妄想 C o C o o n -5ページ目

思い遣り

職場で1週間程の休暇をもらえたので、家族と海外旅行に行った。


青い海。
程良く暑く、程良いリゾート気分。
薄着をまとい、気持ち良い季節に少しだけタイムスリップする。


十代の学生だろうか。
誰が見ても自信に満ちた態度で、ビキニの水着の女子が海に入っていく。
自分を見ているであろう周囲の男性に気づかない振りをしつつ、
現在自分の最も身近な同行人の彼氏も意識しながら、彼女自身を満足させる状況に恍惚となる。


自分が求められる、自分を必要とされる。そういう感覚。
これこそがワケアリな恋を生み出すものではないのだろうか。


僕は今回の旅行で、美奈のことをすっかり忘れてしまっていた。
僕はやはり自分の家族こそが一番大切で、そして絶対に手放したくない、ということを痛感した。


思いやり。気遣い。

こんな感情が生まれる関係こそ、大切なのだ。

逆に、そんな感情が生まれない関係ってなんなのだろう??



帰国して美奈にメールで質問した。
「なぜ僕が必要なの?」


「竜人がいい」と彼女は言った。


僕は彼女から、
「自分を満たしてくれるから」
という答えが聞きたかった。


そしてその答えを聞くことでますます、彼女への気持ちが冷めていくことを望んでいた。





気持ちの移り変わり

前の書き込みからかなり時間が経ってしまった。


元々三日坊主で終わりそうな性格ゆえ、恋愛とゲームの2つをネタにしとけば続くだろうと思っていたけど、なんと、両方とも冷めてしまったようだ。




ゲームの方は、貯メダルが尽きてしまった。

スピンフィーバーは第二章になってから思うように勝てなくなったので、ビデオスロット機を中心に遊ぶようになったが、ストレス発散の場と化してしまって、豪快に賭けてはまるで負けるのを期待しているかのような遊び方をするようになってしまった。




一方、驚くことに美奈との関係は続いている。

おそらくこれまでの中で、一番安定しているのではないだろうか。

少なくとも自分側の精神状態はとても安定している。




以前と違って、恋愛というよりも「体の関係」であることを強調するかのような付き合い方になってしまっている。

彼女がイクことを覚えてからは、一回のプレイで何度もイクようになり、少しの間しなかったら、欲求不満を言葉で表すようにもなった。




僕達はとりあえずしたい時に会う時と、いわゆるデートとして会う時の変な使い分けをするようになった。


そして、僕は都合のよい女を手に入れたのかも知れないが、逆にこの事でどんどん彼女に対して冷めてしまっている。




自分の欲望に従順な都合の良い女であって欲しい気持ちと、そういう汚れた女であって欲しくないという気持ちが交差する。


彼女と同世代の男性が、彼女の過去も知らずに付き合うことだってあるだろうし。




そういうことを考えるたびに、そろそろ辞めよう、別れよう…という思いになる。


最近はどんどん会う気が失せて、彼女に会う迄の期間が長くなってきている。


まずい傾向にある。



終わりじゃない

別れた後、やっぱり僕は美奈の部屋を訪れてしまった。

別れる前のような普通のメールのやりとりが復活して、普通に会う約束をした。


部屋着の彼女。

別れた日と同じ部屋の様子。

小さなテーブルの前の、いつも座っていたポジションに迷うことなく座る自分がいた。


彼女は終始、何かを確かめるように質問攻めだった。

どうしてまた来ようと思ったの?

あれからどんなことを考えたの?


僕は一通り、素直な気持ちを伝えた。

真剣に聞き入る彼女。


どうして今さら、僕の話を真剣に聞き入るのだろう。

彼女自ら、僕を放り出したのに。


そう思う傍らで僕は、彼女が別れた日からあまり変われていないことに気づく。

彼女は変わろうとしていない。

彼女は気持ちを引きずったままでいる。


そして、僕も彼女と同じ気持ちでいるかどうかを何度も確かめようとしているのだった。


気持ちは引きずっている。

でもよくある世間の関係のように、ずるずるとはなりたくはない。

これは彼女も僕も、おそらく同じ思いに違いない。


一通り話を終えると彼女は、

「もう、それで終わり?」

と念を押してきた。


まだ同じ場所にとどまっている彼女を抱き寄せるのは今しかない、と思った僕は、

「いや、終わりじゃない」

と言って、彼女を抱き寄せた。



彼女は抵抗することもなく、僕のされるがままになっていた。