思い遣り | 妄想 C o C o o n

思い遣り

職場で1週間程の休暇をもらえたので、家族と海外旅行に行った。


青い海。
程良く暑く、程良いリゾート気分。
薄着をまとい、気持ち良い季節に少しだけタイムスリップする。


十代の学生だろうか。
誰が見ても自信に満ちた態度で、ビキニの水着の女子が海に入っていく。
自分を見ているであろう周囲の男性に気づかない振りをしつつ、
現在自分の最も身近な同行人の彼氏も意識しながら、彼女自身を満足させる状況に恍惚となる。


自分が求められる、自分を必要とされる。そういう感覚。
これこそがワケアリな恋を生み出すものではないのだろうか。


僕は今回の旅行で、美奈のことをすっかり忘れてしまっていた。
僕はやはり自分の家族こそが一番大切で、そして絶対に手放したくない、ということを痛感した。


思いやり。気遣い。

こんな感情が生まれる関係こそ、大切なのだ。

逆に、そんな感情が生まれない関係ってなんなのだろう??



帰国して美奈にメールで質問した。
「なぜ僕が必要なの?」


「竜人がいい」と彼女は言った。


僕は彼女から、
「自分を満たしてくれるから」
という答えが聞きたかった。


そしてその答えを聞くことでますます、彼女への気持ちが冷めていくことを望んでいた。