日常生活で怒りというのはやっかいな感情です。正当な理由があっても、自己嫌悪を引き起こす事があります。ここ数年でいかに怒らないかについての書籍が相次いで出版され、ベストセラーになったものもあるようです。私も何冊か読みました.確かにそうした書籍が言わんとしている事にも一理あります。怒りそのものは決していいものではありません。しかし、怒りという感情を抑圧することによる弊害もないわけではありません。
 私は相談者に対して、自分や人を傷つけてしまうようなよほどの怒りでない限り、怒りの感情を認めた上で、出来事をより高い視点で見るようにすすめることが多いです。さらに怒りの背景に不安がないかチェックしてみることもおすすめします。えてして何かの出来事によって引き起こされた不安の感情が、相手に対する怒りとして表現されることがあるからです。さらに怒りの根源が、過去に生じた出来事のトラウマではないかというチェックも必要ではないかと思います。小さい頃に自分で処理できない事態に陥った際に、周囲の大人が保護してくれましたか。あるいは放っておかれましたか。子供は困ったときに周囲の大人から保護され体験を身につける事で安心感を得て、やがて自分で判断し物事を解決できるようになります。そうした経験を経ずに育ってしまったなら、今の自分を徹底的に認めて肯定しましょう。自分は自分のままでいい、すべての過去があったから今の今まで生きて来れたのだと自分を褒めてあげましょう。自己肯定感が増えるに従って心がやすらぎ、怒りの感情もしだいに和らぐでしょう。
 最後に良書をご紹介します。「求めない」(加島祥造著)です。
私が書いた事とは直接関係はありませんが、読み進めて行くうちに、何か心が安らぎ始めるのを感じられるのではないでしょうか。
『求めない』 加島祥造/小学館
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  私は若い頃、人前で話す事が苦手でした。いわゆる対人恐怖というのではなく、ひとりかふたりが相手では落ち着いていても、大勢を相手に話すのが苦手だったのです。しかし今から思うと、ひとりかふたりを相手にする場合も無意識のうちに構えていたように思います。
 私はどのようにあがり性を克服したのかをお伝えしましょう。まずは自身の自意識過剰に気づきました。そこには自己愛性パーソナリティーが潜んでいたように思います。自己愛性パーソナリティはパーソナリティ障害のひとつですが、パーソナリティ障害の方は意外と多いので、生きづらさを感じる方、関心のある方は後でご紹介する書籍をご一読する事をおすすめします。ところで自己愛性パーソナリティを克服できたのは、結婚相手のためにつくすことを人生の中心に置いたからだと思います。自己愛性パーソナリティの方や自意識過剰な方というのは、えてして自分のことに注意が向きすぎるところから発しているように思います。自分のことよりも他者に注意を向ける事により、自分の殻から解放されることがあります。
 次に目的本位に話し、行動することです。相手は自分の内面の葛藤にそれほど気づいていない事が多く、しかも多少しゃべることが下手でも関心は話す内容にあることに気づいたのです。実際、大勢の前であがって冷や汗かいて話を終えた後に、自分の話す内容に感激してくれた場面がありました。要はあがっていること気づかれても、周囲は応援してくれることに気づいたのです。
 あがり性の方、自己愛性パーソナリティの方は、他者と共に生きているという実感や喜びを味わうように心がける事により、ご自身の葛藤や生きづらさから抜け出せるように思います。


パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)/PHP研究所
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 不安をコントロールするの3回目です。現在の不安は、少なくともそれが自分にとってマイナスと考えるから不安になるという側面があります。そのマイナスとは何でしょう。過去こうであったら、今回も同じような結果を引き起こすだろう、あるいは他の人の体験からこうなるだろうと推測するマイナスです。
 ここでマイナスとはあくまでも自分の主観的マイナスです。しかし実際は物事はそう単純でありません。現在の出来事が将来に影響を及ぼすことはあっても、その関係性は想像するほど単純ではありません。災い転じて福となすという言葉の通り、現在起きている事に、絶対的な善し悪しの判断はできません。むしろ自分がどう解釈するかでその後の運びが変わるのです。
 不安をコントロールするの1、2で書いたような事が実践できるようになったら、今度は起きて来るすべてのことに対して「ラッキー!」あるいは「よかった!」と言ってみましょう。そうすると新しい縁起が生じて、いつしか良い結果が未来からやってくるものです。