私は今
日本にいます。
福岡の祖母の家から、東京まで
知り合いを尋ねながら、少しずつ北上し
今日、やっと関東に着きました。
今回は中国のことではありませんが、ちょっと番外編
京都・奈良のことを書こうと思います。
気持ち悪がられるので、あまり言わないけれど
私、仏像が好き。
あまりに仏像が好きなので
大学二年生のとき、一人で仏像めぐりの旅をした。
法隆寺の百済観音像、広隆寺の半跏思惟像、興福寺の阿修羅像…
本当に、憧れのアイドルに会いに行くような気持ちだった。
仏像を見るとき、私は
「形」ということについて考える。
私が仏像に魅かれるのは
仏像が、人の形をしているからだと思う。
もし仏さまというのが、例えば牛のような形をしていて
それに倣って、仏像も牛の形をしていたのなら
私は、仏像をここまで好きにはならなかった。
人の形だからこそ、そこに何かが宿っているように感じられる。
形っていうのは、一体なんだろう。
東大寺の不空羂索観音像。
東大寺の法華堂というところに置かれていて
前回、私が一番感動した仏像。
今回、もう一度見に行ってみた。
現在、法華堂は修復中で
不空羂索観音像は、ミュージアムの中に展示されている。
法華堂のときは、薄暗い、厳かなお堂の中にいる不空羂索観音に
来る人来る人、手を合わせて拝んでいったけれど
ミュージアムの中だと、皆、眺めるだけで去っていく。
これも、形。
本質なんて、形で変わる。
もしくは、形こそ本質なのか。
南禅寺の襖絵。
中でも、狩野探幽の虎の襖絵が一番有名。
南禅寺の襖は、保存のため
デジタルなんちゃらの完全コピー襖絵がつけられている。
私、大学時代はゲージュツなんかを勉強していたんだけど
今のコピー技術は本当にすごくて
小さな、目に見えないような傷まで、完璧にコピーできるらしい。
本物と完全に同じコピー襖絵は
しっかり南禅寺に取り付けられ、観光客の目を楽しませている。
じゃあ
蔵に眠っている、本物の襖の意義って、何だろう。
全く同じ形の、二つの襖。
その二つの違いって何だろう。
表わすもの、気づかせるもの、騙すもの
形。
なんだか、ややこしい話をしてしまいました。
つまりは、形は大切、ということで
だから、私は
ハンサムな人が好きです。
もちろん、きれいな人も好きです。
さて、前回は毒蛇ショーについて書いてしまったので
今回は、ちゃんとジノ―族について書こうと思います。
ジノ―族も、ナシ族同様、自然崇拝。
自然の中でも、特に太陽を崇めている。
ジノ―族の民族衣装の背中には、太陽がついている。

これは、成長するにつれて変わるらしい。
ジノ―族は、16歳で成人になる。
そこで、子供太陽マークから、成人太陽マークに変わる。
この、成人太陽マークは
「相手募集中」マークでもある。
結婚すると、またマークが変わる。
なので、この人いいな、と思ったら
まずは、相手の背中のマークをチェックするらしい。
説明してくれたのは、26歳の男の人。
「じゃあ、あなたのは?」
と聞いてみたら、くるりと背を向け
「相手募集中ですよ」
と、爽やかに笑った。
ジノ―族は、女の子の民族衣装がかわいい。

衣装だけじゃなく、女の子もかわいい。
皆、小柄。

その、色々説明してくれた26歳のお兄さんも素敵だった。
とても爽やか。
爽やかに、その辺を歩いている蟻を捕まえ
「食べてみる?この蟻、食べられるんだよ」
と差し出してきたので
なんだか、なんてことないような気がしてきて
ぺロリと食べてしまった。
うごうご動いている足にはちょっと困ったけれど
食べてみたら、酸っぱくておいしかった。
ただ、後から考えてみると
自分、よく食べたな、と思う。
旅も終わりに近づき、何か感覚がマヒしていたんだろう。
お兄さんは言った。
「日本人は、周りに海があるから
海の色んなものを食べるでしょう?
僕たちは山に住んでいるから、山の色んなものを食べるんだ」
あまりに爽やかに言うので納得してしまったけれど
そういえば、日本にも山はある。
最後に。
今回の旅で、少数民族の人達と話す機会に恵まれ
気付いたこと。
本当に原始的な生活をしていた少数民族は
共産党に感謝していることが多い。
「今の中国のおかげで、生活が豊かになった」
人口の少ない少数民族の村には
政府のお偉いさんが訪れることが多い。
そして、お偉いさんが訪れると
その後、色んなことが激変する。
「保存のため」と言って
村を丸ごと観光地化することも、よくある。
だけどそれは、本当の保存にはなっていない。
本当の生活から、見せる生活に変わっている。
ジノ―族もそう。
お偉いさんが来てから
テレビもインターネットも見られるようになったらしい。
この短期間で、色々なことが変わった。
変わっていく流れの中で
いつまでも変わらないものは、何か。
その、変わらないものが
その民族の“核”なんだろう。
シーサンパンナの市街地から、バスで40分ほど
ジノ―山という山に、ジノ―族が住んでいます。
中国には、56の民族がいます。
その、56番目に認定されたのが、ジノ―族です。
中国の隅っこ、シーサンパンナ。
ジノ―族は、更にそのまた山の上に住んでいる。
人口は2万人ほどしかいない。
だから、長い間、気付かれなかった民族。
1979年に、一つの民族と認定され
その存在を知られることになった。
今、ジノ―族の村の一部は開放され
ジノ―山景区として、観光客が入れるようになっている。
バス…というより、オンボロワゴンに乗り
ジノ―族に会いに行ってきた。
入るとまず、ジノ―族の神話の女神(奥の石像)
そして、カップル

昔、大洪水があったときに
あの女神が、一つのカップル(実は兄妹)を助けた。
そのカップルが、ジノ―族の祖先だという。
園内では、色々なジノ―族の生活の様子が見られる。
機織り

家畜用に干している、とうもろこし

お家は高床式。

随分とコロコロしている鳥

山の中の村、静かな村。
やっぱり中国らしからぬ所だなぁ~
と思いながら歩いていると
突然、毒蛇ショーが始まった。

うさんくさいオッサンが、蛇をつつき
蛇が「シャー!」と言い
お客さんが「うわー!」と言う。
一体全体、何だコレ?
と思っていると、うさんくさいオッサンが
一つの薬を紹介し始めた。
「この薬は、この毒蛇から取れた薬!
肩こりによく効くよ!
ほら、肩こりの人いる?はい、じゃあそこの人、おいでおいで
はい、塗ってみるよ。それで、しばらく経つと…」
お客さんが、どよめき始める。
何だ何だ?と見てみると
塗ったところから、煙なのか、湯気なのか
何かが、もくもく出てきている。
「ほら!これが効いてる証拠!
このあと、スーっと冷えてくるんだよ。
お客さん、どう?冷えてきた?冷たい?」
「うん、冷たくなってきた」
「そう、そしたらもう、肩こり治ったから!
この薬は、ここジノ―山でしか買えないよ!
一瓶100元、はい、買った買った!」
何だそら…
と思っていたら
周りの中国人観光客が、これまた
買うのなんの。
静かな村で、思う。
やっぱりここは、中国だなぁ。
「何のことやら…」と言いたげな、毒蛇さん。

ジノ―族を紹介するつもりが
うさんくさい毒蛇ショーの紹介になってしまいました。
次回は、もうちょっと、ちゃんと
ジノ―族について書きたいと思います。