音楽偏遊 -37ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

昨日時点で天気予報は「雨」。大手町サンケイビル前で開かれているランチタイムライブに、今日、斉藤麻里が登場するのだが、ワンマンに引き続き降られてしまうのか危惧していた。

ところが、日が明けてみると、晴れ渡る青空。昨日、渋谷ハチ公前特設ステージでやないけいこを凍えさせていた冷たい雨はどこへ。うーん、やはり恐るべき「晴れ女」であったか。あの台風ワンマンは、彼女のテンションが上がり過ぎ、晴れを通り越したと解釈すればいいのかな?

ということで、絶好のランチスポットでもあるサンスクエアへ。たくさんの屋台から本日選んだメニューは「ローストハーブチキン、赤ワインソースかけと牛タン味噌焼きのハーフ&ハーフ丼」750円。コスパ抜群の美味しさビックリマークジャスミン茶と共に、ステージ前に設けられた数百席分のベンチシートの最前へ。

開演は12時15分。12時ごろから、リハが始まる。ダイブでPAの調整をして、その後に歌い始めたのは「糸」!おお、今日、「糸」をカバーするつもりなんだ。嬉しいぜ。

それにしても、暑い!太陽がギラギラ、汗がジワジワ。最後の夏を惜しむように、多くのサラリーマンらがベンチシートでお弁当タイム。

そこに登場した麻里ちゃん、素晴らしく伸びる張りのあるいい声で、今日の天気に合わせて「晴れた空の下」からスタート。その声が、大手町のビル街に響き渡り、真っ青に晴れ渡った秋空へと抜けていく。なんて爽快!



2曲目は「瞬きシャッター」。そうそう、これこれ。生で聞きたかったんだよなー。こないだのワンマンで聞けず、なんか逆に強く印象深い曲となった。その一瞬をカメラではなく、網膜に焼きつけよう。その強い思いに共感を感じる。

3曲目は「タイムカプセル」。これまで何度も聞いてきた1曲だが、サビからエンディングにかけて、いつにも増して力強く、もはや単にノスタルジックな曲ではなくなった。その強さが、今の彼女の想いの強さの現れなのだろう。これまで聞いた中で、今日の大空の下のタイムカプセルが一番良かったかもしれない。

そして特筆すべきは「糸」。言わずと知れた中島みゆきの不朽の名曲。その曲の素晴らしさが、本当に多くのアーティストがカバーしていくことを通じて、広くひろく知れ渡ってきた。斉藤麻里も、ミスチルのカバーで知ったとのこと。

音譜縦の糸はあなた 横の糸は私音譜 さすが斉藤麻里。下手するとのっぺりしてしまうこの曲を、実に表情豊かに、気持ちを込めて歌っていく。こんなカバーなら、何度でも聞きたい。

<セットリスト>
1)晴れた空の下
2)瞬きシャッター
3)タイムカプセル
4)糸(カバー)
5)メロディ
6)魔法のバンドエイド
7)ダイブ

拝郷メイコが3日のこのステージを4曲で終えていたが、この日の斉藤麻里はなんと7曲45分の熱唱。ランチタイムの軽いBGMにいいかと思って聞き始めたが、いつまでも終わらないステージに決行興奮。メロディ以降の3曲は、一気に新アルバムの世界へ。

力入ってます。うん、これから続くライブが楽しみ!

おまけ、会場からの青空


天高く馬肥ゆる秋。爽快な青空、秋の気配漂う涼やかな風。

大手町ビル街の間に広がる広場でも先週金曜日から1週間、「秋まつり2011」が開かれている。普段から沢山の屋台が出て、自由に座れるテーブルと椅子が置かれるこの広場は、大手町名物のランチスポット。そこで祭り期間中は毎日、弾き語りランチライブが開かれる。

月曜の口火を切ったのは、拝郷メイコだ。週明けの昼から、職場のすぐ近くにメイちゃんが歌いに来てくれるとは。早速、ハワイアン屋台でハニーマスタードチキン弁当を買って、ステージ前の席に陣取りランチ。ぽかぽかの太陽が心地良い。

開演は12:15~だが、12時からリハ(笑)あの優しく、女性らしい声が響くと、嬉しくなってくる。

リハだが、ハットとファーのベルトで、カジュアルに決めた彼女らしい出で立ちでギターを掻き鳴らし始めると、ステージ前に広がったベンチシートに続々とランチ客が陣取りはじめる。

そして本番時には、ステージ前の客席には沢山の人が。毎日ここらでランチしてるサラリーマンらは、やや遠目の席ですが(笑)

まずは「エソラジ」でスタート。彼女のライブは久しぶり。耳に馴染んだこの曲を聞くと、懐かしい気分に。彼女の柔らかな声と、優しい歌に癒されるのだ。拝郷メイコはマイホームのようなアーティストだ。



続いて初めて聞く「ほんわかプー」
。確かにそう言ったと思うが(笑)自信なし。詞の世界は、シビアに男と女は違うのだ、と歌っていて、タイトルと違和感あるよね。でも痛いところを、いい感じに突かれて、自分自身の恋愛を振り返ってしまう。

3曲目に「リビング」。お父さんとお母さん、お姉ちゃんと、猫とウサギと暮らす日常の幸せを、淡々と歌う。その見つめる視線の優しさに涙がでてきそう。目の前の幸せを感じ取れる心があるアーティストの楽曲は、沁みる。

ラストは「Garden」。この曲の前奏始まると、マイホーム感がひとしお。音譜そして二人たどり着いたその場所には~音譜 何もないささやかな二人の空間が、徐々に幸せの庭へと変わっていく。ああ、拝郷メイコの音楽はハッピーだな。

昼のひととき、安らぎの時間。メイちゃんの音楽は昔から優しいが、Hello Tree以降、一段と暖かくなった気がする。

今夜は行きたいライブが4つあって迷っていたが、拝郷メイコを聞いて
、諫山実生を聞きたくなった。調度、4つの内の一つが諫山実生といいくぼさおりの対バン。これは、晴れ豆へ行くしかないな。


Android携帯からの投稿
―――――――――――――――――――
吉村かおり3ヶ月ごとワンマンシリーズ第2弾「吉村かめ★ワンマン~夜よ明けるな」@恵比寿天窓switch
dr.&perc.まあびぃ、ba.村岡俊介、gt.江原秀俊(ひでちゃん)
―――――――――――――――――――

吉村かおりのステップアップ第2弾のワンマンは、第1弾の北参道strobe cafeから箱のサイズをちょっと拡大。天窓スイッチが会場だ。着席スタイルでほぼ満席。見に来ている仲良しアーティストの数の多さも彼女ならでは。音楽仲間に愛される人柄なのだ。

さらに、東京では今夜限定発売の音源「さすらいクイーン」を用意。2日徹夜して、一枚一枚にナンバリングを入れる手間のかけよう。100枚限定、手に取るお客さんにとって貴重な記念の1枚にしたいという思いからだ。

この日のために時間と手間をかけたのは、それだけではない。今夜のセットリストにも、頭を絞って夜を明かす彼女の姿が浮かぶ。

演奏の編成は、ボーカル&ピアノ吉村かおりに、レギュラーのまあびぃがドラム、むらっち村岡俊介がベース。さらに途中から新レギュラーとして若いイケメンギタリスト、ひでちゃんが加入。かおりぃバンドも一段と充実した。

セットリストは、かおりちゃんのブログからコピペ。彼女自身が綴るライブレポはブログで読もう。このリスト見てるだけで、彼女がこの日に向けて色々考えた事が分かるというもの。

<vo/pf,ba,ds>
1.oz
2.ネオ白昼夢
3.海月

<ソロピアノ>
4.ひなげし(未発表曲)
5.闇とユートピア
6.風

<vo/pf,ds>
7.Stay(Lisa Loebカバー)
8.野うさぎ駆ける

<vo,a.gt>
9.JUTE
10.ハナウタ

<vo/pf,a.gt,perc.>
11.あなたの中で目が覚める
12.さよなら愛しき

<フルバンド>
13.きみのあした
14.フロート
15.夜よ明けるな(新曲)
16.テールランプ

enc.
あざやか世界(フルバンド)

ライブはかおりぃらしく、最初から笑顔。たくさん笑ったなあ。まあびぃ、むらっちらとのチームがまとまっていて、さらに加入したギタリストがまあびぃの後輩ということもあり、リラックスした空気。そんな空気の暖かさが、何とも魅力だ。

今夜はoz~ネオ白昼夢と軽快に始まったが、3曲目にバラード「海月」をゆっくり目に歌い、テンポにメリハリが利いている。特に海月を、丁寧に一つ一つの音や単語を大事に歌い、彼女ならではの世界観を丹念に構築していく。

音譜甘い こわい 海月に刺され 薄い酸素にもがく あなたの影殺せないのよ あれは18の夏音譜

こんな歌詞を書ける、そして魅力ある楽曲に仕立てられる人間はそうはいない(笑)シンガーソングライターとして、吉村かおりって、ある意味で天才的だよね~。天才とは言い切りませんが(笑) しかし、今夜の海月は、これまで聞いたなかで1、2を争う素晴らしさだった。(映像は別の日のですが)


その余韻のMCで、音楽を始めた頃の私はネクラだったと告白。その頃のダークな私の曲を歌います、と話して「ひなげし」。しっとりした曲だ。

この3ヶ月ごとワンマンシリーズでは、毎回、昔の未発表曲を歌うことに、いつの間にかなったそうで、初回が「ライラック」で今回は「ひなげし」。曲名に花が続く。最近の野うさぎやクラゲやチョコレートが跳び跳ねる「おもちゃ箱ポップス」路線の前は、意外とおとなしいロマンチストだったよう。楽曲の変遷は、彼女の成長の足跡なのだ。

3ヶ月ごとワンマンで、恒例化したもう一つのイベントが、リクエストコーナー。リクエスト曲に応えるなんて単純なものではない。なんでもありのリクエストを募って、初回は彼女自身が決め、今回はお客さんの多数決で決めた。

前回決まった、英語の曲を歌うというお題で彼女が選んだのがLisa Loeb。英語は苦手というだけあって、発音は確かに危うかった。だが、歌心に言語関係ないね。本人も楽しそうで、吉村かおりの洋楽はあり、という結論になったとか、ならなかったとか(笑)

そして「あなたの中で目が覚める」以降の終盤、彼女の軽快かつ意味深 (時に凡人には意味不明w)な次元を超えたポップスを、これでもかと畳み掛けてくれた。アコギにドラム、そしてエレキ+ベース+ドラムと音圧を増しながら、彼女の声も一段と弾み、盛り上がっていった。

「さよなら愛しき」の後に、次回の3カ月ごとワンマンで何をやるか、リクエストから8択で、お客さんが拍手で決めることに。結果は「ギター弾き語り」に。ピアノ弾き語りの彼女がどんな演奏を聞かせてくれるか、来年1月に開かれる第3回3カ月ごとワンマンの行方が楽しみだ。

そして「きみのあした」から最終盤はフルバンドで。アッパーなテンポで音譜あの橋のたもとで仲直り~さよなら、君の明日を見届けてあげられなさそうだ おやすみ涙を拭いて すばらしい朝が待っているよ音譜

ありふれた恋愛や青春ではない、独特の世界観に満ちたポップス。なまら楽しく、色々な色彩と感覚を想起する不思議な空気感。ジャックの不思議な種を何粒もいっせいに蒔いてしまったように、四方へグイグイ伸びていく想像力の枝葉。吉村かおりの音楽は脳内遊園地だ。

盛大な手拍子に迎えられ、指を折りながら「もう、やり残しはないね。みんなありがとう。みんな大好き」と感極まったように挨拶してアンコール。曲は「あざやか世界」。ちょいと古い映像だが、この曲だ。


彼女の3カ月ごとワンマン、次回の開催は来年1月9日(月祝)@代官山・晴れたら空に豆まいてだ。楽しみだね。そして、第4弾のシリーズファイナルの開催もすでに予告されているよ。少しずつ大き目のライブハウスにステップアップするこのシリーズ、ファイナルまでにどこまで彼女が成長していくか。きっと、彼女自身それが楽しみで、いま全身全霊で音楽に没頭しているのだろう。そして我々も、愛嬌たっぷりな彼女がどう成長していくか見守る楽しみを感じているという訳だ(笑)