アベノミクスのカンフル剤が効いて、株価は年初来高値を更新だとか。まあアベノミクス効果は一時的で長続きする政策ではないが、世間の雰囲気はよくなったのは事実。政策で糊塗している間に、本当の景気がよくなれば良いのだが、どうなることやら…
そういえば、EMIミュージックが、ユニバーサルミュージックに吸収合併されたね。レコードが売れない時代、メジャーといえども様々な合従連衡が起きるのも必然なのでしょう。インディーズアーティストにとっても、メジャーでCDを発売する意味は昔ほど大きくはなくなっている。自分でネットを通じ、いくらでも直販できるのだから。ただ全国規模のマーケティングの威力は依然として大きい。商業主義にのるために自らのオリジナリティを曲げなければいけないとしたら、どうするかは別の問題だけど。
今月は、渋谷めぐみの2度目の東京倶楽部ワンマンからスタート。前回はジャズアルバム「SUMMER ROSE」発売記念だったが、この老舗ジャズクラブの2度目のステージはオリジナルアレンジのロックな楽曲も交え大人の夜を演出。「酒とバラの日々」のカバーから、まさに同題を地で行くようなアルコールに染まった曲たちを激しく、情熱的に聞かせてくれた。MCは相変わらずだが(笑)、歌の力はますます強くなり、聞かせる大人のシンガーになってきたと思う。
それでは今月見たライブにGO!



5日(金)渋谷めぐみワンマンライブ2013 @東京倶楽部水道橋店
6日(土)歌う香辛料vol.5@鎌倉・浅草食堂
蘭華、AWO
10日(水)春にして君を想う@北参堂strobe cafe
星羅、郁彩、キクチリョウタ
12日(金)Full Moon Nude YOKOHAMA@横浜Motion Blue
玉城ちはる、大石由梨香
13日(土)ヒグチハルワンマンライブ昼の部「女心を歌ってみた」 @渋谷gee-ge
ヒグチアイ、見田村千晴



5th★Communication@渋谷eggman
Avaivartika、カムロバウンス



ヒグチハルワンマンライブ夜の部「男心を歌ってみた」@渋谷gee-ge
14日(日)ライブサーキット「平成デモクラシー2013」@渋谷gee-ge,Milkyway,Chelsea hotel
是澤寿美~佐野川佑彰~タムロリエ~郁彩~星羅~千佐真里奈~キタオユカ~キクチリョウタ~中前りおん~松澤春奈~神田莉緒香~植田真梨恵~The Characters~ヒグチアイ
17日(水)「チハルモニア」@下北沢seedship
玉城ちはる、永田ジョージ
19日(金)Echo&Refrection #17@赤坂graffiti
MEG-mi-TSUI(渋谷めぐみ+三井真一) / 荒牧リョウ / 伊禮恵 / 郁彩 / 葉月美姫
22日(月)鉄ロックフェスティバル!!! vol.131@渋谷gee-ge
星羅 / 大木ハルミ / 小玉しのぶ / Spice / 武井ゆりな / やもとなおこ / 是澤寿美
24日(水)暗闇トリップvol.6 生音でバトンタッチ@代官山・晴れたら空に豆まいて
カケラバンク、斉藤麻里、河野圭祐、Se-no
25日(木)SPIN OFF@渋谷CLUB ASIA
LADY,THE BITCH/LIFriends/Rain&KEN/TORAfic☆signALL/F:ma



Shuubi / ヤマグチヒロコ / 小松原沙織 / 野田奈津実@新大久保グラムシュタイン
27日(土)kampsite FES 1st@お台場Zepp Divercity
Avaivartika/lucy/CUTT/てふてふ/trunk/大西洋平/ruua/東京!小鳥!キッス!/HARTONE/国吉亜耶子and西川真吾duo



そんなこんなで、4月は歓迎会やら新組織の親睦会やら、仕事関係の飲み会が多く、ライブはちょっと少なめ。3本はしごなどしているにも関わらず、15本止まりでした。
その中でアーティスト別では星羅と郁彩、ヒグチアイが3回ずつ、見田村千晴と渋谷めぐみ、Avaivartikaが2回で、今月見た回数トップ3を占めたのは皆、平成生まれだった。
その理由は「平成デモクラシー」(14日)だ。平成生まれアーティスト達が、昭和生まれミュージシャンの独壇場だった音楽シーンを覆してやる!と気勢をあげて生まれたこのイベント。今回で4年目だったかな?ヒグチアイはその首謀者の1人であり、初回から今回に至るまで同イベントのオオトリを務め続けている。星羅も郁彩もこのイベントがあり、今月は見る機会が増えた感じだ。
このライブサーキットは、今が旬の平成生まれアーティストを一堂に見られるとあって、ライブ好きな大勢のファンたちが会場となる3つのライブハウスをパンパンに埋め尽くす。人気アーティストのステージは、ほぼ間違いなく入場制限になるほどだ。自分もスケジュールをにらみながら、結局14組のステージを観戦。たっぷり平成シンガーたちを堪能した。
しかし、このイベントが始まった当初こそ、出演者は皆ニューカマーで、成長途上だが実力はまだまだ。先物買いのショウケースのようだった。それが今では平成元年生まれがすでに25歳。ライブシーンではもはや中堅どころの実力者たちだ。そういう意味では、もはや「デモクラシー」という初期の狙いは達成済みなのではないだろうか。
それに、このイベントと全く無関係の沢山の平成生まれシンガー達も、現在のライブシーンの先頭を走っており、そろそろ形を変える時かもしれないなと思う。
例えば今回参加していた神田莉緒香。若いシンガーらがヒット曲を楽しそうにカバーするオンラインライブ番組「goosehouse」を、前身のplay you house時代から牽引し、若者から爆発的な人気を得てきた彼女。すでにメジャーへの道が決まっているという。ヒグチアイだって、そこらの歌下手なメジャーなんかより、はるかに心を打ち抜く歌力を持っている。星羅に至っては、もうメジャーデビュー5年目か。彼女らが一同に集まるイベントとしては、こんなに面白い事はないが、「平成デモクラシー」と高らかにうたう意義は薄れた気はする。イベントとして続けて欲しいけどね。
この月、最も印象的だったライブはやはり「暗闇トリップ」@晴れたら空に豆まいて。カケラバンクが主催するこのイベントには、もう4,5回参加したが、毎回、最後には必ず感動が待っている。照明は会場の四方に陣取った4組のアーティストの前にある3本ずつの蠟燭だけ。順番に1人ひとりが1曲ずつ歌い、歌い終わると一本の蠟燭を消す。そして最後のひと組が、最後の灯を消すと完全な暗闇が会場を包み込む。不安と厳かな空気に身を浸していると、闇の中から4組のアーティストの歌声が最初はバラバラに、やがて絡み合い、重なり合い、大きなうねりとなって立ち上がる。その瞬間、ぞくぞくっと鳥肌がたち、何か大きな存在のなかにいる小さな自分のイメージが怖れとともに広がっていく。音楽の原始的体験が堪能できる、素晴らしいイベントだ。
今回もまた大好きな歌い手たちが揃い、とても楽しかった。斉藤麻里、河野圭祐、Se-noらは皆実力があり、その歌声で魅了してくれる存在。その声が闇の中で重なる。感動的だった。
横浜Motion Blueで開かれた、玉城ちはると大石由梨香の「Full Moon Nude」も素敵なステージだった。このイベントも毎回聞きにいっているが、今回はいつも渋谷JZBratを離れて初めての横浜。あそこは外に港が見える赤煉瓦倉庫の中にあるだけに、雰囲気が最高におしゃれ。大好きなライブハウスの一つだ。そこで、二人の大人の女たちが繰り広げる音楽が最高。まだまだ何度でも見たいイベントだ。
ほとんどライブ活動を停止している蘭華が珍しく歌うと聞いて、6日は鎌倉まで足を伸ばした。古いぼろい食堂の中で、貧弱なPAという環境だったけど、久し振りの彼女の歌声はやはり心を洗ってくれた。あの素敵な高音の響き、オリエンタルな楽曲、美しい出で立ち。食堂の生しらす丼も美味だった。蘭華には今後、ますますの活躍を期待したいのだが、現在は基本的に制作期間中という。早く良い曲書いて、それをレコード会社に認めてもらって、メジャーデビューして欲しいのだが…。業界の荒波は、いつだって弱い者を翻弄するね。
こんな4月、素敵なアーティストたちの益々の活躍を祈る!