クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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座右の銘は漁夫の利、他力本願、棚から牡丹餅!!
趣味のクラシック音楽をプログラミングする事に没頭、あとは散歩中に写真を撮りまくること。

中学受験応援しています。

フンメルノートと申します。

基本、クラシック音楽の作曲家フンメルを個人的に研究しています。

クラシック作曲家 ヨハン・ネポムク・フンメルの研究サイト
http://hummelnote.wixsite.com/hummelnote
フンメルノートの note
https://note.com/hummelnote


都合あってブログを二つに分けています。ブログはいろんなものを読ませていただいて楽しんでます。

第1趣味のクラシック音楽のこと、第2趣味の写真やカメラのこと、中学受験関係、その他なんでもありな感じになってきました。

アメブロは色んなブログを楽しむ為にアカウントを作成したようなものです。中学受験の過酷さ経験し、終了した後も頑張っている人達のブログを心の中で応援している感じで読ませていただいてます。

ここでは自分用のメモ的な独り言、写真だけアップ みたいな使い方するので、つまらん記事しかないため飛ばしてくださいヾ(@^▽^@)ノ


『ポントの王ミトリダーテ』作品解説

 

『ポントの王ミトリダーテ』(Mitridate, re di Ponto) K.87 (74a) は、1770年、モーツァルトが14歳の時に第1回イタリア旅行中に作曲された3幕のオペラ・セリア(正歌劇)です。

 

初演と大成功: 1770年12月26日にミラノのテアトロ・レージョ・ドゥカーレで初演されました。天才少年モーツァルトのイタリアでのデビュー作とも言える作品で、上演はなんと21回も繰り返されるほどの大成功を収めました。

 

 

原作: フランスの劇作家ジャン・ラシーヌの悲劇『ミトリダート』を元に、ヴィットーリオ・アメデオ・チーニャ=サンティがイタリア語の台本を作成しました。

 

 

当時、少年モーツァルトは歌手たちのわがままな要求(アリアの書き直しなど)に振り回されながらも、それを見事に跳ね除けて彼らの魅力を最大限に引き出す曲を書き上げ、ミラノの聴衆を熱狂させました。

 

 

オペラのあらすじ

 

舞台は紀元前63年、クリミア半島のニンファエウム。ローマ帝国と激しく対立していた実在のポントス王、ミトリダテス6世をモデルにしています。

 

【主な登場人物】

 

ミトリダーテ: ポントの王。ローマ帝国と戦っている。

 

アスパージア: 王の婚約者。

 

ファルナーチェ: 王の長男。野心家でローマ寄りの考えを持つ。

 

シファーレ: 王の次男。父に忠実。

 

 

第1幕:王の偽装死と恋の鞘当て

 

ローマ軍と交戦中のミトリダーテは、息子たちの忠誠心を試すため、自らが「戦死した」という嘘の報告を故郷に送ります。王の死を聞いた長男ファルナーチェは、権力を狙うだけでなく、以前から横恋慕していた父の婚約者アスパージアに強引に迫ります。 困り果てたアスパージアは次男シファーレに助けを求めますが、実はシファーレとアスパージアは密かに惹かれ合っていました。そこへ、死んだはずのミトリダーテ王が突然帰還し、息子たちの裏切り(特にファルナーチェの横暴)を知ることになります。

 

第2幕:露見する真実と王の怒り

 

アスパージアが本当に愛しているのは次男シファーレであること、さらに長男ファルナーチェが敵であるローマ軍と内通していることが王にバレてしまいます。激怒したミトリダーテは、アスパージアとファルナーチェを死刑にすると宣言します。シファーレはアスパージアと共に死ぬ覚悟を決めます。

 

第3幕:決戦と王の最期

 

ローマ軍が総攻撃を仕掛けてきます。ミトリダーテは出陣しますが、戦いの中で致命傷を負ってしまいます。一方、牢に捕らえられていたファルナーチェは後悔の念に駆られ、ローマ軍の船に火を放って寝返り、ポント軍のために戦います。 瀕死のミトリダーテは宮殿に運び込まれ、改心したファルナーチェを許し、アスパージアとシファーレの結婚を祝福して息を引き取ります。残された3人は、亡き王の意志を継いでローマへの徹底抗戦を誓うのでした。

 

序曲(シンフォニア)の解説

 

今回DTMで打ち込まれた序曲は、当時の典型的な「イタリア風序曲(シンフォニア)」の形式である「急ー緩ー急」の3つの楽章が切れ目なく演奏されるスタイルで書かれています。

 

14歳とは思えないほど堂々としたオーケストレーションで、初期のモーツァルトらしい生命力に溢れています。

 

 

 

 

 

第1部:Allegro(ニ長調・4/4拍子)

 

 

華やかで活気に満ちた、祝祭的な雰囲気の楽章です。

 

聴きどころ: 冒頭の輝かしい和音の打撃と、弦楽器によるトレモロ(細かく刻む音型)や急速なスケール(音階)の上下降。当時のオーケストラ(特にマンハイム楽派など)で流行していた、クレッシェンドや急激な強弱の対比(フォルテとピアノの切り替え)が多用されています。

 

 

第2部:Andante grazioso(イ長調・2/4拍子)

 

一転して、非常に優美で抒情的な緩徐楽章です。

 

聴きどころ: 弦楽器を中心に、歌うような美しいメロディが奏でられます。オペラ本編で繰り広げられる愛や葛藤のドラマを予感させるような、少し切なくも優しい表情を持っています。

 

 

第3部:Presto(ニ長調・3/8拍子)

 

再びテンポを上げ、軽快に駆け抜けるような終曲です。

 

聴きどころ: 舞曲風の軽やかなリズムで、オペラの幕開けに向けて一気に期待感を高めていきます。最後は力強い和音で締めくくられ、そのまま劇的な第1幕へと接続されます。

 

 

オーボエとホルン、そして弦楽器という古典派初期の小ぶりな編成ながら、非常に華やかでドラマチックな響きを持つこの序曲。完成した音源を聴き返す際、オペラの熱いストーリーを思い浮かべながら聴くと、また違った景色が見えてくるかもしれません。私は当時の演奏慣習に従ってティンパニを追加しています。

 

 

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:神童の原点「S.1」から30年。同じ主題が巨大なヴィルトゥオーゾ作品へ変貌した「変奏曲 イ長調 Op.76

前回お届けした、歴史に埋もれていたフンメル11歳頃の最初期の作品「変奏曲 イ長調 S.1」の自筆譜復元と初音源化の記事には、多くの反響をいただきありがとうございました。

今回は前回の予告通り、その30年後に書かれた、フンメルの真骨頂とも言える傑作をお届けします。

 

今回ご紹介するのは、「創作主題による変奏曲 イ長調 Op.7618171818年頃作曲)です。

まずは、こちらの音源をお聴きください。

 

 

 

まさかの「完全なる自己リメイク」

私の音源化を聞いてくださっている方には、「あれ? 聞いた事あるな」と感じた方も多いのではないでしょうか。

そうです。このOp.76で使われているテーマ(創作主題)は、前回ご紹介した11歳の時の作品「S.1」と全く同じメロディなのです。

 


恩師モーツァルトのもとで学んでいた神童時代に書いたシンプルな変奏曲の主題を、フンメルはヨーロッパ最高のヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして頂点を極めていた円熟期に、わざわざ引っ張り出して「再構築」しました。

当時の変奏曲は、流行のオペラ・アリアや民謡をテーマにすることが多かった中、自身の過去の「オリジナル主題」をあえて選んだところに、フンメルの作曲家としての強い自信と、自身の原点への深い愛着を感じずにはいられません。

 

1. 古典派の王道を行く「二部形式」の構造

少年時代のフンメルが創作した主題は、恩師モーツァルトやハイドンから受け継いだ古典派変奏曲の定石である「反復を伴う二部形式(A-A-B-B)」という非常に整然とした構造を持っています。

前半(A)が主調(イ長調)から属調(ホ長調)へと向かって提示され、後半(B)で再び主調へと回帰して完結するというシンメトリーな構成です。フレーズの区切りとカデンス(終止)が極めて明確であるため、後年になってOp.76のような複雑で超絶技巧的なパッセージを乗せても、楽曲全体の「建築的なバランス」が崩れない強固な骨組みとなっています。

2. 変奏の余地を残した「和声の堅牢性」と「余白」

変奏曲の主題として優れている最大の条件は、「メロディ自体が完成されすぎていないこと」です。

このイ長調の主題は、I(トニカ)とV(ドミナント)を軸とした非常にシンプルで力強い和声進行を持っています。また、旋律線には細かな装飾を入り込ませるための「リズムの余白(休符や長い音符)」が意図的に残されています。

   S.1の時代: この余白に対して、古典的なスケール(音階)やアルペジオを素直に当てはめました。

   Op.76の時代: ピアノの性能向上に伴い、同じ和声進行と余白の上に、より広い音域を使った跳躍、半音階的な経過音、重厚な和音を詰め込むことが可能になりました。

現代のDawソフトのピアノロール画面などでS.1Op.76のスコアをデータ化して並べてみると、小節数や和声の骨格という「土台」は同じまま、音符の密度やアーティキュレーションの解像度だけが時代に合わせて劇的に拡張されている様子が、視覚的にもはっきりと浮かび上がります。

3. フンメル特有の「カンタービレ(歌うような)」旋律

当時流行していた既存のオペラ・アリアや民謡ではなく、わざわざ「創作主題(Theme original)」を用いた理由は、フンメル自身の持ち味である声楽的で優美なメロディラインを提示するためでした。

彼の書く旋律は、モーツァルトの無垢な明るさとも、ベートーヴェンの構築的な動機とも異なる、特有の「なめらかさ」を持っています。この流麗な主題には、後にショパンのノクターンやピアノ協奏曲へと直結していく「ベルカント的なピアノの歌い方」の萌芽がすでに含まれており、彼がロマン派への橋渡しとなる重要な作曲家であることを示しています。

4.聴きどころ:30年間の「ピアノの進化」と「フンメルの円熟」

同じイ長調の二部形式という土台を持ちながら、S.1Op.76とでは、まるで別次元の音楽へと変貌を遂げています。その聴きどころをいくつかご紹介します。

 

①劇的に拡大した音域とスケール感

S.1が書かれた1789年頃は、まだチェンバロや音域の狭い初期のフォルテピアノの時代でした。しかしOp.76の時代には、ピアノという楽器自体が劇的な進化を遂げています。ペダル機構の発展や音域の拡大(6オクターブ以上)をフルに活かし、S.1では考えられなかったような広大な音域を駆け巡るアルペジオや、重厚な和音が随所に散りばめられています。

②次世代(ショパンら)を予感させる「装飾とベルカント」

古典派の明快なスケール(音階)で構成されていたS.1の変奏に対し、Op.76では半音階を多用した滑らかなパッセージや、息を呑むほどに美しい前ロマン派的な装飾音が連続します。まるでピアノがオペラ歌手のように歌う(ベルカント)この流麗なスタイルは、のちのショパンやリストへと直接繋がっていく「フンメル・スタイル」の極致です。

③圧倒的な技巧を要求する超絶技巧

Op.76は華麗な跳躍、細かなトリル、連続する重音など、当時のピアニストの限界に挑むような圧倒的なヴィルトゥオーゾ技巧が要求されます。「自分にしか弾けない」レベルの極めて高度なテクニックを、あのシンプルな主題の上に見事に構築しているのです。

 

 

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