Programming Music
Gabriel Faure / Sicilienne in g-minor,Op.78(Cello & Piano)
心惹かれる哀愁のメロディ。フォーレの「シシリエンヌ」の魅力に迫る 🎻✨
どこか懐かしく、切ない気持ちになる…そんな美しいメロディを聴いたことはありませんか?カフェやCM、フィギュアスケートの演技などで、きっと一度は耳にしたことがあるはず。その曲の名は、ガブリエル・フォーレ作曲の「シシリエンヌ」。
今回は、時代を超えて世界中の人々を魅了し続けるこの名曲の魅力について、少し深く掘り下げてみたいと思います。
そもそも「シシリエンヌ」ってどういう意味?
「シシリエンヌ(Sicilienne)」とは、フランス語で「シチリア島の」という意味。その名の通り、イタリアのシチリア島が起源とされる舞曲のリズム形式(シチリアーノ)からインスピレーションを得ています。
ゆったりとした8分の6拍子で、舟歌のように揺れるリズムが特徴。このリズムが、優雅でありながらもどこか物悲しい、独特の雰囲気を作り出しているのです。
悲劇から生まれた美しい旋律
この「シシリエンヌ」が世に知られるきっかけとなったのは、1898年に上演されたメーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』でした。フォーレはこの劇の付随音楽を依頼され、その中の一曲としてこの「シシリエンヌ」を編曲したのです。
物語は、禁断の愛の末に悲劇的な結末を迎えるという、ミステリアスで儚い雰囲気。メリザンドが泉のほとりで髪をとかす幻想的なシーンで流れるこの曲は、物語の持つ切ない美しさを見事に表現し、聴衆に強い印象を与えました。
面白いことに、この曲の原型は劇音楽よりも前、1893年にチェロとピアノのために書かれていたそうです。様々な形で温められていた旋律が、『ペレアスとメリザンド』という作品と出会い、その才能を一気に開花させたのですね。
なぜこんなにも心惹かれるのか?3つの魅力
「シシリエンヌ」が持つ不思議な魅力の秘密を、3つのポイントで解説します。
魅力①:忘れられない優雅なメロディ 🎶
なんといっても、この曲の一番の魅力はその旋律の美しさ。息が長く、滑らかに流れるようなメロディーは、一度聴いたら忘れられません。哀愁を帯びていながらも気品があり、私たちの心の琴線にそっと触れてくれます。
魅力②:心地よい「揺らぎ」のリズム 🌊
前述したシチリアーノのリズムが、曲全体に心地よい「揺らぎ」を与えています。穏やかな波に身を任せているような、あるいは遠い昔を懐かしむような、ノスタルジックな気分にさせてくれるのです。
魅力③:色彩豊かなフォーレのハーモニー 🎨
フォーレは「フランス近代音楽の巨匠」と称され、その洗練されたハーモニー(和音)は高く評価されています。「シシリエンヌ」でも、繊細に移り変わる和音がメロディを彩り、まるで印象派の絵画のような、光と影が織りなす色彩豊かな世界観を生み出しています。
どの楽器で聴く?それぞれの魅力
この曲はもともと管弦楽曲として有名になりましたが、現在では様々な楽器のために編曲され、演奏されています。
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フルート版:最もポピュラーな編曲の一つ。フルートの透明感のある柔らかな音色が、曲の持つ儚い美しさを引き立てます。
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チェロ版:原型となった編成。深く、温かみのあるチェロの音色が、旋律に込められた哀愁や情熱を豊かに歌い上げます。
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管弦楽(オーケストラ)版:ハープのアルペジオに導かれてフルートがメロディを奏でる、最も色彩豊かで豪華な響きを楽しめます。
今回は原曲のチェロとピアノのバージョンで作成しました。
まだまだ「秋の夜長」とはならないですが、少し物思いにふけりたい時、フォーレの「シシリエンヌ」が、あなたの心に優しく寄り添ってきませんか?
Computer Programming : Hummel Note
Programed by Dorico 5
Sound:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5/ARIA
Mix & Mastering:SSW10 Lite
Image generated by Google Gemini. Video from iStock.