人材活用ノウハウBOOK〜人事コンサルタント、社会保険労務士の知恵袋

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人事コンサルタント/特定社会保険労務士が、日々の業務から得たノウハウやお役立ち情報、日々のニュースを人事屋目線で切ったコラムをお伝えします。

働き方改革法案の審議、大詰めを迎えているようですね。

実質的な議論がどれだけなされたのか、疑問が大いにありますが。

 

それはともかくとして、働き方改革の柱のひとつが長時間労働問題解決であることは間違いありません。

 

法案に入っている時間外労働の上限規制がどれほど実効性があるのかという気もしますが。

 

私はこの問題を考えるたびに、次の、ある意味真逆の2つのことが頭に浮かびます。

 

・欧米、特にヨーロッパは私が知る限り長時間労働問題は発生していない。日本と比べると名実ともに労働時間は短い。それでいていわゆる「豊かさ」は、少なくとも日本より低いということはなさそうである。「豊かさ」の定義にもよるかもしれないが。

 

・以前は今より労働時間は長かった。週休2日制がほぼ完全に行き渡ったのも1980年代のこと。しかし過労死、過労自殺、メンタルヘルス障害が頻発するようになったのは高度成長期の後、すなわち時短はそれなりに進んでからと思われる。

 

前者については生産性の問題に、後者は時代の閉そく感とストレスの問題に行き着くと思われます。

 

さて、ここからが本当の問題・課題になります。

評論家気取りで「ここが問題なのだ」と言ってるだけでは何も進みません。

「時代の閉そく感」などと言っててもどいうにもならないわけです。

 

一企業として、また私のような一介のコンサルタントとして実際に何をすべきか考えていく必要があるのです。

◆働き方改革を整理すると

 

働き方改革の中身は多岐に渡りますが、整理すると次の2つに集約されます。

 

①働き方そのものをどうするか

②働いた対価をどうするか

 

①の「働き方そのもの」とは---

「仕事をする時間の問題」

「仕事をする場所の問題」

「仕事の進め方の自由度の問題」

ーーーこの3つになりますが、これらはお互いに絡み合う問題といえます。

 

②の「働いた対価」は---

「賃金、賞与」

「人事評価」

「ポスト」

ーーーこの3つで、これもお互いに絡み合う問題になります。

 

ここでは②の「働いた対価」にからめて、何かと話題になる「同一労働同一賃金」について少し考えてみましょう。

 

◆同一労働同一賃金の意味を掘り下げてみよう

 

「同一労働同一賃金」とは平たく言うと「同じ仕事をしていれば同じ賃金にしましょう」ということになります。

当たり前のことを言っているようですが、実はそう単純ではなさそうです。

 

たとえば、職場に正社員とパートタイマーがいて、仕事の内容はほとんど同じだけど、賃金は全く違う(パートの方が賃金が低い)ということは珍しくありません。

 

「パートなのだから当然では?」という理由づけがされてきましたが、同一労働同一賃金の観点からみると、おかしな話に思えます。

しかし、そう単純でもありません。

 

そもそも「同一労働」とは何ぞや?

ここが簡単なようでそうでもありません。

 

特にこれが、実際の会社経営、労務管理にからんでくると、問題は複雑になってきます。

 

しかし、放っておいていい問題でもなさそうです。

社会情勢からいってもそうですが、何より人材不足です。

合理性、納得性のある賃金決定ができない会社は少しづつ世の中からおいていかれるように思います。

そもそも働き方改革とは何か、そもそも論のような話ですが、ここをしっかり押さえるところから始めましょう。

ここをきちんとしておかないと、議論が迷走してしまいます。

迷走するのは国会だけで充分ですから。

 

◆働き方改革の2つの側面

 

働き方改革の問題は、次の2つに整理できます。

 

①法対応のための施策

②会社成長のための施策

 

法改正も、成長戦略の一環ではあるのですが、こちらは対応すること自体が義務となります。

あるいは法が規定する制度の導入自体は会社の自由であるものの、導入する場合は法規制を踏まえなくてはなりません。

 

一方、会社成長のための施策の場合は、会社のおかれた状況や会社の戦略を踏まえて、何をどのように実施するかを、会社が独自に考えることになります。

 

もちろん、前述のとおり、法改正も根本にあるのは日本の成長戦略です。(そういう観点の議論を国会でもやってほしいものです)。

ですので、会社も、単に法に対応するというだけでなく、会社の成長戦略の中にどう位置付けるかという視点があるべきです。

 

一方、②の会社成長のための施策であっても、当然のことながら法令は順守しなくてはなりません。

 

◆法制としての働き方改革

 

働き方改革関連法案はさらに、次の2つに整理できます・

 

①規制強化:残業時間の上限規制など

②規制緩和:高度プロフェッショナル制など

 

◆会社成長のための働き方改革

 

これも次の2つに整理できます。

 

①会社の人材活用

②働く人の幸せ

 

2つは車の両輪です。

両方のバランスが重要。

これが崩れると、職場が疲弊し荒れるか、それとは逆に、仲良しクラブのような職場が出来上がってしまいます。

どちらもいい状態ではありません。

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