音楽偏遊 -8ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

2013年7月、猛暑のきざし晴れ

参院選では、自民党が圧勝して衆参のねじれを解消。これで政策運営の停滞から脱却できるのかな。一方で「あまちゃん」の大進撃は続いてるねー。あんまり見てないけど(笑)

そんな2013年夏、あの二人がなんと47都道府県ツアーに飛び出した。年末までの半年弱で全県でライブするという。ツテを頼って、次々とブッキングを入れているが、どうしてもライブハウスなどでできない場合は路上ライブを慣行するという。そんな男でも大変そうなツアーを決断したのは、女性シンガーソングライターの斉藤麻里とやもとなおこだ。

そのライブを一度でも聞けばファンになってしまう、そんな魂のこもった歌を、ギター一本で存分に聞かせてくれる実力者たちだ。都内中心に時に月10本以上のライブをやり、迸るエネルギーとセンスを持ち、人生を音楽にかけている。100人超のワンマンライブを、自らの力だけで成功させてきた。さらに、誰とでも心を開いて打ち解けられる気持ちよい性格の持ち主たちだ。だがこの2人、これからもっと上のステージ=てっぺんを目指すには、更に高いハードルを自らに課す必要があると考えた。とどまる所を知らぬ向上心と決意、その意気は素晴らしい。ほんと、レスペクトする。

7月はその2人による47都道府県ツアー出発記念ライブから始まった。これまでの単発のツアーで知り合いになり、今回のツアーの先々でお世話になるミュージシャンたちを先に東京に呼んで、一緒に出発記念ライブをやろうというもの。個性的な面々が集まり、面白いライブになった。勿論、その中で一番盛り上がったのは、2人が共に歌った音譜テッペンまで~音譜という曲。彼女たちの旅立ちを祝いに集まった100人を超すファンたちの熱い、熱い声援で会場は最高潮に達した。

それでは7月の参戦歴をチェック!

   音譜    音譜   音譜

1日(月)『鉄ロックフェスティバル!!! vol.135』 ~やもまり47都道府県ツアー出発記念スペシャル~@渋谷gee-ge
斉藤麻里 / やもとなおこ / 魅多羅詩じゅん子(大阪) / とかげのわかば(兵庫) / 成瀬ブルックリン(佐賀) / sui(鹿児島)

3日(水)大黒美和子復活ライブ「ただいま」@六本木1633
大黒美和子、おがさわらあい、上野まな、小野亜里沙

5日(金)小林未郁ワンマン「紫陽花迷路」@吉祥寺Star Pine's Cafe

7日(日)チャラン・ポ・ランタン ワンマン『七夕ライヴ ~織姫 彦星 遠距離恋愛 もう限界 Vol.2~』@東京キネマ倶楽部
チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン

12日(金)保刈あかねワンマン@武蔵小杉Light Globe

15日(月祝)“休日のソラと、君のウタ。~海の日編~”@赤坂 graffiti
斉藤麻里、坂本麗衣、はるのまい、東木瞳、さくらかおり

19日(金)「」@新横浜Bell's
LADY,THE BITCH、Sherry...、松千、ウラジミール・レイノフ

23日(火)「Blues Party -JUKE POINT-」@渋谷under bar
The Soul Klaxon / 人と人 / CHATTER BOX /
ダウン   ダウン
鉄ロックフェスティバル!!! vol.137@渋谷gee-ge
星羅 / Saku / Spice / healah / yasumidu / 永山夏希 /

24日(水)たをやめオルケスタ「緞帳プレリュード」リリース記念!慶賀の至り大祝賀会!!(USTREAM公開生放送)@浅草KURAWOOD

25日(木)「CATCH BALL vol.15 りゅうく生誕祭」@渋谷eggman
Avaivartika、Violent is Savanna、mimic.、ロメロ、ストロボサイダー、SONOKO

26日(金)“夏雲の律動'13”@赤坂graffiti
アルコリカ、郁彩、有坂ともよ、とっと

31日(水)「Special 3man Live!! Vol.10」@代官山 Nomad
小林未郁、葉山久瑠実、小松原沙織

   音譜    音譜   音譜 


こうして記録を振り返ると、この月は面白いワンマンが沢山あったな。小林未郁、チャラン・ポ・ランタン、保刈あかね、たをやめオルケスタ…。個性たっぷりの顔ぶれだ。


まず5日のい小林未郁「紫陽花迷路」。未郁さまの音楽を一言であらわせば「耽美」だろうか。単に美しいのではない。耽溺してしまうような麻薬性、いや毒を併せ持つ独自の世界観は、聞くものを絡めとる。彼女は美意識が高いから、自分の声や歌い方でどんな世界を現出させるか、すごく敏感に感じ取りながら歌っているのだと思う。

今回のテーマは紫陽花あじさいあじさいステージ上のスクリーンには、一面うす紫の迷路のなかで、人に憧れを抱いた案山子がイバラに絡めとられ、血を垂れ流す絵本のような映像が映し出されていく。彼女が歌いだすと、息をつくことさえ許さぬ張り詰めた空気が辺りを支配する。そう、彼女は緊張感の魔女なのだ。楽曲と楽曲を途切れることなく連鎖させ、拍手する間さえ与えない。かわいらしい人形のような顔に、たをやかな微笑みを浮かべながら、引きずり込んだ幻想世界からお客さんを逃さぬ見張り続けている。会場の気がそれそうものなら、ひと際、声を張りつめ息を呑むような表現でたたみかける。怖ろしい魔性。確かな歌唱力と演奏力に、美しい声と存在感。彼女の世界観に埋没していく快感は、説明しがたいが極上の音楽体験だ。


今月見たワンマンのなかで、インパクト絶大だったのが七夕のチャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカンだ。『七夕ライヴ ~織姫 彦星 遠距離恋愛 もう限界 Vol.2~』と銘打ち、ど派手に織姫姿でステージ上手の階段上から登場したvo.ももちゃんは、そのまま客席へ入り、肩車されて満員の客席の中を練り歩く。「お前たち、楽しんでいるかー」と煽り客席を沸かせ、ステージに戻ればブタちゃんブタのぬいぐるみを脇にはさんで(笑)美空ひばりのような歌唱力で度肝を抜く。驚くべきは、彼女がまだ若干ハタチ、20歳だということだ。

そしてその世界観、楽曲、アレンジ全てを取り仕切るのが姉の小春、ザ・アコーディオン弾きだ。アコーディオンと管楽器3本にドラムとベースが紡ぎ出す音楽は、ほかのどんなアーティストにも似ていない独創性で唯一無二の世界観を持つ。ラテンでもあり、昭和歌謡でもあり、ロシア民謡でもある。小春ちゃんの毒舌ぶりが生き生きとした歌詞になり、ももちゃんの熱唱でがんがん、聞くものの心にぶつかってくる。決してハードロックではないのに、そのインパクトはそんじょそこらの甘ちゃんなガキバンドに比べ絶大だ。

たっぷり2時間ほどチャランポワールドで楽しませてくれた最後に、ももちゃんがステージ中央に歩み出て、ひとり話し始めた。「今までは小春に甘えていたけれど、私ももう成人。これからは自分が引っ張ります。応援よろしく」とスピーチ。感動に涙が出そうになった。彼女が16歳のときから見ているが、こんなにも大人になったのだなあと。小春も感動していた様子。会場のお客さんから暖かい大声援をもらって、ますますはっちゃけた姿は頼もしかった。ただ間違った方向にはっちゃけないといいんだけど(笑)彼女たちは間違いなく大物。今後、とてつもないビッグアーティストになると、僕は思っている。今後の活躍が楽しみだ。


24日のたをやめオルケスタ!は、新アルバムのレコ発企画。1st Full Album「緞帳プレリュード」発売だ!ラテン、ジャズ、カリプソ、ブルース、スカ、歌謡曲などなど多彩な要素を詰め込んだ1枚だ。この女子18人のビッグバンドが作り出す音楽は、明るく楽しくセクシーで爆発的だ!サックス5人、トロンボーン4人、トランペット4人のホーンセクションのド迫力サウンドに、パーカッション、ドラム、ベースらのリズムセクションが作り出すグルーヴ、さらにキーボードとボーカルが描くメロディーに、生ライブでは思わず踊りだしたくなる。女将お手製のカラフルで統一感ある楽しそうな衣装に身を包み、女18人が本当に楽しそうに音楽やってる。ザッツ エンターテイメントだ!!

しかもこの日は、単なるライブではなく、女子18人によるさまざまなイベントがあって楽しい、楽しい。さっこちゃん率いるアイドルユニット「チームサッコ」のステージあり、腕相撲大会あり、トークセッションでレコーディングの裏話大発表会あり、ひとり一人のMCタイムあり…。抱腹絶倒のこのライブ見るまで、18人のうち6、7人しか顔と名前が一致していなかったのが、この日全員を完全に把握できたのも、楽しいイベントのおかげ。全てはUst中継もしており、おおいに宣伝にもなったのだろうなあ。いやー、楽しかったよー。


最後にもうひとつ、3日のライブで大黒美和子ちゃんが産休からついに戻ってきた。またあの情念に満ち満ちた演歌のような歌を聴けると思うとうれしい限り。曲はポップスなんだけど、ま、もともとプロの演歌歌手を10年やっていただけに、気持ちをこめたときの歌いまわしは、そこらの女子シンガーソングライターとは別格の感動もの。これから歌いこなして、徐々に全盛期の歌唱を取り戻していくことだろう。ああ、また彼女の歌で涙を流したいものです。美和子ちゃん、復活おめでとう!
さてさて2013年6月はいかにはてなマーク


1,2,3…なーんと、17本も行ってるじゃないですか。今月ははしごしてないのに…


うーむ、少し抑えないといかんな。


一方で、ヒグチアイの企画ライブ5連発の通し券を買っていたのに、結局行けたのは3件だけ。最初から3回券にしておけば良かった。なんか、いろいろと無駄してるなあ(笑)でも、その3回とも充実の中身だったし、まあいいか。

特に6月9日のロックの日に、渋谷Milkywayで斉藤麻里と開催した3回目の「NUDE ROCK MUSIC!!!」は、自分的には最高のブッキングで興奮しまくり。これまでの2回と違い、2人に加えてこの日はゲストミュージシャンが2組も登場。その2組ともが、僕が大・大・大好きなグループなのだから。ズクナシとTHE SOUL KLAXON。最初から最後まで、本当に興奮のイベントだったよ。アイちゃんからも僕のために開いた企画のようでしょ、と声をかけてくれた。よく、わかってるねー、感謝ビックリマーク

ズクナシは、女性4人組のソウルバンド。けっしてガールズバンドではなく、ぶっとびパワフルでソウルフルな格好よいお姉さまたち。彼女たちの演奏が始まるや、もはや客席はダンスフロア。全開グルーヴィーなサウンドに体は勝手にノリノリで、一緒になって音譜チョキ、チョーキチョキ音譜と両手を突き上げて歌いまくり。楽しかったー。

そして、THE SOUL KLAXON。ボーカルKayoちゃんと、ギター斉藤良治くんが中心になって結成した、超格好よい古き良きアメリカンロックの4ピースバンド。そのサウンドの痺れることといったら!This is my soul music!!望郷の念を掻き立てられて仕方がない。タイトルもずばり「America」とか「Highway」とかで、その歌を聞けば典型的なアメリカの田舎町の光景がありありと目に浮かんでくる。分かりやすい4ビートに乗って、Kayoちゃんのハイキーで強いボーカルがキラキラ輝き、わざと70s風エフェクトのギターが超絶テクで琴線に触れまくる。マドンナのカバーとか、もうヤバイよ。

この二組の作った熱い空気を、勢いよくアッパーに盛り上げた斉藤麻里もさすがのステージ。この3組が終わった時点で、ヒグチアイが引けをとらずトリを務めらるのだろうかと、さすがに少し心配してしまった。が、それは杞憂だった。この日、彼女はまた大きく脱皮してみせたのだ。今までにないほどの高みへ。バンドで登場して演奏を始めた途端に会場を包んだ緊張感と期待感は、今までにないほど大きかった。初のアレンジで今までにない濃密な音を紡ぎ、ボーカルが入ると思わず心を奪われた。抑えめながらぶっとい声の束で突き刺し、強弱のメリハリを絶妙に利かせながらサビへと緩みなく一気に運んでいく展開力、それでいて細部まできめ細かくかつての粗さはない。感動の量が半端ない。もうインディーズなんてレベルではない事を、彼女自身がそのステージで証明した一夜だった。


さあて、今月は他にも面白いライブが沢山あったよ。ちょっと見てみよう。


 音譜  音譜   音譜

<2013年6月に参戦したライブ>
1日(土)斉藤麻里×はるのまい ツーマンライブ「M station」@渋谷O-crest

2日(日) 吉村かめジャンクション vol.2@渋谷gee-ge
吉村かおり、アキドリ、ツヅリ・ヅクリ

3日(月) 吉音2013アフターライブ@吉祥寺PlantK
LADY,THE BITCH、The Brush、泉モダンJ

7日(金) "Story of 88 keys" ~星空メリーゴーランド~@高田馬場・天窓comfort
諫山実生、横田良子、井上水晶-mia-

8日(土) Girl's UP!!! vol.111@渋谷eggman
Avaivartika、松下唯、key、Draft King、ストロボサイダー、NIHONGI、7th.NutsMile、CREA

9日(日) 「タイフウノメ-NUDE ROCK MUSIC!!! vol.3-」@渋谷Milkyway
ヒグチアイ、斉藤麻里、ズクナシ、THE SOUL KLAXON

12日(水) JAZZ NIGHT@天王洲アイル Waterline
たをやめコケストラ

14日(金) 暗闇トリップvol.7 -生音でバトンタッチ- @代官山・晴れたら空に豆まいて
カケラバンク、玉城ちはる、Soulcolor、中尾諭介

16日(日) テンキアメ@北参道strobe cafe
星羅・ヒグチアイ ツーマン

17日(月) ココロノナカカラ@吉祥寺Star Pine's Cafe
小林未郁、関取花、瀬里奈、渡辺麻美

20日(木) Avaivartika 1st ワンマン「Cosmic Paradise」@渋谷eggman

21日(金)女をなめんなよスペシャルvol.3@新宿LOFT
チャラン・ポ・ランタン、日比谷カタン、蜜、たをやめオルケスタ

23日(日)LADY,THE BITCH presents "What could I do"Release tour final live@吉祥寺Crescendo
LADY,THE BITCH、Voice of Mind

24日(月)花月夜@青山・月見る君想フ
見田村千晴、和紗、中前りおん、ババカヲルコ

25日(火)初夏凛々@下北沢seedship
ヒグチアイ、河野圭佑、樽木栄一郎、なかにしりく、キクチリョウタ

26日(水)玉城ちはるワンマン「Luxury Room ~蜜月の間~」@渋谷JZBrat

29日(土)ふわ(o・v・o)ライブ「じぶんより大きな生きものがいないこと 気付いたときのくじらのコメント」@Miiya Cafe
斉藤麻里、小玉しのぶ、中前りおん、小林未希、kaho*、扇愛奈

 音譜  音譜   音譜


斉藤麻里とヒグチアイが3回、たをやめオルケスタ、Avaivartika、LADY,THE BITCHという大好きなバンドと玉城ちはるが各2回と多かった。

麻里ちゃんとヒグチは冒頭に書いたロックの日のほかにも、それぞれの2マンやブッキングライブでも参戦しておりたっぷり堪能。2人とも今の東京のインディーズミュージックシーンで、女性シンガーソングライターを牽引する代表的プレーヤー。その実力はつまらないメジャーアーティストの域を大きく超えていると思う。決して後悔しないクオリティのライブを毎回見せてくれる。ファンも数もぐんぐん増えているよね。


そして2回ずつ見たのが、個人的に大ファンの3つのバンド。毎回、大興奮でその音楽を楽しんでいる。

そのうちのAvaivartikaが20日、ワンマンを渋谷eggmanで開催した。なんと、これが初ワンマンだというから驚き。そもそも実力・経験十分のミュージシャンたちが世界一を目指して結集したバンドだから、その演奏力や楽曲のクオリティはメジャークラス。宇宙をイメージしたエレクトロロックは、未来のロックとはかくありやと思わしめる。ま、理屈なんてどうでもよい。ただその音楽に触れれば、シンセ音とエフェクターかましまくりギュンギュン響きまくるギターの音に心は奪われ、世界一にもなったベーシストと複雑な撥さばきながら軽快さを失わないドラマーの繰り出すビートに体はリズムを刻み出し、男前で惚れ惚れするパワフルな女性ボーカルの熱唱に
痺れてしまう。

この日は初ワンマンというのに、最初から最後までほとんどMC無し。銀河鉄道999の特急電車かのように、宇宙の星々を光速で駆け巡っていく壮大なドラマを、そのロックで描き出していく。お客さんでほぼ一杯になったeggmanはティカファンばかりだけに、物凄いテンションで声援をあげ手拍子を打ち鳴らし、ともに踊っていく。バンドメンバーが野太い男声でコーラスする楽曲では、お客さんも一緒になって声を枯らし、タオルをぐるぐると回す。その熱気、楽しかったよ!

Avaivartikaは、世界規模のインディーズバンドコンテストEMERGENZAの2013年日本大会で優勝し、世界大会では4位に入った実力。ファンクラブも立ち上げ、世界のレーベルからも注目されているらしい。彼らの高いクオリティの音楽なら世界中にファンを作れるのは間違いない。欧米で大活躍して、日本に逆輸入されるような筋書きを夢見ても、大きく外れることはないのではないか。期待度MAXの彼らの今後には要注目だ。


イベントでは、冒頭で紹介した『NUDE ROCK MUSIC!!』と並んでこの月に面白かったのが、21日にあった『女をなめんなよスペシャル』だ。チャラン・ポ・ランタンの企画イベントも今回が3回目。1回目から無茶苦茶楽しかったから、毎回、会場となる新宿LOFTには足を運んでいる。そうそう第1回には、前記のズクナシも出演していて熱いステージを繰り広げた。

今回の目玉は、何と言ってもこの半年ぐらいで急速に人気を高めてきたチャランポのステージ。その独特の世界観は唯一無二。ロシア民謡とラテンと昭和歌謡をごちゃ混ぜにしてサーカスで割ったような、無数の天然色が散りばめられた音楽ワールド。そこに、若干20歳ながら美空ひばりのような声と技巧を持ちライブの落とし子のようなステージングで客を沸かせまくるももちゃんのボーカル。てつもない怪物グループだよなあ。

ほんと、ちょっと前まではいつでも当日券でOKだったのに、最近は100~200人ぐらいを毎回のように動員してしまうから、最近は前売り購入しないとね。でも、彼女たちは絶対人気が出ると前から思っていただけに、嬉しい展開。もっともっと売れること間違いなし。今から彼女たちをチェックしておかないと損するぜ!

桜も散り、三寒四温で急速に暖かさをました5月。

仕事が少々忙しく、連休は遊び倒していたので、上旬はライブの回数抑えめ。下旬は反動か、一転して7日連続のライブ参戦!怒涛のような音楽漬け生活だった。わはは!

結局、一ヶ月間に見たライブは18本。見事に取り返したな(笑)よくまあ他のこと犠牲にしてライブ通いに精を出しているもんだと、我がことながらあきれてしまう。だって、ライブが好きなんだもん(アタックNO1風に)……って古すぎるわ、ボケッ!

えー、もとい、この5月にメジャーを止めたYUIが、4人組バンド「FLOWER FLOWER」として活動再開していようが、ファンモンがいよいよ解散しようが、ついでに小橋健太が引退しようが、出雲大社の60年ぶりの遷宮が行われようが、雨の日も風の日もライブハウスへ向かう、

ソウイウモノニ

ワタシハナリタイ


.........はい、それでは、今月のライブ参戦記録をCheck It!

     音譜     音譜     音譜

1日(水) 副番長(ホンモノ) 招集任務 「五大番長 ~最初で最後の集会~」@渋谷O-crest
マリエ、菅田紗江、ヒグチアイ、吉村かおり、Utaco

8日(水) 「代官山音楽祭vol.48」@代官山ノマド
小林未郁、the Sing2YOU、倉沢桃子、後藤一哉、ツヅリ・ヅクリ

9日(木) 「ツイスト アンド ウトウト」@南青山・月見ル君思フ
sardine head →junnos →THE SOUL KLAXON →SuzKen →バセルバジョン

10日(金) やもとなおこワンマンライブ“泣いちゃえよブルース”@渋谷gee-ge

12日(日) いいくぼさおり「究極×トリプルワンマン2013 2日目」@渋谷gee-ge

13日(月) ジカンノミツド SP@関内B.B.Street
今西太一と侍/保刈あかね/Kayo/GUN FRIEND SHIP/ヘルメッツ/国吉亜耶子and西川真吾Duo

17日(金) ExPOP@代官山 LOOP
妖精達、YMCK、チャラン・ポ・ランタン、アーバンギャルド

19日(日) カヨコ 弾き語り東京初ワンマン「カゲロウミライ」 @渋谷gee-ge
   ダウン   ダウン   ダウン
夜がきて泣きたくなったら、どうしますか?@渋谷Milkyway
ヒグチアイ、藤田悠治、カケラバンク、松崎ナオ

22日(水)IT'S SO FINE!~vol.8 @赤坂graffiti
MEG-mi-TSUI、mimika、黒瀬マナ、高橋知世

23日(木)Acoustic Soul @渋谷LOOP annex
大和田慧、fasun、ポポルカ、aja、kayo

24日(金)皐月の散歩道'13 @赤坂graffiti
斉藤麻里、郁彩、とっと、飯田舞

25日(土)Each feelings Tokyo 2013~ひだまり2013 東京公演 vol.1@下北沢.com 音倉
玉城ちはる with 由梨香さま、カケラバンク

26日(日)木下直子ワンマンB面東京公演@代官山ノマド
   ダウン   ダウン   ダウン
坂本麗衣ワンマン「ロードムービー第12章 ~弦楽四重奏編 vol.2~」@渋谷gee-ge

27日 (月)『さらさと!chouchouchou!vol.2 in 東京!』 ~さらさ 4th album「栞音」Release Live~@渋谷gee-ge
さらさ、piano trio chou-chou ゲスト:玉城ちはる

28日(火)Bookmark vol.31@渋谷eggman
Avaivartika、ピストルバルブ、Draft King、mimika、ストロボサイダー、NIHONGI、Suzu

29日(水)唄芸51@高田馬場・四谷天窓
小林未郁、やもとなおこ、finola、有坂ともよ


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今月も色々なアーティストを見たなあ。ジャンルも様々。それでも、玉城ちはる、ヒグチアイ、やもとなおこなど2回見たミュージシャンはいた。内容充実のワンマンで盛り上げてくれたやもとなおこ、いいくぼさおり、カヨコ、木下直子、坂本麗衣らにも感謝。本当に音楽で、楽しい月にしてくれた皆さまでした。


ワンマンは、やはりミュージシャンにとって最高の見せ場。2時間前後の長丁場を一人で切りまわさねばならず、その構成もインディーズは自分自身で考えねばならない。どうしたらお客さんを最後まで飽きさせず、自分の今を余すことなく伝えきれるか、現在の最高のパフォーマンスを見せつけることができるか、そしてワンマンを通じどこまで自らも成長できるか。

熟慮を重ね、バンドのメンバー構成を決め、サポートをお願いし、リハーサルを重ね、その日限りのアレンジを磨き、チケットを長い時間をかけて手売りして、沢山の人に足を運んでもらうために特典音源を作ったり、来場してくれる人にスペシャルな一夜を演出するため流す映像を制作したり、ライブハウスと協力してオリジナルドリンクを用意したり。

情熱無くして、できるものではない。いや確かに中には軽い気持ちでワンマンを開き、お客さんに満足感を抱かせず帰してしまう輩も存在する。そんなワンマン、多数見たこともある。だが、この5月に僕が体験した5人の女性シンガーソングライターのワンマンは、中身の濃い、渾身の力で臨んだ素晴らしいライブだった。


10日のやもとなおこは、彼女の代表曲となった「泣いちゃえよブルース」の発売記念ワンマン。だが、それも彼女がこの1年に精力的に生み出し続けた膨大な新曲たちの1曲に過ぎない。月間ノマドで毎月1曲発表してきた作品の数々や、立て続けに発売したシングルCDたちの中から、選りすぐりのセットリストで、最初から最後まで全く緩む瞬間なく、怒涛の名曲オンパレード!ブルージーな曲から、かわいらしいやつ、切なく考えさせられる社会派に、ノリノリなロックまで、どんなジャンルも自分のものにしてしまう天性のソングメーカーぶりを見せ付けてくれた。それらの楽曲たちを自らギターを掻き鳴らし、やもし節で歌い上げる。小さくて細い体から予想もつかぬパワー。彼女を愛する沢山のファンが1曲目からハイテンションで手拍子、かけ声でどんどん盛り上げ、会場の一体感は素晴らしかった。別の日の演奏だけどこの動画いいよhttp://youtu.be/46U6GBUX334


12日はピアノの詩人、いいくぼさおりのワンマン。その美声とクラシックのような歌唱で、心を振るわせてくれた。一方で「ベランダでボー」など、客席との絶妙の駆け引きで笑い満載のエンターテイメントもあり、客席のそこら中から涙をすする声が聞こえてくる名曲「叫び」あり、そのたぐい稀なる才能を遺憾なく発揮する「愛がくらいね」などなど、どの曲をとっても完成度の高さに驚くばかり。保Pとの二人三脚で生み出す「いいくぼワールド」は聞くものに極上の音楽空間を届けてくれる。特に「みんな一緒に歌おう」と「叫び」のサビで声を一つにして歌う瞬間の陶酔感は素晴らしすぎる。これほど高い水準で常に聞くものを楽しませてくれるアーティストは珍しいよ。


19日は大阪を拠点とするカヨコ。そのロック魂がとてつもなく熱い!!。姉さんの苦悩と咆哮、囁きと怒りが、ビシビシとそのハスキーでパワフルな歌声から響いてくる。彼女と同じ空間を分け合った時から、彼女の感情は自分の感情になる。拳を握りしめ、高く突きあげている自分がいる。その歌声は、最高のアジテーション。熱く燃えたぎり、共に闘う同士のような感覚になる。とりわけ、この日も最終盤に歌ったバラード「カーテンコール」では昂ぶる心を抑えられず涙が溢れる。力尽きるまでガンガンのロックで全力疾走で、こっちの感情のリミッターもぶっ壊れてしまう。彼女のライブは、ちょー格好良いよ!


26日は木下直子と坂本麗衣のワンマンのダブルヘッダー。二人は仲良しで、二人が一体となって作るライブ「月夜のシャララカーニバル」は毎年恒例イベント。なぜ同じ日にワンマンすることになったのか分らないが、その事実が明らかになってすぐ、木下直子がライブの時間を繰り上げ、2か所をはしごできるよう配慮してくれた。ありがたく二人のそれぞれのワンマンを堪能した。

木下直子のワンマンはいつもそうだが、本当に密度の濃い時間を過ごせる。歌詞もメロディも卓越したフォークソングライターであり、シンガーとしてもその楽曲に深い説得力を持たせる力量がすごい。本当にどの曲も名曲。この日はいわゆる「B面」曲ばかりというちょっとレアなセットリストでファンとしては逆に嬉しい夜になった。でもB面だからクオリティが落ちたりしないのが木下直子だ。前日に「A面」ワンマンをやっており、それは見られなかったのだが、当然そっちで「硝子細工」や「私を守るもの」「生きとし生けるもの」「ひまわり」「ピアスとオレンジ」とかの感動の名曲たちを演奏していたから、B面ワンマンでは代表曲抜きのセットリストになる。ところが彼女の場合、代表曲といえそうな曲だけで軽く10曲超えてしまうから、B面の日にも美味しい要素がたっぷりなのだ。彼女のライブには感動がある。

坂本麗衣も類稀なソングライターだが、木下直子よりずっとロック!曲調と歌声、ルックスのギャップが大きくて最初は驚き、そして耐えがたいほど惹かれてしまうのだ。声はかわいらしく、時にに松田聖子のようにさえ聞こえるが、斜めに構えてグランドピアノをはずむように弾き、激しく汗を飛び散らせながら歌う姿がすごく格好良い。ジョン・レノンやキャロル・キングを愛し、楽曲にもそうしたテイストを色濃く反映するから、すごく親近感を感じてしまうのだ。それを、ギターのイッフィらと共に激しく、且つおしゃれなバンドアレンジにして畳み掛けてくる。聞いている側は、もう興奮状態だよねー。いい音楽は、無条件にいいのです!


長くなったので、一旦ここらでアップ! 

ただ、この5月には特筆すべきライブとして「五大番長」イベントがあったことは、記しておこう。あれは面白かった(笑)

それと、この5月14日に斉藤麻里がメジャーデビュー10周年を迎えた。おめでとう!!

ここに至る道は紆余曲折、大変だったと思う。でも今の麻里ちゃんをライブで見ていると、本当に楽しそうに歌っている。何より彼女から「楽しい」菌が溢れていて、またたくまに会場中のお客さんに伝染して、盛り上がるのだ。それは、例えどんな苦労や苦悶が過去にあったとしても、その全てを彼女が糧にして成長している事の証明だろう。

僕はよく知らないが、メジャー時代の彼女に色々あった事は想像に難くない。長い間、新譜の発売もなく、上の方針でバンドやらされたり。事務所を転じても、活躍の場や音楽性などで納得いかない事も多かったろう。それでも、「前髪の記憶」「アマレットジンジャー」「ダイブ」などの名曲を生み出し、自分だけで立ち上がり、新しいファンを次々とつかみ、どんどん広い会場に挑み続けてきた。暴風雨で中止に追い込まれたO-crestワンマンなど涙にくれた出来事も乗り越え、前に進み続けた。すごい根性だし、本当に音楽が好きなんだろうと思う。

今後も益々、活躍して欲しい。がんばってね。だって、彼女は本物のアーティストだから。