音楽偏遊 -9ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

新年度始まりました。2013年4月ですね。


アベノミクスのカンフル剤が効いて、株価は年初来高値を更新だとか。まあアベノミクス効果は一時的で長続きする政策ではないが、世間の雰囲気はよくなったのは事実。政策で糊塗している間に、本当の景気がよくなれば良いのだが、どうなることやら…


そういえば、EMIミュージックが、ユニバーサルミュージックに吸収合併されたね。レコードが売れない時代、メジャーといえども様々な合従連衡が起きるのも必然なのでしょう。インディーズアーティストにとっても、メジャーでCDを発売する意味は昔ほど大きくはなくなっている。自分でネットを通じ、いくらでも直販できるのだから。ただ全国規模のマーケティングの威力は依然として大きい。商業主義にのるために自らのオリジナリティを曲げなければいけないとしたら、どうするかは別の問題だけど。


今月は、渋谷めぐみの2度目の東京倶楽部ワンマンからスタート。前回はジャズアルバム「SUMMER ROSE」発売記念だったが、この老舗ジャズクラブの2度目のステージはオリジナルアレンジのロックな楽曲も交え大人の夜を演出。「酒とバラの日々」のカバーから、まさに同題を地で行くようなアルコールに染まった曲たちを激しく、情熱的に聞かせてくれた。MCは相変わらずだが(笑)、歌の力はますます強くなり、聞かせる大人のシンガーになってきたと思う。


それでは今月見たライブにGO!

音譜 音譜 音譜

5日(金)渋谷めぐみワンマンライブ2013 @東京倶楽部水道橋店

6日(土)歌う香辛料vol.5@鎌倉・浅草食堂
蘭華、AWO

10日(水)春にして君を想う@北参堂strobe cafe
星羅、郁彩、キクチリョウタ

12日(金)Full Moon Nude YOKOHAMA@横浜Motion Blue
玉城ちはる、大石由梨香

13日(土)ヒグチハルワンマンライブ昼の部「女心を歌ってみた」 @渋谷gee-ge
ヒグチアイ、見田村千晴
ダウン ダウン ダウン
5th★Communication@渋谷eggman
Avaivartika、カムロバウンス
ダウン ダウン ダウン
ヒグチハルワンマンライブ夜の部「男心を歌ってみた」@渋谷gee-ge

14日(日)ライブサーキット「平成デモクラシー2013」@渋谷gee-ge,Milkyway,Chelsea hotel
是澤寿美~佐野川佑彰~タムロリエ~郁彩~星羅~千佐真里奈~キタオユカ~キクチリョウタ~中前りおん~松澤春奈~神田莉緒香~植田真梨恵~The Characters~ヒグチアイ

17日(水)「チハルモニア」@下北沢seedship
玉城ちはる、永田ジョージ

19日(金)Echo&Refrection #17@赤坂graffiti
MEG-mi-TSUI(渋谷めぐみ+三井真一) / 荒牧リョウ / 伊禮恵 / 郁彩 / 葉月美姫

22日(月)鉄ロックフェスティバル!!! vol.131@渋谷gee-ge
星羅 / 大木ハルミ / 小玉しのぶ / Spice / 武井ゆりな / やもとなおこ / 是澤寿美

24日(水)暗闇トリップvol.6 生音でバトンタッチ@代官山・晴れたら空に豆まいて
カケラバンク、斉藤麻里、河野圭祐、Se-no

25日(木)SPIN OFF@渋谷CLUB ASIA
LADY,THE BITCH/LIFriends/Rain&KEN/TORAfic☆signALL/F:ma
ダウン ダウン ダウン
Shuubi / ヤマグチヒロコ / 小松原沙織 / 野田奈津実@新大久保グラムシュタイン

27日(土)kampsite FES 1st@お台場Zepp Divercity
Avaivartika/lucy/CUTT/てふてふ/trunk/大西洋平/ruua/東京!小鳥!キッス!/HARTONE/国吉亜耶子and西川真吾duo

音譜 音譜 音譜

そんなこんなで、4月は歓迎会やら新組織の親睦会やら、仕事関係の飲み会が多く、ライブはちょっと少なめ。3本はしごなどしているにも関わらず、15本止まりでした。


その中でアーティスト別では星羅と郁彩、ヒグチアイが3回ずつ、見田村千晴と渋谷めぐみ、Avaivartikaが2回で、今月見た回数トップ3を占めたのは皆、平成生まれだった。

その理由は「平成デモクラシー」(14日)だ。平成生まれアーティスト達が、昭和生まれミュージシャンの独壇場だった音楽シーンを覆してやる!と気勢をあげて生まれたこのイベント。今回で4年目だったかな?ヒグチアイはその首謀者の1人であり、初回から今回に至るまで同イベントのオオトリを務め続けている。星羅も郁彩もこのイベントがあり、今月は見る機会が増えた感じだ。


このライブサーキットは、今が旬の平成生まれアーティストを一堂に見られるとあって、ライブ好きな大勢のファンたちが会場となる3つのライブハウスをパンパンに埋め尽くす。人気アーティストのステージは、ほぼ間違いなく入場制限になるほどだ。自分もスケジュールをにらみながら、結局14組のステージを観戦。たっぷり平成シンガーたちを堪能した。

しかし、このイベントが始まった当初こそ、出演者は皆ニューカマーで、成長途上だが実力はまだまだ。先物買いのショウケースのようだった。それが今では平成元年生まれがすでに25歳。ライブシーンではもはや中堅どころの実力者たちだ。そういう意味では、もはや「デモクラシー」という初期の狙いは達成済みなのではないだろうか。

それに、このイベントと全く無関係の沢山の平成生まれシンガー達も、現在のライブシーンの先頭を走っており、そろそろ形を変える時かもしれないなと思う。

例えば今回参加していた神田莉緒香。若いシンガーらがヒット曲を楽しそうにカバーするオンラインライブ番組「goosehouse」を、前身のplay you house時代から牽引し、若者から爆発的な人気を得てきた彼女。すでにメジャーへの道が決まっているという。ヒグチアイだって、そこらの歌下手なメジャーなんかより、はるかに心を打ち抜く歌力を持っている。星羅に至っては、もうメジャーデビュー5年目か。彼女らが一同に集まるイベントとしては、こんなに面白い事はないが、「平成デモクラシー」と高らかにうたう意義は薄れた気はする。イベントとして続けて欲しいけどね。


この月、最も印象的だったライブはやはり「暗闇トリップ」@晴れたら空に豆まいて。カケラバンクが主催するこのイベントには、もう4,5回参加したが、毎回、最後には必ず感動が待っている。照明は会場の四方に陣取った4組のアーティストの前にある3本ずつの蠟燭だけ。順番に1人ひとりが1曲ずつ歌い、歌い終わると一本の蠟燭を消す。そして最後のひと組が、最後の灯を消すと完全な暗闇が会場を包み込む。不安と厳かな空気に身を浸していると、闇の中から4組のアーティストの歌声が最初はバラバラに、やがて絡み合い、重なり合い、大きなうねりとなって立ち上がる。その瞬間、ぞくぞくっと鳥肌がたち、何か大きな存在のなかにいる小さな自分のイメージが怖れとともに広がっていく。音楽の原始的体験が堪能できる、素晴らしいイベントだ。

今回もまた大好きな歌い手たちが揃い、とても楽しかった。斉藤麻里、河野圭祐、Se-noらは皆実力があり、その歌声で魅了してくれる存在。その声が闇の中で重なる。感動的だった。


横浜Motion Blueで開かれた、玉城ちはると大石由梨香の「Full Moon Nude」も素敵なステージだった。このイベントも毎回聞きにいっているが、今回はいつも渋谷JZBratを離れて初めての横浜。あそこは外に港が見える赤煉瓦倉庫の中にあるだけに、雰囲気が最高におしゃれ。大好きなライブハウスの一つだ。そこで、二人の大人の女たちが繰り広げる音楽が最高。まだまだ何度でも見たいイベントだ。


ほとんどライブ活動を停止している蘭華が珍しく歌うと聞いて、6日は鎌倉まで足を伸ばした。古いぼろい食堂の中で、貧弱なPAという環境だったけど、久し振りの彼女の歌声はやはり心を洗ってくれた。あの素敵な高音の響き、オリエンタルな楽曲、美しい出で立ち。食堂の生しらす丼も美味だった。蘭華には今後、ますますの活躍を期待したいのだが、現在は基本的に制作期間中という。早く良い曲書いて、それをレコード会社に認めてもらって、メジャーデビューして欲しいのだが…。業界の荒波は、いつだって弱い者を翻弄するね。


こんな4月、素敵なアーティストたちの益々の活躍を祈る!






3月。送別のとき。

職場の送別会やら仕事の引継ぎやら忙しかった割には、しっかり17本もライブ見ているねー。はしごも含めてだけど。それにしても、バラエティに富んでいて面白い。

それでも斉藤麻里3回、Rihwa、やもとなおこ、アルコリカが2回となんだかんだいって特定のアーティストはしっかり見ているね。それでは今月のラインアップ!

     音譜     音譜     音譜

1日(金) 「宇田川うぐいすジャンボリー」@渋谷gee-ge
イーガルとロヮゾー・ナイフ / toRmansion / ソウル堂 / 歌劇団タンゴアカシアーノ

3日(日) 坂本麗衣&斉藤麻里ツーマンライブ「相棒はJ-45 vol.2」@渋谷gee-ge

4日(月) 「MUSIC PLANETS Vol.3」@渋谷eggman
Avaivartika / ALLaNHiLLZ / I Don't Like Mondays / The Sketchbook

6日(水)「モノクロムーン!」@青山・月見る君想フ
デリシャスウィートス、ナショヲナル、ノーサレーナ、田渕純

7日(木)渋谷めぐみ vs アルコリカ ツーマン@西新宿navicafe

8日(金)天野明香presents「Hug to smile ~analog juke box」@恵比寿CLUB AIM
やもとなおこ、斉藤麻里、菅田紗江、天野明日香

9日(土)RieRingo @代官山LOOP
Rie fu / コトリンゴ / 大和田慧 / Ridy

12日(火)代官山LOOP presents ともしび ~Daikanyama Candle Night~
見田村千晴、大石由梨香、オニツカサリー、村岸カンナ、CARDINAL ROCKS

13日(水)『鉄ロックフェスティバル!!!』~北海道祭り~@渋谷gee-ge
Rihwa / 山崎あおい / 住岡梨奈

17日(日) “月のご馳走 vol.78”@江古田マーキー
斉藤麻里/ヒメノアキラ/シミズリエ

20日(祝・水)hinacoワンマン「and,darling vol.5 acoustic night」@下北沢seedship

22日(金)レコ発直前! たをやめオルケスタ緊急!秘密会議@渋谷・サラヴァ東京
タヲヤメトロ/suzumiki/たをやめオルケスタ/OA:イーガル

24日(日)DJ NOBBY'S ANUUAL LIVE!! 2013 @Billboard LIVE Tokyo
アルコリカ(戸城佳南江、ムラタトモヒロ)オガワマユ、木下直子、jaja、マスダ社長商売繁盛楽団、Battle Cry 4
   ダウン   ダウン   ダウン
荒牧リョウ vs the SING2YOU ツーマン@渋谷テラプレーン

25日(月)SPACE SHOWER 3rd Place vol.2@渋谷WWW
Rihwa / エミ・マイヤー / たむらぱん
   ダウン   ダウン   ダウン
鉄ロックフェスティバル!!!vol.128@渋谷gee-ge
やもとなおこ / 星羅 / 伊禮恵(大阪) / 菅野恵 / 香月 / THE POO

27日(水)春からのご褒美@代官山・晴れたら空に豆まいて
いつか、nozomi、宮元たけひさ、希佳

     音譜     音譜     音譜


この月、印象に残っているのは木下直子ちゃんが初めて、憧れのビルボード東京でライブをやれるとすごく興奮していた姿(笑)この24日のライブは、アルコリカらも出演していて、とても楽しいものだった。直子ちゃんも力の限り歌っていて感動的だったなあ。ただ席が遠くて、いつもはgee-geとかノマドとか、すぐ間近にいるアーティストが遠くなった感じが。

本人も感慨深げに「インディーズだってこういう所でできるんだよ」と話していたけど、インディーズのライブの良さはやはり、ファンとアーティストの距離感の近さだなあと再認識した昼ライブだった。

それだけに、夜に突入した渋谷テラプレーンのライブは、店の小ささと距離感の無さ(というか近過ぎたw)のおかげで、ぐっと一体感を感じられたもんだ。だって、荒牧リョウとSING2YOUのツーマンだからねぇ。どっちも実力十分のダントツに盛り上がるライブをやってくれるアーティスト。リョウちゃんがガンガン盛り上げれば、SING2YOUは客席と一緒になって音譜赤、青、黄色、みどり、水色、紫、オレンジ音譜と「七色サンドイッチ」を大合唱!いやー、楽しかったなあ。


個人的なツボにはまったのが、7日の西新宿navicafeでの渋谷めぐみとアルコリカのツーマン。いわばビール対ワインの対決!ぜひ、この二組の組み合わせでやってよ、と前から店主にお願いしていただけに、この夜は歓喜しました(笑)もちろん、ライブ中も後もビールとワインをたんまり頂き、アーティストとも乾杯した夜でした。


それと6日の青山・月見るで見た「ノーサレーナ」。これがノーサレーナ見た最後になったんじゃないかな。同時に響レイ奈として歌っていた野佐怜奈のバンドだったのだが、あの60年代のスパイ映画みたいな世界観、好きだったなあ。またいつか見たいなあ。


もう一つ、すごく盛り上がったのが、坂本麗衣と斉藤麻里のツーマン「相棒はJ-45 vol.2」だよねー。二人ともJ-45を掻きならすロック魂あふれるシンガー。しかもお互いの歌手として人間としてレスペクトしあう仲。ずっと二人がステージに出ずっぱりで、二人の楽曲を一緒に歌いついで行く激しくも楽しいライブなんだ。いやー、vol.2も楽しかったな。



全くブログ書かなかった2013年。今さらながらライブ参戦記録だけ残しておくことにしました。少しずつ、間を埋めていくとしよう。

では、2013年2月のライブ記録

     音譜     音譜     音譜

2月1日(金) 渋谷めぐみ+あべさとえ @西新宿navicafe

4日(月)『MOSAiC 冥利 vol.37』 @下北沢MOSAiC
荒牧リョウ、よだか、佐野川祐彰、Space Broken Need Parts

8日(金)フリージアとショコラ2013@渋谷O-WEST
SHOW-YA, HEAD PHONES PRESIDENT, DAZZLE VISION, シシド・カフカ

9日(土)吉村カメジャンクション@北参道strobe cafe
吉村かおり、SING2YOU、スモークポーク

10日(日)“Lady,Ready Go!~round.1” @赤坂Graffiti
MET-mi-TSUI、さくらかおり、黒瀬マナミ、渡部ヒロコBAND

13日(水)瞬間グラマラス vol.2@渋谷duo Music Exchange
荒牧リョウ、大森靖子、久保田佳代、Rumi、

14日(木)ほろ苦いのがお好み? vol.1@下北沢MOSAiC
LADY,THE BITCH、Sherry...、マイアベレージ、アカシック、CLIMB

15日(金)Lucky Lips"夢の中に君がいる" @渋谷7th floor
渋谷めぐみTSUI、上坂リサ、ELICA、ZiL

16日(土)カタリシスVol.1 @青山Future SEVEN
玉城ちはる、カケラバンク

17日(日)Girl's UP!!! vol.106 @渋谷eggman
Avaivartika、tokage, yui Matsushita、Draft King、HEAD SPEAKER、ストロボサイダー
   ダウン   ダウン
見田村千晴ワンマン「We handle Our handle」@渋谷duo Music Exchange

18日(月)福原美穂ワンマン「The Soul Extreme Session」@渋谷duo Music Exchange

19日(火)“SWEET SOUND MAP VOL.3” @赤坂Graffiti
いつか、TOMOKKO、安本彩

20日(水)Tips on Magic@恵比寿batica
保刈あかね、キム・ウリョン、U-TAN a.k.a Aki Sawazaki、Laturbo

21日(木)『鉄ロックフェスティバル!!! vol.123』  @渋谷gee-ge
ヒグチアイ、星羅 / 関取花 / 葉山久瑠実(大阪) / 中村佳穂(京都)

24日(日)SHUUBIワンマン@下北沢SEED SHIP

25日(月)鉄ロックフェスティバル!!! vol.124 @渋谷gee-ge
荒牧リョウ、やもとなおこ、河野りょう、吉成リョウタ、Arisa Safu、神崎克広

28日(木)唄い手日和 第拾参夜@恵比寿駅前バー
sherry静香、村上雄太(テトテ)、あんこ(anco band)、山田リョウタ(煩悩108)、常間地真秀、トモヒロ


     音譜     音譜     音譜


この月、最も印象的だったのは、十数年ぶりに見たSHOW-YAのライブ(8日)だな。寺田恵子は昔と変わらず、すごいオーラを発して、圧巻のシャウトで会場を煽りまくった。あれぞメジャー、日本のガールズバンドの先駆者として君臨する王者ぶりだった。

対バンのHEAD PHONES PRESIDENTと、DAZZLE VISIONも共に実力派のいいバンドで、聞き応えあるライブを見せてくれたが、SHOW-YAは次元が違ったね。勿論、みんなおばさんでさ、かつてと同じようなワイルドな衣装に身を包んでいるんだけど、さすがに歳は隠せない。それでも、あの演奏と迫力はやはりすごかった。寺田恵子も「私たちガールズじゃないけど、こんなバレンタインイベントに呼ばれていいのかな~」とMCしてたけど、歌い出したら有無を言わせぬ存在感とパワフルな熱唱ぶり。その覚悟、自信、生涯現役の気概、あっぱれです。現代の若いガールズバンドミュージシャンは、ぜひ一度はSHOW-YAのライブを見て、自分たちの覚悟の足りなさを自覚したらいいと思う。


これ書いてるのは2014年春なわけだが、この2月に見た大好きなアーティストがこの1年の間に2組も活動を休止している。THE SING2YOU と カケラバンク だ。

この頃の彼らは脂がのりきっていて、そのライブはたまらなく興奮させてくれたものだった。個人的な好きな男女デュオ、男性デュオ部門のランキングで、共にずっとトップだったのに。それぞれが様々な状況の中で、最善の道を選んだのだと思うが、ファンとしては本当に悲しい限り。いつの日か成長した二人が再び一緒に音楽を作り出す日が来ることを願わずにはいられない。それを自分が見られるよう切に願う。


この月は、荒牧リョウのライブを3回、渋谷めぐみは2回、参戦している。長い活動停止期間から復活したリョウちゃんの音楽にかける意気込みはすごい。益々パワーアップして、いいライブを必ず見せてくれる。その魂、生き方は女性シンガーソングライター界では一際輝くロックっぷりだ。付いていきますぜ、姉さん。

一方の渋谷めぐみは、ギタリスト三井真一とのユニット、MEG-mi-TSUI活動もぼちぼち力を入れているところ。ソロもやりながらも、長くファンをやっている自分としてはイマイチ不完全燃焼気味な活動ぶり。もっと、もっとガンガンと攻める性格なら面白い展開もいろいろあるのだろうがなあ。彼女もロックなのだが、どちらかというと大人のジャジーなロック。彼女の音楽も大好きなのだが……


2日続けて渾身のワンマンを渋谷duo Music Exchangeで見たのもこの月だった。
17日の見田村千晴、18日の福原美穂だ。

見田村千晴は新アルバムのレコ発ツアーファイナルだったかな?一人でギターを男前に弾き語る事が多い彼女が、あれだけ大きい箱で観客を最後まで盛り上げられるのか、そんな心配も少ししていた。ところがそれは全くの杞憂だった。遅れて中盤から駆けつけたのだが、最後列までいっぱいのお客さんが、もの凄い熱気に包まれていた。

バンドをバックに、その日本刀のような切れ味の素晴らしい声で、力強く、熱く、歌いあげていく姿は気高かった。よくここまで来たなあと、身内のように嬉しくて仕方なかった。周りを見渡せば、同じように何年も前から彼女を応援してきたファンたちが腕を振り上げ、声援を送り、一緒に体を揺らしている。お客さんが十人程度なんてこともあったのに、この日は1000人超が駆けつけている。タワレコの新人アーティストコンテストで準優勝し、全国にCDリリースするまでになった。こんな大きなライブハウスをいっぱいにした。後は…と考えていると、終盤のMCでついに彼女の口からメジャーデビュー決定の報告が!すごい歓声が会場に広がった。

東京界隈で歌っていた女性シンガーソングライターたちの中で、彼女こそまずメジャーに行くべきだと多くの人が思っていた。それだけに、彼女が道を切り開いたことは快哉であり、後に続くミュージシャンたちの道しるべに間違いなくなったと思う。これからの活躍、期待したいね。

翌日に同じ会場で見た福原美穂ワンマンは、さすがの貫禄。ソールドアウト満員御礼の会場を右へ左へ揺らし、お客さんと共に歌い、踊り、楽しんでいた。その歌唱力は、日本で間違いなくトップクラスだろう。その音楽センス、ゴスペルからレゲエまでいかようにでも歌いこなし、飽きさせることもない。勿論ミタムとはタイプが違いすぎるけど、SHOW-YAと同様にメジャークラスのステージだった。多くの若手ミュージシャンを見ているが、彼女たちの天井の極みへの道は長く果てしないと感じた。