紫源二の啓示版 -46ページ目

発熱


 
 
 風邪をひいて熱があると
 あなたを想い出す
 あの熱い身体
 今のぼくのように
 うわごとのように
 苦しかった
 
 あなたを
 想えば想うほど
 苦しみが増した
 
 自分がどんどん無力になって
 消えてしまいそうになった
 
 報われない想い
 
 風邪をひいて熱があると
 ついつい想像してしまう
 
 あなたがぼくにささやく
 
 愛してる
 
 あり得ないことなのに
 風邪をひいて熱があると
 まるで現実のように
 思えてくる
 まるでこの想いが
 あなたに通じたように
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

漁って行った


 
 
 結局、親族が来て、銀行の通帳をあさって行った。
 
 葬祭費も出せないし、アパートの引き払い代も出せないと
 
 大の大人が、それもいい年をした男が二人も来て、そう言いながら、
 
 汚いアパートの隅々まで捜して、
 
 通帳を何冊も捜し当てて持って行った。
 
 「たぶんそんなに入ってはいないと思いますよ」
 
 とは言ったが、耳に入らないらしかった。
 
 誰にもそんなことはわからないという風に、
 
 とりあえずは持っていくという風に持って行った。
 
 都会にはハイエナも禿タカもいないけど、
 
 金目のものをあさる人間の欲望は渦巻いている。
 
 骨にこびりついた肉片の一辺でもついばむ。
 
 それが都会の経済ってもんだ。
 
 なんだか浅ましさを感じた。
 
 見放された、見放した?
 
 どちらだかわからないが、
 
 親族なんてそんなもんでしかない。
 
 ただの親族だというだけでは、
 
 他人より性質が悪い。
 
 信頼関係が途切れ、逆転し、憎しみになるとき、
 
 だいたいは、そのような人達の人生は暗転し、
 
 浅ましい、腐った汚物とハエ以下の関係になる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

死体




 
あなたは死ぬしかなかった。
 
一人ではなにもできないのに、一人で生きているつもりでいた。
 
入院させたのも退院させたのも私だし、
 
転院先を紹介したのも私なのに、
 
一人じゃなにもできないのに、
 
ひとをバカにして罵倒していた。
 
自分では一銭も稼いだこともなく、
 
すべて人のカネに頼っていたのに、
 
そうされるのは当然、
 
自分のカネのように使いこんでいて、
 
退院するタクシー代もなかった。
 
病院のアンモニア臭を引きづって
 
帰ってきたアパートは、冷蔵庫の中身が腐った悪臭。
 
小バエが飛んでいて、

自分も風呂にも入らず、便所のような匂い。
 
ああしろこうしろと赤の他人に言いつけて当然の顔。
 
まだ若いのに、病院に見舞う友達の一人もいない。
 
親族からも見放されている。
 
それなのに自分は頭がよくて、他人より優れていると思っている。
 
その陳腐なエゴはどこから来たのだろう?
 
ロクにまともに働いたこともなく、
 
大学教育を受けたこともない。
 
それなのに大学は受かったらしい。
 
それが自分では自信になっているらしい。
 
アパート暮らしを転々とし、
 
職を転々とし、
 
路上、ネットカフェ
 
病気になり
 
どうしようもなくなって
 
施設に入って
 
罵倒していた。
 
社会を、世の中を
 
いくら罵倒しても
 
あなたの周りを世の中が傅いて回るわけもなく、
 
結局、自分では何もできなくせに、
 
すべて赤の他人からの世話、カネで生きていくしかなくなったのに
 
あなたを世話した看護婦、ヘルパー、私
 
誰にも感謝せず、
 
やって当たり前でもなく、
 
さらにもっとやって当たり前という態度で
 
なぜなら自分が一番すぐれているから
 
というような人間の生命の価値は
 
結局クズだったということだ。
 
 
 
だれも人間の生命の価値を判断できない。
 
できるのは天の神だけだと言われるだろう。
 
でも、あなたの生きてきた生き様を見ると、
 
なんて、無価値な生なんだろうと思う。
 
自分のことにしか興味がなく、
 
他の誰にもなにかしてあげたこともなく、
 
自分にしてくれたことは、足りない、やり方が違う、満足できない
 
しかも、自分のことすら自分でなにもできないくせに。
 
そんな自分を認識することもなく、
 
赤の他人が自分のためにしてくれることは
 
援助されるカネ、医療、介護。
 
すべて当たり前だと思っている。
 
そんな人間の呼吸する時間になんの価値があるだろう?
 
 
 
あと2,3カ月と2,3カ月前、いやもっと前から言われていたが、

本人にはフィルタが掛かっていて、都合よく理解していなかった。
 
誰でも自分の死に直面することは辛いだろう。
 
でも、それを避けて、
 
麻薬を浴びるように飲んで、
 
その医療費だって、自分で払っているわけではないのに
 
赤の他人に我がままを言って、
 
大勢の人が
 
あなたを支えた。
 
それに対して、まったく感謝もできない人間は
 
骨と皮になって、目が眼窩に引っ込んで
 
ハエにたかられて、
 
そんな死体と、薄暗い部屋で対面したが
 
まったくなんとも感じなかった。
 
失礼しますよ。
 
あと片づけしなきゃならないんで。
 
あなたの後片付けしてくれる人がだれもいないもんで。
 
あなたを愛してくれた人がだれもいないので。
 
かわりに私が後片付けしなきゃならないんです。
 
ここはアフリカのサバンナじゃないから、
 
だれもあなたを突っついたりしないから。
 
禿鷹もコヨーテもいないから。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

何バーセント生きてる?


 

朝、道を歩いていて思った

僕の身体、いつまでもつんだろうって

身体と心、最初に逝くのは身体の方だ

心が満足する生き方ができるか?

でもエゴの満足する生き方は陳腐

身体が満足する生き方をすればいい

でもそれも難しい






 眠ること、もできない


 
 
 眠ることが安らぎだった頃がなつかしい
 
 なんで自分のことができない人たちが多いのだろう?
 
 だれかがその人がやるべきことをやってあげる
 
 しかし本人はやってくれるのが当然だと思っていて
 
 自分ではなにもしない
 
 そんな人たちが次々に仕事を言いつけてくるから
 
 私の時間はいくらあっても足りなくなり
 
 気持ちだけが焦る
 
 明日やらねければならないことが多すぎて
 
 その日の内に片づけられない
 
 どうなるのだろう?
 
 どうすればいいのだろう?
 
 
  
 
 
 
 

夜なのに昼間のよう


 
 
 
電球の輝き

夜なのに昼間のよう

見つめてる

小さな太陽



板敷きの床

その上に乗り

上半身裸で

エアコンの冷房に吹かれて

寝るともなく起きてる



ともかく、心臓の鼓動はある

他に必要なのは復讐くらい

完全な君臨

パラノイア

連絡をくれたらば

道の終わる所まで迎えに行く








 幸せ


 
 
 しあわせは、そこらへんに転がっている
 
 それを掴むか逃すかは本人次第なんて言われてるけど
 
 そんなもんじゃなくて
 
 転がってるしあわせを感じられるか感じられないか
 
 それが問題
 
 本当はそんなことすら問題じゃなくて
 
 感じられないからって、しあわせじゃないわけでもなく・・・
 
 何を言いたいのかって?
 
 要は美しいか醜いかってこと
 
 あなたがしあわせでも、醜ければなんの意味もない
 
 どぶに捨てたほうがいい
 
 美しいとき、あなたはいない
 
 そのとき、幸せは、たとえ感じられなくても
 
 とてつもなく価値あるものとなって
 
 あなたに蓄えられている
 
 それを感じることのできる時が来たら
 
 すべての幸せが一気に押し寄せてくる
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 宝石

 
 
 
ああそうだ。思い出した。
 
価値あることは、宝石で飾り立てられていない。
 
 
眠たいのにわざわざ導入剤を飲む必要もない。
 
 
それなのに赤や黄色の宝石で着飾り
 
 
永遠の眠り薬、究極の痛み止めを飲んで眠る。
 
 
なんのために?
 
 
街中が死を抱え込んでいる。
 
 
夜とはそういうものだ。
 
 
あなたはそこで生きている。
 
 
死の回廊が続く廃墟で
 
 
朝が来るのを待っている。
 
 
すくなくとも朝になれば太陽は輝く
 
 
どんなに無機質で冷たい光だろうと
 
光は光だ。
 
 
やりかたを教えてあげたい。
 

簡単なやり方。
 
 
そんなに人生は価値あるものではない。
 
 
かといって、それほど捨てたものでもない。
 
 
やり方によっていくらでも
 
どんなにでも変化させられる。
 
 
要はどうなりかたいかであって
 
何になりたいかではない。
 
 
変化することによって
 
なにかがわかってくる。
 
変わらないもの、重たいもの、下に沈むもの、腐らないもの
 
それらを拾い集めれば
 
宝石になる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

暑い、夢のように


 
 
 
暑いね
 
ほんとうは涼しいんだけど
 
きみにはそう言っておく
 
まるで真夏のようだと
 
それのほうがセクシーだったりするだろ?
 
 
 
男女の関係は勘違いから始まる、から
 
できるだけ絡まった言葉を使って話したほうがいい
 
わけがわからないほどいいに決まっている
 
自分の好きなように解釈できるからね
 
それってとっても国際的
 
そもそも言語なんて通じなくたっていい
 
そうだろ?
 
 
 
もっと他にやることがある
 
抽象的なおしゃべりよりももっと具体的なこと
 
それってことばでは言えないよね
 
絶対に
 
 
 
あなたが・・・
 
 
 
スプリング・フィールドで
 
待っている
 
 
 
正月のセレブレーション
 
 
 
ぼくが・・・
 
 
 
昨日のようにまた
 
ホットスプリングで
 
 
 
クリスマス・イブのミサ
 
もしくは洗礼
 
  
 
壊れた鉄骨の青写真
 
 
抱いて
 
 
 
エビチリソース
 
 
 
絡まめて
 
もつれ
 
 
 

もつれて落下してもがいて叫んで舐め合う
 
 
 
愛し合う
 
 
それってもしかして 
 
ほんとうは涼しいのに・・
 
 
あなたにはそう言っておく
 
 
熱いね
 
 
まるで真夏のよう
 
 
窓もなく
 
 
閉じ込めれているみたい
 
 
夢の中に
 
 
あなたという夢の中に
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 とりあえず能動的


 
 
 とりあえず能動的
 
 言語は主体的
 
 受動的思考は耐えられないから
 
 ことばは抽象的
 
 それって嫌いだけど
 
 悪夢を見るよりましかもしれない
 
 要は自律していない
 
 自立して自律していない変調
 
 クラクラして立っていられない
 
 
 今日、かけがえのない今日、が終る
 
 
 3年後、旅に出よう
 
 
 フランス
 
 
 インド
 
 
 ドイツ
 
 
 オスロ
 
 
 安心を見つける
 
 自立した自律
 
 自律した神経を見つける
 
 
 なぜ見つけられないのだろう?
 
 
 理想境は死の中にしかないのか?
 
 
 神が左側から現れる
 
 
 ぼくが望んでいる神ではないかもしれない
 
 
 若い女性の声
 
 
 宇宙的叡智を具えた知性ではなく
 
 
 ただ暖かい思いやり
 
 
 ただそれだけなのかもしれない
 
 
 それではどうしたらいいかわからない
 
 
 
 ぼくは旅をしたことがない
 
 そのときは死ぬ時だと思っている
 
 それにはぼくには
 
 別れを悲しむ身内がいるから
 
 ぼくは旅をしたことがない
 
 
 
 待つことは
 
 辞書をデタラメに引くようなもの
 
 ぴったりした語句に出会うのは
 
 偶然の時間が必要だ
 
 一秒後かもしれないし
 
 十年後かもしれない
 
 
 
 時が神だとYさんは言った
 
 
 
 待つことができないから間違う
 
 
 
 でも待つことなんてできない
 
 
 
 自ら出ていって
 
 嵐の夜
 
 津波に飲み込まれ
 
 漂い
 
 激流に巻き込まれ
 
 命を落とす
 
 
 
 輝いているはずだ
 
 外の緑
 
 自由に羽ばたく鳥たち