某一部上場の社長の話。


ゴルフのラウンドを回るときに、常にメモを取っているらしい。


自分の良かったところ悪かったところをメモして、次に活かしているとのこと。


きっと、仕事でもそういうスタンスなんだろう。


ビジネスマンの自己啓発も一緒。


20代、30代は必要知識をひたすらインプットする必要があるが、


40代からは、自分の行動を振り返ることが大切になる。


ビジネス経験20年積めば、自分自身の課題の答えは自分に内在している。


失敗、成功体験を棚卸しし、どこに問題があったかを振り返る。


または、日々自分が何に時間を使っているか定量的に把握する。


自ずと課題が見えてきて、ピンポイントで修正できる。


また、自分なりの大切にすべきポイントも見えてくる。それを格言にしてもよい。


それを地道に続けることで、だれでも得意分野で”コンサルタント”になれるのではと思っている。









組織を活性化させるためにはどうしたらよいか?


一つには、メンバー個々の行動や意識を分析し、あるべき方向性に向けて仕掛けをする。


ただ、あるべき方向性とはどんなものか。


チームメンバーはどのような行動・意識が求められるのだろうか。


チームというのは、私は、四つの視点があると思う。


①相手の意見を受容する

  →普段のコミュニケーションの中で、一方的にならず、相手の意見を聞き出しながら

    双方向に議論しお互いの納得性を高める。


②お互いが切磋琢磨し、成長イメージを共有している

  →単に今の仕事を片付けるのではなく、メンバー個々人が2年後3年後の自分の成長イメージを

   持ち、それを共有し尊重しながら仕事を進めていく風土。管理職はもちろんそれを支援していく。


③現業のPDCAをしっかりと回し、しっかりとタスクを管理していく

  →組織には厳しさも重要。納期管理をしっかりし、成果を出しそれをレビューしていく。

   場合によって、お互いが厳しく指摘し合うことも必要になる。


④環境変化を予測し、将来のあるべき姿をみなで描く

  →ビジョンが明確になって、それをみんなが共有すれば、日々の仕事の意義や判断軸にもなる。

   ②であげた自分の成長イメージとの整合性がつけられれば非常に大きなモチベーションとなる。


この四つの観点のバランスが崩れると強いチームにはなれない。


多くは下記のように偏りが生じる。


【トップダウン蛸壺組織】

③④>①②

昨今の日本の組織に多い。人が疲弊し、パフォーマンスが維持しない。

→メンバー間の関係の質を上げていくアプローチが必要。

→ワークショップ型研修を入れ、本音で話し合える風土を作る。


【ゆとり・成果二の次組織】

①②>③④

ぬるま湯状態。居心地はいいが、成果は上がらない。

→組織の方向性を個人の行動に結びつける施策が必要。

→顧客を定義し、目標管理を徹底させる。管理職の強化も必要かもしれない。


【短期成果集中組織】

①③>②④

現状は一見上手く言っている。急激な環境変化に対応できなくなる。

→みんなで組織の将来像を考えていくセッションを持つ。

→自分のキャリアを明確にさせ、それを支援する研修制度を構築する。


【夢見る学生組織】

②④>①③

会社立ち上げ前の状況なら良いが、稼動してからは危険極まりない。

→戦略をどう実現するか明確に落とし込む。

→話し合いばかりではなく、行動し、少しでも良いので成果を出す。


現状の組織がいまどの位置にいるのかを把握する。


そして、その状況に応じて手立てを考えていくことが大切となる。




人材開発の提案をすると必ず話題になるが費用対効果。




成果主義にどっぷりつかり、”研修なんて”と思っている現場一線にいるマネージャーに




こういう質問をしてくる人が多い。”これだけ投資して効果ってどう計るの?”と。




苦し紛れに、360度評価やアンケートなど定量的なツールを持ち出してほぼ納得のいかない説明する。




ぶっちゃけ、人事施策の効果なんて納得いく形で測れないと思う。




この1000万かかる20人対象の管理職研修が、売上にどらくらい寄与したかなんて分かるはずがなく、




たとえ、その後、成果が出たとしても、景況・会社戦略の巧拙・顧客動向など色々な変数が影響している。






教育とは、おそらく、そういう土俵で議論するものではない。




それをすることで、必ずやその人や下に付く部下の人格的成長に貢献し、風土醸成・組織成長に繋がる。




という志を持つことが大切。






費用対効果の議論に巻き込まれれば、間違えなく教育の位置づけが低くなる。




成果の見えないことをあれこれ手を変え品を変えやり、




無駄に金を使いっているという印象を持たれはじめ、、段々会社から浮いた存在になる。




結局、業績が悪くなれば真っ先に経費を削られる対象となってしまう。






アリストテレスの言葉に




"The roots of education are bitter, but the fruit is sweet."




「教育の根は苦いが、その果実は甘い。」 とある。






受講者やその上司、現場から様々反発を受けるだろう。それに挫けず、愚直に続けていくことで、




少しずつ組織に根をはり、風土が変わっていく。教育を受けた人材がそれをきっかけに




自分なりのいろんな持論を持ちはじめ、部下や後輩に伝承していく。そして、会社が変わる。




人事担当者や人事コンサルタントは、信念を持つことが必要なんだと思う。




現社員に適性検査を受けてもらう場合、主に二つの大きな目的がある。




①昇進・昇格・異動の参考資料


②研修時の自己分析資料




①について




適性検査の提供側は、できる限り妥当性を向上させるべく、設問設計や統計処理に工夫をこらし


その結果によって将来の活躍度を確度高く予測できるものを開発している。


ただ、その妥当性を上げようとすればするほど、企業はその検査に依存していく。


つまり、”単なる”適性検査に人事上の意思決定の多くを委ねてしまう。


妥当性が本当に高いのであれば、検査結果を基に昇進・昇格させることで


その候補者がその役職で活躍し、企業の業績に少なからず貢献していくだろう。


ただ、長期的に見てどうだろうか。


わずか1、2時間程度の適性検査で自分の人生が決まってしまう、または、レッテルが貼られてしまう。


そんなことがまかり通ったら全体の企業風土やモチベーションに良い影響は出るはずがない。


適性検査で見抜けない特性や努力によって、活躍していく人材もたくさんいる。


そういう人材を大切にするためにも、若しくは健全な風土を維持するためにも


検査に依存しすぎるのは危険。




ではどうすれば良いのか?


私は、アセスメント(人を評価するツール)をいくつかミックスさせていくことをお勧めする。


アセスメントセンターや360度評価など、いくつかツールを組み合わせる。


もちろん上司の主観評価もあっていい。


様々な情報を用いて、その人の個性の全体像を把握するよう努めていくlことが必要だと思っている。


そこには矛盾するデータが必ずある。


それも含めて、情報をテーブルに載せ、評価者が誠実に議論していくことが重要だと思う。


それほど、人の評価には時間と労力をかけるべきもの。





②について


結果をフィードバックするのは、我々のようなコンサルタントであったり、研修講師だったりする。


気をつけなくていけないのは、個人の可能性を摘むようなフィードバックは絶対避けること。


”あなたは、こういう特性があるので、この方向性へは進まない方が良い”


大きなお世話だと思う。


自分のキャリアは自分で決めるべき。


適性検査は、あくまで受検者が自分自身と対話をするときのツール。


それ以上でもそれ以下でもない。


コンサルタントは、検査の解釈の方法だけ伝え、本人が自分と向き合う手伝いをすれば良い。


我々の介入度合い、アプローチによって、検査は、大きなメリットを生んだり、


モチベーションを下げてしまうツールにもなり得る。上手に触媒になるべきだ。




まとめ




いずれにせよ、適性検査はあくまで議論をするための一つのツールという位置づけで使うべき。


昇進の議論の際に、他では見抜けなかった強みが適性検査に表れていて、それをみなで話し合い、


次のポジションを選ぶ際に参考にする。


また、個人へのフィードバックの際も、検査結果と自分の行動の振り返り、


将来のキャリアビジョンをオープンに話してもらい、


総合的に見た上でどこを開発すべきか、どの強みをもっと活かすかを考えさせる。


そのとき、提供側のコーチングスタンスは非常に役立つだろう。




適性検査を提供する身として、こういったスタンス・信条は常に頭に置いておきたい。













昨今の人事のキーワードの一つに、”グローバルリーダー”というものがある。


グローバルリーダーとは、どのような資質を備えているべきか、


教育や選抜はどうしたら良いか、


各地でセミナーや勉強会が実施されている。


私が日々コンサルテーションしている中で辿り着いたグローバルリーダーに必要な資質は三つ。




①自己表現力


とにかく自分の思ったことは発信する。


日本人はとかく阿吽の呼吸で仕事が進む。上司の意図を理解しようとするメンバーシップの高い部下も


多い。言い換えれば、あまり主張しないレベルの低いリーダーでもなんとか組織が機能する。


海外ではそうはいかない。いろんな価値観を持つ部下を前にしたときに、とにかく意思疎通を図らなければ


始まらない。コンフリクトだって頻発する、自分が苦手な相手でもとにかく意見交換をすることで、


少しずつ分かり合えてくる。


英語はその必要性に応じて習得すればよい。話すという意思・意欲が大切。




②ロジカルな思考


演繹的でも帰納的でも構わない。とにかく、結論とその根拠を用意する。


日本によくある、ここはなんとか頼むよ的な方針は通用しない。


事前に代替案を用意し、比較検討することや、実行面で柔軟に軌道修正できる臨機応変さも大切。


もちろん、方針変更の際のきっちりした論拠も必要になる。


もともと、英語はロジカルに話すのに適した言語。日本語より英語の方が、


相手に遠慮せず、きついことも話せる。




③柔軟さと頑固さ


変えるべきものと固執すべきものを見極めていく力も大切。


環境変化が激しい市場であれば、戦術は常に変えていく柔軟さが必要であり、


多国籍・多宗教の人材を預かるのであれば、それぞれの価値観を受容していくことも


必要だろう。ただ、ブレブレでは部下はついてこない。ここは譲れないというものを


常に念頭においておくべき。組織のビジョン・バリュー、自分の信条など、文章化しておくことも有効。


果物で言うなら桃。一見やわらかいが、種は硬いイメージを持たせていく。




この三つがあれば、海外で通用するリーダーになれると私は信じる。


英語や商品や市場の知識は後からいくらでも付いてくる。


だが、日本にいるとなかなか鍛えられない。


グローバルリーダーを作っていくには、


こういった風土を日本でも醸成していくとともに


社員に海外赴任経験や海外研修の機会をどう増やしていくかがキーになる。