現社員に適性検査を受けてもらう場合、主に二つの大きな目的がある。
①昇進・昇格・異動の参考資料
②研修時の自己分析資料
①について
適性検査の提供側は、できる限り妥当性を向上させるべく、設問設計や統計処理に工夫をこらし
その結果によって将来の活躍度を確度高く予測できるものを開発している。
ただ、その妥当性を上げようとすればするほど、企業はその検査に依存していく。
つまり、”単なる”適性検査に人事上の意思決定の多くを委ねてしまう。
妥当性が本当に高いのであれば、検査結果を基に昇進・昇格させることで
その候補者がその役職で活躍し、企業の業績に少なからず貢献していくだろう。
ただ、長期的に見てどうだろうか。
わずか1、2時間程度の適性検査で自分の人生が決まってしまう、または、レッテルが貼られてしまう。
そんなことがまかり通ったら全体の企業風土やモチベーションに良い影響は出るはずがない。
適性検査で見抜けない特性や努力によって、活躍していく人材もたくさんいる。
そういう人材を大切にするためにも、若しくは健全な風土を維持するためにも
検査に依存しすぎるのは危険。
ではどうすれば良いのか?
私は、アセスメント(人を評価するツール)をいくつかミックスさせていくことをお勧めする。
アセスメントセンターや360度評価など、いくつかツールを組み合わせる。
もちろん上司の主観評価もあっていい。
様々な情報を用いて、その人の個性の全体像を把握するよう努めていくlことが必要だと思っている。
そこには矛盾するデータが必ずある。
それも含めて、情報をテーブルに載せ、評価者が誠実に議論していくことが重要だと思う。
それほど、人の評価には時間と労力をかけるべきもの。
②について
結果をフィードバックするのは、我々のようなコンサルタントであったり、研修講師だったりする。
気をつけなくていけないのは、個人の可能性を摘むようなフィードバックは絶対避けること。
”あなたは、こういう特性があるので、この方向性へは進まない方が良い”
大きなお世話だと思う。
自分のキャリアは自分で決めるべき。
適性検査は、あくまで受検者が自分自身と対話をするときのツール。
それ以上でもそれ以下でもない。
コンサルタントは、検査の解釈の方法だけ伝え、本人が自分と向き合う手伝いをすれば良い。
我々の介入度合い、アプローチによって、検査は、大きなメリットを生んだり、
モチベーションを下げてしまうツールにもなり得る。上手に触媒になるべきだ。
まとめ
いずれにせよ、適性検査はあくまで議論をするための一つのツールという位置づけで使うべき。
昇進の議論の際に、他では見抜けなかった強みが適性検査に表れていて、それをみなで話し合い、
次のポジションを選ぶ際に参考にする。
また、個人へのフィードバックの際も、検査結果と自分の行動の振り返り、
将来のキャリアビジョンをオープンに話してもらい、
総合的に見た上でどこを開発すべきか、どの強みをもっと活かすかを考えさせる。
そのとき、提供側のコーチングスタンスは非常に役立つだろう。
適性検査を提供する身として、こういったスタンス・信条は常に頭に置いておきたい。