クラシック音楽とお散歩写真のブログ -3ページ目

クラシック音楽とお散歩写真のブログ

座右の銘は漁夫の利、他力本願、棚から牡丹餅!!
趣味のクラシック音楽をプログラミングする事に没頭、あとは散歩中に写真を撮りまくること。

中学受験応援しています。

現在継続中のモーツァルト序曲全曲打ち込みチャレンジですが、今回は交響曲第32番として知られる曲を制作しました。モーツァルトの交響曲第32番 ト長調 K. 318は、パリ求職旅行から帰郷した直後の1779年4月26日にザルツブルクで完成された、演奏時間約8分ほどのコンパクトかつ劇的な作品です。
モーツァルトの三楽章からなる交響曲は多数ありますし、序曲から交響曲への転用もその逆もありますが、この曲だけはオペラの序曲として使われた実績があるのでコレクションに加えることとしました。劇音楽的な躍動感と緻密なシンフォニック書法が凝縮された、ザルツブルク後期を代表する管弦楽曲です。

 

楽器編成と音響の特異性

 

  • 編成:フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン4(G管とD管の2対)、トランペット2、ティンパニ、弦5部

  • 特徴:ザルツブルク時代の管弦楽曲としては異例ともいえるホルン4本を動員した重厚な編成です。異なる調性のホルン管を用いることで音の制約を克服し、豊かな和声補強と金管・木管の華やかな色彩感を実現しています。

楽曲構成:イタリア風序曲とソナタ形式の融合

 

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3つの部分が切れ目なく連続して演奏される「急 - 緩 - 急」の単一楽章構造(イタリア風序曲形式)を取っていますが、内部構造は高度なアーチ型(逆順再現)ソナタ形式として巧妙に統一体を成しています。

楽曲の構成

成立の背景と近年の研究動向

長年「何のために書かれた曲か」という用途について議論が続いてきましたが、近年の音楽学研究(『新モーツァルト全集(NMA)』や自筆譜の研究等)により理解が深まっています。

  • 劇音楽・オペラ序曲説の再検討 かつてオットー・ヤーンらは劇付随音楽『エジプト王タモス』K. 345の再演用序曲、アルフレート・アインシュタインらは未完の歌劇『ツァイーデ』K. 344の序曲として作曲されたと推定していました。しかし、自筆譜の日付(1779年4月26日)や用紙の研究により、『ツァイーデ』等の本格着手時期と整合しないこと(序曲は通常オペラ完成後に書かれる)、『タモス』の舞台劇構造とも直接一致しないことから、現在は特定の劇のための序曲として書かれた可能性は低いと見なされています。

  • 演奏会用シンフォニアとしての自律性 現在では、ザルツブルク宮廷のアカデミー(演奏会)で演奏するための「独立した演奏会用シンフォニア/序曲」として書かれたという見解が有力です。マンハイム・パリ旅行で吸収した最新のオーケストレーション(ダイナミックなクレッシェンドや木管の独立性)をザルツブルクの宮廷楽団で試みた実験的かつ意欲的な作例と評価されています。

  • 1785年ウィーンでの転用 モーツァルト自身は後にこの曲を劇場用序曲として再利用しています。1785年、ウィーンのブルク劇場で上演されたフランチェスコ・ビアンキのオペラ『略奪された村娘(La villanella rapita)』の上演にあたり、モーツァルトはこのK.318を序曲として提供・演奏しました。

  • モーツァルトによる挿入曲:ウィーン上演の際、モーツァルトはビアンキの原曲に加える形で、この序曲のほかに独自の挿入曲(三重唱「愛しい人よ、手を」K. 480 や、四重唱「最高に幸せな瞬間」K. 479 など)を作曲して歌手たちに提供しました。

DTM制作にあたって

毎度のことですがこの曲もDorico6というスコア生成アプリを使用して音源はNotePerformer5 を使用しています。NotePerformerはサンプリング音源と違ってバーチャル音源ですが、作りこみやすくて、PCへの負担も少なく軽くてサクサク動くのでとても重宝しています。
今回の曲においては4管のホルンが使用されている部分を強調するようなミックスバランスにしています。
【Credits】
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:Dorico 6
Sounds:NotePerformer 5
Thumbnail images are generated by Google AI
 

最後にこれも毎度ですが映像内の譜面はスコアを正確に反映させたものではなく、いかにこのスコア作成アプリだけで完結させるかという基本方針があるのでテンポ記号や強弱記号、アクセント記号などオリジナルスコアにはない指示をたくさん付しています。

 

 

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「だまされた花婿」? モーツァルトにそんなオペラってあったっけ?
 
これが多くの人の感覚でしょう。
このオペラは1783年の後半、モーツァルトが27歳頃に着手したオペラ・ブッファ(喜歌劇)です。当時のモーツァルトはオペラ書きたいという思いが強く、いろんな人と交流しながら台本(の原作)探しに躍起となっていました。
 
この物語は、思い込みの激しい金持ちの老人ボッコーニオ(これが「だまされた花婿」です)が、若いローマの貴族娘エウジェニアと結婚しようとするものの、彼女にはすでにドン・アスドルバーレという恋人がおり、周囲の策略によって老人が騙され、最終的に若い恋人たちが結ばれるという典型的なドタバタ喜劇です。
 
作曲に着手したものの、モーツァルトはこの作品を第1幕の途中で放棄してしまいました。理由は諸説ありますが、台本の出来に不満を持ったことや、同時期により魅力的なプロジェクト(後の『フィガロの結婚』などにつながる活動)へ関心が移ったためとされています。しかし残されている数曲はとっても魅力的で、すでにフィガロの世界観を音楽で表現できる下地はできていたのでしょう。序曲に加えて、四重唱、2つのアリア(断片)、三重唱という5曲のみですが、中でもファンファーレで始まる序曲は昔っから好きな曲でしたので取り組みました。
 
序曲について
『だまされた花婿』の序曲は、ニ長調(Allegro - Andante)で書かれており、活気に満ちた華やかな音楽です。トランペットのファンファーレで始まりますが軍隊的とかではなくむしろ楽しい物語の幕開け!といった雰囲気を持っています。
最大の特徴は、序曲が単独で完結せず、そのまま幕開けの四重唱(「ああ、おかしい」)へと切れ目なく流れ込んでいく点です。アレグロの快活なテンポから、途中でアンダンテのゆったりとしたテンポに変わり、そのまま歌手たちの声にバトンタッチする構成は、のちの『ドン・ジョヴァンニ』や『コジ・ファン・トゥッテ』に通じる非常に演劇的で斬新なアプローチでした。
現在、この序曲が単独で演奏される機会はほぼないことでしょう。
私はアンダンテの後に冒頭のファンファーレに戻り、最後に第一曲の四重唱のアレグロの疾走するような簡易的な終結部分の一部を利用してコーダにして急・緩・急という体裁にし、序曲として単体で成立するように補筆しました。
 
よくあるモーツァルト序曲集には収録されない曲ですし、全曲集と謳ったPrague室内管弦楽団の二枚組にも収録されていない曲ですので是非聞いてください。
 
モーツァルト:歌劇『騙された花婿,K.430(未完)』序曲
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:DoricoPro
Sounds:NotePerformer
Thumbnail images are generated by Google AI
 
モーツァルトの「未完のオペラ」たち
さて、モーツァルトは生涯で数多くの傑作オペラを残しましたが、途中で放棄された「未完のオペラ」がこの作品含めて数曲存在します。とくに完成した部分だけ聞けるようになっているのはこの曲含めて3曲のみです。この曲のほかには、
 
『カイロの鵞鳥(がちょう)』(K. 422)
『だまされた花婿』とほぼ同時期(1783年)に作曲が進められていたオペラ・ブッファです。恋人を救い出すために、巨大な機械仕掛けの鵞鳥の中に隠れて潜入するという奇想天外なストーリーでしたが、こちらも台本の破綻などが原因で未完に終わりました。
 
『ツァイーデ』(K. 344)
1779年から1780年にかけて書かれたドイツ語のジングシュピール(歌芝居)です。トルコの後宮を舞台にしており、のちに大成功を収める名作『後宮からの誘拐』の直接の原点となった重要な未完作品です。このオペラはいろいろ補筆や改変されて舞台化上演されるほど充実した内容で、半分以上は出来上がっています。もったいないです。
 
いずれも序曲は書かれておらず、「だまされた花婿」だけ序曲が書かれています。
 
モーツァルトが残したこうした未完のスコアは、ツァイーデを除くと実演や録音の機会が非常に限られていますが、モーツァルトだけあって複数の録音で聞くことができます。
 
私はあえて序曲のみピックアップすることでもっと広めたいなあと思って取り上げました。
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今回は、クラシック音楽の中でもひときわ元気で華やかな、モーツァルトの『劇場支配人(Der Schauspieldirektor)』序曲 K.486 をDTMで制作しました。
モーツァルトのオペラ序曲といえば『フィガロの結婚』などが有名ですが、この『劇場支配人』もそれに負けないくらい魅力的な楽曲で、個人的には1,2を争うほど好きです。この曲がどのような背景で生まれ、どのような音楽的魅力を持っているのかに触れながら、今回制作した音源をお聞きいただければと思います。

▼ 『劇場支配人』序曲 K.486

【Credits】
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:Dorico 6
Sounds:NotePerformer 5
Thumbnail images are generated by Google AI

1. 『劇場支配人』K.486 とは?

『劇場支配人』は、1786年にモーツァルトが作曲した1幕の音楽付き喜劇(ジングシュピール)です。
この作品は、当時の神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世の命によって、「モーツァルト vs サリエリ」の音楽対決という形でウィーンのシェーンブルン宮殿で初演されました。
お題は「劇場の舞台裏を描いたコメディ」。物語は、新しいオペラ一座を立ち上げようとする劇場支配人の前で、「私が一番のプリマドンナよ!」と2人のソプラノ歌手がギャラと役をめぐってドタバタの口論を繰り広げるという、人間くさくて笑える内容です。

2. 序曲の魅力:弦楽器群が牽引する圧倒的な疾走感

劇が始まる前に演奏されるこの「序曲」の最大の魅力は、なんといっても圧倒的な疾走感と華やかなオーケストレーションにあります。
特に注目すべきは、楽曲のエンジンとして全体を力強く牽引する弦楽器群の動きです。
冒頭から、ヴァイオリンが極めて速いテンポ(プレスト)で細かい16分音符のパッセージを弾きこなし、急激な上昇・下降音型を繰り返します。これが、開演前の劇場のざわめきや、舞台裏の慌ただしさ、そして登場人物たちの興奮を見事に表現しています。
また、ただ速いだけではなく、弦楽器が力強く駆け回る合間を縫って、オーボエやファゴットといった木管楽器がユーモラスな掛け合いを見せます。さらにトランペットとティンパニがフルパワーで加わることで、ハ長調(C Major)の祝祭的な響きがより一層際立ちます。
奇しくもこの時期、モーツァルトはあの超名作オペラ『フィガロの結婚』を作曲している真っ最中でした。そのため、この序曲にも共通する「ワクワクするような喜劇の幕開け」のエネルギーがたっぷりと詰まっています。

3. DTM制作におけるこだわったポイント

今回、このエネルギーに満ちたオーケストラサウンドをDTMで再現するにあたり、特に以下の点にこだわってデータ制作を行いました。

  • 弦楽器の高速パッセージとアーティキュレーション
    モーツァルト特有の、軽快でありながら一糸乱れぬ弦楽器の動きを再現するため、アーティキュレーションのコントロールに時間をかけました。16分音符が続くフレーズが平坦な「ベタ打ち」にならないよう、Dorico上でのアーティキュレーション設定を細かく調整し、スピッカート(飛ばし弓)のような弾むニュアンスを意識して音価(デュレーション)の長さをミリ秒単位でコントロールしています。ちなみに依然よく使用していたGARRITAN PERASONAL ORCHESTRA 5という音源にはストリングスのスピッカートという表現の音色を持っていましたが、NotePerformer 5にはありません。しかしNotePerformer は早いパッセージにも延滞することなく鳴ってくれるし、キースイッチなどを駆使する必要もないため、とても便利すぎる音源だと思っています。2万円台でこの鳴りであれば私には充分です。

  • 管楽器とティンパニのダイナミクス
    弦楽器が主導する疾走感を邪魔しないようにしつつ、ハ長調の華やかさを出すため、NotePerformer 5の表現力を活かし、トランペットとティンパニが要所でしっかりと抜けてくるようにバランスを工夫しています。展開部の終わりの方では金管とティンパニの爆発を最大のアクセントで表現してみました。

  • 古典派らしい歯切れのよい弦楽器と制作手順
    重苦しいロマン派のオーケストラとは異なる、古典派ならではの透明感と歯切れの良さを出すため、全体的に音の立ち上がりと切れ際のタイミングを揃え、アンサンブルとしてのまとまりを意識していますが、楽譜ソフト「Dorico」での作業はここまでで、木管群、金管打楽器郡、弦楽器群のグループごとの三つWaveデータを作成、さらに第一ヴァイオリンのみ個別でWave化しておき、Dawアプリでミックスをします。その際個別で作成していた第一ヴァイオリンデータを重ね、リバーブや音の立ち上がりの位置をずらして第一ヴァイオリンに厚みをもたせつつ音量を確保させています。私がオーケストラ作品を打ち込み制作するときはよくやっている方法です。

最後に

オペラとしての劇場支配人は序曲とアリアと重唱全部で五曲しかなく、残りは全部セリフの演技ですので、全編の演奏機会も少なく、音源も他のモーツァルトのオぺら録音に比べたら非常に少ないです。しかしこの序曲だけはよく取り上げられますし、人気のある作品です。私の打ち込みより是非本物の演奏で聞いてほしいです。私のお勧めはニコラウス・アーノンクール指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏です。

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