最近鼻うがいがマイブームです、鈴木です。
1日の終わりに行うとスッキリします。
雨が・・・昨日は特にすごい量降りましたね。
ちょうど3年前に広島や岡山で土砂災害が起きたのも7月でしたよね。心配になります。。。
本日の写真は妹の誕生日に所望されたメロンケーキです。
いやあ、おいしかったです。
広大の敷地内で見つけた猫じゃらし?です。ぽつりと一本だけあって、私は猫ではありませんが、なんだか白くて心惹かれてしまいました。
今日は外勤に向かったのですが、向かう途中で朝ごはんのような昼ごはんを(朝ごはんがおろそかになったので)食べながら行ったら眠くて、自分の顔に平手でアタックしながら向かいました。雨のせいで通行止めとか渋滞とかあって遅れたらどうしよう・・・と思っていたのに、雨のせいか逆に車が少なく、いつもより遅く出てしまったのに早くつきました。
無事に到着して先生方とお話していたら、
「そこの前が雨の影響で通行止めになってたでしょ?」と言われ、(あれ?そうだっけ?)
と思っていたら、その後当直にきた先生も
「そこ通行止めになっていましたよね?」というので、私とは違う方向からきたのかなと思って、そう聞いてしまうくらいだったのですが・・・
帰りに見てみると確かに来るときに駐車場の入り口を目指して病院に車で来たら、少し視線を上に向ければ(というか本当に目の前でしたが)すぐに見えたはずのところが通行止めになっていました。
帰り道は道路に土砂がすごかったです。
逆にこれに気がつかないほど眠かったのかと思うと自分に若干恐ろしくなりました。
昨日の夜も帰りに眠すぎて蛇行していたのか、トンネルで後ろの車にクラクションしていただいて飛び起きました。いやー、申し訳ないようなありがたいような・・・。
危ない運転をしててこんなことを言ってもあまり説得力ありませんが、今後はしっかり休んで気をつけて安全運転したいと思います。
さて、本日は乳癌の術後についてです。
創部の管理など、気になることは多いのではないでしょうか。
なかなか私もすぐに正確にお答えできないことがありますので、自分の勉強のためにも確認させていただきました。
参考にしたのは以下のページやガイドラインです。
副作用ハンドブック(外来にありますのでご希望の方や該当の方にはお渡しさせていただきます。) 慢性疼痛の専門医による痛みと体のQ&A(乳房切除後疼痛症候群(PMPS))
宇都宮セントラルクリニック様(感覚低下、仕事など)
Yanaga Clinic様(創部について、放射線について)
大鵬薬品 Q&A(術後にはどのようなリハビリが必要ですか?中村清吾先生
(聖路加国際病院外科副医長)手術した側の腕で荷物を持ったり、血圧を測定しないほうがよいですか?芳賀駿介先生(東京女子医科大学第二病院教授))
長さの関係で省略してある部分などもありますので、気になるところがありましたら、もとのページをご参考にしていただけるとより良いかと思います。
項目は・・・
・創部について(皮膚の硬さ、乾燥)
・リハビリ
・生活面で気をつけること
・治療の順番
・治療の内容
です。
まず前置きとして、
術後の創部について痛みや動きの具合が強く気をつけなければいけない順番は大まかにお示しすると次のようになります。
乳房切除+腋窩リンパ節郭清>乳房部分切除+腋窩リンパ節郭清>乳房切除+センチネルリンパ節生検>乳房部分切除+センチネルリンパ節生検
痛みの程度、手術後の動きともに個人差がありますのでご参考程度でお願いします。
腋窩リンパ節郭清リンパ節は全身に点在するソラマメ状の器官で、リンパ液中の老廃物や細菌、がん細胞などをろ過する働きがあります。乳房に関係するリンパ節は、わきの下(腋窩)や鎖骨の下、鎖骨の上、胸骨の横にあり、がんが転移している場合は手術で取り除きます。リンパ節は脂肪組織の中に埋まるように存在しているので、周囲の脂肪組織ごと除去する手術が必要で、これを「郭清(かくせい)」といいます。乳がんは比較的早期の段階から腋窩リンパ節へ転移することが多く、治療上重要です。最近では、リンパ節郭清を行う範囲の縮小化が検討されるようになっています。
それでは・・・
・創部について
痛み、しびれ、感覚低下
手術で触った範囲には、皮膚の感覚低下が起こります。乳房全切除した方は切除した胸全体に、部分切除した方はしこりをとった部分とその周囲の皮膚に感覚の低下が起こります。
この感覚低下は手術後の変化として起こりうる、避けられない自然なものになります。
また、脇のリンパ節周囲には、いくつもの神経があります。
主となる神経を残すような手術方法も選択されていますが、いずれにしても脇の下の皮膚の感覚が鈍る可能性があります。
術後何ヶ月も痛みやしびれは継続することがあり、これを「乳房切除後疼痛症候群」と言います。乳癌の手術後に、数か月以上経過しているにもかかわらず、傷痕の部位や胸部、脇の下、二の腕の内側が痛みや違和感、また熱を持ったり腫れたりする方がおられます。このような状態は専門的には「乳房切除後疼痛症候群(PMPS)」と呼ばれ、決して珍しいわけではなく、後述するように乳がん手術後の一定の割合の方に生じてしまいます。
乳房切除後疼痛症候群の原因はまだ十分には理解されていません。一説には手術の時に神経を傷つけているためと考えられています。また、手術でメスを入れた部位に長く続く炎症が起きており、痛みが続いているとも考えられています。その他、放射線療法や化学療法でも起こる方もいます。
英語の「PMPS」とはPost-Mastectomy Pain Syndromeの頭文字の略です。乳房切除後疼痛症候群は、1970年頃より報告があり、乳癌術後に神経に傷がついて生じる疼痛、または炎症が長引いて生じる痛みと考えられています。頻度としては調べ方によりかなり違いがありますが、4%という少ない報告から、多いものでは乳がん手術後の68%の方に生じるという報告もあり、決して珍しい状態ではないです。この違いは、かなり極端ですが、おそらく本当にそんなに差があったというわけではなくて、痛みやしびれの評価方法が異なることによるものではないかなと思います(軽いものでも症状があれば「起きた」としている、など)。
乳房切除後疼痛症候群になりやすい方の特徴としては、若年の方(特に65歳未満)、乳房全摘術よりも乳房温存術を受けられた方、腋窩リンパ節の郭清(リンパ節とわきの下の脂肪を一塊として切除)をされた方、手術前からかなり痛かった方、手術後すぐに痛みが出た方、放射線治療をされた方がなりやすいと考えられています。
お困りの方はぜひ主治医にご相談や、慢性痛の専門機関の受診を検討してみてください。
また最近になって異常な血管を標的にしたカテーテル治療という新しい治療法も開発されているようです。
乳房切除後疼痛症候群の原因や病態はまだ十分には理解されていません。一説には手術の時に肋間神経を傷つけているために痛みが生じる(神経障害性疼痛とよばれるものの一種)と考えられています。しかし、神経障害性疼痛の治療薬はそこまで効果を発揮しません。
もう一方では、手術した部位が熱を持ったり長く腫れたりすることがあることから、手術をきっかけに慢性的な炎症が起きており、痛みが続いているとも考えられています。
このような慢性的な炎症では、異常な血管ができてしまっていることがわかっており、それとともに神経が一緒に増えて、治りにくい炎症や痛みの原因になることが知られています。
このため、乳房切除後疼痛症候群の新たな治療として、異常な炎症血管を標的としたカテーテル治療が開発され、新しい治療が行われているとのことです。
PMPSの治療としては、一般的には内服薬が処方されることが多いです。この場合、使用する薬剤は、抗うつ薬、抗けいれん薬(リリカなど)、局所麻酔薬、オピオイド(麻薬など)とされています。しかし、必ずしも効果がある訳ではないとされています。
最近になって手術で生じた傷跡の痛みを治す治療として、カテーテル治療という方法も用いられるようになっているそうです。(私は初めて知りました)
この新しい治療について詳しく知りたい方は、「乳がんや肺がんの手術後の痛みへのカテーテル治療」もあるようです、参考にしてみてください。
皮膚の硬さ、乾燥
乳がんを手術したあと、最初は手術の傷あとやそのまわりが痛みますが、1ヶ月過ぎるころから、皮膚が硬くなり、こわばるという症状がでてきます。
しかしその後6ヶ月から1年かけて徐々に柔らかくなってゆきますので心配しないでください。その間、皮膚のケアをすると早く皮膚が柔らかくなり、拘縮(こわばり)が改善します。また、胸と腋(わき)と腕の動きは連動しているので動きもよくなります。入浴中にバスタブの中で、手のひらで円を描くように手術の傷とそのまわり、腋をマッサージしてください。体を洗うときもソープのアワで円を描くようにマッサージしてください。
入浴後はヒルドイドクリームやマッサージ用クリーム、スクワランなどのオイルといった保湿剤をつけてマッサージしてください。
ときどき患者さんの中には傷あとを見たくないので、胸をまったく見ないでお風呂にはいっているという方がいます。そういう方の胸をみますと、垢(あか)だらけになっていることがあります。体を清潔にしないと菌に感染する可能性がありますので気をつけましょう。術後はよく頑張ったと体をねぎらうと良いと思います。毎日きれいにしてやさしくマッサージをしてあげましょう。そうするとあら不思議、手も動かしやすくなります。
ブラジャーはスポーツブラなどフルカップの緩やかなものがおすすめです。硬いものがこすれると皮膚が傷みます。
軟膏をご使用の方は下着が軟膏で汚れるのでガーゼや母乳パッドを1枚あてるとよいです。
・リハビリ
退院までに腕が前方に120度まで上げられるようになるのが目標です。
しこりだけを取り除く手術であれば問題ありませんが、わきの下にあるリンパ節の切除も含めた手術を行う場合には、切除部分が広範囲におよぶため、手術直後に肩や腕が動きにくくなることがあります。運動機能の回復を早めるために、できるだけ早い時期からリハビリテーションを始めることが大切です。
術後1~2日目 体のラインを基本として、腕を前方、左右へ40度の角度まで上げることを目標とする。
3日目 45度くらいまでを目標に上記同様の運動をする。
4日目~ 45~90度くらいまでを目標に上記同様の運動をする。しだいに関節を大きく動かすように意識しながら行う。
また、ドレーン(ドレーン(誘導管)創傷部にたまった血液、消化液、尿、膿、浸出液などを、体外に排出するための管。この管を用いて、洗浄、薬液注入、造影検査などが行われることもあります。)を抜いた後は、「壁のぼり運動」や「ひもを使った運動」(図)など肩関節の本格的なリハビリテーションを始めます。
腕を前方に120度以上上げられるようになれば、家に帰っても身の回りのことはほとんどできるようになります。退院(平均術後5日目)までに、120度くらい上げることを目標にしましょう。
運動療法を計画的に行うと、術後6カ月が経過する頃には、手術前の90%ぐらいにまで機能が回復するといわれています。退院後もリハビリテーションに積極的に取り組んで、生活の質(QOL)を維持していくことが大切です。
壁のぼり運動
(1)壁に向かって立ち、両手を肩の高さにおきます。
(2)壁にそってゆっくりと指先を動かし、できるだけ上まで伸ばします。
ひもを使った運動
高いところにハンガーをかけて、それにひもをかけるなどして行うことができます。
ハンガーが落ちてきて怪我をなさらないように気をつけてください。
やり方ですが、健康な手でひもを引き、手術側の手を引き上げます。
・生活面で気をつけること
仕事においては、主治医と職場の方とよく相談をしながら徐々に体を慣らしていくことが大切です。手術をした側の腕が重だるかったりすることが多く、布団を運んだり、重い洗濯物や買い物袋を持ったりするときは注意が必要です。手伝ってもらえるのであればそれが安心ですが、そういかないこともあると思います。その場合は、なるべく手術をした側の反対の手を使うようにするなどの工夫が必要でしょう。
手術した側の腕で荷物を持ったり、血圧を測定しないほうがよいかはよく気になりますが、
腕がむくんでいるときは、重いものを運んだり、患部を下にして寝るのは控えてください。
乳がんの手術で腋窩リンパ節の郭清を受けた後は、むくみの症状がなくて腕の太さが正常であったとしても、リンパ液の還流(戻り)能力は十分とはいえません。このため、手術後にさまざまな生活指導が行われます。
まず、荷物を運ぶ場合ですが、腕の筋肉に流れ込む血液量が増加すると、リンパ液が戻りきれずに、むくみが悪化することがあります。手術後しばらくは、「よいしょ」と掛け声が必要となるような重いものは持たないほうがいいでしょう。
また、手術したばかりのころは患側を下にして寝ると、そこに体重がかかってリンパ液の戻りが悪くなります。むくみ症状が出ているときには、患側を下にして寝るのは避けたいものです。
その一方で、適度な運動は静脈血の戻りを促します。リンパ液の戻りも促してむくみの予防に役立ちますから、ゴルフ、水泳などの運動に取り組んでも大丈夫です。
手術をした側の腕にリンパ液がたまっているときに、傷が原因で細菌に感染すると、急に赤く腫れあがることがあるので、手指などにケガをしないように注意しましょう。
血圧測定で一時的に腕を締めつけたとしても、それがすぐにむくみを悪化させることにはなりません。血圧測定や注射などの医療行為に対して、さほど神経質になる必要はないでしょう。
車の運転は、ガイドラインには、やめた方がいいです、と書かれています。「え、いつまで?」となりますが、そこまでは書かれていません。私の上司の先生は、気をつけて運転は差し支えないと考えていらっしゃる先生から、術後3ヶ月はやめてもらっていますという先生まで様々です。私の場合はこれらを参考にして、どうしても運転をする必要がある方に関しては、動きが難しかったり痛みが来たりして危ないことをご説明しつつ、その方の疼痛具合や術式、経過に合わせて15~30分以内の運転に留めていただき、つまり長距離でなければ痛みの様子などをみつつしていただけます、とご説明しています。
運転時間について、痛みが少なくお元気な方は30分、痛みが強く難しそうな方は15分以内あるいは運転はやめる、などでご説明しています。
事故に遭われてはせっかく手術がうまくいっても悲しいですので、どうか車を運転される際には無理のないように休み休み運転するようにしていただければと思います。
心配な時はほかの先生がおっしゃっていらっしゃるように、あるいはガイドラインでそうなっているように車の運転はせず、やめていただく期間も3ヶ月ほどは見ていただくのがよろしいかと思います。
・治療の順番
乳癌の治療には、患者さんごとに術式や癌の再発率によって違いがありますが、基本的にホルモン剤、抗がん剤、放射線治療があります。
全部の治療をするときは抗がん剤→放射線治療→ホルモン剤の順番に行うことが決められています。どれかがない時はそれを抜かして次の治療を行います。
当院では非浸潤癌の方は手術、非浸潤癌で部分切除後の方は手術と放射線治療のみを行うことが多いです。
・治療の内容
ホルモン剤:女性ホルモンを餌として大きくなる乳癌のための治療です。女性ホルモンを抑えます。
抗がん剤(プラス抗HER2療法):再発率が高い乳癌の方に、再発率を下げるために行う治療です、癌の現在あるいは将来の増殖を抑えます(抗H ER2療法はH ER2陽性乳癌の増殖を抑える治療です。)
放射線治療:術後の局所再発を抑えるための治療です。
それぞれの治療がどのくらいの重み(将来の再発率を何%くらい下げられるか)は個人個人の手術の病理検査の結果で異なります。
ですので、まずは節目(術後病理結果説明のとき)や、その後気になればその時に主治医に確認してみてください。
本日は以上になります。
雨はどうやら大気の不安定性のためある程度降り続くようですね。土砂崩れの恐れのある地域の方はどうぞお気をつけください。ご無事を心から祈っております。
本日も皆様にとって実り多い日でありますように。
鈴木