ちょっと間が空いてしまいました。

この、ラス前回+最終回は、『UWMA』の持つ主題が明らかになる回なので、坦々と追っていても、パズルがスポンスポンと、嵌っていく面白みがあります。

ここまできたら、この、「大スペクトラム絵巻」を堪能しつくしたいと思います。← 勝手に銘打つな!ですよね。(笑)

 

 

で、いつものご注意をば・・・。

本サイトは、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。

誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

 

『Until We Meet Again』

~運命の赤い糸~ 2019年(タイ)全17話

 

WinTeam focus version

 

 

【#16-2】

 

~Ariyasukul家 地下書斎~

 

ゆっくりと、周囲を見回しながら、本棚のほうにやってくるPharm。

Pharmと、そして、見せたい本棚だけ、ライトアップし、視線を集中させてます。

これは、もう、この段階から、なかば幻想がはじまっているって感じで、Pharm同様、私たちも、誘われているということですね。

 

そうでないと、『節電屋敷』みたいに思われてしまいます。← 物申す

 

おそらく、たくさんの本が並んだ書架でしょうが、その中でも、ここは、Kornが読んでいた本が置かれている本棚です。

 

そのうちの1冊に手を伸ばすPharm。

ページをめくっていると、押し花になった小花をみつけ、微笑み、

続けて、小さく書かれた“Korn”の記名を指でふれてみる。

 

ここから、現在のPharmと、今まで、Pharmが夢の中で見てきた 二人のシーンが、回想シーンと交互に続きます。

 

 

思い切って、はじめて、Kornに話しかけたあの日です。

 

In「何を読んでるんですか? 難しそう・・・」

読んでいた視線を上にあげ、「邪魔しないでくれないか」と、Kornが一言。

In「はい、わかりました、先輩。もう邪魔しません」

Kornが無視せず、話ができただけで、微笑んでしまうIn。

Kornの文字をみて、衝撃をうけるPharm。

Pharm「・・・P’Korn」

 

知っている。。。この名前を、この筆跡を、自分は知っている。

 

字面に指を這わせるPharm。

 

 

 

In「P’Korn・・P’Korn」

引き続き、本を読むKornに声をかけるIn。

Korn「邪魔するな、と言ったはずだ」

 

パタン、と本を閉じるPharm。

 

抜き出した本を戻すと同時に、その隣に、差し込んであった缶の箱を手に取ると、

一緒に、アルバムも床に落ちてしまう。

 

座り込み、ページをめくるPharm。

 

まだ、幼い子供の写真や、Kornの若い時の写真のほかに、自分の父Kardの写真も見つける。

 

Pharm「・・・父さん」

 

これは、Ariyasukul家の家族のアルバムなのだ、と気づくPharm。

 

実際には、ただ、夢の中でしか、みていない人の写真に、「P’Korn・・・」と呟く。

 

 

#7-1

In「P’Korn。想像してみて。」

Korn「なにを?」

In「もし、僕たちが死んでしまって、もう一度生まれ変わったら、お互いを探し出せると思う?」

Korn「当然だ」

In「本当に?」

喜ぶIn。

Korn「本当だ。見つかるまで、探し続けるよ」

 

Inの記憶が、起きているPharmに、なだれ込んできているようで、動揺するPharm。

 

 

 

#7-1

In「一緒に過ごせる日もそう遠くないよね?」

Korn「ああ。そんなにはかからない」

 

#13-1 

In「僕、筏にのってみたいな」

Korn「自由の身になったら、どこにでも行きたいところに連れてってやる

 

どれもこれも、Inが、心の拠り所のように、大切にしてきた、力強いKornの言葉。

 

自分たちだけの未来。

 

息があがってくるPharm。

傍らにある、缶の箱に視線を向ける。

 

すっかり、さびついてしまったような古い缶の箱。

 

蓋をあけてみると、真っ先に飛び込んできたのは、あの日、友人のSomkritが撮ってくれたKornとInの写真でした。

 

 

 

#9

カメラを構えるSomkrit。

Somkrit「1・・2・・3・・」

カシャ!!

 

Pharm「・・P’Korn」

この呟きが、Pharmのものなのか、Inのものなのか、もう定かではありません。

 

 

本を読んでいるKornを見上げ、微笑むIn.

 

想いが叶った海でのデート

写真を胸に抱き、泣き始めるPharm。

 

回想シーンの中で、徐々に、表情が変わっていくKorn。

 

缶の中から、拳銃を取り出すと、

 

銃に込められた想いに引き寄せられるように、それぞれの父親たちが来てからの、あの晩、あの部屋での光景が蘇ってくる。

 

 

そのほかにも、缶の中から、InがKornにプレゼントしたキーホルダーも見つけ、

手に取ってみると、二人の終焉の場所となった、コンドミニアムの鍵がついています。

 

 

その両方をもって、立ち上がり、姿を消すPharm。

 

~書斎~

車いすに乗っている、当主のAriyasukul氏。

Kornの父親です。

 

Korn父「なんだって、KornとInが・・? 確かなのかね?・・・ありがとう、Antika

Antikaは、Ahn姉さんのファーストネームですよね。

 

この二人が、今でも、連絡を取り合い、親しく会話を交わせる間柄だという意味が、とても重要です。

 

Korn父「こちらで、対処しよう。ありがとう」

電話を切るKorn父。

 

アメリカから、Pharmママを呼び寄せるほどなので、ベッドから起き上がれないのかと思っていましたが、それでも、声に張りはありません。

 

この声のかすれた感じといい、往年の名俳優、佐分利信さんを思い出してしまいました。

(マフィアとして)元気だった頃は全然、そんな印象ないですし、佐分利信の重厚さは、別格なので、比較しては気の毒なんですが、このシーンというか、お年を召されてからのほうが、悲哀が相まって、雰囲気を醸し出してる気がします。

 

↓この画像は、賛否ある『獄門島』(1977)ですが(笑)、私、結構嫌いじゃないです。

 

ちなみに、市川崑監督の金田一シリーズで、一番好きなのは、『悪魔の手毬歌』(1977)です。

結局、これを言いたかっただけじゃないか、疑惑。(笑)

 

 

お手伝いさんに、スマホを渡し、一人にしてほしいと頼むKorn父。

 

ふと、床をみると、Kornのものをしまっていた缶の蓋があき、中身の写真などが出ています。

手を伸ばし、写真を取ろうとしているところに、KritとSinが現れます。

 

Krit「何してるんですか? 気を付けないと・・・もう、Pharmには会いましたか?」

 

Kritに、Kornの写真を取ってくれるよう、頼むKorn父。

 

Sin「父さん、俺、外に出てPharmを探してくるよ」

Krit「ああ、そうしてくれ」

 

KornとInの写真を見つめるKorn父。

 

その時、Sinが「父さん! 家政婦さんが言うには、パームは銃を手に、外に出て行ったって!」と血相変えて戻ってきました。

 

Krit「なんだって?」

 

わけがわからないKrit。

 

静かに、口を開くKorn父。

Korn父「私には、Pharmの行先がわかる・・・」

 

Kornたちの写真を折り畳み、胸ポケットにしまうKorn父。

 

~Deanの車内~

Sinの実家に向けて、運転しながら、焦りまくっているDean。

嫌な予感しかしません。

かかってきた電話に出ると・・・Sinからでした。

 

Dean「もしもし?」

Sin「Dean、お前、どこにいる?」

Dean「いま、P’の家に向かってるところです」

Sin「Pharmがいなくなった」

Dean「なんだって?!」

 

Sin「いなくなったんだ・・・。俺は、家の中に、あの子を案内したんだが、俺が戻った時には、もうそこにはいなかったんだ。Dean、俺の言うことを聞いてくれ。床の上に、写真のアルバムと、古い缶の箱が置き去りになってるのを見つけた。おそらく、Pharmはそれを見たんだ。お前、二人の人間を探してくれ、と言ったのを覚えてるよな?」

Dean「もちろん。俺が、KornとIntouchを見つけてほしいと頼んだんだ」

Sin「P’Kornは、俺の伯父で、それはつまり、Pharmの伯父でもあるっていうことなんだ。探し続けてた人物は、俺の親戚だったんだ」

 

ある程度、予測がついていたDeanは、事態が予想以上に進んでいることに気づき、一刻も早く、Pharmの元に向かおうとします。

(Very Thanks: Charさん)

 

ここで、Pharmから電話が入ったのを確認するDean。

Dean「とにかく、行くから!  一旦切るよ」

 

電話を切ると、Pharmに電話をかけるDean。Pharmの電話に出るDean。

 

Dean「もしもし、Pharmか?」

Pharm「・・・・P’Dean」

Dean「いい子だ・・・どこにいる?」

Pharmが電話に出ただけでも、今は、神に感謝したいくらいのDean。

できるだけ、刺激しないように、普通に問いかける。

 

Pharm「知ってるでしょ。僕たちの場所にいるんだよ」

Dean「今から、迎えにいくからな、Pharm・・・もしもし、Pharm?」

 

Pharmの声は途切れました。

 

Dean「・・僕たちの場所・・・どこのことだ?」

運転しながらも、まったく、見当がつかず、イライラしながら、考えを巡らせるDean。

 

そして・・・「あそこか!」と、ようやく、その場所に思い至り、

ハンドルを強く握りしめる。

 

 

 過去パート

 

KornとInの二人が手をつなぎながら、訪れた場所。。。

 

大きな門を入り、コンドミニアムを見上げるIn。

 

Korn「どうだ?」

In「P’Kornってば、本気でここを買うつもりなの?」

Korn「うん、新築なんだ。エレベーターもついてる」

In「僕の父さんは、コンドを嫌ってるよ。空気を買うようなものだって言うんだ。実際の土地を所有できないんでしょ」

Korn「うちの父親も同じ考えだよ」

In「それなら、僕たちにお似合いだね。だって、駆け落ちして逃げ回るんだから」

実体のない自分たちを揶揄するIn。

 

Korn「さぁ、中を見に行こう」

 

 現代パート

 

あの、8月の夜と同じ、土砂降りの中、傘もささずに、全身ずぶぬれの状態で、一人、コンドまでやってきたPharm。

 

右手には、銃を持ったまま。

 

その姿は、Kornに支えられて、やってきたあの晩のInと重なります。

・・・というか、すでに、Pharmは、Inの意識下で、動いているような感じです。

 

泣きながら、コンドを見上げると、一歩ずつ、入っていくPharm。

 

一度も来たことがないのに、導かれるように、部屋にやってくると、ドアの前には、許可なく立ち入り禁止の紙が貼られている。

鍵を差し込み、部屋の中に入るPharm。

 

明かりのつかない部屋に入ると、あの晩の情景が、Pharmの脳内で再現されていく。

 

 

Inの父親に踏み込まれ、許しを請うKorn。

Korn「許してください お父さん」

In父「なぜ、私に、謝るんだ? 私は、お前の父親じゃない! お前には関係ない!」

激高し、Kornを押しのけるInの父。

 

In「父さん、やめて!」

In父「こっちにくるんだ!」

In「彼を傷つけないで!」

 

この部屋に来て、いままでの断片的な光景がつながっていくPharm。

あまりのことに、ソファに座り込んでしまう。

 

このソファは、Kornと一緒に座ったソファ。

 

In「いつまでも一緒にいようね。P’と一緒にここにいる」

Korn「・・・・・」

Kornは無言でしたが、これが、Inが見せた意志。

 

膝を抱えるようにソファに座り、放心したように、涙を流すPharm。

Kornが座っていたであろう場所に、拳銃を置いてみる。

 

しばらくして、Deanが先に到着する。

 

Dean「Pharm・・・」

Pharm「P’Dean・・・」

かろうじて、Deanってことはわかるのね?

 

慌てて、Pharmに駆け寄り、自分のほうにむけて、立ち上がらせるDean。

 

Dean「帰ろう。俺たちの家に・・帰ろう」

 

ここは、俺たちの場所じゃない。。。

 

涙ぐむPharm。

 

Pharm「ウソつき!」

あ・・Inだ。

 

Pharm(In)「ひどいよ!」

Dean(Korn)「すまない」

 

Deanには、Inが腹を立てる気持ちも理由も理解できています。

 

急に、後ろを向き、ソファにおいてあった拳銃を手に取るPharm(In)。

銃を持つだけで、緊張感がみなぎったのがわかりますね。

 

Pharm(In)「今度は、先に、僕が、P’を置いていく選択をしたらどうする?」

自分の顎に、拳銃を押し当てるPharm(In)

Pharm(In)「(今度は)僕が、P’を置いて行くんだ」

Dean「Pharm・・・」

 

 

★【#16-2】の雑感 ★

ここは、最終回にむけての、状況回しの部分なので、← そんなまとめ方しなくても・・・😥

いままでの展開の中で、描かれていなかった、あの晩の出来事をより、丁寧に捕捉していくよ~という、心構えをさせてくれますね。

 

もともと、Pharmは、感受性が強く、Inの意識を取り込みやすいように、描かれていたので、これはもう、突然、降ってわいた状況じゃなくて、「案内人」としては最適です。

 

本来であれば、聞くことができなかった「Intouch」の心の叫びを、どうにかして、Kornに届けたい。

これが、この「輪廻転生」という手法を取るに至った、ドラマの主題の一つであり、見せ場だと私は考えます。

 

実際、孤独をまとったKornに、一目惚れしたのか、それとも、しばらく様子を見てから声をかけたのか、Kornと会話をする以前のInが描かれていないので、最初から、強くKornのことを想い、そして愛するに至ったInのことを想像するよりほかはありません。

 

Inは、Kornに比べれば、見た目や物腰は柔らかいけれど、実は、一度決めたことはてこでも曲げないという頑固さを持っている人です。

 

一件、頑固そうだけど、実は脆いKornのことを、In自身、しなやかな竹のように、見えない部分で踏ん張りながら、ここまで、導いてきたのだから。

 

理解のない世間や親世代に文句は言っても、一度たりとも、そのことを、本気で攻撃的に責めることもしていません。

あのレストランで、Kornの手をとって、父親の前から、立ち去ったのも、決別ではなく、まともに、ぶつかりあっても仕方がないと、回避するすべを知っているから。


 

自分との未来を諦めさえしなければ、ほかに道はあった。

二人で乗り越えること、それを放棄したKornの行動は、自分への裏切りだった。

なによりも、生きていてほしかった、という「強い願い」がベースにあることはあきらかです。

 

そして、KornとInが知り得なかった、その後の家族の想いが、もう一つの主題となるはずです。

ああ、うまくまとまりません。

最終回、ちゃんと言いたいことが書けるのか、ちょい不安です。

 

 

★#17-1に続く★