今年(2023年)私がこのブログで書いて来た「連載記事」をご紹介する企画をお送りしているが、今回ご紹介させて頂くのは、私が好きなサザンオールスターズの楽曲の歌詞を元に「短編小説」を書くという、
「サザンの楽曲・勝手に小説化シリーズ」(原案:桑田佳祐)
で、今年(2023年)の9月に書いた、
「鎌倉3部作」
である。
私が「鎌倉3部作」の題材にしたサザンの楽曲は、いずれも「鎌倉」の事が描かれている、下記の3曲である。
・『通りゃんせ』(2000)
・『愛の言霊 ~Spiritual Message~』(1996)
・『鎌倉物語』(1985)
上記の楽曲の歌詞を元にして、3編の「短編小説」を書いたが、
この3編の「短編小説」は、全てひと続きの「長編物語」にもなっている。
この物語の語り手である男子高校生が、ある日、とても不思議な女性と出逢う。
しかし、この女性は、色々な意味で「普通の女性」ではなかった…。
という事で、ある男女の不思議なラブストーリーとして描いた「サザンの楽曲・「勝手に小説化」シリーズ」の「鎌倉3部作」の「リンク集」を、ご覧頂こう。
<【サザンの楽曲「勝手に小説化」⑯】『通りゃんせ』(原案:桑田佳祐)【3部作ー①】>(2023/9/5)
【サザンの楽曲「勝手に小説化」⑯】『通りゃんせ』(原案:桑田佳祐)【3部作-①】 | 頑張れ!法政野球部 ~法政大学野球部と東京六大学野球について語るブログ~ (ameblo.jp)
この物語の語り手である「僕」は、鎌倉学園高校の3年生である。
「僕」の高校の「歴史」の授業はとても面白く、中でも、鎌倉学園の所在地である「鎌倉」とは非常に縁が深い「鎌倉時代」の話になると、「歴史」の先生は、とても熱っぽく、「鎌倉時代」の魅力や面白さについて語っていた。
そんな「歴史」の先生は、最終的に「勝者」となった源頼朝よりも、源氏の宿敵・平氏を倒した最大の功労者でありながら、最後は兄・頼朝と対立してしまい、無念にも「敗者」となってしまった源義経に、とても惹かれるという。
そんな「歴史」の先生が授業の中で語っていたエピソードで、「僕」の印象に強く残ったのが、源義経と静御前の物語だった。
「義経が、頼朝に追われ、奥州に逃れて行った時…。義経の愛人・静御前が、源頼朝と北条政子の前で、義経の事を思って、舞を舞ったんだよ。静御前はその時、どんな思いだったのか、その心境を思うと泣けてくるね…」
静御前は、「想い人」である義経の事を思い、決死の覚悟で、源頼朝・北条政子夫妻の前で、白拍子の舞を踊ったという。
さて、「僕」は、同級生で親友のM君と、将来について語り合っていた。
「僕は、青山学院大学に行って、音楽活動をやりたい」
「僕」がそう言ったのに対し、M君は、
「俺は、早稲田に行きたい」
と語っていた。
ある日、「僕」とM君は一緒に学校から帰ったが、「僕」は、大好きな場所である鶴岡八幡宮へと立ち寄った。
そして、辺りが薄暗くなって来た頃、「僕」は普段とは全く違う見慣れない場所に立っていた。
途方に暮れている「僕」の前に、気が付くと、不思議な女性が現れていた。
その女性は、「歴史」の教科書によく載っているような、袿(うちぎ)に小袖という、所謂「旅装束」の和装だった。
現代にしては、ちょっと異様な出で立ちの女性だが、その女性はとても美しい人だった。
しかし、その女(ひと)の顔色は、とても青白く、まるで、この世の人ではないように見えた
「僕」はその不思議な出で立ちの女性に、フラフラと導かれるように、いくつかの鳥居をくぐった。
気が付くと、「僕」はその女性と共に、何処かの神社の境内の能舞台の前に立っていた。
「僕」はその能舞台で、信じられない物を目にする事となる…。
<【サザンの楽曲「勝手に小説化」⑰】『愛の言霊』(原案:桑田佳祐)【3部作ー②】>(2023/9/6)
【サザンの楽曲「勝手に小説化」⑰】『愛の言霊』(原案:桑田佳祐)【3部作-②】 | 頑張れ!法政野球部 ~法政大学野球部と東京六大学野球について語るブログ~ (ameblo.jp)
「僕」は、あの不思議な女性に出逢った後、上の空で、ボンヤリと考え事をしている事が多くなっていた。
そんな「僕」の事を心配した、「僕」の親友・M君は、無理矢理に、「僕」をM君の家に連れて行った。
実は、M君の家では、M君の母親が、「趣味」で占いをやっていたのである。
「僕」が、あの不思議な女性と出逢って以来、様子がおかしくなったという事を聞いたM君の母親は、水晶玉に向かって、何やら不思議な呪文を唱えると、その水晶玉に映っていたのは、「僕」が出逢った、あの不思議な女性であった。
「この女の人は、この世の人ではないのよ…。この世に生きている人間じゃないって事。貴方が出逢ったのは、生身の人間じゃないって事よ」
M君の母親は、あまりにも衝撃的な事を、「僕」とM君に告げた。
「僕」は、思い当たる事が有った。
もしかしたら、あの女性は…。
しかし、M君の母親は、
「貴方は、その女性の名前を決して口にしてはなならない。もし口にしてしまったら、貴方はその女性に黄泉の国に連れて行かれてしまう」
と、厳命した。
しかし、何故、その女性が、わざわざ時空を超えて、「僕」に逢いに来たのか…。
その理由を、どうしても知りたくなった「僕」は、M君の母親に頼み込み、あの「呪文」を教えてもらった。
そして、ある満月の夜。
「僕」は、M君の母親から聞いた呪文を唱えると、あの女性が再び姿を現した。
彼女は、前に姿を現した時と同様、袿(うちぎ)に小袖という和装であった。
そして、あの時と同じく、彼女の顔は青白く、まるで血が通っていないように見えた。
「僕」は、再び彼女に導かれるようにして、鎌倉の様々な場所を巡った。
そして、彼女は「僕」に対し、ある事を語り始めた…。
<【サザンの楽曲「勝手に小説化」⑱】『鎌倉物語』(原案:桑田佳祐)【3部作ー③(終)】(2023/9/8)
【サザンの楽曲「勝手に小説化」⑱】『鎌倉物語』(原案:桑田佳祐)【3部作-③(終)】 | 頑張れ!法政野球部 ~法政大学野球部と東京六大学野球について語るブログ~ (ameblo.jp)
「僕」と、「あの女(ひと)」が再び逢った鎌倉の夜以来、
「僕」の頭から、「あの女(ひと)」の事が離れなくなってしまった。
これは、「僕」が「あの女(ひと)」の事を好きになったという事なのか、それとも…。
どうすれば良いか、わからなくなってしまった「僕」はM君とM君の母親に相談したが、
「貴方は今、岐路に立たされているわね。平たく言えば、貴方は、その女(ひと)に取り憑かれ、その女(ひと)に心を侵食されているの。そして、そのままの状態が続けば、貴方の魂は、あの女(ひと)に奪われてしまうかもしれない…」
と、M君の母親は淡々と、ゾッとするような事を告げた。
「自分で、キッパリと、その思いを断ち切るか、それとも、そのままズルズルと彼女に引っ張られてしまうのか…。貴方自身が、どうにかするしかないわね」
M君の母親にそう言われた「僕」は、もう一度、「あの女(ひと)」に逢う事を決めた。
そして、夏休みのある昼下り。
「僕」は、あの「呪文」を唱え、また「あの女(ひと)」を「呼び出した」。
そして、「あの女(ひと)」はまた、「僕」の前に姿を現したのだが…?
…という事で、これから、「僕」と「あの女(ひと)」がどうなってしまうのか、くどくどと「あらすじ」は述べないので、どうなったか気になるという方は、どうか元記事をお読み頂きたい。
<作者からの「あとがき」のような物…>
…という事であるが、
元記事でも書かせて頂いたが、
『鎌倉物語』
という楽曲は、原由子がメイン・ボーカルの楽曲であり、1985(昭和60)年、原由子のお腹の中に長男が居た時、
原由子のお腹に負担をかけないように、桑田佳祐・原由子夫妻の家にレコーディング機材が持ち込まれ、原由子はベッドに横たわりながら『鎌倉物語』の歌のレコーディングを行なった…という、凄いエピソードが有る。
そんなエピソードも含め、
『鎌倉物語』
は、元々、私も大好きな曲であった。
原由子の優しい声に、『鎌倉物語』はとても合っており、そのメロディーラインや、「鎌倉」の名所も随所に散りばめられている歌詞も含め、原由子がメインボーカルのサザンの楽曲の中でも、一番好きな曲と言って良いかもしれない。
私は鎌倉や江ノ島辺りに行くのが好きで、今でも良く行ってしまうが、その都度、『鎌倉物語』のメロディーが頭の中で流れてしまうぐらい、好きな曲である。
という事で、
「鎌倉3部作」
に関して言うと、
『鎌倉物語』
をラストにしようという事を先に決めて、そこから逆算して、『通りゃんせ』『愛の言霊~Spiritual Message~』のストーリーも考えた。
ちなみに、
「サザンの楽曲・勝手に小説化シリーズ」
は、あくまでもサザンの楽曲の歌詞に基づいており、ストーリー展開もそれに従っているので、
「どうしても、こういう展開にせざるを得ない」
という部分も有る。
従って、
「鎌倉3部作」
の主人公である「僕」と「あの女(ひと)」との不思議なラブストーリーがどうなって行くのかは、基本的には、元の『鎌倉物語』の歌詞の通り…という事を、お伝えしておく。