「ジョブ型人事」というコトバを新聞、ビジネス雑誌などで見かけることが多くなっています。
どこかの会社がジョブ型に移行したといった類の記事ですね。
この「ジョブ型」とは何か?
なぜこの言葉が注目されているのか?
これに移行すると何がいいのか?
こんなことを考えてみたいと思います。
「ジョブ」とは要するに「仕事」のことですね。
「いい仕事したね」と誉めるとき、「グッド・ジョブ」などと言って親指を立てたりします。
人事用語的にいうと「職務」となります。
職務の定義とか、ジョブとタスクの違いなど、つっこんでいくといろいろとありますが、とりあえずここではざくっと、その人が担当している仕事というぐらいにしておきます。
そして「人事」とういのは、人の配置、昇進・昇格、評価、賃金といった一連の人事施策をいいます。
つまり「ジョブ型人事」とは、社員それぞれが担当している仕事に応じて人事処遇を決めていくということを指します。
どのぐらいのレベルの仕事を担当しているのか、仕事をやった結果はどうだったのかといったことでその人のポジション、賃金などを決めるということです。
こう書くと当たり前のことのように思えますが、実は日本では当たり前ではありませんでした。
担当している仕事は同じようなものなのに、賃金は違っているということがざらにあるのが現実です。
実のところジョブ型人事という考え方は、名称はともかく、相当前からありました。
そもそも欧米ではこの考えが当たり前でしたから、日本にもとっくの昔に紹介されていたわけです。
しかし、一部の例外を除いて現在までこの方式は定着しませんでした。
定着しない理由のひとつには、慣れ親しんだやり方を変えることへの抵抗感があったと思います。
しかし、当然のことながら、それだけではありません。
日本で以前から行われていた「非ジョブ型」が、様々な矛盾をはらみながらもうまくいっていたということです。
・従来型の日本型人事システムがうまくいっていた理由
・変えていかないといけないと思われている理由
・それならどうしていくのがいいのか
こんなことを考えていきたいと思います。