音楽偏遊 -29ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

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「MusicFool~めぐみわこ~12.1.11記念祭」@日吉nap
出演:渋谷めぐみ、大黒美和子
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最近、仲良い2人。今年4月に共催企画ライブ「Music Fool vol.1」を赤坂グラフィティで開催して、ものまね芸人そのまんま美川のMCで爆笑の盛り上がりを見せた(いや、ちゃんと音楽イベントですよw)。その第2弾を来年1月11日に天窓.Switchで開くことが決まり、そのイベントの企画をファンのみんなとトークしながら考えちゃおう、というお気楽な「開催記念祭」ツーマンが開かれた。

会場は、渋谷めぐみが毎月ライブしているホームグラウンドの日吉nap。美和子ちゃんが日吉に来たのは初めてとのこと。冒頭、2人が登場して今夜の趣旨を説明してたのだが、美和子ちゃんが「日吉って思ってたより都会だねー」ってところから、日吉を馬鹿にしちゃあいけないって話に。渋谷めぐみが絡むと例のごとく、ぐだぐだーっとなってしまうのが可笑しい。止め処なくなりそうだったので、「じゃ、歌うわ」と先行の大黒美和子のステージへ。

今夜はキーボードやっくんのサポートで、かなりしっとりとしたステージ。最近のライブは、ロックやアニソンやアイドルなど、やりたいことを色々楽しんでる美和子ちゃんだが、今夜はオーソドックス。彼女の持ち味のどこか暗めで情念たっぷりのバラードを堪能できて、個人的には結構好きな構成だった。

「行方知レズ」や「To live without you」など、彼女が思い入れたっぷりに、あのきれいな声と素晴らしい表現力で歌うと、涙が出てきそう。彼女自身も自分の歌に泣きそうになってる。今はポップスを歌う彼女だが、プロの演歌歌手として10年歌ってきた歌心は今も変わりない。彼女の歌は、本当に泣かせてくれるのだ。

「歌に魂を込めよ」って、きっと幼い頃から叩き込まれた事だろう。それは基本だと僕も思う。美和子ちゃんが空気を吸うように実践している、その事を実際に若い女性シンガーたちが皆できているか、というと、そうでもない。ぜひ身に着けて精進してもらいたいもの。その点、美和子ちゃんだけでなく、例えば坂本麗衣や拝郷メイコ、木下直子らのステージには裂帛の気合を感じるのだ。それが、凄みとなる。



1)行方知レズ
2)癖
3)月が沈むまで
4)ギャンブル (椎名林檎カバー)
5)To live without you
6)初恋
7)君に歌う

感動的な「To live without you」で思いっきり会場をシーンとさせたら、「じゃあ、ここら辺で明るい曲を」ときた。次は「初恋」だなとすぐ分かる昔からの進行パターン。この流れを久しぶりに見れて、ほっとする。

最後は、音譜君が笑うなら、僕は笑う音譜と、明るい歌詞なのだがマイナーな曲調で彼女らしく歌いきった。暗めのバラードを続けながら、じっくり聞かせて満足感を与えてくれるアーティストは、やはり多くない。本当にいい歌手だなあ、としみじみ思う。


続いて、再び2人がステージに立ち、1.11の「musicfool vol.2」の企画トーク。会場からリクエスト曲を色々募ったり、全員に配られた青い紙に「あなたにとって音楽とは?」という単語を記入してもらい、その単語をつなげて詞を作る企画も。後で完成させた詞に曲をつけて、1.11.に2人で歌うという。少女時代やアムロ、カーペンターズに演歌まで色々提案あり。さて、本番で2人は何を歌ってくれることやら。

途中で酒の話になり、「飲みすぎると翌日、体から匂うよ。もちろん、ビールを20~30杯飲んだらの話だけど」ととんでもない事を言い出す渋谷めぐみに、酒を飲まない美和子ちゃんも目を丸くしていた。酒のみでも、ビール20~30杯飲みませんぜ(笑)さすが、ビールの神様ビール

歌の後攻は渋谷めぐみ。

今夜は、アコギ三井さんとカホン阿部さんがサポート。この2人は、11月11日にこれも渋谷めぐみの企画ライブ「いいオンナのいいロック」@赤坂グラフィティで、対バンの斉藤麻里をサポートしたメンバー。今夜は渋谷めぐみを支えるのだが、またアコースティックライブハウスだというのに、グルーヴたっぷりの疾走感ある音で楽しませてくれた。また、アレンジも音源に近い基本形で、耳になじみやすい。こういうのもいい。

シブメグの選曲も、やはりロックな「magic」から。「day after day」も今夜は早めのテンポで、ノリが良い。バスドラの連打から始まるビートの利いた「ユメオチ」も、カホンながら迫力たっぷり。ぐいぐいと、艶やかで強い彼女のロックな声でたたみかけた。



1)magic
2)隠し事
3)day after day
4)trap
5)秘密
6)ユメオチ
7)涙

最後は二人で歌うと、予めアナウンスがあったので、お客さんは待ってたら、シブメグ本人が「アンコール、アンコール」と手拍子を煽る。二人ではアンコールで歌うのね(笑)みなプログラムの中のヒトコマと思ってたよw

拍手が広がったところで、美和子ちゃんとキーボードのやっくんを呼び込み、2人がそれぞれ選んだカバー曲を熱唱した。

二人とも難しい曲を選択してるのがポイント。Ego-Wrappin'に椎名林檎だビックリマーク自分への自信と相手の歌唱力への信頼があるからこそだろう。案の定、二人で代わる代わる、どちらも見劣りすることなく、共に格好よく歌いあげた。どちらかの歌唱力がイマイチだと、こういうところで差が歴然として、聞いてて切なくなることがある。でもさすが、この2人は上手い!



en.1 色彩のブルース (Ego-Wrappin')
en.2 丸の内サディスティック (椎名林檎カバー)

また、ギター三井さん、パーカッション阿部さん、キーボードやっくんの3人の演奏も見事。アコースティックながら、おしゃれさと迫力を見事に演出。特に最後の椎名林檎はドラマチックで激しかった。最高でした。

おまけ↓
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「中村皓presents Green Fields Forever」@北参道strobe cafe
出演:<メインアクト>いつかヒグチアイタリエ丸谷マナブ (その他飛び入り多数)
<ミュージシャン>中村皓(Dr)、平田崇 (Gt)、濱田織人 (Ba)、清野雄翔 (Pf)、
禹貴惠 (Vl)、庸蔵 (Sax)
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今夜、このライブを見た皆様、お疲れ様ー。内容があまりに濃くて、終演後に心地よい疲労感に包まれたのはきっと僕だけではないだろう。最初から最後までみた感想は「極上カオスの濃縮スープを3リッター飲んだような満腹感」。とにかく、暖かくて内容充実ビックリマーク中村皓くんの人柄が出たのだろうハートウオーミングなライブでした。ありがとう音譜

この企画、告知の段階から、メインアクトに惹かれた。自分が大好きな女性ボーカリスト3人が勢ぞろいするという豪華さ。いつかヒグチアイ、タリエ。持ち味はそれぞれ違うが、いずれ劣らぬ実力の持ち主で甲乙つけがたし。当ブログでもずっと注目してきた、最高のシンガーばかり。この3人に絞った中村皓の見識と嗜好、尊敬します(自分と同じ好みだw)

その3人は、それぞれ3曲ずつしか歌わず、そのうち1曲はカバーという贅沢さ。さらに、5人のシンガーに1曲ずつ、これぞという決め歌で飛び入り。計9人の歌い手が入れ替わり立ち替わり、ステージを盛り上げた。満腹にならない方がおかしい。

しかも、彼らをサポートするのが、中村皓率いる手練れのミュージシャンばかり。このバンドサポートの音が分厚く、気が利いていて、どのアーティストが出てきても無茶苦茶楽しいのだ。特に中村君、自分の好みで招いたゲストばかりだから、そのドラムを叩けるのが嬉しくて仕方ないって様子。彼を見てるだけで、楽しくなってくる。

演奏の陣容も6人という多さだから、strobeのさほど大きくないステージ上は通勤電車のような混み具合。向かって左手にグランドピアノ、中央後方にドラムセットが鎮座し、右手後方にベース、右手前方にキーボード、グランドピアノのカーブが凹むところにギター。かろうじて中央に、歌い手のスペースを残すだけ(笑)さらに、曲によって出てくるsaxがキーボード手前、バイオリンがグランドピアノ手前の僅かなスペースに。これだけでもカオスだが、それで終わらない。

第2部は、中央のゲストアーティストの狭いスペースに2ndドラムセットを設置!!ギター弾き語りの飛び入りゲスト諏訪大介くん、一歩も足を動かせない状態で演奏してた(笑)
彼以外はピアノ弾き語りとドラムボーカルだから、何とかなってたが。

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さて、おしゃれなインストで始まったライブは、1番手の「いつか」の登場でぐっと華やかな空間に。彼女の声は天使のように柔らかく、小悪魔のように魅力的な歌唱力で、お客さんを惹き付けていく。

スティービーのカバーではそれほどでも無かったが、オリジナルの2曲では、Aメロからサビへと進むにつれその実力を全開。強弱明暗を巧みに表現し、歌にドラマを、心に感動を広げる。



お嬢なシックなスカート姿も麗しいいつかが柔なら、2番手のヒグチアイは剛か。長めの白シャツのすそをパンツの上にヒラヒラ出して、上からジャケットというマニッシュな出で立ち。ただ、手にカエルカエル人形という不可解さ(笑)さすがヒグチアイにひひ

冒頭、いきなりビートルズカバーで「Oh Darling」を炸裂。めったにカバーやらない彼女だが、その強い声が、出だしが重要なこの曲にぴったり。黒人女性シンガーのような芯の通った太い声にゾクゾクする。しかも、英語の処理も巧み。さすが学校でジャズ専攻してただけある。

続いて2曲目は出ましたハンドマイクビックリマーク弾き語りのステージしかしてない彼女が、ピアノを離れステージ中央に立つ姿は極めて珍しい。案の定、戸惑ったような彼女がポケットに突っこんだカエルに中村君から突っこみ。何でも今日はミドリを衣装に取り込まなければいけないそうで、彼女はカエルを持ってきたらしい。「なぜカエル?」という質問に答えるのが面倒だったのか、「じゃ、いらない」とカエル君を客席に放り投げる。子供だなあ(笑)

しかし、「手をどうしたらいいか困る」と話して歌いだした「東京」はやはり圧巻。その歌詞が、彼女の声にのって迫ってくる。清野君の繊細なキーボードもなかなかいい。



手の置き場よりさらに、ヒグチアイが困ってたのは手より目のやり場だったよう。いつもはピアノに向かってるから、時おり客席に視線を走らせるだけで済むが、ハンドマイクで客席と相対すると1人ひとりが目に入ってしまい、慣れないと曲に集中できないもの。で、ヒグちゃんは虚空を見つめたり、下向いたり、目をつぶったり(笑)

最後、ピアノに戻ってほっとしたのか、それはそれは弾んだ演奏で「ココロジェリーフィッシュ」を熱唱。場を圧倒した。さすが!!

ここで第1部は終了。10分の休憩に。後ろを振り返れば、超満員のstrobe cafe。もう立ち見のスペースさえない様子。休憩中に「後から来た人が入れないので、みなさん座席を少しずつ前に動かしてもらえますか」とのアナウンス。最後列の後ろに立ち見スペースを作って、なおぎゅうぎゅう。これも中村君の人徳!?

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第2部は、飛び入りゲストコーナー。アーティストが1曲ずつ歌っていくという、楽しい時間。

転換の間にただでさえ狭いステージの中央に新たにセットされたカホン&タム&バスドラのセット。後ろにフルのドラムセットがあるのに、さすがこだわりのドラマーだ(笑)

そこに座して、まず迎え入れたのが「青柳舞」。手には耳付きカチューシャが二つ。ひとつは自分、もう一つは中村君につけさせて、歌う曲は当然「Pretty Dog」。わんわん彼女の明るいキャラクターそのままの明るいステージ。

続いておしゃれなハットで決めた「アラカキヒロコ」on piano。中村君にバイオリンとサックスが加わり、アッパーな曲調の「震える息吹」をソウルっぽく歌いあげた。

お次は、今夜初めての男性アーティストで「諏訪大介」from Sleepyhead Jaimie だ。うっほっほ。すげえ楽しいそ、彼。軽快なトークで自分がいかにハンバーガー好きか訴えて、自分たちのバンド、というか男女ユニットのスリーピーで昨年出した「Hamburger Song」をみんなで歌おうと、客席まきこんでまず練習。のりやすく、楽しいカリフォルニアンロックなメロディー&歌詞にすぐ客席もノリノリ。

音譜ケチャップ&トマト(ケチャップ&トマト) もっとくれますか(もっとくれますか) Everyone sing(Everyone Sing) このHamburger Song(ハンバーガーソング!)音譜の大合唱で盛り上がる、盛り上がる。たった1曲でみんなをご機嫌にしてくれたよ。

ちなみに彼らは、このHamburger Songのリリースに合わせて、全国18か所のハンバーガーショップで歌うLIVEツアーを昨年敢行。その模様を毎回YouTubeにアップしている。これ、見てるとみんなHappyになるよ~クラッカーハンバーガー食べたくなった。

一気にテンションが上がった飛び入りコーナー、お次のUちゃんfrom オードリーシューズも楽しいステージに。Uは言わずと知れたドラムボーカル。中村君が奥、Uちゃんが手前のドラムセットに座って、ツインドラムでオードリーの中でも一番にぎやかという「Colorful」を、バスドラやタムのシャッフル感たっぷりに演奏。Wow!!

それにしても、Uちゃんは一見、女子高生くらいにしか見えないのだが、叩かせたら激しいメラメラ笑顔はかわいいが、ビートにのって歌いだせば、とっても格好いい。楽曲もボーカルも才能がきらめいていて、いいねえ。

飛び入りステージのラストはオガワマユ。ステージに上がっても「今のツインドラム最高。やっぱ、私ツインドラム好きだー。いいよね、ツインドラムー」とずっと言ってるので、中村君が「じゃあ、Uちゃんにも叩いてもらおうか?」。予定の曲を、実はUちゃんも叩いたことあったので「トゲトゲだよね」と二つ返事で参加。オガワマユ&ツインドラムで「愛と雨」がノリで実現してしまった。

ここでも、Uちゃんが決めてくれたー。ドラム叩きながら、しっかりコーラスも着けて、オガワマユの歌を見事に膨らませてくれた。みんなが、演奏しながら視線を交わし、楽しげ。見ているこっちも嬉しくなってくる。8月にやったクアトロワンマンでキーボード弾いていた清野君も、自在に音を絡ませていて、音楽ってこれだから楽しいんだよねー、というステージに。盛り上がったね。

さて、ここで再び休憩。転換でセカンドドラムセットはお片づけ。後方を見ると、それは沢山のアーティストたち。飛び入りした青柳舞やU、オガワマユらだけではない。大関麻子of Mint Julep、前田絢子、ほしばかなえ、昨日の郁彩サポートもしていた村岡俊介などなど、etc. 中村皓君や清野君ら今宵出演のミュージシャンらの友達らが続々と駆け付けたのだ。そのつながり、とてもいいね。

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さあ第3部。すぐタリエちゃん出てくるのかと思いきや、なーんと、中村君が1曲歌うではないですか(笑)しかも、細野晴臣の「東京ラッシュ」で音譜ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ音譜しちゃって、なんかかわいい(笑)

そこに颯爽とステージに現れたタリエ from Harmonick Hammock。やっぱ、彼女は格好いい!3人の女性シンガーの中では一番、大人の風情が漂う。そして、そのボーカルも草原に吹き寄せる南風のように、すーっと心地よく、心を浮き立たせる。やはり、彼女の声は大好きだあ。

Harmonick Hammockは、今夜のキーボード清野君がリーダーを務め、バイオリンの禹貴惠もメンバーの7人組?バンド。その音楽はおしゃれで、心地良くて、すごくクオリティが高い。そのCDはいつまで聞いていても聞きあきないのだ。特にやはり、タリエちゃんのボーカルに惚れ惚れしてしまうのです。

さて、今夜の彼女の1曲目はなんとスピッツカバー「運命の人」。あれ、知ってるなあ、この曲とか思いながら聞いていたら、途中ではっきりスピッツと分かる。タリエちゃんがあたかも自分の曲のように、うまく歌うからすぐ分からなかった。しかし、もう彼女自身の曲のようにわがものにしている。さすがやなー。
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そして、今夜唯一、ただ一人だけこの企画のためにオリジナルソングを用意してきたと「ほっぺたふわり」。もともとはお気楽な「たこやきソング」というのを作っていたが、リハとか皆がまじめにやってるのでお願いして、おふざけでない曲に作り替えたとか。その結果、NHKのみんなのうたとかに丁度良いかんじの、ふわふわして優しい曲になった。彼女のやわらかい歌声にぴったりはまった。

ラストはハモハモのオリジナル「ハローとグッバイ」。転換のときもBGMに流れてたねー。やはり、オリジナルが最高。彼女の持ち味をたっぷり堪能できる。タリエちゃんの声、本当に癒されるな。美しい声だー。

さあ、そしてメインアクトのラストを務めるのが、これもまた格好良いギター弾き語り「丸谷マナブ」だ。

力まず素敵な歌唱力で聞かせるその歌はメジャーな風格。最後をきっちりしめてくれた。

きみのいろいろでは、お客さんもコーラスで音譜ラーララーラーラー音譜と共に歌って、会場に一体感を生み出す。

そして、しっとりとしたバラードを歌って、最後は明るく「ハレルヤ」。ケイオティックな今夜の素晴らしいイベントも、いよいよ大団円へと収束させるような1曲。今夜はみんな幸せだったね、と歌ってるようだった。


アンコールでは、メインアクトの4人のボーカルが勢ぞろい。あの福耳の名曲「星のかけらを探しにいこう」を格好よく決めてくれた。しかし、4人ともさすが、と唸らされる歌唱力。いやー、本当にいいライブでした。楽しかったー。

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セットリスト
□第1部□
1)フュージョンのインスト
………いつか……………
2)Ribbon in The Sky (Stevie Wonder カバー)
3)変わらないもの
4)Dear My Friend
………ヒグチアイ………
5)Oh Darling (Beatles カバー)
6)東京 (ハンドマイクで)
7)ココロジェリーフィッシュ

□第2部~飛び入りゲストタイム~□
8)Pretty Dog(青柳舞)
9)震える息吹(アラカキヒロコ)
10)ハンバーガーsong(諏訪大介)
11)Colorful(U fromオードリーシューズ)
12)愛と雨(オガワマユ supported by twin drums U&中村)

□第3部□
13)東京ラッシュ song by 中村(細野晴臣カバー)
………タリエ(from Harmonick Hammock)……………
14)運命の人(スピッツカバー)
15)ほっぺたふわり(original for today, exたこやきソング)
16)ハローとグッバイ
………丸谷マナブ…………
17)きみといろいろ
18)プラネタリウム?
19)ハレルヤ

en.星のかけらを探しにいこう(福耳カバー) by メインアクト全員

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(一部写真は中村皓ブログからお借りしました)
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「ニッポン最先端×鉄ロック」@渋谷gee-ge
出演:郁彩 →田中芙蓉 →タナカユウスケ →Rihwa里帰りジョンリ →はいざらこうかん
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1番手はギター弾き語りの郁彩、19歳も残り僅か。

今夜は初のバンドライブ。dr.まびぃ、ba.村岡、gt.木原、pf.斉藤と4人のお兄さん達を引き連れて物怖じせず。そこはいいのだが、初バンドサポートという事で、えらい緊張気味。トークが結婚式のスピーチのよう(笑)それは歌にも出ていた。

緊張感が声帯を硬くしたのか、いつものように、伸びやかで強い声が出ていない感じ。するとグルーヴも出てこない。お兄さんたちの演奏に押されてしまい、せっかくの彼女の魅力が十分に堪能できない。

言い訳すれば、今夜はPAが違った。音作るなら、もう少しボーカルを際立たせるようにしてくれると、女性シンガーのステージでは楽しめるのにな。

それでも、細かい表現力とか増しているなあ、と思う。これで絶好調なら、12月8日の彼女の誕生日にここgee-geで開くという、人生初のワンマンはきっと楽しいものになるはず。これで歌い始めてまだ1年と数ヶ月というから、才能があることは間違いない。もっと、もっと高みを目指して欲しいよね。

1)free
2)私がこうして嘘をつく
3)Nineteen
4)カケラ


2番手の田中芙蓉は現役高校生のピアノ弾き語り。

うーん。ピアノは幼い頃からクラシックやってた様で、まあまあ上手い。発声はいわゆるオガワマユのような合唱風、かと思いきや、とんでもない。京劇と戸川純を足して割ったような展開。さらに、その歌いかたが極めて雑で、音もはずしまくり。うーん。

3番手はギター弾き語りのナカノヨウスケ。外にいたら、女性が歌ってるような声が。全編の3分の2をファルセットで歌うカストラートのようなフォーク?歌手。フーン。手拍子を強制したり、自分の考えが正しいぞと話すのはどうかな。自信家で、歌に関してはナルシストとみた。聞いていて、楽しくない。音楽を押し付けないで欲しいな。


4番手はRihwa from 札幌だ。

Rihwaもギター弾き語りで、今夜もソンルイ君のギターサポートつき。トレードマークのお団子髪と二つ分けが可愛い。カワイイ。そして、彼女の明るいキャラも本当にチャーミング。

ただ、今夜のセットリストはあまり僕が好きな曲が入ってなくて、ちょいと物足りない。「ミリオン」「Tell me what you want」「なぞれ」「ミリオンズ」「Right Now」とかが個人的に表なら、ぎりんやギルティは裏なんだかなあ。ま、個人的な好みの話だけど、アッパーな洋楽風の楽曲がすごく彼女の持ち味だと思うのだが。

それでも、気持ちよくメロディにのり、本当にまっすぐな声が、耳にとても心地よい。このままメジャーでも十分通じそう。最後のMy Wayでは、そんな真っ直ぐな彼女の勢いと魅力がもっとも良く出ていて、最後はやっぱり聞きにきて良かったと思う。

1)きりん
2)ギルティ
3)Change
4)可愛いお願い
5)My Way

新しい曲「Change」は、可愛いお願いに通じるカワイイ系の曲。彼女にしては、高い音域が多く、歌の幅を広げようとチャレンジしているのかも。

今夜のファッションもインディアンブランドのパステルグリーンやピンクなどが散りばめられたおしゃれなジャケット風。服と同じパステルグリーンのマニキュアで、キュートなおしゃれ。薬指だけシルバーというのもアクセントに。アコースティックギターのコードを押さえる指先に思わず目がいってしまった。

そんな彼女も、来年1月14日に、ここ渋谷gee-geで初ワンマンだ。その際には、これまで出してきたprivate#1,#2,#3という3枚のシングルの集大成的な初アルバムprivate zeroをリリースする。未収録曲も当然入ってくるそうで、これはなかなか楽しみ。

そして、このワンマンの時期から、いよいよ活動拠点を札幌から東京に移すという。東京で頻繁に彼女が活躍する姿を見られるようになるのは何よりの楽しみだ。


5番手は「里帰り」。pf&voゆり、vo>淳平、ba心太の名古屋在住3人組。柔らかくて、ノスタルジックで、今日一番聞いていて楽しかったかも。

男女のツインボーカルだが、二人とも決して派手でない。どちらかというと地味。でもただの地味じゃない。滋味があふれてる。優しくて、音楽大好きで、お客さんと一緒に楽しもうよと、温かい手をさしのべてくれる感じ。客席にいても、彼らの音楽空間の中に入れてもらい、リビングでくつろいでる感覚になる。

ちっちゃいけど時折客席に走らせる視線が輝く微笑みがきれいなゆりと、暖かい笑顔のプーさんのような淳平、それぞれが素朴な声で歌うソロが共に落ち着き、絡み合うアンサンブルも優しい。そして、合間でおどけるba心太クンの道化。ほっと落ち着くグループだ。

1)いつかまた
2)グライダー
3)小鳥
4)?夜の風にのって
5)変幻自在

名古屋も、いいアーティストいるね。もし転勤で名古屋に住むことになっても、里帰りとSing2Youがいるなら、ライブ通いも楽しいものになるな。転勤の予定はないけど(笑)


6番手は、予めシークレットゲストとの告知が。転換では、ピアノを中央に移動した。弾き語りなら、gee-geで今月ワンマンやるヒグチアイかflowersというイベントやってるSHUUBIが出て来るのでは、と期待が膨らむ。

そこに、颯爽と現れたのはザ・メジャーのピアノ弾き語り、ジョンリだ。

やや攻撃的な表情が魅力的で、ネイティブライクな英語で歌う洋楽のカバーは、しっとりした空気をしっかり表現し流石。なかなか、あれだけ洋楽を格好よく歌えるものではない。ゴスペルやR&Bのテイストも歌いまわしがボーカルに陰影をつける。ウタダを彷彿とさせる。gee-geで過去に見たことあるアーティストで近いシンガーだったら、Emilyや京田未歩かな。

そもそも、韓国人の両親のもとで日本で生まれ育って、インターナショナルスクールに学んだというコスモポリタンなバックグラウンドが、かけがえのないJYONGRIというアーティストを生み出したのは間違いない。シークレットゲストといいながら、他のアーティストのステージを後ろの方で姿を見せてみていた。ただ自分も含めgee-geのお客さんで、Jyongriだと気付く人がほとんどいなかった様だが。

今夜、歌ってくれたオリジナルのMaybe Somedayは、メジャー7枚目のシングルで、オリコンチャートで最高23位までいったとか。2006年にメジャーして、シングル9枚、アルバム3枚を発売し、それぞれがCMソングやテレビドラマの主題歌になっている。

いかにも王道な楽曲で、さすがメジャー。gee-geのような100席弱の小さなライブハウスで、目の前で彼女の弾き語りを見られたのはラッキー。今夜はアリシア・ケイのバラードを2曲カバーするなど、本人が「普段歌わないカバー」という構成で、しっとりした大人のステージで魅せてくれた。

でも彼女、大学生でまだ23歳。同世代の多くのインディーズの女の子が、このgee-geで歌っているが、どこか次元が違う。広く深い音楽的なバックグラウンドや、勝負する水準を高くしないと、幼い楽曲で満足してインディーズから一歩も先に進めなくなる。

1)Diary (Alicia Keysカバー)
2)Make You Feel My Love (Adeleカバー)
3)Maybe Someday
4)First Goodbye
5)Some People Want It All (Alicia Keysカバー)


さあそして、トリは「はいざらこうかん」だ。野郎ばかりのバンドだが、こいつらが、また音楽を心から楽しんでるといったステージで、見ていてとても楽しくなってくる。

今日の編成は、ボーカル&アコギの七種麗夢、ベースの七種麗生という兄弟と、ちょっとイケメンのキーボード加藤ようへい、サポートドラムの4人。その演奏は、とても明るく、都会的なおしゃれさも。若造ではないが、中年でもない。そんな彼らが、湘南の潮の香りが漂うようなゆったりしたリズムで、
思わず体を揺らさずにいられない素敵なグルーヴを作り出す。

曲名は分からないが、そんなことはどうでもよい感じ。解放しよう。最前列でノリまくっていた幸田大和くん(ニューヨークと自転車)が、会場ににぎやかさを大いに加えていた(笑)今度、はいざらと自転車というツーマンやるそうで、それも好きな人には楽しみだろうなあ。確かにこの2組、似ている。音楽が楽しいよね。

がっつり、力がある7組の競演。長丁場だったが、かなり楽しい夜でした。



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