2011/11/17 渋谷めぐみ、大黒美和子@日吉nap | 音楽偏遊

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「MusicFool~めぐみわこ~12.1.11記念祭」@日吉nap
出演:渋谷めぐみ、大黒美和子
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最近、仲良い2人。今年4月に共催企画ライブ「Music Fool vol.1」を赤坂グラフィティで開催して、ものまね芸人そのまんま美川のMCで爆笑の盛り上がりを見せた(いや、ちゃんと音楽イベントですよw)。その第2弾を来年1月11日に天窓.Switchで開くことが決まり、そのイベントの企画をファンのみんなとトークしながら考えちゃおう、というお気楽な「開催記念祭」ツーマンが開かれた。

会場は、渋谷めぐみが毎月ライブしているホームグラウンドの日吉nap。美和子ちゃんが日吉に来たのは初めてとのこと。冒頭、2人が登場して今夜の趣旨を説明してたのだが、美和子ちゃんが「日吉って思ってたより都会だねー」ってところから、日吉を馬鹿にしちゃあいけないって話に。渋谷めぐみが絡むと例のごとく、ぐだぐだーっとなってしまうのが可笑しい。止め処なくなりそうだったので、「じゃ、歌うわ」と先行の大黒美和子のステージへ。

今夜はキーボードやっくんのサポートで、かなりしっとりとしたステージ。最近のライブは、ロックやアニソンやアイドルなど、やりたいことを色々楽しんでる美和子ちゃんだが、今夜はオーソドックス。彼女の持ち味のどこか暗めで情念たっぷりのバラードを堪能できて、個人的には結構好きな構成だった。

「行方知レズ」や「To live without you」など、彼女が思い入れたっぷりに、あのきれいな声と素晴らしい表現力で歌うと、涙が出てきそう。彼女自身も自分の歌に泣きそうになってる。今はポップスを歌う彼女だが、プロの演歌歌手として10年歌ってきた歌心は今も変わりない。彼女の歌は、本当に泣かせてくれるのだ。

「歌に魂を込めよ」って、きっと幼い頃から叩き込まれた事だろう。それは基本だと僕も思う。美和子ちゃんが空気を吸うように実践している、その事を実際に若い女性シンガーたちが皆できているか、というと、そうでもない。ぜひ身に着けて精進してもらいたいもの。その点、美和子ちゃんだけでなく、例えば坂本麗衣や拝郷メイコ、木下直子らのステージには裂帛の気合を感じるのだ。それが、凄みとなる。



1)行方知レズ
2)癖
3)月が沈むまで
4)ギャンブル (椎名林檎カバー)
5)To live without you
6)初恋
7)君に歌う

感動的な「To live without you」で思いっきり会場をシーンとさせたら、「じゃあ、ここら辺で明るい曲を」ときた。次は「初恋」だなとすぐ分かる昔からの進行パターン。この流れを久しぶりに見れて、ほっとする。

最後は、音譜君が笑うなら、僕は笑う音譜と、明るい歌詞なのだがマイナーな曲調で彼女らしく歌いきった。暗めのバラードを続けながら、じっくり聞かせて満足感を与えてくれるアーティストは、やはり多くない。本当にいい歌手だなあ、としみじみ思う。


続いて、再び2人がステージに立ち、1.11の「musicfool vol.2」の企画トーク。会場からリクエスト曲を色々募ったり、全員に配られた青い紙に「あなたにとって音楽とは?」という単語を記入してもらい、その単語をつなげて詞を作る企画も。後で完成させた詞に曲をつけて、1.11.に2人で歌うという。少女時代やアムロ、カーペンターズに演歌まで色々提案あり。さて、本番で2人は何を歌ってくれることやら。

途中で酒の話になり、「飲みすぎると翌日、体から匂うよ。もちろん、ビールを20~30杯飲んだらの話だけど」ととんでもない事を言い出す渋谷めぐみに、酒を飲まない美和子ちゃんも目を丸くしていた。酒のみでも、ビール20~30杯飲みませんぜ(笑)さすが、ビールの神様ビール

歌の後攻は渋谷めぐみ。

今夜は、アコギ三井さんとカホン阿部さんがサポート。この2人は、11月11日にこれも渋谷めぐみの企画ライブ「いいオンナのいいロック」@赤坂グラフィティで、対バンの斉藤麻里をサポートしたメンバー。今夜は渋谷めぐみを支えるのだが、またアコースティックライブハウスだというのに、グルーヴたっぷりの疾走感ある音で楽しませてくれた。また、アレンジも音源に近い基本形で、耳になじみやすい。こういうのもいい。

シブメグの選曲も、やはりロックな「magic」から。「day after day」も今夜は早めのテンポで、ノリが良い。バスドラの連打から始まるビートの利いた「ユメオチ」も、カホンながら迫力たっぷり。ぐいぐいと、艶やかで強い彼女のロックな声でたたみかけた。



1)magic
2)隠し事
3)day after day
4)trap
5)秘密
6)ユメオチ
7)涙

最後は二人で歌うと、予めアナウンスがあったので、お客さんは待ってたら、シブメグ本人が「アンコール、アンコール」と手拍子を煽る。二人ではアンコールで歌うのね(笑)みなプログラムの中のヒトコマと思ってたよw

拍手が広がったところで、美和子ちゃんとキーボードのやっくんを呼び込み、2人がそれぞれ選んだカバー曲を熱唱した。

二人とも難しい曲を選択してるのがポイント。Ego-Wrappin'に椎名林檎だビックリマーク自分への自信と相手の歌唱力への信頼があるからこそだろう。案の定、二人で代わる代わる、どちらも見劣りすることなく、共に格好よく歌いあげた。どちらかの歌唱力がイマイチだと、こういうところで差が歴然として、聞いてて切なくなることがある。でもさすが、この2人は上手い!



en.1 色彩のブルース (Ego-Wrappin')
en.2 丸の内サディスティック (椎名林檎カバー)

また、ギター三井さん、パーカッション阿部さん、キーボードやっくんの3人の演奏も見事。アコースティックながら、おしゃれさと迫力を見事に演出。特に最後の椎名林檎はドラマチックで激しかった。最高でした。

おまけ↓