2011/11/14 ジョンリ、里帰り、郁彩、Rihwa@gee-ge | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

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「ニッポン最先端×鉄ロック」@渋谷gee-ge
出演:郁彩 →田中芙蓉 →タナカユウスケ →Rihwa里帰りジョンリ →はいざらこうかん
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1番手はギター弾き語りの郁彩、19歳も残り僅か。

今夜は初のバンドライブ。dr.まびぃ、ba.村岡、gt.木原、pf.斉藤と4人のお兄さん達を引き連れて物怖じせず。そこはいいのだが、初バンドサポートという事で、えらい緊張気味。トークが結婚式のスピーチのよう(笑)それは歌にも出ていた。

緊張感が声帯を硬くしたのか、いつものように、伸びやかで強い声が出ていない感じ。するとグルーヴも出てこない。お兄さんたちの演奏に押されてしまい、せっかくの彼女の魅力が十分に堪能できない。

言い訳すれば、今夜はPAが違った。音作るなら、もう少しボーカルを際立たせるようにしてくれると、女性シンガーのステージでは楽しめるのにな。

それでも、細かい表現力とか増しているなあ、と思う。これで絶好調なら、12月8日の彼女の誕生日にここgee-geで開くという、人生初のワンマンはきっと楽しいものになるはず。これで歌い始めてまだ1年と数ヶ月というから、才能があることは間違いない。もっと、もっと高みを目指して欲しいよね。

1)free
2)私がこうして嘘をつく
3)Nineteen
4)カケラ


2番手の田中芙蓉は現役高校生のピアノ弾き語り。

うーん。ピアノは幼い頃からクラシックやってた様で、まあまあ上手い。発声はいわゆるオガワマユのような合唱風、かと思いきや、とんでもない。京劇と戸川純を足して割ったような展開。さらに、その歌いかたが極めて雑で、音もはずしまくり。うーん。

3番手はギター弾き語りのナカノヨウスケ。外にいたら、女性が歌ってるような声が。全編の3分の2をファルセットで歌うカストラートのようなフォーク?歌手。フーン。手拍子を強制したり、自分の考えが正しいぞと話すのはどうかな。自信家で、歌に関してはナルシストとみた。聞いていて、楽しくない。音楽を押し付けないで欲しいな。


4番手はRihwa from 札幌だ。

Rihwaもギター弾き語りで、今夜もソンルイ君のギターサポートつき。トレードマークのお団子髪と二つ分けが可愛い。カワイイ。そして、彼女の明るいキャラも本当にチャーミング。

ただ、今夜のセットリストはあまり僕が好きな曲が入ってなくて、ちょいと物足りない。「ミリオン」「Tell me what you want」「なぞれ」「ミリオンズ」「Right Now」とかが個人的に表なら、ぎりんやギルティは裏なんだかなあ。ま、個人的な好みの話だけど、アッパーな洋楽風の楽曲がすごく彼女の持ち味だと思うのだが。

それでも、気持ちよくメロディにのり、本当にまっすぐな声が、耳にとても心地よい。このままメジャーでも十分通じそう。最後のMy Wayでは、そんな真っ直ぐな彼女の勢いと魅力がもっとも良く出ていて、最後はやっぱり聞きにきて良かったと思う。

1)きりん
2)ギルティ
3)Change
4)可愛いお願い
5)My Way

新しい曲「Change」は、可愛いお願いに通じるカワイイ系の曲。彼女にしては、高い音域が多く、歌の幅を広げようとチャレンジしているのかも。

今夜のファッションもインディアンブランドのパステルグリーンやピンクなどが散りばめられたおしゃれなジャケット風。服と同じパステルグリーンのマニキュアで、キュートなおしゃれ。薬指だけシルバーというのもアクセントに。アコースティックギターのコードを押さえる指先に思わず目がいってしまった。

そんな彼女も、来年1月14日に、ここ渋谷gee-geで初ワンマンだ。その際には、これまで出してきたprivate#1,#2,#3という3枚のシングルの集大成的な初アルバムprivate zeroをリリースする。未収録曲も当然入ってくるそうで、これはなかなか楽しみ。

そして、このワンマンの時期から、いよいよ活動拠点を札幌から東京に移すという。東京で頻繁に彼女が活躍する姿を見られるようになるのは何よりの楽しみだ。


5番手は「里帰り」。pf&voゆり、vo>淳平、ba心太の名古屋在住3人組。柔らかくて、ノスタルジックで、今日一番聞いていて楽しかったかも。

男女のツインボーカルだが、二人とも決して派手でない。どちらかというと地味。でもただの地味じゃない。滋味があふれてる。優しくて、音楽大好きで、お客さんと一緒に楽しもうよと、温かい手をさしのべてくれる感じ。客席にいても、彼らの音楽空間の中に入れてもらい、リビングでくつろいでる感覚になる。

ちっちゃいけど時折客席に走らせる視線が輝く微笑みがきれいなゆりと、暖かい笑顔のプーさんのような淳平、それぞれが素朴な声で歌うソロが共に落ち着き、絡み合うアンサンブルも優しい。そして、合間でおどけるba心太クンの道化。ほっと落ち着くグループだ。

1)いつかまた
2)グライダー
3)小鳥
4)?夜の風にのって
5)変幻自在

名古屋も、いいアーティストいるね。もし転勤で名古屋に住むことになっても、里帰りとSing2Youがいるなら、ライブ通いも楽しいものになるな。転勤の予定はないけど(笑)


6番手は、予めシークレットゲストとの告知が。転換では、ピアノを中央に移動した。弾き語りなら、gee-geで今月ワンマンやるヒグチアイかflowersというイベントやってるSHUUBIが出て来るのでは、と期待が膨らむ。

そこに、颯爽と現れたのはザ・メジャーのピアノ弾き語り、ジョンリだ。

やや攻撃的な表情が魅力的で、ネイティブライクな英語で歌う洋楽のカバーは、しっとりした空気をしっかり表現し流石。なかなか、あれだけ洋楽を格好よく歌えるものではない。ゴスペルやR&Bのテイストも歌いまわしがボーカルに陰影をつける。ウタダを彷彿とさせる。gee-geで過去に見たことあるアーティストで近いシンガーだったら、Emilyや京田未歩かな。

そもそも、韓国人の両親のもとで日本で生まれ育って、インターナショナルスクールに学んだというコスモポリタンなバックグラウンドが、かけがえのないJYONGRIというアーティストを生み出したのは間違いない。シークレットゲストといいながら、他のアーティストのステージを後ろの方で姿を見せてみていた。ただ自分も含めgee-geのお客さんで、Jyongriだと気付く人がほとんどいなかった様だが。

今夜、歌ってくれたオリジナルのMaybe Somedayは、メジャー7枚目のシングルで、オリコンチャートで最高23位までいったとか。2006年にメジャーして、シングル9枚、アルバム3枚を発売し、それぞれがCMソングやテレビドラマの主題歌になっている。

いかにも王道な楽曲で、さすがメジャー。gee-geのような100席弱の小さなライブハウスで、目の前で彼女の弾き語りを見られたのはラッキー。今夜はアリシア・ケイのバラードを2曲カバーするなど、本人が「普段歌わないカバー」という構成で、しっとりした大人のステージで魅せてくれた。

でも彼女、大学生でまだ23歳。同世代の多くのインディーズの女の子が、このgee-geで歌っているが、どこか次元が違う。広く深い音楽的なバックグラウンドや、勝負する水準を高くしないと、幼い楽曲で満足してインディーズから一歩も先に進めなくなる。

1)Diary (Alicia Keysカバー)
2)Make You Feel My Love (Adeleカバー)
3)Maybe Someday
4)First Goodbye
5)Some People Want It All (Alicia Keysカバー)


さあそして、トリは「はいざらこうかん」だ。野郎ばかりのバンドだが、こいつらが、また音楽を心から楽しんでるといったステージで、見ていてとても楽しくなってくる。

今日の編成は、ボーカル&アコギの七種麗夢、ベースの七種麗生という兄弟と、ちょっとイケメンのキーボード加藤ようへい、サポートドラムの4人。その演奏は、とても明るく、都会的なおしゃれさも。若造ではないが、中年でもない。そんな彼らが、湘南の潮の香りが漂うようなゆったりしたリズムで、
思わず体を揺らさずにいられない素敵なグルーヴを作り出す。

曲名は分からないが、そんなことはどうでもよい感じ。解放しよう。最前列でノリまくっていた幸田大和くん(ニューヨークと自転車)が、会場ににぎやかさを大いに加えていた(笑)今度、はいざらと自転車というツーマンやるそうで、それも好きな人には楽しみだろうなあ。確かにこの2組、似ている。音楽が楽しいよね。

がっつり、力がある7組の競演。長丁場だったが、かなり楽しい夜でした。



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