クラシック音楽とお散歩写真のブログ

クラシック音楽とお散歩写真のブログ

座右の銘は漁夫の利、他力本願、棚から牡丹餅!!
趣味のクラシック音楽をプログラミングする事に没頭、あとは散歩中に写真を撮りまくること。

中学受験応援しています。

フンメルノートと申します。

基本、クラシック音楽の作曲家フンメルを個人的に研究しています。

クラシック作曲家 ヨハン・ネポムク・フンメルの研究サイト
http://hummelnote.wixsite.com/hummelnote
フンメルノートの note
https://note.com/hummelnote


都合あってブログを二つに分けています。ブログはいろんなものを読ませていただいて楽しんでます。

第1趣味のクラシック音楽のこと、第2趣味の写真やカメラのこと、中学受験関係、その他なんでもありな感じになってきました。

アメブロは色んなブログを楽しむ為にアカウントを作成したようなものです。中学受験の過酷さ経験し、終了した後も頑張っている人達のブログを心の中で応援している感じで読ませていただいてます。

ここでは自分用のメモ的な独り言、写真だけアップ みたいな使い方するので、つまらん記事しかないため飛ばしてくださいヾ(@^▽^@)ノ



Programming Music
Gabriel Faure / Sicilienne in g-minor,Op.78(Cello & Piano)

心惹かれる哀愁のメロディ。フォーレの「シシリエンヌ」の魅力に迫る 🎻✨

どこか懐かしく、切ない気持ちになる…そんな美しいメロディを聴いたことはありませんか?カフェやCM、フィギュアスケートの演技などで、きっと一度は耳にしたことがあるはず。その曲の名は、ガブリエル・フォーレ作曲の「シシリエンヌ」。
今回は、時代を超えて世界中の人々を魅了し続けるこの名曲の魅力について、少し深く掘り下げてみたいと思います。


そもそも「シシリエンヌ」ってどういう意味?

「シシリエンヌ(Sicilienne)」とは、フランス語で「シチリア島の」という意味。その名の通り、イタリアのシチリア島が起源とされる舞曲のリズム形式(シチリアーノ)からインスピレーションを得ています。
ゆったりとした8分の6拍子で、舟歌のように揺れるリズムが特徴。このリズムが、優雅でありながらもどこか物悲しい、独特の雰囲気を作り出しているのです。


悲劇から生まれた美しい旋律

この「シシリエンヌ」が世に知られるきっかけとなったのは、1898年に上演されたメーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』でした。フォーレはこの劇の付随音楽を依頼され、その中の一曲としてこの「シシリエンヌ」を編曲したのです。
物語は、禁断の愛の末に悲劇的な結末を迎えるという、ミステリアスで儚い雰囲気。メリザンドが泉のほとりで髪をとかす幻想的なシーンで流れるこの曲は、物語の持つ切ない美しさを見事に表現し、聴衆に強い印象を与えました。
面白いことに、この曲の原型は劇音楽よりも前、1893年にチェロとピアノのために書かれていたそうです。様々な形で温められていた旋律が、『ペレアスとメリザンド』という作品と出会い、その才能を一気に開花させたのですね。


なぜこんなにも心惹かれるのか?3つの魅力

「シシリエンヌ」が持つ不思議な魅力の秘密を、3つのポイントで解説します。
魅力①:忘れられない優雅なメロディ 🎶
なんといっても、この曲の一番の魅力はその旋律の美しさ。息が長く、滑らかに流れるようなメロディーは、一度聴いたら忘れられません。哀愁を帯びていながらも気品があり、私たちの心の琴線にそっと触れてくれます。
魅力②:心地よい「揺らぎ」のリズム 🌊
前述したシチリアーノのリズムが、曲全体に心地よい「揺らぎ」を与えています。穏やかな波に身を任せているような、あるいは遠い昔を懐かしむような、ノスタルジックな気分にさせてくれるのです。
魅力③:色彩豊かなフォーレのハーモニー 🎨
フォーレは「フランス近代音楽の巨匠」と称され、その洗練されたハーモニー(和音)は高く評価されています。「シシリエンヌ」でも、繊細に移り変わる和音がメロディを彩り、まるで印象派の絵画のような、光と影が織りなす色彩豊かな世界観を生み出しています。


どの楽器で聴く?それぞれの魅力

この曲はもともと管弦楽曲として有名になりましたが、現在では様々な楽器のために編曲され、演奏されています。

  • フルート版:最もポピュラーな編曲の一つ。フルートの透明感のある柔らかな音色が、曲の持つ儚い美しさを引き立てます。

  • チェロ版:原型となった編成。深く、温かみのあるチェロの音色が、旋律に込められた哀愁や情熱を豊かに歌い上げます。

  • 管弦楽(オーケストラ)版:ハープのアルペジオに導かれてフルートがメロディを奏でる、最も色彩豊かで豪華な響きを楽しめます。

今回は原曲のチェロとピアノのバージョンで作成しました。


まだまだ「秋の夜長」とはならないですが、少し物思いにふけりたい時、フォーレの「シシリエンヌ」が、あなたの心に優しく寄り添ってきませんか?

Computer Programming : Hummel Note
Programed by Dorico 5
Sound:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5/ARIA
Mix & Mastering:SSW10 Lite
Image generated by Google Gemini. Video from iStock.

 

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今回はモーツァルトの有名なピアノ協奏曲《戴冠式》を、フンメル編曲版のピアノパートでプログラミングしてみました。

オーケストラはモーツァルトのオリジナルを使用していますが、独奏ピアノはフンメルによる改変版です。これがとても面白い!
 

Mozart(arr. Hummel)Piano Concerto No.26 in D, K.537 "Coronation"

 

 

Programed by Hummel Note

Daw&SequencerDorico 5

SoundsNote Performer 5, GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA(Piano),

Thumbnail images are generated by CyberLink PowerDirector



使用パート(楽譜)と構成
 

原曲と管弦楽パートはモーツァルトのオリジナルスコアを使用した。
ピアノパートはJ.N.フンメル編曲版「モーツァルトのピアノ協奏曲第26番の四重奏曲編曲版,S.142」(1835年)のピアノパートを使用。

 

第1楽章 カデンツァ:フンメル「モーツァルトのピアノ協奏曲7曲へのカデンツァ集,Op.4(Op.46a)」より

第2楽章 アインガング:フンメル「モーツァルトのピアノ協奏曲第26番の四重奏曲編曲,S.142」より

第3楽章 第1アインガング: フンメル「モーツァルトのピアノ協奏曲第26番の四重奏曲編曲,S.142」より

第3楽章 第2アインガング:フンメル「モーツァルトのピアノ協奏曲7曲へのカデンツァ集,Op.4(Op.46a)」より

 


フンメル版ピアノパートの特徴


まず大きな違いは、モーツァルトが想定した 5オクターブのフォルテピアノから、フンメルの時代の 7オクターブに拡張されたピアノに合わせて音域が広げられていることです。よりモダンな響きで、迫力と華やかさが増しています。

また、フンメルはモーツァルトの弟子でもあったため、同時代の後輩演奏家たちがどのように弾いていたかを私たちに伝えてくれるような編曲になっています。

特にこの《戴冠式》の場合、モーツァルトの自筆譜は省略だらけで、即興的に弾くことを前提にしていたと考えられます。フンメルはそれらの空白を埋めるように補筆し、演奏可能な形に整えているのです。


左手がない!? モーツァルト自筆譜の不思議

《戴冠式》の自筆譜は、左手が和音記号しか書かれていない箇所が多数あります。そのまま弾くと右手だけの演奏になってしまう部分があり、特に第3楽章は右手の名人芸的パッセージばかり。

フンメルはここを、両手を駆使したヴィルトゥオーゾ的なパッセージに置き換えています。さらに第2楽章に至っては、ほぼ空欄だった伴奏をしっかり補筆。結果、全体としてより完成度の高い「協奏曲」として聴けるようになっています。
 

第二楽章比較
※第2楽章の中間部冒頭のピアノソロの左手は省略されれていましたがフンメルは補筆しています


 

当時は、譜面に書かれていない装飾や即興的なパッセージを演奏家が自然に加えていましたが、フンメルはそれを譜面化した形。スケールやアルペッジョを駆使し、より華やかで技巧的なピアノパートに仕上げています。

 


もう一人の補筆者:アンドレ版

ちなみに今日よく演奏される「戴冠式」の楽譜は、1794年にヨハン・アンドレ社が出版した初版を基にしています。ここでは自筆譜の空欄を簡易的に埋めており、音楽学者アインシュタインは「単純で無難だが、ときに不器用」と評しました。それでも基準版のひとつとして定着しています。

フンメル版はこれとは異なり、ピアニスティックで生き生きとした補筆が魅力です。


フンメルとモーツァルト協奏曲の編曲

フンメルはモーツァルトの協奏曲を7曲も室内楽版に編曲しています。編成は フルート+ヴァイオリン+チェロ+ピアノ1820年代後半から30年代初頭にかけて出版されました。

  • K.466(第20番/1827)カデンツァ付き
  • K.503(第25番/1828)カデンツァ付き
  • K.316a(第10番/18292台ピアノ版をソロ用に改変
  • K.491(第24番/1830)カデンツァ付き
  • K.537(第26番「戴冠式」/1835)第23楽章に Eingange
  • K.482(第22番/1836)カデンツァ付き
  • K.456(第18番/1830

このほかにもハイドン、ベートーヴェンらの序曲などを同じ編成に編曲しましたが、やはり一番価値あるのはモーツァルト協奏曲の編曲と充実したピアノパートでしょう。


カデンツァの問題

今回の《戴冠式》について、フンメルは第1楽章のカデンツァを書いていません。その代わり、第23楽章に Eingange(短いつなぎ句) を残しました。

私はDTM制作にあたり、「第1楽章のカデンツァをどうするか?」という問題に直面しました。モーツァルト自身はこの協奏曲にカデンツァを残していません。

そこで思い出したのが、フンメルが10代の頃に出版した 《モーツァルトのピアノ協奏曲7曲へのカデンツァ集 Op.4。ここには第26番の第1楽章用カデンツァも含まれていたのです!

つまり今回の演奏は、

  • ピアノパートは晩年のフンメルによる完成度の高い改変版
  • カデンツァは10代後半の若きフンメルの作品
    という、時代をまたいだ「フンメルづくし」の構成になっています。

おわりに

《戴冠式》はあまりにも有名な協奏曲なので、聴き慣れた方にはフンメル編曲版に違和感があるかもしれません。

しかし私は今回DTMで作りながら、頭の中で「フンメルがウィーンの劇場で、師匠モーツァルトの協奏曲を弾いているシーン」を妄想していました。そう思うと、モーツァルト直系の弟子がどんな風に補筆し、どんな響きを思い描いたのか——歴史の向こう側に触れるようで、とても楽しい体験になりました。 

 

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Programming Music
Hummel,Johann Nepomuk/Variations on a Dutch Song in B-flat,Op.21

 

Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:Dorico 5
Sounds:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA(Piano)
Thumbnail images are generated by CyberLink PowerDirector

 

【注釈】動画オープニングのAiで生成した「貴婦人にレッスンするフンメル」 はGeminiで画像生成後、CyberLink PowerDirectorで動かす指示をして作りました。
【注釈2】動画内の譜面はProgrammingとして使用した譜面の演奏画面キャプチャーですので、演奏用の出版譜面とは異なります。

【まえがき】

いまさらですが、「ヨハン・ネポムク・フンメル(1778-1837)」という作曲家の名前を知らないという方もコアなクラシックファンでない限り多いのではと思っています。神童モーツァルトの数少ない弟子の一人であり、楽聖ベートーヴェンとも親交があった彼は、古典派からロマン派への架け橋となった重要な音楽家です。
生涯に200曲以上の作品を残したフンメルの作品群の中でも、特に彼の真価が発揮されているのがピアノ曲です。今回は、その中でも中期の華やかで洗練された魅力を持つ「オランダの歌による変奏曲 変ロ長調 Op.21」をご紹介します。この曲には、師であるモーツァルトとの意外な繋がりが隠されていました。

【主題はオランダ国歌!師モーツァルトとの「競演」】

この変奏曲の主題となっているのは、当時オランダで広く親しまれていた「ヴィレム・ヴァン・ナッサウ(Willem van Nassau)」という愛国的な歌です。驚くべきことに、このメロディは現在のオランダ国歌として歌い継がれています。
そして、さらに興味深い事実があります。フンメルの師であるモーツァルトも、全く同じ主題を用いて「『ヴィレム・ファン・ナッサウ』による7つの変奏曲 K.25」を作曲しているのです。

  • モーツァルトの変奏曲 K.25(1766年作曲)

モーツァルトがわずか10歳の時に作曲した、若き天才の才能が光る作品です。明快で優雅な古典様式で書かれており、一つ一つの変奏は簡潔ながらも創意に富んだ、宝石のように愛らしい小品に仕上がっています。

  • J.N.フンメルの変奏曲 Op.21(1806年頃出版)

モーツァルトの作品から約40年後、弟子フンメルは同じ主題を、より華麗で技巧的なコンサートピースへと昇華させました。この時代にはピアノという楽器が格段に性能を向上させており、フンメルはその可能性を最大限に引き出していると言えます。
同じメロディが、師の手にかかると古典的な気品あふれる作品に、そして弟子の手にかかると来るべきロマン派の時代を感じさせるヴィルトゥオーゾ(名人芸)的な作品へと姿を変える。この「師弟による競演」を聴き比べてもなかなか面白いです。ただ、モーツァルトの作曲年齢が10歳のときの作品ですので、いくら天才と言えども成人したフンメルの作品と比べて幼さを感じてしまうことは否めませんが、モーツァルトの変奏曲も大変魅力的ではあります。

【フンメルの技巧が光る、楽曲の魅力】

フンメルの変奏曲 Op.21は、主題と9つの変奏、そして華麗なコーダ(終結部)で構成されています。
親しみやすい主題が提示された後、変奏が始まると、そこはまさにフンメルの独壇場です。

  • きらびやかなアルペジオ(分散和音)やスケール(音階)が織りなす軽快な変奏。

  • しっとりとした表情を見せる叙情的な短調の変奏。

  • 力強い和音とオクターヴが壮大な響きを生む堂々とした変奏。

これらの多彩な変奏には、モーツァルトから受け継いだ端正な様式美の中に、後のショパンやリストを思わせる華麗なピアニズムの萌芽が随所に散りばめられています。演奏するには、一音一音を明瞭に弾き分けるタッチや、優雅で正確な装飾音の技術など、高度なテクニックが要求されます。特に、以下のような点がポイントとなります。

●明瞭なタッチ: 速いパッセージでも一音一音が明瞭に聞こえる、粒のそろったタッチが不可欠です。
●華麗な装飾音: フンメルの作品に特徴的な装飾音を、優雅かつ正確に演奏することが求められます。
●ダイナミクスの表現: 変奏ごとの性格の違いを、ダイナミクス(強弱)の変化によって豊かに表現することが重要です。

モーツァルトの優雅さと、来るべきロマン派の情熱とヴィルトゥオジティを繋ぐフンメルのピアノ変奏曲 Op.21は、彼の作曲家そしてピアニストとしての才能を現代に伝える、聴きごたえのある作品と言えるでしょう。ただし、後期の作品にみられるほどのより叙情的な雰囲気は持っていません(第7変奏のみロマン派ピアノ曲の叙情楽章のような雰囲気を持っています)。あくまでもこれから始まるヴァルトォーゾ時代の幕開けを宣誓しています。
 
【おわりに】
モーツァルトの優雅さと、来るべきロマン派の情熱。その二つを繋ぐフンメルの「オランダの歌による変奏曲 Op.21」は、彼の才能を現代に伝える聴きごたえのある中期の作品群でも、幻想曲,Op.18やピアノソナタ第3番,Op.20と並ぶ傑作です。
ぜひ、師モーツァルトのK.25と聴き比べながら、時代と共にピアノ音楽がどう進化していったのか、そして二人の天才の個性豊かな表現力の違いを堪能してみてください。きっと、クラシック音楽の奥深い世界の新たな扉が開かれるはずです。