この曲には2つのバージョンがあります。
2台のピアノ用のノクターン および 主題と変奏曲 ヘ短調,Op.99の方は1815年頃に作曲され、オーボエと管弦楽のための序奏と変奏曲 ヘ長調,Op.102は1819年頃の一番の円熟期に作曲されていますが、いずれも1824年にライプツィヒで出版されました。
本作は、オーボエというソロ楽器に対する卓越した感性と、協奏的な構成力が光る作品で、演奏会用に作曲された華やかな一曲です。
作曲時期はフンメルがヴァイマルの宮廷楽長を務めていた時代、多くの音楽家がフンメルの元を訪れていることから、当時の名手(オーボエ奏者)に向けた作品だった可能性があります。
🔹 構成と音楽的特徴
-
序奏(Adagio)
-
厳かなトーンで始まり、主にオーボエの歌うような抒情性が際立ちます。弦楽の和音に乗って、オーボエが自由に装飾的なカデンツァ風旋律を奏で、演奏者の表現力が問われます。
-
-
主題と変奏(Tema con Variazioni)
-
チロリアン風の明快で親しみやすい主題が提示された後、技巧的かつ多彩な変奏が続きます。オーボエの持つ軽快さ、敏捷さ、そして甘美な音色を最大限に引き出した構成で、急速なパッセージやトリル、アジリティの要求が高いです。
-
管弦楽との対話も巧みに設計されており、オーボエが浮き上がるようなアレンジがなされていますが、背景のストリングの和声や動きは素晴らしいです。単なる技巧披露ではなく、オーボエの叙情的表現を中心に据えた点で、モーツァルト的な優雅さとベートーヴェン的なダイナミズムが同居していますね。
-
🔹制作環境について
- 今回はすべてのDorico5 1本で完結させました。ただし音源は弦5部と2管のフレンチ・ホルンはHALion Sonic 7で、2本ずつのフルートとファゴット、およびオーボエのソロはGARRITAN PERSONAL ORCHESTRAで演奏させています。まだHALion Sonic 7の音源扱いに慣れていないので試行錯誤しながらです。
- 映像の冒頭にオーボエとオーケストラ演奏のアニメがありますが、あれはChat GPTに描かせた絵を、いつも使用しているCyberLink PowerDirectorのAi機能で動画にしたものです。
- また以前からですが、私は印刷楽譜を作るためではなく、MIDI データを入力するソフトウェアとして使用しているため、書かれたとおりに作曲するよりも、強弱やテンポの指示ができるだけ自然に聞こえるようにすることに重点を置いていますので、キャプチャーされた動画内の譜面はオリジナルとは異なっています。


