないが、母親や家族同然のように親しい女性

 

ファイルを差し出す蒋峰。

蒋峰「あなたが、かつて彼女に保険を買うよう勧めていたこともわかっているんですよ」

 

保険証券の写しを見て、

頷く葛宇天。

葛宇天「ええ。あの頃、私は、保険営業の副業をしてました。私の営業成績を助けてくれようとして、私の名前を記載したんです。ですが、結局、彼女は、私の同僚から購入しました。私とは何の関係もありません」

 

杜城「この保険証券では、受け取り人欄に、あなたの名前が記載されてますね」

該当箇所を指さす杜城。

杜城「これをご存じでしたか?」

大きく頷きながら、「ええ、知ってました」と答える葛宇天。

 

葛宇天「彼女が、当時、私に話してくれました。彼女曰く、娘さんとの関係があまり良くない、と。いつも衝突しあっていたそうですが、私には詳しいことはわかりません。ただ、(受け取り人に)私の名前を書いたのは、娘さんへの腹いせだったのかもしれないと思ってました。でも、その時は、拒否しましたよ。その後、彼女が行方不明になり、変更されないままになってしまったんです」

 

一応、質問にはよどみなく答える葛宇天を注意深く観察する杜城。

 

その時になって、ようやく、「刑事さん・・・」と身体を前のめりにする葛宇天。

 

葛宇天「一体、なにがあったんですか?」

杜城「・・・・・・」

葛宇天「私の干媽になにかあったんですか?」

今までの話や、見せられた資料などから判断して、訊ねる葛宇天。

 

ファイルをひっこめる杜城。

杜城「我々は、宏達(ホンダー)化学工場の地下室で、冯晓雯さんの遺体を発見した」

 

とても信じられない様子で、言葉にならず、

たっぷり間を取りながら、「・・・なにかの間違いです」と口を開く葛宇天。

 

蒋峰「娘さんは、あなたが、保険金を不正に請求するために、彼女を殺したと言ってます」

 

何度も、首を横に振りながら、ありえない、という仕草をする葛宇天。

葛宇天「冯晓雯は、配当型保険(分紅保険:日本でいう「配当付き終身・養老保険」に近い)というものに加入したんですよ。これは、彼女が長生きすればするほど、それだけ、多くの保険金を受け取ることができる仕組みのものだ。一体、私にどうやって、彼女を騙すことができるというんだ? どうやって騙したりできるんだ!

 最後は、声を荒げる葛宇天。

 

~北江分局 刑警隊フロア 廊下~

杜城と蒋峰が、相談室から出てくるのを扉の前で待っていた沈翊。

 

沈翊「様子はどう? なにかわかった?」

杜城「まだ、なにも・・・」

沈翊「あの遺体の配置について、注意深く観察してみたんだ。あの配置には、それぞれに、独自のポジションがある。まるで儀式的な雰囲気があるように感じたんだ。つまり、冯晓雯の死はそれだけ特別なものなんだと思う。彼と話してみてもいいかな?」

杜城「いいだろう」

沈翊に任せることにする杜城。

 

~北江分局 询問室(相談室)~

 

一人、入室してきた沈翊。

 

冯晓雯の死を聞かされ、がっくりと失意に暮れている葛宇天。

 

沈翊「我々は、冯晓雯さんの写真を彼女の携帯電話から復元してみたんです」

複数枚の写真を手に取りながら、眺める沈翊。

 

沈翊「これらの写真を見るだけで、彼女の舞台上でのカリスマ性を本当に感じ取れる。この“贵妃醉酒”の演技は、優雅さと陶酔した魅力を巧みに融合させているのがわかるね」

 

京劇姿の一枚を、葛宇天にむけて置く沈翊。

 

沈翊「こちらの“谢瑶環”なんて更に見事だ。若い女性の役と、若い男性の役。彼女は、それらの間をいともたやすく入れ替わっている」

 

順番に並べられた冯晓雯の京劇での舞台姿の写真を直視できない葛宇天。

 

逆に、京劇の話が楽しくて仕方がない、と言った感じで、笑みを浮かべながら、一人盛り上がる沈翊。

沈翊「でも、僕のお気に入りは、これらじゃない。“覇王別姫”の虞姬だ。・・・実に素晴らしい」

 

沈翊、京劇にも詳しいんかい! ← そりゃもう、京劇と言えば、『君、花海棠の紅にあらず』で、陳紉香(チェン・レンシャン)という、京劇の役者役の出演歴がある檀健次。

シーズン2の18~21話はそのためにあるといっても過言ではない(笑)

私、あの、憎めないレンシャン、好きだった。← 憎めない部分だけじゃないんだけどね。

敵役のようにして登場したものの、ドラマ前半の笑いの壺をおさえる存在でもあり、ちゃんと剛柔バランスの取れた佳人で、舞台人としても人間としても、実は中身は情に熱いところもあったのに・・・😢 ← いつか、このドラマについて語る日のために、ここでは詳細を伏せますが。。。

 

しかも、葛宇天役の唐曾さんは、曹公子(曹家のぼっちゃん)こと、曹貴修を演じてました。

あと、(古大犁の件もさることながら)、若き日の恋のお相手、程美心(チョン・メイシン)姐さんを演じた刘敏さんって、『猟罪図鑑Ⅱ』ネットカフェ放火事件の息子を事故で亡くなった母親の宋敏杰役で出てたんですよね。

京劇の回になってから触れたほうが一度でいいかな、と思って、今頃になって、書きます(笑) 

どっちにしろ、美心姐さんに対しては、いろいろ想いが複雑すぎて、一言じゃ表せませんから。

 

とにかく、大陸モノをやっていると、この『君、花海棠の紅にあらず』というドラマは、フォロワーの方々からも、DM等でそれとなく視聴歴&作品愛をアピールをされることが多い作品でして・・・(笑)、私自身もこの作品、視聴してますし、好きですよ、とアピールできてよかったです。

 

 

そうか、#城翊を一般風に紹介するときには、“知音”という表現も加えたほうがいいのか、と今頃、思いかえす私。

※心を知り合った友,親友,知己。運命的で、かけがえのない、大切な人。

 

この回は、『君、花海棠の紅にあらず』を全話見返したい、という欲求より、沈翊が触れた京劇の演目の内容をちゃんと頭に入れた方がより面白いのかもしれないな、と思ったものの、なかなか時間が取れず。

何しろ 、『君、花海棠の紅にあらず』以外で言えば、かな~り前に『さらばわが愛 覇王別姫』の映画を観た程度の知識しかないもので。

 

沈翊「彼女は、あなたの・・」

関係性を問う沈翊。

 

必死になにかに耐えるように、「・・・干媽だ」と一言、沈翊の目を見ずに答える葛宇天。

 

ふ~ん、と、なんどか、どこか訳知り顔で頷く沈翊。

 

沈翊「それでは、この写真は、はじめて、あなたの工場で舞台を行った際の、あなたの干媽のもの・・ということですね?」

 

工場の大きな講堂に設えられた舞台の写真。

 

葛宇天「ああ」

 

沈翊「彼女は、孫尚香を演じたんですね。本当に魅力的で、活気に満ちている。それで、あなた方おふたりは、この演劇の後で、お互いに知り合ったんですか?」

 

無邪気に京劇の題目や役名をすらすらと語りながら、素知らぬ顔で、どんどん核心を突いていく沈翊。

 

黙ったまま、小さく頷く葛宇天。

 

沈翊「その時の情景を思い描くのを手伝ってもらえませんか?」

葛宇天「・・・・・」

どういう意味か、と訝しげに、沈翊を見返す葛宇天。

 

沈翊「冯晓雯さんの逝去は、僕にとっても、相当な悲しみです。僕には、彼女の演技の魅力を直接体験する機会はもうないでしょう。彼女を偲ぶためにも、この痛恨を埋め合わせるのを手伝ってほしいんです。かまいませんよね?」

 

戸惑いを隠せない葛宇天。

ここまで京劇に対して知識があって、しかも、冯晓雯の魅力について舞台写真を見ただけで、これだけ語れる人が、北江分局にいたことは、葛宇天にとってかなり予想外だったことでしょうね。

 

何度も逡巡した後、ようやく、話し出す葛宇天。

 

葛宇天「当時、彼女は、うちの工場で芝居をするためにやってきたんです。」

 

~葛宇天の回想~

 

工場の講堂に座る工員ら、関係者たち。

葛宇天の隣席の男性が、小声でしゃべっている。

男性「同僚全員で、上層部がケチすぎるって抗議したよ。D級セレブくらい招待できたはずなのに、代わりに京劇の歌手が来た。誰も、こんなの見たくなかったんだよ」

 

ステージに、京劇の俳優たちが登場してくる。

 

葛宇天<公演中、観客はそれほど多くなかった。当然、誰も劇の内容を理解していなかったんだ>

途中で離席していく観客もいる。

 

その時、舞台中央に、主役の冯晓雯が進み出てくる。

「昔日梁鸿配孟光」

※梁鴻と孟光の故事や、孫尚香と劉備の婚姻について歌われている。

 

ますます席を立つ人々。

 

葛宇天<正直、俺もさっぱり理解できなかった>

 

それでも、席を立たずに、見続ける葛宇天。

 

葛宇天<(自分も)立ち去りたかったけど、さすがに、それはあまりにも失礼なような気がしたんだ。本当に、内心、困り果ててたよ>

 

それでも、どんどん人は減り、さすがの葛宇天も席を立とうと腰をあげる。

 

葛宇天<ついに、俺も立ち去ろうと決心したが、彼女の視線が俺をその場に留まらせた>

 

棒立ちになり、見つめ返してしまう葛宇天。

気付けば・・・ほとんど、誰もいなくなった講堂。

いまや、葛宇天のためだけに、歌う冯晓雯。

 

魅せられたように、最前列に進み出る葛宇天。

 

葛宇天<観客がたった一人しかいなかったにもかかわらず、彼女は最後まで粘り強く演じきったんだ。俺は、すごく感動した>

 

少し眩し気に、目を細めながら、葛宇天の言葉に頷く沈翊。

 

葛宇天「芝居が終わったあと、俺は、無性に感謝の意をあらわしたかった。それで、ネットで彼女のことを探したんだ。そうしたら、彼女が有名な京劇の役者だったことがわかった。俺たち二人の立場の差はあまりにも大きかったよ。だから、彼女は俺なんかに構っちゃくれないだろうと思ってた。でも、驚いたことに、彼女はすごく親しみやすい人だった。」

 

~葛宇天の回想~

終演後、楽屋を訪れた葛宇天。

 

さきほどまで舞台で身に着けていた豪華な頭飾りをテーブルに並べていた冯晓雯に、思い切って声をかける。

葛宇天「冯さん・・お疲れ様でした。あなたの歌っている姿は本当に美しかったです。」

 

冯晓雯「ああ、あなたでしたのね。ありがとう、本当にありがとうございました。」

すぐに、最前列で見ていた、唯一の観客だと気づいた冯晓雯。

 

もうメイクは落としてました。

 

葛宇天「食事、まだですよね? これ、ワンタン麺、買ってきました」

冯晓雯「私に?」

葛宇天「ええ、下になにか敷いたほうがいいですよね」

そういいながら、テーブルに、自分が持っていた紙を敷き、器を置く葛宇天。

冯晓雯「ああ、私がやります」

葛宇天「熱いですから」

冯晓雯「どうもありがとう」

このワチャワチャした感じ、葛宇天を演じる唐曾さんがロバート・デ・ニーロに、冯晓雯を演じてる杨童舒さんがメリル・ストリープに見えてくるようでした。

もちろん、シチュエーションは違いますが、『恋に落ちて』(1984)の、恋に落ちることが決まってる、でも、当然ながらまだ、そこにたどり着いてない二人の出会いを思い起こさせるのです。

 

冯晓雯「いい香り・・、本当にお腹空いてたのよ」

一口食べて、美味しい、というように、葛宇天を見上げる冯晓雯。

 

葛宇天「懐かしい味がしませんか? 俺、役所の食堂で手に入れたんです」
え・・と驚きつつ、

ああ・・(そうだったのね)、と呟く冯晓雯。
葛宇天「ネットで見つけました。以前、インタビューで、この食堂の話をしていませんでしたか?」
冯晓雯「もう、ずいぶん前の話よ。でも、本当にお気遣いありがとうございます」

照れくさそうに、でも、嬉しそうに微笑む冯晓雯。


工員たちの、舞台での鑑賞態度に、キマリ悪そうに謝る葛宇天。

葛宇天「申し訳なかったです、冯さん。俺たち、京劇とか、高尚なことがよくわからない、ただの労働者なんです。気にしないでください」


食べながら、「労働者の方には理解できないかもしれないけれど、上司の方は理解できると思いません?」と訊ねられ、言葉に詰まってしまう葛宇天。

 

そりゃそうよね。

わたしたちは、無理やり押しかけてきたわけじゃなく、招聘されてきたのよって、受け取っちゃうよね。

 

慌てて、訂正する冯晓雯。

冯晓雯「あ、いえ、つまりね、誰も見てくれていなくても、私たちは、演技をし続けるべきなんです。いつの日か、それを高く評価してくれる方に出会うかもしれないので・・」

そう微笑む冯晓雯の自然な笑顔に、申し訳なく思いつつ、惹かれてしまう葛宇天。

 

その後、麺を食べて、こぼした汁を拭くためにティッシュを渡す、とか、口許を拭くとか、またしても、ワチャワチャがあり・・・(笑)

 

冯晓雯「今日は、お仕事で?」

葛宇天「私は、この工場で、監督者をしてるんです。」

冯晓雯「ああ、そうだったのね。お名前は、葛宇天さん?」

さきほど、麺の器を置く際に敷いた保険のパンフレットに、写真入りの名刺が挟まれている。

「あ、これは副業なんです・・・」と、慌てて、名刺を取り去る葛宇天。

 

冯晓雯「別にかまわないのに・・・。(パンフレットを覗き込み)“命と財産”・・・」

 

そうか、これが、疑惑の“保険金詐欺”の大元だったのか。

たしかに、ちょっと都合よすぎると見えなくもないな。

副業しなきゃならないくらい、葛宇天には経済的な事情があったのかな?

そのあたりがよくわからない。

 

その時、麺の匂いか、生花の香りか、に寄ってきた虫を払おうと立ち上がる冯晓雯と、必死に追い払う葛宇天。

 

思わず、笑いあってしまう二人。

 

ほらね。この雰囲気。私の頭の中は、完全に『Mountain dance(Innamorarsiが流れてます。

正直言うと、年齢差を考えると、“金妻Ⅲ”内でオマージュされた森山良子と奥田英二のパターンでもいいかな、と思うんだけど、まぁ、二人の雰囲気で言うと、やっぱり、本家映画『恋におちて』でいいんではないか、と。

 

映画を見た人しかわからないかもしれない感覚的な引用で、ホント申し訳ありません。

 

ここで、切ります。
 

★『猟罪図鑑Ⅱ』Ep.18-2 雑感★ 

 

正式に、パートナーだと公にしている訳でもない葛宇天が受け取り人となってる保険証券ねぇ。

娘さんが、詐欺師だと罵るのもわからなくもないか。

 

配当型であろうとなんであろうと、世間は、そんなの知ったことじゃないものね。

金額はどうであれ、動機はあるとみなされる。

 

しかし、そこそこイケオジな葛宇天、どうにも隙がなく、杜城もなかなか突破口が開けない。

葛宇天という男には、どこか誤解されやすい、そういう空気があるような気がします。

おそらく、冯晓雯の娘さんも、その匂いを嗅ぎ取ってしまったんじゃないのかな。

 

沈翊が聴取を交代してから、京劇のお話が続くけど、全然、知識がなくて、ちょっと悔しい。

お話の筋を調べるとか、そもそも京劇とはなんぞや、とか、もちろん、それもすごく大事だと思うんだけど、冯晓雯という京劇役者のステータスとか、空気感とか、それらが、す~~っと入ってこないのが、どうにも落ち着かない。

  

いずれにせよ、これはあくまでも、葛宇天から見た出会い。

もし、これが、葛宇天が意図をもって、冯晓雯に近づいてきたのであれば・・・、同じシチュエーションでも、頭の中に流れるBGMは、きっと不穏なものになるでしょうね。

  

でも、人の心って、本当に傍目にはわからない。

 

★『猟罪図鑑』Ep.18-3に続く★