音楽偏遊 -7ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

2013年10月。大型で強い台風が次々と到来。大雨が多かったなあ。

今月のビッグニュースといえば、消費税の8%引き上げ正式決定。生活への影響大きい重大事だが、多くの人に与えた影響の大きさでいうと、「アンパンマン」作者やなせたかしさんが亡くなられたニュースが、とりわけ悲しい。

みんなアンパンマン見て育った。子供たちは、物心がついて仮面ライダーとか追っかけ始める前に、実はアンパンマンをヒーローとして追いかけてた。

幼稚園の年少さんみてると、みんなアンパンマンが大好き。年長になると戦隊ものとかに移行してるが。でも、アンパンマンで育んだ優しさとか勇気とかが、人間形成のうえでとても大切な財産になっていたりする。

日本の誇るエンターテイメントだと思う。AKBなどより、ずっと素晴らしい種を沢山蒔いた人だったよね。



さてさて、そんな台風が多かった10月だが、雨にも負けず、風にも巻けず、好きなライブには足繁く通ったさ。

かぞえてみれば、10月に見たライブの数は21本。おおぅー。

その内訳はーーーこれだダウン


    音譜    音譜    音譜

1日(火)あべさとえワンマン『水に円を描く』@新大久保・真昼の月夜の太陽

2日(水)"Dreaming Wide Awake" @渋谷 gee-ge
大和田慧×Hiro Momoi / ゆきアンドキューティーズ / トートリオ

3日(木)“The Party vol.2″@月見る君想フ
THE SOUL KLAXON、PONDLOW、真友ジーン

4日(金)“0ctober Song Book'13” @赤坂 graffiti
坂本麗衣、伊藤サチコ、幸美AMP、はるのまい

6日(日)三鷹の森フェスティバル2013@吉祥寺・井の頭恩寵公園
The Cash(hinaco)、森恵、笹川美和、中の森文子、羊毛とおはな、南波志帆
   ダウン   ダウン   ダウン
Listen up! ~音女〈オトメ〉祭~@下北沢 MOSAiC
S.I.V.A.(荒牧リョウ)、モミジアオイ、pique

7日(月)HeartRockers@渋谷 eggman
郁彩、中野斗愛、限られた時間、mimic

9日(水)Midweek Burlesque vol.3 -Early Halloweeeeen Party!- @渋谷 7th floor
Acco、Bee TinyTot、Coco Flame、Marie Horn、Gilbert de Moccos (from 紫ベビードール)、Violet Eva (from 紫ベビードール)

10日(木)「管楽器の入ったバンドって、なんかいいよね、の夜Vol.7」@吉祥寺 Star Pine's Cafe
たをやめオルケスタ、FRISCO、BWPとファンキーヘッドライツ

11日(金)「諸行無常その五」@渋谷 chelsea hotel
Sherry...、甲殻類、peacefull period、UPANSAD、ユメミドリ

12日(土)Musicasta@下北沢 seedship
Cossami、清水愛、LoveBite

14日(月)ここから始まる、季節ライン~the beginning of 3rd season~@新宿 sact
Blue Trike

17日(木)『鉄ロックフェスティバル!!! vol.145.5』@渋谷 gee-ge
坂本麗衣、あしゅりー、丸本莉子、healah、unconditional love、YuReeNa(ex.武井ゆりな)

18日(金)"BEAT on the SPACE!!" Vol.1@渋谷 eggman
Avaivartika、美馬雅世、ロメロ、シマシマエレクトリック

19日(土)神山みさ メジャーデビュー・新アルバム「月の雫」発売記念@汐留 Blue Mood

21日(月)『Grateful☆Girls vol.130』@渋谷gee-ge
中村千尋、Unico、島金島-toukintou-、花園distance、森實桜子(ex.Laco)、HyS

23日(水)SOUL CONNECTION @渋谷 under deer lounge
THE SOUL KLAXON、DA-Dee-MiX、emiko smile、設楽咲枝

24日(木)タワーレコード新宿店15周年大感謝祭 怒涛のライブ15連発~新宿レコメンライブ~@新宿 LOFT
チャラン・ポ・ランタン、いちろーとせんせい、長岡亮介

26日(土)やもとなおこ Birthdayワンマン~in the daytime~@赤坂 graffiti
O.A.YamoShin
   ダウン   ダウン   ダウン
Life-Size@渋谷 7th floor
坂本麗衣、chay、コレサワ、平林純

30日(水)樽木栄一郎 vs 星羅 @西荻窪アートリオン


    音譜    音譜    音譜

僕も色々なジャンルのアーティストたちを応援してきたが、今月、特に嬉しかった事が一つあった。神山みさのメジャーデビューだ。

彼女は古ーくから歌っているシンガーソングライター。ギター1本弾き語りでフォークソングを歌わせたら、ほんとーに 泣ける!!

多くの人が彼女の歌に心が洗われ、救われてきた事を僕は知ってる。

彼女の歌は、もちろん好き嫌いはあるだろうが、心を開いてじっくりと聞く機会があれば、そこに希望の光が輝いてると分かるだろう。

芯のある伸びやかで力強い声。人は最後は善い心をもっていると信じて、自分の存在を肯定してくれる歌詞。前へ前へと誘うメロディ。

音楽をやるため栃木から東京に上京して十数年。その間、大変なことも多かっただろうが、こつこつと前を向いて、自分の可能性を信じて歌い続けてきた。その中で培った人と人のつながりが、今回の新アルバム「月の雫」の全国発売という形で花開いたのだ。信じるものはいつかは報われる、そう思わせてくれるメジャーデビュー劇だったと思う。

ただ、メジャーといってもマネジメントなど自分でやらねばならない事は変わらない様子。レコ発で全国100ヶ所を巡る、とてつもなくハードなツアーを自分自身で組んで旅立った。沖縄から北海道まで、彼女の歌に触れて、励まされ、彼女を応援してくれる人が一人でも増えることを祈る。



そうそうメジャーといえば、森恵っていいよねー。彼女の歌も泣けるんだ。その表現力、伝える力は正確な歌唱力と相まって、素晴らしい感動を呼び起こす。彼女ももっと活躍して欲しいシンガーソングライターの一人だ。

そんな彼女を聞きに、6日は井の頭公園へ。よく晴れた秋晴れのこの日、公園に設けられた野外ステージには、多くの女性アーティストが出演したが、自分はもう一組目当てのアーティストが出ていた。「The Cash」だ。

The Cashの音楽はジャンルでいうとブルーグラス。米国に入植したスコットランド人たちの伝承音楽をベースに発展したアコースティック音楽だ。カントリーとアイリッシュ音楽を合わせたような耳心地よいサウンドが、三鷹の森にぴったりだった。

ブルーグラスの特徴は、フラットマンドリンやバンジョーの音色と、そのアクロバティックな奏法。日本ではその奏者があまり多くないが、The Cashの井上太郎は日本の誇るフラットマンドリンプレーヤーだ。その技術は高く、海外でも幅広く活躍している。

その太郎さんと組んでThe Cashを結成したのが、hinacoだ。


hinacoは2010年6月2日に、日本テレビの水曜ドラマ『Mother』の主題歌『泣き顔スマイル』でavexからメジャーデビューしたシンガーソングライター。僕は2008年ごろから彼女のファンで、たびたび彼女のライブを聞きにいってたから、メジャーデビューが決まったときはそれは嬉しかった。

『Mother』は芦田愛菜ちゃんのデビュー作で、主役の松雪泰子の熱演でとても感動的なストーリーだった。そのドラマの終盤、もっとも盛り上がるところで、この主題歌が劇的に流れ出すのだ。最初は誰のなんという曲かクレジットされず、話題になることを仕掛けたのだろう。ドラマが佳境になる頃には、この曲を聞くだけで色々な感情が呼び起こされて、涙が出そうになったものだ。「あー、hinacoの声だ」と感動もひとしおだった。

今でも彼女のややハスキーで情感たっぷりな歌声は、心を揺さぶる。僕の大好きなアーティストの一人なのだ。The CASHもhinacoソロも、機会があればぜひぜひ!



そうそう26日は、やもとなおこのバースデーワンマンだった。誕生日おめでとう!

CDは持っていたが、やもっちゃんが昔やっていたバンドYamoShimが、この日は特別に復活してオープニングアクトに。これは貴重な一幕でした。「裸の王様」とかこの頃の曲を楽しげに演奏していて、彼女のルーツを見た思い。


今月の注目株: chayかな。
テラスハウスの面々も客席にいた様子。テーマソングのTaylor Swift "We Are Never Ever Getting Back Together”をカバーしていたんだが、これが上手い!優しいきれいな声は魅力的だし、美形だし、リズム感もいいし、端正に歌い上げるし。かなり気に入った!

同じテラハ仲間に住岡梨奈がいて、彼女のライブも見たことあるけど、個人的な好みでは断然、chayの方が好きだな。

もっともっとライブをやって、格好良いミエを切れるようになったら、ぐっと引き付けるアーティストになるだろうなあ。

ただ彼女とよく似たアーティストで昔大好きだったマリアというミュージシャンがいた。メジャーデビューしたし、すごく注目してたんだけど、あまり活躍できないまま最近見かけなくなってしまったな。彼女、いまどうしてるんだろう?

マリアとは、彼女のデビューー前夜ライブで偶然遭遇して気に入り、翌日発売のCDをフラゲしたのが始まりだったなー。そのアルバムの中にあった「終われない夏」という曲が一番気に入ったのだけど、結局彼女はアップテンポの激しいロック曲でデビュー。最初の3枚のシングルがすべて激しめのロックだったが、彼女に似合ってないなあとずっと思ってた。案の定、あまり売れなかったのかなー。

アーティスト本人の魅力が一番引き出せる楽曲が何なのか、事務所とレコード会社は頭を悩ますのだろう。それが当たればヒット曲が生まれるが、誰にも注目される名曲が生まれる確率は低いだろうね。

chayが、そういう曲と出会えるといいね。

2013年9月も、いろいろあったな~。

いろいろ見たな~。

計19本だって。見たライブの数。凄いね~、自分。
しかも同じアーティストをあまり重複させてないので、計50組以上のアーティストを見た計算だってんだから驚き。うち17組が初見だったが、Bad Looserz以外はあまり記憶に残ってないけどね。

好きなアーティストって、目当てのアーティストの対バンで発見する事が多いのだけど、今月はそういう意味では発見が少ない月だった。

それにしても、よく毎日のようにライブハウスに繰り出してるねー、暇だねー(笑)まあ、新しい発見を求めてさ迷っているんだけど。


一方で昔から応援しているアーティストのワンマンが多かったのが今月の特徴。荒牧リョウ、見田村千晴、いつか、初田悦子、渡瀬あつ子、Miyu Miyu、そして坂本麗衣の7組。

さらにツーマンで見たKAYO、保刈あかね、斉藤麻里、やもとなおこ、The CASH。それに、吉祥寺ロック頂上決戦に出演していたLADY,THE BITCHとサルーキ=。

みんな自分の大好きな音楽人たちだ。音楽が大好きで、音楽に人生かけていて、音楽センスの高い実力者ばかり。どこへ行っても、贅沢な時間を過ごさせていただきました。ほんと、ありがとう!


特にリョウちゃんのライブが3回と多かった。うち2回は彼女が結成したロックバンド「S.I.V.A」での出演。いやー、バンドこそ彼女がやりたかったものだけに、シヴァのステージで暴れるリョウちゃんは普段以上にイキイキしていて、荒々しくて、いいね!KAZUのドラム従えるソロのブライトサイドも好きだけど、シヴァで見せる荒々しいロック魂こそ荒牧リョウの本領だと思う。姉さん、ついて行きますぜ!

シヴァ結成時に参加していたギターのヒグチケイちゃん、演奏渋かったのに結局コレサワとかその他のお友達サポートが多忙で、その後は参加せず。シヴァのレギュラーになれば良かったのに、残念だなー。


それじゃ、今月見たライブの記録、振り返ってみるか。

    音譜    音譜    音譜

1日(日)坂本麗衣「ゆるりワンマンライブvol.9」@自由が丘マルディグラ
   ダウン   ダウン   ダウン
「おつぼねと呼ばないでvol.2」@関内BBstreet
Kayo、保刈あかねツーマン

4日(水)荒牧リョウ バースデーワンマン「Breathing」@幡ヶ谷 36.5°

5日(木)ヒグチアイ presents 『好きな人の好きな人』@渋谷 O-WEST
ヒグチアイ、エソラ、ecosystem、O.A.コレサワ

7日(土)“ゆく夏のメロディー'13”@赤坂 graffiti
坂本麗衣、郁彩、木下直子、ヒメノアキラ

8日(日)いつか初ワンマンライブ! ~いつかのCD作りまshow~@渋谷 gee-ge

11日(水)「MiyuMiyu ほぼワンマンライブ!~ユッキーOVER30記念イベント『ドラマーがいっぱい』@新横浜ベルズ
MiyuMiyu、nadesico、Dr. たかしさん、だっちさん、うりさん(CHURU-CHUW)、 かやけん(マイアベレージ)、鍵盤・歌ジョンファ、Gt. しんいちろうさん(CHURU-CHUW) Kさん(The Farmers'Pit)

12日(木)5周年パーティー@武蔵小杉 Free Bird
保刈あかね、TOSH

13日(金)吉祥寺ROCK頂上決戦@吉祥寺 PLANET K
LADY,THE BITCH、サルーキ=、BAD LOOSERZ

15日(日) 初田悦子「New Albumリリース記念ワンマンライブ『Storyteller~君に歌う物語~』」@南青山 MANDALA

17日(火)TheCASHのレコハツ@下北沢 La Cana
THE CASH、とまとなべ with シーサト

18日(水)『本気になって生きていますか? vol.3』@下北沢 MOSAiC
荒牧リョウ(S.I.V.A.) / 小林未郁 / 松崎ナオ / The606 / OCCURPOO

19日(木)【SOUND ARCHE-オトノカケハシ- Vol.2】 @渋谷 Guilty
吉村かおり、美馬雅代、はいざらこうかん、宵jam、イシワタケイタ

20日(金) @代官山ノマド
戸城佳奈江、郁彩、菅田紗江、小笠原沙織、かじけいすけ、Lu°cy

24日(火)見田村千晴「メジャー・ファーストミニアルバム『ビギナーズ・ラック』リリース前夜祭!!」@渋谷 gee-ge

26日(木)斉藤麻里 vs やもとなおこ @西荻窪 アートリオン

27日(金)渡瀬あつ子 @六本木 DIVA

28日(土)Freak a Go! Go!! @新宿 LIVE FREAK
荒牧リョウ(S.I.V.A.)、THEWATTER、ラバ☆ソル(三重)、SAKASAMA、GozA(千葉)、misty、青い酩酊

30日(月)「SCHOOLamble by AWS × eggman」@渋谷eggman
Avaivartika、Artrandom、キリクと魔女、十六分休符、カラシゴロシ、triangle


    音譜    音譜    音譜


まったく蛇足だが、今月見た女性シンガーの中で何人が結婚してるのかな?

3人はほぼ公表しているのだが、他にもいるかもね。結婚は音楽の本質とは関係ない事なので、例え既婚でもファンとして応援し続けることに何も変わりはないです。

それどころか、例えば初田悦子さんは、母としての想いを込めた歌がとても素敵で、それが彼女のアーティストとしての魅力となっている。「君のママより」「パパにラブレター」「光」とかすごくいい曲で、思わず口ずさんでしまう。

15日に見た彼女のレコ発は、言わずもがなだが感動的だった。彼女が余りに楽しそうに歌っているから、聞く方も心から楽しい気持ちでステージを堪能できる。子供のことを歌う彼女は暖かくて優しくて、心から癒される。彼女に接すると「心」にびんびんと響いてくるのだ(笑)

その感応度の高さはどこから来るのか。明るく超前向きな性格とか、無尽蔵のエネルギー量が大本にある事は間違いない(笑)だが、それだけでこれほど心に響くものではない。聞くものの心に「想い」や「喜怒哀楽」をダイレクトに響かせる歌唱力と表現力がとても高いのだ。

その実力は、今月聞いた女性シンガーの中では、1,2を争うと僕は思ってる。柔らかく芯のある美声を、縦横無尽に使いこなし、心に響かせてくれる。だから嬉しくなる。強く響かせてくれるからこそアーティストだと、僕は思うのだ。そんなアーティストと魂が触れ合える瞬間こそ、ライブの醍醐味ではないだろうか。



では、その初田悦子と歌唱力で1、2を争っているのは誰かというと、それは8日にワンマンを見た「いつか」だねー。美声コンテストなら間違いなく第1位。しなやかで透き通る美声は、耳から入る麻薬のよう。脳をメロメロに溶かしてくれる。そして、その歌唱力の圧倒的なことといったら。個人的にはMay-Jより、いつかの方が歌うまいと思ってる。May-Jでは、脳が溶けないもん(笑)

3、4年前にこのブログでも書いた。大阪在住の初田悦子が西の1番、東京在住のいつかが東の1番ではないだろうかと。それ以降、僕もかなり沢山のアーティストのライブを見てきたが、今でもその想いは変わらない。歌唱力で彼女たちを上回ると評価できるアーティストに出会ってないのだ。その間にこの二人は更に実力を磨いており、今月見たそれぞれのワンマンも素晴らしかった。

いつかは、実はavex系の事務所に所属していて映画の主題歌を歌ったりもしている。でも何故だか、世間に知られるような仕事少ないよね。なんでだろう、勿体無い。avexも飼い殺しにせず、もっと宣伝してくれー。というかavex-ioって活動してないのかな。HPもほとんど更新されないしな。それとも契約終わってるのかな。ちなみに初田悦子はSMEのレーベル所属。さすがソニーミュージック!昔、「歌スタ!!」という番組でメジャーデビューを実力で勝ち取ったんだ。


avexつながりで言うと、hinacoもかつてavexから「泣き顔スマイル」でメジャーデビューしてるけど、今はフリー。メジャー契約は1、2年単位で、継続されない方が多いという。シビアだよね。そう斉藤麻里もかつてはavex所属で、10年前にデビューしたんだった。

そのhinaco、最近のコアとなっているのが日本が世界に誇るフラットマンドリン奏者、井上太郎と組んだバンド「The CASH」でのライブ活動。17日に下北沢でレコ発ライブがあり見に行った。

うわー、格好良い!音楽はブルーグラスが中心で、彼の超絶技巧のフラットマンドリンの音色がすごく暖かくて、心地よいんだよねー。hinacoも彼らと楽しそうに音楽していて、その姿を見てるだけでちょっと感動。いいパートナーを見つけたね。

新譜のタイトルはグループ名と同じで、ずばり「The CASH」。ライブは新譜収録のオリジナル曲がもちろん中心だが、それだけだと7曲しかないので、太郎さんのオリジナル曲「カラムシ」や、hinacoの持ち歌の「泣き顔スマイル」とかも交えながら、なんかすごくお得感あるステージに。結果として幅広いジャンルの音楽を、どれも上質な演奏で聞かせてくれた。


他にも素敵なライブ、沢山あったが今月はこの辺でアップしておこう。

さてさて来月はどんな出会いがあるか、楽しみだ!
さーて、夏真っ盛り、今年も暑いね~。

8月に見たライブは15本だ!暑いのによく行った!笑

お盆前に少し早い夏休みをとったにも関わらず、休暇後は怒涛のライブ攻勢で、終わってみれば2日に1回ペース。すまん、ライブが好きなんだよ~。


しかも、今月はチャラン・ポ・ランタンに3回参戦。ますますパワーアップしてきた彼女たちのステージは本当に楽しい!!みんな、今のうちにチャラン・ポ・ランタンのライブ行っておかないと、あと少しで国民的な超人気アーティストになってライブのチケットも速攻SOLDOUTになるよ~。その「エンターテイメント性の高さ」、赤緑黄色とど派手な衣装と一体となって作り出す世界観の「芸術性の高さ」は、そこらの陳腐なアイドルや大手事務所が必死になって売り込んでるシンガーの比じゃないんだから。

彼女たちはいわばジプシーなのだ。原色が散りばめられ、楽曲そのものがジプシーやサーカスをテーマにしていて、歌詞は毒あり、怨念あり、ドロドロありなんだけど、それがキレイごとのアイドル路線とみごとに逆をいっている。チャランポは姉妹グループで、姉の小春が楽曲を全て作り、その世界観をプロデュースしている。このアコーディオン弾きの姉が一筋縄ではいかず、今でも堂々と新宿ゴールデン街で日替わりママをやったり、ライブのMCで毒舌を吐きまくる。これまでも何度も音楽事務所などと喧嘩しているし、それを屁とも思ってない。事務所やレコード会社などと無関係にすでに山のようなオファーが届いてるしね。それでいて唯我独尊ではなく、周囲の空気が停滞しそうなら敏感に感じ取り、すぐさま場を盛り上げることもできる。

そして、妹のももちゃんが若干20歳ながら凄い!いや、最近とみに凄みを増してきたといおうか。もともと美空ひばりのような歌声を持ち、昭和歌謡ばりな歌いまわしができる歌唱力があったのだが、最近は天性のエンターテイナーぶりを発揮。かわいい顔して大胆で、ライブではお客様いじりがますます上達。ステージと客席を一体にさせ、見事に自分たちのペースに客を巻き込んでいく。そのステージの楽しいことといったら!!

どう考えても不自然なほどアイドルグループが量産されている現状に対する反動が、いま間違いなく広がりつつある。どの時代でもそういうアンチテーゼのアーティストはいて、でも多くはアンダーグラウンドで密かに活動を続けてきた。しかし、表がここまで過剰になると、アンチも過剰に世に出てくるはず。チャランポの毒は、まさにアンチを望んでいる我々のような多くのファンにとってストライクゾーンなのだ。こんな事いうと小春に怒られそうだが(笑)

なんとか48や桃●●Zだの、エグなんたらに、ジャ××ズだのに独占されてしまった音楽ランキングに飽き足らない人々よ、これからの時代はチャランポだよ(笑)まあ、アリーナとかドームとか大きいところより、新宿LOFTとか渋谷ラママとかのような、暗くて小さいステージが似合うんだけどね。大きくても鶯谷キネマ倶楽部ぐらいに留めておいて欲しい、というのが切実な希望ですが。遠くの方に小さくしか見えず、ステージと一体になれないようなアリーナやドームでは、チャランポの世界観が伝わらない気がするが… でも、個人的には彼女たちはそこまでいく可能性を秘めていると思っている。

そんでもって、今月なら1日に対バンした「ヒカシュー」とか、10日の「ソウルフラワーもののけサミット」とか、17日にレコ発した「たをやめオルケスタ」とか、既存の商業音楽シーンにまったく囚われていない、数多くのアーティストたちと競演。みごとに常識や固定概念をぶち壊す、爆発力のあるライブをやってくれた。といっても、ギターを叩きつけて壊すとか、客席に乱入して暴力振るうとか、そういうありふれた爆発ではなく、その楽曲とステージに爆発力があったという事なんだけど。

特に「祖フルフラワーもののけサミット」のステージは楽しかった!すさまじくパワフルなチンドン屋バンド、ソウルフラワーの懐かしくもあり、前衛的でもあるライブは、自分の生き様にも活を入れられた。大正時代の歌謡曲を復刻したり、面白くて熱いステージだった。


そんじゃ、8月に見たライブをおさらいしてみよう!

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1日(木) 『ヒカシューとチャラン・ポ・ランタン』@渋谷Lamama
チャラン・ポ・ランタン、ヒカシュー、吉澤嘉代子

3日(土) 『鉄ロックフェスティバル!!! vol.139』@渋谷gee-ge
坂本麗衣、杉恵ゆりか、コレサワ、Keri Perther、hal

10日(土)『納涼 盆ダンス!~墓場までご一緒にツアー2013』@下北沢GARDEN
チャラン・ポ・ランタン、ソウルフラワーもののけサミット

13日(火)『The CASH record release live tour -東京-』@高円寺moon stomp
The CASH、MISPO

14日(水)ラジオ日本「テッパン!SinGirl」公開収録イベント『テッパンLIVE SPECIAL!!!!!』 ~コンピアルバム発売しちゃいました~ @渋谷duo Music Exchange
郁彩、いいくぼさおり、菅田紗江、神田莉緒香、黒川沙良、松尾優、岡澤愛津、ゆり花、田中翠

15日(木)Sherry...presents『風船唐綿の実 Vol.13~静夏Birthday Fes 2013~』@渋谷eggman
Sherry... / タキザワユキヒト / LADY,THE BITCH / アカシック / WBCバンド / nadeshico /anco band

16日(金)『lullaby』@渋谷LOOP annex
見田村千晴、ILU GRACE、橋本優紀、HaNa、高橋あず美、高橋祐哉

17日(土)たをやめオルケスタ 『緞帳ブレリュード』レコ発インストア@タワレコ新宿店

19日(月)岩崎貞文 聖誕祭2013 “三十路歩む道”@六本木morph
LADY,THE BITCH、LIFriends/フラチナリズム/ミオヤマザキ/中ノ森文子/ノックチャック/KCB/TORAfic☆SignALL/葵ミシェル

21日(水)「平成デモクラシープレイベントVol.2」@渋谷Milkyway
ヒグチアイ、The Characters、ケトル、John Doe Tokyo、AntiQues、花菜

22日(木)ソワレ~河合奈保子を唄う vol.1@渋谷サラヴァ東京

26日(月)redcloth 10th Anniversary@新宿レッドクロス
チャラン・ポ・ランタン、爆弾ジョニー、THEラブ人間、

28日(水)『Grateful☆Girls特別編』 ~緊急招集スペシャル!!!~@渋谷gee-ge
荒牧リョウ、ひぐちけい、増田優香里、HIROKA、しらいのみん、Nakanoまる

29日(木)SHUUBI × ヤマグチヒロコ ツーマン@渋谷サラヴァ東京

31日(土)『こんな素敵な日には』@下北沢MOZAiC
Sherry...、LADY,THE BITCH、The Reminder、Little World、三村好平

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チャランポの事は前段で書いたが、彼女たち以外に今月3回見たバンドがもう一つあった。「LADY,THE BITCH」だ。僕のオススメバンドのひとつだ。

LTBは、いろいろな意味でまだこれからの発展途上なバンドで、メジャーになれるかは正直分からない。なって欲しいけど。ただ、ボーカルのLynneにはスター性があると思う。今更、アイドルするほど若くないが、彼女の持ち味のひとつは女としての色気だ。若さ勝負は必要ない。そして歌唱力があり、彼女自身が作り出すメロディはがんがんのロックあり、心をひきつけて止まないバラードありとソングライターとしても才能を感じるのだ。そのステージが始まると客席はヒートアップし、彼女たちの世界観に包まれるのだ。

ガールズバンドなどと対バンになることも多いが、姉御肌の彼女は若い女性ミュージシャンから慕われる事も多い。気持ち分かる。俺が女性なら彼女のような女になりたいと思うもの。そんな魅力を、ライブではまだ存分に生かしきれてない気がする。ライブや音楽面をまだまだ磨く必要があるという事なんだろう。

LTBと対バンしているSherry...もいい。Sherry...のボーカル、静夏がLTBでコーラスしているので2バンドは仲がよく、企画イベントでよく一緒になる。静夏のステージはなんの躊躇もなく全力投球。ハスキーでアグレッシブで、セクシーだ。彼女たちのライブは本当、楽しい気持ちにしてくれるんだ。


今月の特筆ライブは、14日に渋谷duo Msic Exchangeで開かれたラジオ番組連動ライブ。渋谷gee-geのブッキングを担当するお笑い芸人、鉄平さんが声をかけて集まった女性シンガーソングライター達のコンピアルバム発売記念ライブだ。その顔ぶれがすごい。みな歌力を持ったシンガー揃いだけに、最初から最後まで楽しめるライブだったが、何よりすごいのはやはり鉄平さんだ。人生をインディーズの女性シンガーソングライターに捧げており、その献身は彼とかかわった数限りない女性シンガーがみな認めるところ。我々は彼の企画イベントで、どれだけ多くの卵たちと出会ったことか。今後も彼には、女性シンガーの雛たちを孵化する親鳥として、ますます活躍してもらいたいものだ。


そう、たをやめオルケスタが発売した新譜『緞帳ブレリュード』、すごいいいよ!女18人のビッグバンドが繰り出すホーンの迫力と、感性豊かなトロピカルな楽曲。聴いた瞬間から、あなたはハッピーな気分になれる。そして笑顔で、そのリズム&ホーンにノリノリ。ビッグバンドはいいねー。