スタッフのSORAです

 

今回は『がんと共存 ちょっと癒される話』より、

参考にしたい患者さんを紹介させて頂きます。

 


本記事での本書とは 『がんと共存 ちょっと癒される話』 となります


 

 


 

世の中には、めっちゃ明るい人がいます 

 

患者例

患者さん画像 名前 Aさん(1)(40)
性別 女性
診断

乳がん
→肝臓に転移

 

・備考

  • 70代の夫と同居
  • 子どもはいない

 

明るい性格の持ち主

Aさんは、がんの再発や転移を告げられても、

「きっとこの転移巣はなくなる」というポジティブな思考ができ、

数日経つと明るくなっている性格の人です

 

長い間、落ち込むことがないので、

認知行動療法や論理療法によって考え方を是正する必要がありません

 


 

がん治療における「ポジティブ思考」

 

Aさんの考え方は、一般的に論理性やエビデンスがない

「不健全思考」と呼ばれるものです

 

Aさんの事例

  • Aさんの思考「きっとこの転移巣はなくなる」
  • 健全思考「この転移巣も消える可能性がある」

 

しかし、著者の保坂院長は以下のように考えております

 

健全とはいえない「ポジティブ思考」であっても、

医師の指示による標準治療からずれていなければ、

許されるべきであると思います

(一部改編・引用:本書P45)

 


 

その後のAさん

 

Aさんの肝臓転移は、大きくなったり小さくなったりを繰り返していますが、

保坂院長の外来には通われており、変わらず明るい笑顔を見せてくれているそうです

 


 

さいごに 

 

Aさんはがんでも明るく笑っている、そんな特別製の心を持った人でしたが、

私を含めて、Aさんのような思考を持てない人が多数派かと思います。

そこで、アルバート・エリス(2)が提唱した論理療法の1つである、

ABC療法を紹介させて頂きます。

 

 ABC療法

 

 

人は「同じ場所で同じ体験をしても、捉え方によって感じ方が違う」、

という理論に基づいております

 

本理論のABCとは以下の略です

  • A:出来事(Activating event)
  • B:信念・捉え方(Belief)
  • C:結果(Consequence)

『A:出来事』は物事の受け取り方である『B:信念や捉え方』を必ず通って、

『C:結果』に向かいます。

『B』を変える(治療する)事で、『C』も変える事ができるのです。

 


 

私たちは『B:信念や捉え方』の過程において、

しばしば「当然すべきである」といった絶対的な捉え方をしがちです

 

それは自分自身を苦しめることにもなってしまい、

間違った『C:結果』に帰結してしまうこともあります

 

『B:信念や捉え方』を是正するには、

人と対話し、俯瞰した意見を取り入れることです

 

当クリニックでは、がんに関する悩み(『A:出来事』)の専門であり、

院長が『B:信念や捉え方』を変えるサポートをさせて頂きます

 

がんと共存しつつ、QOLの高い『C:結果』を得るためにも、

ぜひ当クリニックに御来院ください

 


 

書籍情報 

 

がんと共存 ちょっと癒される話
■著者
保坂 隆
■出版社】
さくら舎
■発売日
2020年2月4日
【販売サイト】さくら舎書籍案内

 


 

脚注 

 

  1. ^本記事では便宜上、Aさん(仮名)としております
  2. ^アメリカの臨床心理学者で、論理療法の創始者

 


 

参考サイト・画像引用 

 

 


 

保坂サイコオンコロジー・クリニック公式サイト 

 

診療案内は当クリニックの公式サイトをご確認ください

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