ピルと乳がん | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

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広島大学病院乳腺外科 末岡です。

 

前回のブログでは、ホルモン補充療法と乳がんの関係について書きました。

コメントもいただき、ありがとうございます爆  笑

予告通り、今回はピル(低用量経口避妊薬)と乳がんの関係について書きます鉛筆

 

避妊法として有名なピルですが、これは年間失敗率が0.8%と数ある避妊方法の中でもトップクラスの効果です。また、ピルには月経前症候群やニキビ、多毛症の改善、卵巣がん、子宮体がん、大腸がんのリスク減少、卵巣の機能温存など、多くの副効用があり、女性のQOL向上に貢献しています。

 

それでは、本題の乳癌との関係は?

ヨーロッパで行われた調査では、ピルはわずかながら乳がんのリスクを増加させるという報告もありますが、日本で行われた調査ではリスクを増加させるという報告はありません。

前回のブログ(ホルモン補充療法と乳がん)と同じような結論になってしまいますが、ピルを飲むと、「わずかながら乳がんの発症リスクを増加する“可能性”がある。」といったところでしょうか。ただ、現在はピルの改良も進み、エストロゲンの量も少なくて済むようになっています。今後さらに乳がんリスクを増加させる可能性も減るとおもいます。

ただ、乳がんがある状態でピルを飲むと、乳がんの活動が活発になってしまうことがあるので、内服を始める前に乳がん検診をお勧めします。

 

以上です。

もし、今後取り上げてほしいテーマがありましたら、コメントいただけると幸いです。次回のテーマの参考にしようと思いますウインク

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