12月16日。それは、音楽の歴史を変えた偉大な作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンがこの世に生を受けた日です。
今回のDTMで製作したクラシック音楽は「コリオラン序曲 ハ短調, Op.62」です。
■不屈の精神が生んだ「楽聖」ベートーヴェン
ベートーヴェンといえば、多くの人が「運命」や「第九」を思い浮かべるでしょう。彼の音楽は、苦悩を乗り越え歓喜へと至る、力強い生命力に満ちています。聴力を失うという音楽家にとって致命的な困難に屈することなく、人類の宝とも言える傑作を生み出し続けたその生涯から、彼は「楽聖」と呼ばれています。
今回の「コリオラン序曲」もまた、彼の情熱的な個性が爆発した傑作の一つです。
■英雄の葛藤を描く音のドラマ「コリオラン序曲」
この序曲は、古代ローマの伝説的な英雄コリオラヌスの悲劇を描いた、ハインリヒ・フォン・コリンの戯曲『コリオラン』のために作曲されました。
【あらすじ】
ローマの英雄コリオラヌスは、その傲慢さから故国を追放されます。彼は復讐心に燃え、かつての敵国と手を組み、ローマへ進軍します。しかし、城門の前で母と妻に故国を滅ぼさないよう涙ながらに説得され、深く葛藤します。最終的に彼は軍を引きますが、その責任を問われ、自ら命を絶ってしまうのです。
この序曲では、二つの対照的なメロディが英雄の心の揺れ動きを巧みに描き出します。
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力強く、厳格な第一主題:英雄コリオラヌスの不屈の意志と、祖国への怒りを表します。
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優美で、哀願するような第二主題:母や妻の、切実な嘆願と愛情を表します。
この二つの主題がぶつかり合い、交錯しながら、物語は破滅的な結末へと突き進んでいきます。ベートーヴェンがいかに音楽で「物語」を語る天才であったかが、このわずか8分ほどの楽曲に凝縮されています。
■現代の技術で挑む、ベートーヴェンの響き
楽譜作成ソフトDorico5をMIDIデータの入力インターフェースとして活用し、オーケストラ音源NotePerformer5を鳴らしています。動画に映る楽譜はDoricoの再生画面で必ずしもオリジナルのスコアと同一ではありません。
それは、私が楽譜の「見た目」よりも、そこから生まれる「音」を最優先しているからです。記号通りに演奏させるのではなく、強弱(ダイナミクス)やテンポの揺らぎを、自分の耳で聴きながら最も自然で感情豊かに響くように、細部に至るまで調整を重ねました。強弱のコントラストをいかにうまく出せるか? というところが難しかったのですが、ラストの部分でホルンの強奏があるのですが、この部分はこれ以上大きく出せなくて残念でした。
255年前の12月16日、ベートーヴェンが生まれた奇跡に感謝しながら、彼の音楽と一夜を過ごします。
【作品クレジット】
Programming Music
L.v.Beethoven/Coriolan Overture,Op.62
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:Dorico5
Sounds:NotePerformer5
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