先週金曜日、バレス・ハンガリー財相は、「ハンガリーは新たなユーロ導入目標時期の設定を
する環境ではない」、と発表。 早急な財政赤字解消に苦しむ同国にとって、相次ぐ増税と
公共料金引き上げが、同国経済にとって大きな負担になっていることを代弁したような記者
会見となった。
ただこのコメントは政治的な要素が多く含まれていたようだ。 というのは土曜日に
ジュルチャーニ首相の社会党 党首投票が執り行われることになっており、結果 89.15 % の
圧倒的賛成票で党首に決まったものの、同首相は2004年に就任して以来、緊縮財政
実行のためその人気は下落の一途を辿っている。
昨年夏には政府の機密録音テープが流出。 財政削減に伴う大幅増税敢行などでその後
一般民衆を巻き込んだ数万人規模のデモが続き、800名以上の市民および警官の死傷者を
出した。 今年も公共料金の大幅引き上げが実施され、野党であるフィディス青年市民同盟を
中心に批判が拡大している中、社会党内にもジュルチャーニ首相の批判が高まりつつあった。
ハンガリーは社会党が議会の圧倒的多数を占めるため、今後大きな政治的混乱は無いものと
思われるが、昨年の同国財政赤字は対 GDP 比で ほぼ 10.0 %。 これを 2009年には
3.2 % にまで削減する計画となっているとはいえ、現行の改革スピードでは達成が困難な
状況。 これを見越した財相のユーロ導入時期撤回という表明となったと思われる。 なお
ハンガリーが目標時期を撤回したのはこれで 2回目である。
ただハンガリー金融市場は、特にこれといったニュースも無くほぼ横ばい。 上記財相の
コメントも市場が引けたあとで発せられたこともあり、今週からのマーケット材料として浮上
してきそうだ。
なお欧州格付け会社である Fitch社は、ハンガリーの長期見通しを昨年 9月 20日に
「ネガティブ」 としたが、このレンジを当面据え置くと発表した。
その理由として、現行の同政府による財政赤字削減プログラム実行にリスクが残るためと
指摘しているが、今後のインフレの加速、財政赤字削減のスピード、景気拡大などの
度合いによるとし、片や財政支出削減、税制改革、公務員および予算改革など、多くの
ポジティブ要因が見受けられるとその利点も強調した。
ただ社会党の人気凋落から議会で未決の改革案が滞留していることや、政局の不安定
要素がどのように解決されるかにかかっていると、今後の政治運営にも指摘を与えた。
フィッチ社は今年のハンガリーの GDP を +2.0 % し、エコノミスト平均である + 2.5 % を
下回った数値を予測しているが、来年 + 2.5 % の経済成長達成は充分可能であるとし、
今後の巨額の財政・経常赤字解消の対策として、積極的な海外からの投資受け入れを
勧めている。
米 ド ル/対 円
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121.00円
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- 0.45
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02年国債
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7.73 %
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+ 1.0 bp
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フォリント/対 円
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0.632円
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+ 0.001
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10年国債
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6.95 %
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+ 0.1 bp
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フォリント/対米ドル
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HUF 191.50
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+ 0.650
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原油価格
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$ 61.14
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$ + 0.19
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フォリント/対ユーロ
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HUF 252.50
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- 0.250
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金 価格
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$ 685.70
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$ + 2.70
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